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マイカー(2リッターセダン)を3回目の車検を前に乗り換えることにしました。最近の国産車は頑丈で、スタイルや燃費はともかく、10年や15年ぐらいではさして故障することもなく、日常使う分にはまったく支障がありません。

20年以上前のクルマだと、10年も経過すれば、ボディやトランク内のあちこちから錆が浮かんでくるのが常でしたが、近年は溶接や塗装技術の向上で、10年ぐらいでは見事なぐらいに綺麗なままを維持しています、

そのクルマをなぜわずか7年で乗り換えたかって?

免許を取って19歳ぐらいから37数年間、ずっと5ナンバーの小型または3ナンバーの普通乗用車に乗ってきましたが、今回初めて軽自動車に試乗する機会があり、期待もせずに乗ってみたところ、たいへんなショックを受けました。

元々はすぐに買い換えるつもりも、まして乗り換えるにしても軽に乗り換える気はまったくなかったのですが、つい魔が差したというか、、、。

軽自動車といえば、「貧乏臭い」「非力」「狭い」「危険」という固定観念が出来上がっていましたので、なおさらなのですが、今回試乗した軽自動車は、乗ってみても、そしてカタログの装備など内容を見ても、固定概念すべてを打ち破るものでした。

車両価格では倍以上、税金や保険、燃料費など維持費も倍近くする今乗っているクルマと比べて、試乗した軽自動車は、横幅以外は車内がゆったり広々としていて、サイドのカーテンエアバッグや衝突防止の自動停止ブレーキ、横滑り防止装置、4輪アンチロックブレーキ、坂道発進の逆進を防ぐヒルスタートアシスト機能、オートライトなど、安全装備が充実しています。

さらにパワーも市街地を走る分には、なんの不満もないぐらいに進化していて、モタモタと鈍くさいイメージはなく、燃費はアイドリングストップ機能の効果もあり、リッター30kmを超えるモデルさえ珍しくありません。

ちなみに私が乗っている15年前の100ccのミニバイクはリッターで20kmぐらいしか走りませんからカタログ通りならミニバイクよりも燃費のいい自動車になります。

それに子供達が大きくなって、クルマを利用したい時もあるようで、今乗っているクルマよりも、取り回しが楽な小型車か軽自動車がいいらしく、そのリクエストにようやく応えることができそうです。

電車などの交通が少ない地方に住んでいると、旦那用に普通車、妻や子供用に軽自動車という一家に2台以上のクルマを保有するケースが多いですが、一方では都会に住む人の中には、エコ意識、維持費の高騰などからクルマを手放す人も増えています。

我が家はJRの駅まで徒歩8分、私鉄駅までも自転車で10分程度と、電車を使っての通勤通学には比較的恵まれた環境ですが、育ち盛りの子供が三人もいるので、毎週最低1度、日用品や食料品をまとめ買いする量が半端なく、それらを運べるクルマを手放すことはできません。

それに10年ほど前に股関節を悪くしてからは、長距離を歩くことも、自転車に乗ることもできません。ミニバイクはたいへん重宝しますが、雨の日やちょっと遠出する時には困り、また荷物の積載量も限られていて、やっぱり移動に自動車を欠かすことができません。

ただ軽自動車にすると、1日に700キロ近くを走るようなロングドライブはできなくなりそうです。って言うかもうそういう旅行は最近は滅多にしなくなりました。

たまたまご近所に、私が買ったのと同じタイプの軽自動車を1年前に買った人がいて、その方と少し雑談をしました。その方も普通車から初めて軽自動車に乗り換えたとのことです。

 私 「軽自動車の走りはどうですか?」
 近 「走りは市街地ではまったく問題なく、狭い道で小回りがきいて楽ですよ」
 私 「高速道路は軽自動車では厳しくないですか?」
 近 「先日長野まで走ったけどエンジンの騒音以外は問題ないよ」
 私 「普通車から乗り換えて不満な点は?」
 近 「う~ん、、、、特にないねぇ」


ま、感じ方は人それぞれですが、今の軽自動車は上級仕様なら小型自動車のスタンダードモデルよりも高価だったりしますが、それだけ安全性や快適性などの装備面には力が入っていて、ドライバーの満足も高いようです。

ただいかんせん、660ccというエンジン排気量の小ささゆえ、加速など瞬発力、長い登坂時のエンジンの粘り、高回転まで回したときの振動や騒音、また軽自動車規格サイズゆえの事故が起きた際のクラッシャブルゾーンの少なさ、トレッド幅が狭くコーナリング時の踏ん張りのなさ、軽い上に限られた車幅を最大限に使うため側面が垂直に立っているので横風に弱いなど、弱点もたくさんあります。

そしてこの軽自動車の規格(全長3.4m×全幅1.48m×全高2m 660cc以下)は、日本だけの規格のため、ガラパゴスとも言われていて、他の普通乗用車のように海外で販売するための大量に生産ができずコスト高となります。

しかし、ご近所さんも言っているとおり、日本の狭い道路や都市部の駐車場で効率よく動かすのには軽自動車の機動性や小回転半径が便利で、通常は一人か二人しか乗らず、長距離もそれほど走らないならば、今後は都市部においてもっとブレークしてもおかしくないなと思います。

それらの影響か、四輪乗用車全体に占める軽四輪乗用車の割合は、20年前の1993年には18.9%だったものが、昨年度2013年度は37.7%と倍増しています。今は国内においては新車で売れる車の3台に1台以上が軽自動車なんですね。おそらく来年4月からの自動車税の増税の影響もあり、今年2014年はその比率はもっと高まっていそうです。

四輪乗用自動車数推移(普通乗用+小型乗用と軽四輪乗用)



出典:日本自動車販売協会連合会・全国軽自動車協会連合会

上記で、この軽自動車規格はガラパゴスって書きましたが、実はこの軽自動車規格があるからこそ、日本は海外からの激しい低価格攻勢に遭わずに済んでいるとも言えます。

もしBMWやフォルクスワーゲンが、日本の軽規格で中国やタイの安い労働力で高品質でお洒落なクルマを大量に作り、それを日本で販売したとしたら、それなりに軽自動車のシェアを奪われていくでしょう。韓国や中国の格安車も出てきて不思議ではありません。

しかし彼らにとってわざわざ日本の軽規格で無理をしてクルマを作っても、その他の国では「帯に短し、たすきに長し」で売りにくく、わざわざ将来性がなく日本のマーケットでしか売れない規格に合わせて作る意味もなく、結果としてそのような攻勢が避けられています。

メルセデス・ベンツグループのスマートは過去に二人乗り小型乗用車を、日本に輸出するものだけ軽自動車規格に合わせて改造し販売していましたが、その後エンジンが大きくなり、安全性の確保のため横幅も拡がり、現在は小型乗用車の範疇に入ってしまっています。

もし一部から声が上がっているような、排気量は800ccまで、横幅を1560mmまでとか、軽自動車の規格を緩和すると、おそらく世界中の大手メーカーの小型戦略車がその範疇に含まれるようになり、昔はNECが独占していたパソコンのように、あっという間に国産軽自動車は低価格競争に巻き込まれ、やがては駆逐されてしまうかもしれません。

そうならないように、経産省や国土交通省、業界団体は、必死になってこの規格を死守しているとも言えます。なので、軽自動車で屋台骨を支えているスズキの会長が昨年軽自動車の増税に関して「弱い者いじめ」と発言しましたが、それはあまりにも近視眼的で身勝手な発言です。

米や牛肉のように、関税で輸入制限をしてでも業界を守る方のがいいか、それとも規制を大幅に緩和(=軽の規格を緩和)して自由競争に任せ、国際競争力を付けていく方向にするか、悩ましい問題ではありますね。

ともかく、自動車税(軽自動車税)だけをとってみても、軽自動車(乗用)が7,200円/年なのに対して、2リッタークラス(1500~2000cc未満)の普通乗用車だと39,500円/年と5倍以上の差があります。2015年4月1日以降登録する軽自動車はおよそ3割アップの10,800円に上がりますが、それでもまだ3.7倍の差があります。

軽自動車を買うなら来年3月末までに買え(納車)ば、ずっと旧税制のままで済みますので、この年末から年度末にかけては、各社とも販売にかなり力が入るのではないでしょうか。


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