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先月「国家戦略会議」(議長・野田佳彦首相)の「フロンティア分科会」(座長・大西隆東大大学院教授)が、日本のこれからの雇用の長期ビジョン「フロンティア構想」として報告書をとりまとめ、発表されました。

<フロンティア分科会報告書>
あらゆる力を発露し創造的結合で新たな価値を生み出す「共創の国」づくり (PDF)

これが大きくニュースとなって報道され、賛否両論ありましたが、ニュースを一読しただけだけではなんのことかさっぱりわからなかったので、少しまとめてみます。もちろん38年後といえば私はもうこの世とはとうにおさらばしているはずなので、どうでもいいっちゃいいのですが。

ニュースの概要は、
フロンティア分科会:40歳定年制など提言 実現は不透明(毎日新聞)

2050年の日本のあるべき姿を検討してきた有識者会議「フロンティア分科会」が7月6日、首相に提出した報告書は、雇用流動化で経済を活性化させるための「40歳定年制」の導入や、高所得者への社会保障給付の削減など大胆な政策を提言した。現状への危機感を踏まえたものだが、どこまで実現するかは見通せない。
(中略)
そのための施策として、少子高齢化に対応して75歳まで働ける雇用環境を整備する一方、40歳定年を選べる制度作りも提案。働き盛りでひとまず定年を迎え、成長企業に転職することなどを想定している。
(後略)
とのことですが、この後段部分を読んで理解できる人がいるのかどうか?

日経新聞はもう少し詳しく書かれています。
雇用流動化へ「40歳定年を」、政府が長期ビジョン、労働者の再教育を支援(日本経済新聞)

国家戦略会議の分科会は6日、国の長期ビジョン「フロンティア構想」の報告書をまとめた。国家の衰退を防ぎ、個人や企業が能力を最大限生かして新たな価値を生む国家像を2050年に実現するための政策を提言。「40歳定年」で雇用を流動化するなど労働生産性を高める改革案を盛り込んだ。
(中略)
改革案の柱は雇用分野だ。60歳定年制では企業内に人材が固定化し、産業の新陳代謝を阻害していると指摘。労使が合意すれば、管理職に変わる人が増える40歳での定年制もできる柔軟な雇用ルールを求めた。早期定年を選んだ企業には退職者への定年後1~2年間の所得補償を義務付ける。社員の再教育の支援制度も作る。雇用契約は原則、有期とし、正社員と非正規の区分もなくす。
もっとも定年制の前倒しには労働者の強い反発が必至だ。社内教育で従業員に先行投資する企業側の抵抗も予想される。改革の実現には転職市場や年功型の退職金制度、人材育成などと一体的な検討が必要だ。改革案は長期的な指針で、全
て早期に実現を目指すという位置づけではない。
(後略)

ここでは「雇用問題」に限定しますが、上記で言いたいことは

前提
1)現在の60歳定年制は雇用の硬直性を招いている
2)現状のままでは企業は40年後には新興国に敗れる
そこで
3)付加価値の高い産業や仕事で時間や場所を選べる労働が理想
例えば
4)企業は40歳定年制も選択できるようルール改正する
5)早期定年者には1~2年の所得補償義務づけや再教育支援制度を実施
さらに
6)雇用は有期契約のみとし正規・非正規の区分を廃止する

と言ったところでしょうか。

これを見て感じたのは、あくまで雇用する側(使用者)の立場での論理構成だなと感じました。委員会の構成メンバーの多くが大学教授で、一般社会と企業の現実を知らなさすぎるというのが最大の要因でしょう。

つまり安い給料で元気に働いてくれる30歳代までの人を企業は積極的に使い、40歳代以上は体力も落ちて持病も多くなり、さらに仕事よりも家庭を中心と考えるようになるので、ごく一部の役員候補以外は自動的に若年定年制にして追い出し、企業は身軽になって国際競争力をつけようと言っているかのようです。

そしていったん役員になりさえすればそれこそ70代でも80代でも何歳でもOKよと。それは支配層にとっては夢のようなパラダイスでしょう。

しかし現実はというと社会保障費削減のあおりを受けて、年金受給開始が遅れ、働きたくなくても定年を延長して65歳に、さらに70歳にしようという方向まで決まっています。

そしてこれからの主役となってくる若い新卒の社員達は、ずっと定年までひとつの会社で働きたいという願望が年々強くなってきています。

これらの記事の「40歳定年」と言っているのは、どうも現在の60歳定年と同じ意味の定年ではなさそうで、一部の企業で導入され始めている「選択定年制」のようなものなのかなと最初は思いました。

もし現在の「選択定年制」であれば辞める辞めないは雇用者側が判断するのであって、長くそのまま働きたい人は残ってもなんら問題はないのですが、ここではそうではなさそうです。

結局「使用者側が柔軟に決められる定年制」と呼ぶべきでしょうか。まるで使用者が絶対的立場で強く、従業員を奴隷のように扱い女工哀史を生んだ明治、大正の頃の大企業労使関係のようで、時代を逆行しているように感じます。

また現在は有期と無期が入り交じっている雇用契約を、すべて有期雇用にするということは、欧米の雇用契約に近づけようという意味合いなのでしょうが、これも使用者側にとっては誠に都合がよい雇用形態です。

通常有期雇用契約と言えば最大で1年間ですから(プロ野球の3年契約とかは雇用契約ではなく球団参加契約)、使用者が毎年残したい人だけ選抜し、あとはその時の業績や気分で自由に解雇ができるという使用者側からすると願ってもない夢のような話しです。

この改革案は直ちに政府方針となるわけではないとのことですが、こうまでして学会や政界はパトロンの経済界におもねって雇用の流動化を推進し、アジアの新興国に対し経済や政治で必死にリードを守っていく必要が本当にあるのでしょうか。

超高齢化に向かうこの社会において、しゃかりきになってアジア各国と経済競争をするのではなく、国内内需に重点を置いて世界に羨ましがられる国や社会インフラを作り上げ、日本へ行けば世界でトップクラスの医療、介護、エンタテーメント、リゾートなどの質の高いサービスが得られ、世界中(のお金持ち)から老後はこの安全で清潔な国に移り住みたいと思ってもらえる国を目指すほうが、国際社会の中においてずっと存在感が増すのではないでしょうか。

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