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世の中ではサブスクモデルというか、少額で長く支払い続ける支払い方法が大流行しています。

元々、電気やガス、水道料金のような公共料金から始まり、電話料金、新聞購読など、こうした一括支払いではないモデルは古くから定着しています。

一度に高額の一括支払いができなくても、少額ならば支払えるというメリットを生かして、スマホ本体の支払いや、有料会員等の支払い、最近では自動車まで、利用者も多いのではないでしょうか。

名称こそサブスクというなにか新しい印象を与えていますが、考えてみると、住宅ローンなどローンや割賦販売、リース契約などもそれに近いもので、お金持ちであれば、ポンと現金で買うモノを、誰にでも買えるようにした便利なシステムです。

このサブスクモデル、どうしてこれほど流行しているかと言うと、若い人の所得が伸びない中で、どうすれば物欲を刺激できるかということを考えた結果、スマホ、元々は携帯電話で「初期費用0円!」「携帯電話無料!」「基本料金3ヶ月無料!」など、初期費用と長い契約期間で月々費用を抑えつつ本体料金を別の名目の基本料等に紛れこませるなどして、飛びつきやすくして成功したことによるでしょう。

最近は新車のマイカーの購入に代わりサブスクで利用できる仕組みが人気です。サブスクと言ってもすでに一般的になっている法人向けのリース販売とさして変わりません。契約期間の違い(リースよりサブスクのほうが契約期間が長いのが一般的)と、車両の持ち主がリース会社か自動車販売会社の違いぐらいでしょう。

マイカー購入にはローンでも最初にまとまった資金が必要です。給料が上がっていかない若い人にはなかなか厳しいですが、本体価格、車検等メンテナンス費用、保険と各種税金に利子や利益を加えた総額から、解約時の中古車価格相当額を差し引いた金額を分割で支払ってもらう仕組みです。

月々の支払い金額は一見すると安く見えるかもしれませんが、自動車メーカー、販売会社、ファイナンス会社、保険会社のいずれも(必ず、たっぷり)儲かる仕組みですから、現金払いと比べてユーザーがお得になることはまずありません。

もしサブスクでなく、全額自己資金で購入すれば、車両本体の値引き、ファイナンス会社に落ちる金利や手数料、車検などメンテナンスを販売会社よりも安い町の修理工場に依頼したり、DIYやユーザー車検を利用することで大きく出費が抑えられます。

またもしなにかの都合でクルマを手放さざるを得ないとき、購入していれば中古車販売店ですぐに売れますが、サブスクモデルだと経過期間によっては違約金をたっぷり取られます。
次に車の買い換えの時は下取り車として購入価格を抑えることができますが、サブスクではそう言うメリットはありません。



誤解を恐れず言うならば、このサブスクモデルは、いわば持たざる貧者向けのビジネスです。

上の写真は、トヨタ(左)とホンダ(右)のサブスクの紹介ですが、見事にちょっと前(今でも同じ)のお金に困った人向けビジネス「サラ金(消費者金融)」の広告とまったく同じイメージでしょ?つまり対象者が同じなのです。

高額で一括では買えない人向けに、初期費用や月々の支払いを小さくみせつつ長期の契約で縛り、囲い込まれてそこから容易に離れることができず、契約が終わりそうになると次の新しいモデルを買い(買わされ)、延々と支払いが続いていきます。

こうしたサブスクモデルを提供している企業からすれば、これほどおいしい客はありません。ユーザーと価格交渉などなく、ネットでも簡単に販売ができます。

そして契約すればあとはなにもしなくても毎月毎月愚直に支払ってくれて、違約金を考えると途中で逃げる(解約)ことはほとんどありません。

他にも最近はインターネット回線の契約キャンペーンが過激化していて、他社の光ネット契約から変えると5万円以上の現金キックバックがもらえるキャンペーンとか普通にやっています。

なぜそんな金額をプレゼントしてでも契約を取りたいかと言うと、当たり前ですが、一度契約してくれると何年も継続してくれて十分元がとれるからです。

私も3年前にネット回線をJ:COMからNUROに変更した経験があります。その時の収支は下記の記事のシリーズで書いていますのでご参考まで。

やっとのことでJ:COMを退会した その1 2019/8/10(土)

それなら、スマホや回線などいつも安くなるようにしょっちゅう乗り換えればいいのでは?と思いますが、これが結構たいへんで面倒臭いのです。

回線契約もそうですが、その他、各種の会員契約についても入会するときはワンクリックでできても、退会するときは大変な作業が待ち受けていることを覚悟しなければなりません。

アメリカでの話ですが、下記のような記事が出ていました。

Amazonプライムが解約しづらすぎる問題がついに解決されてたった「2クリック」で退会完了に、ただし日本は対象外(GIGAZINE)
解約方法が複雑なことで有名なAmazonプライムは、ユーザーをだまして退会を断念させる「ダークパターン」だとたびたび非難されており、2021年にはノルウェーの消費者当局がAmazonを訴える事態にまで発展・・

Amazonという超有名企業ですら退会するのが難しいのに、あまり有名でない、しかも悪意がある企業に一度有料会員になってしまったら、もう退会するのは無理!って思われるようなところもあります。

例えば、入会するのはネット上でクリック1回すればできるのに、退会する時はカスタマーセンターへ電話をしなければならないとなっているところがあります。

なぜ電話しなければダメなのかとその理由を聞くと、「誤って退会されたり、他人が勝手に退会処理をしないように、慎重を期している」とかの話が返ってきます。

そんなのは嘘で、「退会への障壁を高くする」というのが一番の理由です。

それでも、ちゃんと退会用のカスタマーセンターへ電話がつながればマシなほうで、中には「退会の電話申請は平日の10時から16時まで(12時から13時は休止)」とあり、普通の仕事を持っている人なら仕事中なのでなかなか電話ができず、さらに決定的なのは、「現在回線が混み合っています。」と、その時間帯はまずつながらないようになっています。

企業側からすれば、1回線を解約専用回線とし、ずっと受話器を上げておけば退会者が出ることはないという仕組みです。

そして退会申請の電話がつながったとしても安心はできません。何百人、何千人の退会申請電話を受けて対応してきた海千山千の引き留め係が様々なテクニックを駆使して退会を阻止してきます。

それで実際に退会を思いとどまる人が多そうです。数ヶ月無料にするとかのお得作戦か、それでもダメなら一種の心理作戦で、退会するのは悪いことをしているようにすり込まれます。それらをはねつけられる人はとても勇気ある人です。

中には個人情報を握っていることで脅されることもありますが、それは立派な犯罪ですので、通話を録音して警察へ届けるべきでしょう。

入会するときに、退会するときのことって普通は調べないし、調べても実際にやってみないとわからないというのが実態です。

なので、月々(年々)お金が引き落とされてしまうような、サブスクモデルや有料会員契約をするときは、相手をしっかりと見きわめて、さらに契約期間と総額を調べて慎重に判断するほうが良さそうですよ。

【関連リンク】
1539 金利金利金利
1417 31年間の住宅ローンから解放される
473 割賦販売の罠は誰でも知っているが、、、


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