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個人的にFacebookで加入している趣味のクルマ関連のグループがあります。加入した目的は、クルマの整備や故障の修理はできるだけ自分でおこないたいので、その手法やアイデアを知りたかったからです。

もうずっと昔に「最近はタイヤ交換ができない人が増えてきた」とか、初めてセルフスタンドへ行って「どのガソリンを入れれば良いかわからない」とか「給油方法がわからない」とか言う人がいると聞いて、せめて最低限のクルマの知識は持つべきなのになぁと思っていましたが、興味がなければ教習所で教わらないことは知らなくても当たり前なのかも知れません。

そしてそのFacebookのグループで、「車検前にワイパーを交換してもらった」「バッテリーがダメと言われて交換してもらいました」「点検時にエアコンフィルターを交換してもらった」「花粉で汚れたのでディーラーで洗車してもらった」などの投稿がよくあります。

ビッグモーター多摩ビッグモーターでの不正では、保険会社に多くの保険金を請求するための不正もありましたが、それ以外に車検や修理の際にユーザーに対してまだ異常や問題がなくても売上ノルマを達成するため「○○がダメなので交換した方が良い」と伝え、必要がないものまで交換や修理をおこない余分な請求をするというのがありました。

さらにもっとひどいのは、新品と偽り中古部品を取り付けて、新品の高額な料金を請求していたなどの事例がありました。

またディーラーでも不正とは言えませんが、かなり過剰に消耗品(ワイパー、各種フィルター、各種油脂類、バッテリー、タイヤ、ブレーキパッド、点火プラグ、など)の交換を勧めてきます。「安全のため」と言われるとそうなのかな?と思う心理を突いてきます。

そうした交換や修理は本当に必要なの?と言えば、ほとんどが必要ないものが多いのが実態です。各消耗品には使用年数や走行距離などの基準がありますが、それを超えたらもうダメということではありません。

以前、軽自動車を新車で購入し、3年後に最初の車検を迎えるときにディーラーで見積書を出してもらいました。

すると、当たり前のようにしれっと15万円の見積書が出てきました。強制保険と車検印紙代など車検時に必要な費用はその中の26,000円だけです。

いったいなにをどう整備すれば3年しか経っていない上に走行距離もわずか1万キロほどの軽自動車の初回の車検に15万円もかかるのか呆れかえりました。

しかしクルマに詳しくない人なら、「そんなものかな」って思うのでしょう。また親しくしているディーラーの担当者を疑うことはないのでしょう。

私は、過去何度も車検を経験しているのと、軽整備は自分でするので、ディーラーの営業担当に「問題外なので車検は他へ持っていく」と伝えたら、慌てて総額74,000円の見積りが出てきました。

つまり最初の見積りの半分以上76,000円分は必要がない(と私が考える)整備代が乗っけられていたことになります。知りませんでしたが、一般世間ではこんなひどいことになっていたのですね。

もちろん安全や不意に起きる故障を考えて裕福な人が過剰な整備をしておくのは個人の自由ですから、ディーラーも商売なので「アレもコレも交換」って何も知らない客に勧めるのは不正とは言えません。

なので正しくは騙しているとまでは言えませんが、私に言わせると、「無知な人にはしれっと高額請求」ですから、一種の騙しと言っても差し支えないと思っています。ビッグモーターでの上記の新品と偽って中古部品を使う不正(報道によると)はユーザーを騙しているので悪質です。

ビッグモーターの不正は普段ボンネットを開けもしない素人さんには、バッテリーやフィルター類に中古部品を使ってもわかりっこないだろうと完全になめられているのでしょう。

車検制度はクルマの点検・修理や予備的な修理を促進することで安全に貢献していると思われます。発展途上国で日本で使われた中古車に人気があるのは「車検制度があるので整備が行き届いている」との評判があるからです。

しかし車検制度は、すべての整備や点検をディーラーなどの専門家にまかせ、ユーザーに自らが点検・整備し、異常を察知する能力を奪いました。

タイヤ交換はもちろん、洗車したりボンネットすら開けたことがないというユーザーが増大していくことになります。シェアカーが流行るのもそうした自分ではなにもしたくない人が使うのに適しているからと言えます。

例えばワイパー、エアコンフィルター、エアクリーナーなどの消耗品交換や、タイヤの空気圧チェック、エンジンオイルの量と粘度は自分でも簡単におこなえる軽整備で、車種によりますが多くの場合は工具(ドライバーなど)すら必要とせず、時間も数分で済む整備です。

それでもディーラーなどに依頼をすると、部品代が通販で同等品を購入するより何倍かの高額な価格で、さらに数分で終わる作業なのに作業代として数千~数万円が請求されるのが普通です。

バッテリーの交換も、純正バッテリーよりずっと性能が高い製品が通販で1~2万円で購入でき、コツさえ知っていれば30分もかからずに自分でDIYできますが、ディーラーに丸投げすると最低でも4~5万円は請求されます。

ワイパーがビビるからとディーラーへ駆け込む人がいますけど、水滴を弾くガラスコーティング剤などを使うとノーマルのワイパーならビビることが多いです。でもそれは仕方ないことなので、嫌ならコーティング剤を使わないか、ワイパーにビビリ防止剤を塗るか、ワイパーゴムをコーティング剤対応のものに自分で調べて替えるべきです。

あと、高いけど純正部品を使うのが正義という意見もありますが、それって45年前にNECのパソコンを買うと、「純正以外のフロッピーディスクを使っての故障は保証できない」と書いてあったそのまま今でも生きている慣習です。今やバッテリーやタイヤなど純正備品より優れた互換品もいっぱいあります。一律に互換品を粗悪品と考えるのは昭和時代の悪い慣習です。

インターネットが普及していない時代は、整備の知識はクルマ雑誌を読むか、知人に聞いて知識を得るしかありませんでしたが、今ならそうした軽整備はいくらでもネットにあがっていて、さらに車種ごとに動画で詳しくやり方が説明されているものまであります。

ブレーキやエンジン関係など素人が手を出さない方が良い重要保安パーツの交換や整備はプロにまかせるとして、最低限でも月に一度程度の洗車や、上記に書いたフィルター類(エアコンフィルター・エアクリーナー)やワイパー、バッテリーぐらいは自分でおこなうことで、悪徳業者に騙されることはなく、費用がずっと安く済み、自分で整備したクルマに愛着が湧くというものではないでしょうか。

【関連リンク】
1726 出遅れた日本のEV戦略は巻き返せるか?
1701 信号待ちでサイドブレーキを引かない?
1660 ホンダ国内販売凋落の兆しなのかも知れない



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