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精霊の守り人 (新潮文庫) 上橋菜穂子

1996年に発表されたファンタジー小説で、その後「闇の守り人」「夢の守り人」など「守り人シリーズ」として拡がっていく元になる小説です。また今年2015年の本屋大賞に輝いた「鹿の王<鹿の王> (角川書店単行本)」の著者でもあります。

考えてみると直木賞や芥川賞というのは年2回選考会があり、しかも複数名の同時受賞もあります(受賞者なしもある)ので、平均すれば年に2~3名ずつが受賞していることになりますが、本屋大賞は原則年に1名だけなので、こちらのほうが受賞するのが難しい賞となっています。

それだけに価値も高いかな。でもそのうち本屋大賞も、より商業的になってくれば、年2回の開催とになったりするのかも。

さて本題に戻ると、この作品を原作として過去にはラジオドラマやアニメとして放送がされましたが、来年2016年から3年に渡って『放送90年 大河ファンタジー 「精霊の守り人」』として実写ドラマが放送される予定です。

主演となる女用心棒バルサ役は綾瀬はるかです。どうしてもあの鉄砲を構える勇ましい八重の姿がダブってしまいそうです。

ストーリーについてはネタバレするとアレなので、こうした小説の場合あまり触れない方がいいのでしょうけど、大ざっぱに書くと、架空の国の物語で、精霊の卵が身体に宿ったのため、国王から抹殺されそうになった第二王子を守るために、女用心棒の主人公が王妃に雇われて、卵を食べる魔物や王子を取り戻そうとする追っ手と戦って100年に一度現れるという精霊の卵の真実を明らかにしていくというもの。

ま、話の展開的には児童小説とも言えるけれど、主人公が30歳になる成熟した女性ということで、大人が読むことを想定して書かれているというのがわかります。児童文学なら主人公は子供だったり子供の面倒を見る先生だったりしますので。

いずれにしても、本を読むことで「ファンタジーに思いを寄せたい」、直接的に言えば「現実から逃避をしたい」って思う人には、ル=グウィン著「ゲド戦記」、J.R.R.トールキン著「指輪物語」、C.S.ルイス著「ナルニア国物語」などの超大作にはちょっと尻込みする人でも、この1冊なら十分に楽しむことができるでしょう。

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国家の闇 日本人と犯罪<蠢動する巨悪> (角川oneテーマ21) 一橋 文哉

闇に消えた怪人―グリコ・森永事件の真相」や「宮崎勤事件―塗り潰されたシナリオ」など社会を騒がせた重大事件などを深掘りしていったジャーナリストが書いた作品で、2012年に発刊されています。

この本ではオウム真理教事件、収賄汚職、大疑獄事件、ロッキード事件、グリコ・森永事件、赤報隊事件などの犯罪を通して見えてくる犯罪者の心理、犯罪者や悪徳政治家の行動、それに対する警察や検察、骨抜きにされてきたマスコミ、そして洗脳される人達など過去の犯罪と謎の総まとめといったところでしょうか。

また、新書らしく、著者の単行本や文庫のPRがあちこちに登場し、それらの紹介とPRのために書かれたって感じもします。「この事件については詳しくは拙書○○に」っていう、ちょっと嫌らしい感じですが最近の新書ではそれが当たり前なのかも。

ザッと目次を書いておくと、
 序章 巨悪は永遠に眠らない(金丸事件など政治家と金の問題)
 第1章 カルトに群がる亡者たち(国際武器商人とオーム真理教)
 第2章 国際謀略組織の犯罪(金大中事件、下山事件、三鷹事件など)
 第3章 ジジババ喰いのマニュアル(豊田商事事件~ライブドア事件~振り込め詐欺)
 第4章 劇場型企業テロの源流―グリコと赤報隊・悪の連鎖(闇社会のヒットマン)
 ※( )内は主な概要

古い話が多いものの、また内容がどこまで信用できるかはさておき、かなり深い闇の話しがこれでもかって書かれていて、著者の身を案じます。

例えば、自殺とされた下山事件は決して自殺ではないとか、ライブドア事件で取締役だった野口英昭が沖縄のカプセルホテルで不審死を遂げ、すぐに自殺とされた件も口封じだったとか、警察庁長官狙撃事件やオーム真理教の村井秀夫幹部が刺し殺された事件、また赤報隊事件など未解決事件には闇のヒットマンの存在など。

だからということではないのでしょうけど、一応著者名は本名ではなくペンネームですが、最近では特に本名を隠しているわけではなさそうですね。

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ミッキーマウスの憂鬱 (新潮文庫) 松岡圭祐

「千里眼シリーズ」などで有名になった作家さんで、「催眠―Hypnosis」や「千里眼」「万能鑑定士Qの事件簿」などは、テレビドラマや映画にもなっています。

この小説はそうしたサイコティックや心理学テーマを扱ったものではなく、東京ディズニーランド(TDL)で働く派遣バイトを主人公とする青春ドラマって言うか、ディズニーの舞台裏と雑学を楽しめる小説です。

TDLはキャラクター管理や名称使用にやたらと決まりが厳しくてうるさいところなのですが、こうしたキャラクターの名称をタイトルにした小説が出るとはちょっと驚きでした。

また話しの中身も、架空の運営会社ということになっているにしろ、TDLの仕事の裏側や、権力を持って威張り散らす制服組の正社員と、バイトや準社員という非正規社員との関係や心の葛藤などを描いているのも、よくクレームつけられなかったな?って思います。

当然、小説ですから、架空の話しとして読まなくてはいけませんが、しかしところどころに事実も含まれていそうで、ディープでない普通のディズニーファンからすれば、楽しいTDLの裏側ではこんなに厳しい管理やゲストのためにキャストが努力をしてくれているのだってことがわかり、キャストやキャラクターを見る目がもっと優しくなりそうです。

私はと言えば、TDLが開設されたのが1983年、すでに社会人になってからで、特にデートとかで利用したことはなく、結婚して子供ができてから、数回連れて行ったぐらいで、さして興味も関心もありません。

とは言え、行くとそれなりに現実から離れられて、夢があって、気持ちが高ぶるのはやはりそうしたキャストの面々が来場者を楽しませるために努力奮闘しているのだなぁって思わずにはいられません。

著者別読書感想(松岡圭祐)

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きみはポラリス (新潮文庫) 三浦しをん

2007年に単行本、2011年に文庫化された短編小説集です。まったく事前の情報なく読みましたが、どうも片想い、純愛、裏切り、禁断の愛、同性愛、偏愛など様々な愛の形を短編にまとめたものでした。

著者の作品では「まほろ駅前多田便利軒」「神去なあなあ日常」「風が強く吹いている」「舟を編む」などいくつか読んでいて、あまり外れのない、面白い作品が多いので、特に考えず手に取りました。

あとタイトルの「ポラリス」っていう響きがなんとなく好きで、意味はこぐま座にあるいわゆる北極星ということですが、不動の愛とその周辺を回る様々な人間模様ということを表しているのかなとちょっと感じた次第。

その短編作品は「永遠に完成しない二通の手紙」「裏切らないこと」「私たちがしたこと」「夜にあふれるもの」「骨片」「ペーパークラフト」「森を歩く」「優雅な生活」「春太の毎日」「冬の一等星」「永遠につづく手紙の最後の一文」の11編からなっています。

ま、個人的な感想で言えば、この作家さんは短編よりも前述の中・長編小説のほうがいい感じです。雑誌などの依頼でこうした一話完結スタイルの短編を求められることが多いのでしょうけど、長編がうまい人の作品は、やはり長編をちゃんと選んで読むべきだったかも。

著者別読書感想(三浦しをん)

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イニシエーション・ラブ (文春文庫) 乾くるみ

著者は1998年にデビューし、比較的軽く若い人に人気の恋愛やミステリーをテーマとした繊細な小説を多く書いている作家さんで、ペンネームからすると女性だとばかり思っていたら、なんと!ひげ面の堂々とした体格の男性なんですね。

この小説は「塔の断章」に続く「タロット・シリーズ」として、2004年に刊行され、この作品を原作として、今年2015年には堤幸彦監督、松田翔太、前田敦子らが出演する映画にもなっています。

内容は昭和のバブル景気の中、静岡に住む理系の大学生の主人公をキーとして、合コンで知り合った女性との恋愛小説として進んでいきます。

大学生が合コンで知り合った女性との恋愛がテーマの小説と言えば、少し前に読んだ吉田修一著「横道世之介 (文春文庫)」を思い出しましたが、双方ともにハッピーエンドではないという共通項があるものの、その本質は大いに違っています。

この小説、しっかりと読んでいると、最後の一言で、「え?」って、再び前に戻って再読せずにはいられないという仕掛けがありますので、ストーリーは書きませんが、この不思議な仕掛け?を映画ではどのように表現したのかちょっと興味があるところです。

こうした普通の小説の中に、ミステリー的というか、仕掛けをするっていうのが、流行なのかそうかわかりませんが、真梨幸子著の「殺人鬼フジコの衝動」でもそうでしたが、深い洞察力と想像力を働かせないとちゃんと著者の思惑を理解できない作品は、読む側としてもしっかりと読んでいないと気がつかないこともありそうです。

小説を読むって言うのは言わば頭をリラックスさせたい時なので、個人的にはこのような凝ったややこしい小説はあまり好きではありません。


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