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暗幕のゲルニカ(新潮文庫) 原田マハ

2016年に単行本、2018年に文庫化された国際サスペンス小説で、主人公はニューヨークにあるMoMA(Museum of Modern Art)、NY近代美術館でキュレーターとして働く架空の日本人女性と、もうひとり1930年代後半、フランスに住んでいたスペインの画家ピカソのモデルであり、愛人でもあったカメラマンを本業とするフランス人のドラ・マールという実在した女性の二人です。

物語は、1930年代、第2次世界大戦が始まり、やがてパリにもその戦火が及ぼうとしている中と、現代の二つの時代が交互に描かれます。

その1930年後半頃のパリではピカソが住まい兼アトリエを構えていましたが、スペイン共和国政府から、1937年に開催されるパリ万博のスペイン館の目玉として巨大な絵を描いて欲しいと頼まれます。

その後、フランコ総統が率いる反乱軍とフランコに協力しているヒトラーが率いるドイツ軍がスペインの都市ゲルニカを無差別爆撃し、市民を巻き込んだ破壊をおこないますが、ピカソはパリでそれを知り、戦争の醜さを伝えるため、空爆でメチャクチャになったゲルニカの模様を抽象画として描いたのが大作ゲルニカです。

そのゲルニカの制作過程を、ピカソはドラに写真で残すことを許可し、それは現在でも見ることができます。

ゲルニカは現在スペインのレイナソフィア王妃芸術センターに保管されていますが、その絵をピカソ本人が監修し忠実に再現したタスペトリーが国連安全保障理事会の廊下に飾られています。

言うまでもなくゲルニカはピカソが放った反戦思想を象徴する絵画ですが、9.11後にアメリカが報復のためタリバンを支援するアフガニスタンを空爆する記者向けの発表をおこなう際に、そのゲルニカに暗幕がかけられるという事態が起きます。

そうした反戦画を覆うという暴挙に抗議するため、ニューヨークのMoMAでピカソ展を開きその目玉として隠されたゲルニカの本物をスペインから運び込み展示しようとするのがもうひとつの現代の話しです。

特に1930年代の話では、ほぼ実在していた人物が登場し、歴史を垣間見るような気分に浸れます。

なかなかの大作ですが、面白いだけにスイスイ読めて、様々な妨害やテロ組織との対決など、エンタメ用のサスペンスもたっぷりで「日本版ダ・ヴィンチ・コード」のような感じです。ハリウッド予算で映画化できると面白そうなのですけどね。

★★★

著者別読書感想(原田マハ)

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翼(鉄筆文庫) 白石一文

「死様」をテーマにしたTwitterでの競作小説で、2011年に単行本が刊行され、その後2014年に文庫化されました。

主人公の女性は半導体の大手企業に勤める中堅社員ですが、風邪を引いて会社近くのクリニックへ行くと、大学生時代の親友と結婚している男性医師とバッタリ出会います。

その男性は大学生時代に、つきあっていた主人公の親友と別れるから結婚して欲しいといきなり迫られるという異常な過去があり、今でもまだその要望は強く残っていることがわかります。

女性にしてみれば、そうしたエリート医師にずっと慕われ続け、さらに言葉に出して結婚して欲しいと言われると心が動かないはずはないと思いますが、主人公は親友との関係もあり、悩みながらも拒否し続けます。

そこで、競作のテーマになる「死様」ということになりますが、それは読んでもらうとして、なかなか複雑な人間模様で個人的には「ありえねー」という感じですが、メロドラマだと思って読むとそれなりに面白く読めるかも。

しかし(男性が考える)女性心理を描かせると、谷崎潤一郎か、三島由紀夫か、宮本輝か、浅田次郎か、白石一文かっていうぐらい、見事な出来映えです。

★★☆

著者別読書感想(白石一文)

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訣別(上)(下)(講談社文庫) マイクル・コナリー

ハリー・ボッシュシリーズ第19作品目で、2016年にアメリカで刊行、2019年に日本語翻訳版が出ています。原題は「The Wrong Side of Goodbye」で、その意味は訳者も「ひどい別れ」「悪い別れ」など、あとがきに書かれていますがやや迷っている感じを受けました。チャンドラーの「The Long Goodbye」をもじっているという案に賛成です。

前作「贖罪の街」では、ロス市警の定年雇用延長が不祥事で終了してしまい、フリーの立場で腹違いの弟のリンカーン弁護士ミッキー・ハラーに雇われ調査官として事件に関わっていきましたが、今回は、第10作の「天使と罪の街」以来の私立探偵免許を再取得し、さらにカリフォルニア州にある小都市サンフェルナンド市の無給の補助刑事として2足のわらじを履いてそれぞれで活躍します。

今回ボッシュが取り組むのは、ひとつは私立探偵として高齢で余命幾ばくもない大富豪に頼まれた直系の遺産相続人捜しと、もうひとつがサンフェルナンド市で連続して起きていたサイコパスな婦女暴行事件の捜査です。

大富豪の遺産相続問題に関しては、ミッキー・ハラーと協力して難題を解決していき、もうひとつの連続暴行魔については、長年の刑事としての勘を働かせ、追いつめていきます。

今回はボッシュ本人や無防備な娘のマディに直接危険は及びませんでしたが、ボッシュとともに事件を追っていた女性刑事が行方不明となり命の危険が迫ります。

せっかく取得した私立探偵の免許ですが、サンフェルナンド市警でフルタイム勤務を求められ、次回作ではまた本職の刑事として活躍しそうです。

★★☆

著者別読書感想(マイクル・コナリー)
ハリー・ボッシュシリーズはまだ未完

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スマホ脳(新潮新書) アンデシュ・ハンセン

著者は1974年生まれでスウェーデンの精神科医です。本書(日本語翻訳版)は2020年に出版されていますが、書かれたのはコロナ禍前の2019年頃だったようです。「前書き」に新たに追加された「新しい前書き」が急遽加えられ「コロナに寄せて」の一文がありました。

スウェーデンでは大人の9人にひとりの割合で抗うつ薬を処方しているということで、それらが2010年頃から急速に増えてきたことを実感し、スマホと精神衛生の関係を様々な研究と実験などで明らかにしています。

結論から書けば、人間の脳はこの新しいデジタル機器をまだうまく使いこなせない上に、そこで表示されるアプリやSNSなどは、金儲けのために最適化されていて、必要以上にそれを長く使わせようと工夫されていてそれらも身体にとって不眠や不安などをあおることになっているということです。

スマホを手放せない現代人にとっては耳の痛い話しばかり出てくるので、「その調査が事実という証拠がなにも示されていない」とか、「体調不良にはもっと他に要因があるはず」とか、「スマホにはまっていながらまったく異常のない人も多い」とか反論したくなりそうです。

著者は精神科医と言うこともあり、20万年前に出現してきたホモサピエンスの脳は現代人にどういう進化を遂げてきたのか、またしてこなかったのかを詳しく説明し、HPA系(視床下部、下垂体、副腎系)のシステムについて、またドーパミンやエンドルフィン、セロトニンなど脳が指令を出す条件などが書かれています。

例えば、カロリーの高い食べ物を見ると、栄養的にはもう十分であっても脳はもっと食べろと命令し、それが現代の肥満を増加させています。それは人類の歴史上、生きていくためにもっとも大切だったのは飢餓対策で、脳は摂れるときにできるだけ多くの栄養をとるようにできているからという理屈です。

ではスマホは人間にどのような悪習を与えているかというと、スマホを使う時間が急激に増えて、運動や人とのコミュニケーションをする時間が減ってきていることや、数分ごとにスマホに意識するようになり、他の大事なことへの集中力が低下し、ストレスがたまって不安になったり不眠症に罹ったりするそうです。またスクリーンが発するブルーライトは、夜でも脳に「今は昼間だ」という誤った情報を入れることになり、不眠症や体調不良の原因となるそうです。

対応法としては、スマホを使う時間を決めて、使わないときには電源を切るとか別の部屋に置き、スマホに費やしていた時間を運動(散歩程度で良い)にあてたり、人と話しをしたりすることを推奨しています。

また、特に子どもの使用には注意が必要で、生きていく上で大切な知識を得るべきときに、なんでもすぐスマホに頼ってしまい、他人とコミュニケーションをとるのが苦手になったり、スマホがなければ何もできない大人になってしまうことを憂いています。

今は学校でもタブレットを使った教育が進められていますが、実際は紙の教科書で紙のノートに手書きで書いて覚える方法が最適で、これはスティーブ・ジョブスやFacebookの幹部が自分の子どもにはスマホは使わせないと言っているように、子供の頃からスクリーン(スマホなどモニター)漬けにするのは良くないと言っています。

私の場合は、高齢者と言うこともあり、スマホの小さな画面が苦手(見えない)で、もっぱらスマホはカメラと歩数計、時々電話化していて依存症からはほど遠い存在です。でも子ども達への制限をしてこなかったせいで、今では立派な依存症に陥っているようです。

★★☆

【関連リンク】
 6月前半の読書 ニワトリは一度だけ飛べる、もう年はとれない、冷血、旅行業界グラグラ日誌
 5月後半の読書 贖罪の街(上)(下)、ストロベリーライフ、最澄と空海、王国
 5月前半の読書 ユナイテッド・ステイツ・オブ・ジャパン、ゲーム・メーカー 沈黙の侵略者、漂流、JR上野駅公園口


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