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世の中が世知辛くなってきたという話しはよく聞きますが、確かになんでもかんでも自分の気に入らないことや、どうでもいいことにまでクレームをつけるという傾向が増えてきているようです。

日本人は我慢強いとか忍耐力があると言われた時代もありましたが、これも国際化のひとつなのでしょうか、個人主義が進み、自分さえよければという自己中心的な考え方や、他の解決方法は考えず、すぐに他人へクレームをつけたり攻撃をするスタイルへと変貌しているような気がします。

また良いイメージが壊れて消費者を敵に回すと業績に影響する企業や、事なかれ第一主義の官公庁は、なにかクレームがあると神経質過ぎるぐらいに敏感に反応し、過剰とも言える対応を自らとったり、またとらざるを得ない状況に追い込まれます。

アメリカの出来事で、雨で濡れたペットの猫を乾かそうと電子レンジに入れて殺してしまった人が、電子レンジの説明書に猫を乾かすのはダメと書いていなかったとメーカーを訴えたり、歩道を歩いていた時に、歩道に自然にできた小さなくぼみで転けてしまい足を骨折した人が道路管理者の自治体を訴えるのが日常茶飯事であるのと同様、日本でもちょっとしたたわいもないことにいちゃもんをつけるようになってきているのでしょう。

たわいもないかどうかは別として、最近このようなことが起きています。もちろん賛否両論あることは承知しています。

ひとつめは、

JRの運転士が「水を飲んだら報告」だった理由
6月7日、JR東海が今月から「乗務中の水分補給について報告を不要にした」との報道がなされた。ネットでは「運転士は自由に水も飲めないのか」という同情の声。また、報告事項については、これまで乗客からの苦情の有無も必要とされていた。これも「乗客の方がクレーマーだ。そんな声を真に受けたJR東海もひどい」という論調も見られた。


つまり「乗務員が水分補給をしていると乗客からクレームがつくから、飲むときは苦情有無と合わせて報告するように」と今まで決まっていたようです。

確かに運転中に操作機器から手を離して飲んでいたり、携帯電話を操作していたりすれば、今や即刻ツイッターなどで拡散され、乗務員の糾弾がおこなわれます。その延長線上として、駅で停車中に熱中症予防のため水分補給をしていても、口うるさい乗客からさぼっていると決めつけられるのを恐れたのでしょう。笑止千万です。


2つめは少し古い話ですが最近また復活しているようなので、

3000人の署名より1人の苦情
ほんま山梨の行政のお役人の方々、どうか大自然が広がる山梨で、芝生だけしかない公園をどんどん制作するなら、パブリックパーク作ってください。ローカルが3000人以上の署名を集めました。報道もされました。でも実行しませんでした。
1人の苦情には迅速に行動。多数決じゃないんは分かります。


この2013年のブログを読むと、河川敷の空き地を利用したスケートボードができるコンクリート敷きの公園(広場?)があったが、夜勤で昼間に寝るため静かにして欲しいとひとりの住民が苦情を言ったことで、それまで使えていた公園が使えなくなるって読めますが、他の報道も読むともう少し問題は複雑です。

行政が禁止したのは公園内に勝手にスケートボード用の大きな構造物を作ったことで、通常のスケートボードを楽しむ公園としては禁止していないようです。


荒川に無許可設置、騒音の苦情相次ぐ 市、スケボー台撤去へ(山梨日日新聞)
10年ほど前に市が管理するローラースケート場に利用者が無許可で設置。利用が増えるにつれ、ボードの音などで住民からの苦情が相次ぎ、市側が今月、利用者代表に口頭で撤去を指示した。

つまり違法な簡単に撤去できないような大きなジャンプ台とかが次々とできたことで、多くのボーダー達の人気を集め、ジャンプして着地するときの音も大きくなり、派手なパフォーマンスを見に観客も増え、その結果、違法駐車する人も増えて近隣住人から苦情が出て、その違法なジャンプ台など設置物を撤去しなさいってことのよう。公園自体は存続してます。

なかなか思い切って練習する場所がないボーダーの人達のことを考えると、大目に見てあげてよ~って気持ちもわかりますが、近くに住宅があればやはり限度というものがあるでしょう。

なんと言っても空き家率全国No.1の山梨ですから、人が住んでいない地域もいっぱいあるでしょうから、公園をそちらへ移転するってのも考えてもらいたいですね。

なので、こちらは「たわいもないクレーム」ではないような気がします。


3つめは、

園児の声に苦情 幼稚園が1千万円かけ3mの防音壁
今、幼稚園に周辺住民からクレームが寄せられている。「子どもの声がうるさい」というもので、その対応に1千万円をかけるケースもあるという。


保育園は「迷惑施設」か 近隣トラブルの裏に世代の差
待機児童問題の解決のため保育所の整備が急がれるなか、その建設をめぐって近隣トラブルは増えている。ここ数年でも、品川区やさいたま市、福岡市で保育所の開園が中止になった。練馬区では認可保育所をめぐって2012年夏、「平穏に生活する権利を侵害された」として住民が事業者を提訴したケースもあった。

火葬場の建設やゴミ焼却施設と同様、幼稚園や保育園の新たな設置や移動も近隣住民から同意が得られずに難航しているそうです。

確かにリタイア後は毎日家にいるので、静かな環境でゆっくり過ごしたいという高齢者の住民感情も理解ができます。そして若い人には気にならない子供の高いキーキー声も高齢者にとっては黒板とチョークがたてるキーキー音同様許し難い騒音に感じてしまうことも理解しています。

住民側からすれば、あとからやってきたそうした迷惑?施設のために引っ越す費用もないし、元々そこに住んでいる自分達が出て行くのは理不尽だっていうのもあります。

賃貸の人なら環境が悪くなれば簡単に別の場所へ引っ越せばいいのですが、持ち家率が全体で6割近く、高齢者世帯に至っては持ち家率が8割を超えているだけにそれも難しそうです。

でもねぇ、、、人が暮らしていくのだから、お互いに気をつけないといけないことはあるでしょうけど、感情的にならず、もっとなんとかならなかったのかなぁって思います。

子供の騒ぎ声は飛行機や新幹線など乗り物の中、音楽演奏会など公共の場所でもよく問題になりますが、子供の責任というよりは親や預かる管理者側、そしてそれを我慢する周囲の理解、双方に相手を思いやるだけの気遣いと、こころの余裕が失われてしまったように感じます。

なので、どっちが悪いとか、我慢すべきって白黒つけるものではなく、双方に譲り合ったり、多少は我慢することも必要でしょう。

残念ながら、これら様々なクレーム問題は、今後ますますエスカレートしていく気がします。

理由は、
1)自宅にいることが多い高齢者があと数十年増え続けること
2)反対運動などができる暇を持て余したリタイアした高齢者が増えること
3)自己主張が強い団塊世代高齢者が仕事を引退して家にいること

つまりこれらの仕事を引退し、暇を持てあまし、多くの時間自宅にいる人が今後は日本の社会を動かしていくことになり、様々な気に入らないことに対して積極的にクレームをつけていくことが予想されます。

これはテレビを見ていてもよくわかりますが、しばしば生中継の場合、途中で訂正を入れるシーンが数多く見られます。

テレビ局側のミスも増えてきているのかも知れませんが、ちょっとしたどうでもいいようなことですぐにテレビ局へクレームを言う人が増えているのだろうと思われます。

生命に関わりがあるような間違いでなければ、間違いや誤りにもっと大らかな気持ちで、見過ごしてあげる気持ちでいればいいのに、もう完全にクレームを言うことが趣味になっている世界ですね。これも世知辛い世の中になってきている証拠でしょうか。


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