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先進国と言われてきたG7の国、アメリカ、英国、フランス、ドイツ、イタリア、カナダ、日本に追いつけ追い越せとばかり、2000年以降、経済的な発展が著しい国としてBRICs、つまりブラジル、ロシア、インド、中国の4カ国が注目されてきました(BRICSとして南アフリカを加える場合もあり)。

日本ではお隣の中国やロシア、同じアジアのインドの経済発展や経済協力関係については、日本企業の進出や人的な交流もあり、比較的よく情報として入ってきますが、このBRICsの中ではブラジルは遙か遠い彼の国という事情もあり、経済関連の話しはほとんど聞くことはありません。

日本人が知るブラジルと言えば、明治時代の1908年から日本人移民を受け入れ、戦後も1970年代まで続いたことで、多くの日本人やその家族が住む国で、最近ではその移民3世や4世が逆に日本に出稼ぎにやってくるということぐらいでしょうか。

最近でこそオリンピックが開催されたことにより、多少は知られてきましたが、日本とは地球のちょうど反対側という遠隔地で、一般的にはあまり馴染みがないというのが実感です。

そのブラジルの経済が最近どうもおかしいという話しです。

別にブラジルがどうなろうと、地球の反対側の日本経済にとっては直接の影響は少ないですが、個人的にはちょっと気になっています。

昨年2016年には南米初のオリンピックがブラジルのリオで開催され、いろいろと心配されてきましたが、大きなトラブルや事故はなく、見事にやってのけました。

ラテン民族的な、何とかなるさ~ということで、会場の建設などが遅れに遅れ、また直前には貧しい市民達や警察官がデモをするなど、オリンピック開催を良しとしない人達も目立ち、心配性な人達は肝を冷やしました。

そのオリンピックを開催した後は、それまでの内需拡大、積極的なインフラ公共投資から一転し、緊縮財政へと移り国内経済が冷え込むことが過去のケースでは見られます。

1988年にソウルオリンピックを開催した韓国は1990年代に財政破綻から通貨危機に陥り、1992年にバルセロナオリンピックを開催したスペインは2000年に入ってから経済危機となりました。

また2004年にアテネオリンピックを開催したギリシャも記憶に新しいですが2010年には経済危機に陥るなど、「宴のあと」ではないですが、オリンピック開催後の10年間は財政的にかなり厳しい状況が続くようです。

ブラジルもこれから10年間が正念場で、今までのように鉄鉱石や農作物の輸出だけでなく、工業製品の輸出を増やし、1人当たりの国民生産を上げていかなければ、通貨危機、経済危機を迎える可能性があります。

しかもブラジルにとって不幸なのは、輸出先で2番目に大きなアメリカ(1番は中国)で、保護主義の権化でもあるトランプ政権ができたことで、ブラジルで生産された製品のアメリカへの輸出が今後厳しくなることも予想されます。

ブラジルでの自動車生産台数は世界第9位で、フランスや英国よりも上位です。製造しているメーカーは、フィアットクライスラー、GM、VWが生産台数トップ3で、メキシコと同様、アメリカへの輸出が厳しくなれば、ブラジルの工場をアメリカに移す動きも出てくるかもしれません。

1990年以降、ブラジルの実質GDPの推移(実質GDPは、当年の物価変動の影響を除いたもの)はオリンピック開催の直前2014年までは順調に伸びてきましたが、2015年、2016年と一転下げています。この頃から怪しくなってきています。先が思いやられそうです。


単位: 10億ブラジル・レアル
数値はIMFによる2016年10月時点の推計、SNA(国民経済計算マニュアル)に基づいたデータ


BRICsの4カ国で比較するために、通貨を合わせた、名目GDP(USドル)の推移(当年の為替レートにより、USドルに換算)は下のグラフのようになります。


単位: 10億USドル
数値はIMFによる2016年10月時点の推計、SNA(国民経済計算マニュアル)に基づいたデータ

1990年代はどこも似たようなGDPでしたが、2000年以降、中国のGDPは大きく伸び続け、昨年はアメリカに次ぐ世界第2位となり、このグラフからはみ出て高いところにいってしまっています。

またインドは成長は緩やかではあるけれど、着実に右肩上がりに伸ばしているのと、ロシアはウクライナ問題で各国から経済制裁を受け、GDPの伸びが凸凹していますが、経済制裁が解けるとまた大きく伸びると思われます。

この4カ国の中で問題はやはりブラジルで、2000年代に起きた隣国のアルゼンチンの通貨危機、財政破綻のような事態に陥らないとは限りません。

ブラジルはアルゼンチンとは違い、国土が広く資源も豊富で、人口も5倍と多く、経済規模も比較になりません。それだけにブラジル経済が世界に与える影響は計り知れなく大きくなる可能性があります。

先月ですが、下記のような事件も起きています。

警察がスト、100人超死亡か=取り締まり緩み治安悪化-ブラジル(時事通信社)
【サンパウロ時事】ブラジル南東部のエスピリトサント州で、州軍警察が賃上げや待遇改善を求めてストライキを続けている。取り締まりが緩んだ州都ビトリア周辺の治安は急激に悪化。地元メディアは9日、略奪や強盗、殺人が相次ぐ中、ストが始まって以降の6日間で「犠牲者は100人を超えた」と報じた。(2017/02/10-08:45)

公務員のストは恒例になりつつある事とはいえ、死者が100人を超えるとか、なにかきな臭い感じがしてきます。

2015年のブラジル開発商工省のデータでは、ブラジルの主要貿易相手国は、輸出が、中国(18.6%)、米国(12.6%)、アルゼンチン(6.7%)、オランダ(5.3%)、ドイツ(2.7%)、日本(2.5%)、チリ(2.1%)、インド(1.9%)で、輸入は、中国(17.9%)、米国(15.4%)、ドイツ(6.1%)、アルゼンチン(6.0%)、韓国(3.2%)、日本(2.8%)、イタリア(2.7%)、ナイジェリア(2.7%)となっています。

輸出入とも最大の相手国ははるか遠くの中国で、その中国に経済の生殺与奪を握られてしまっているところも大きな不安要素です。

もし日本がブラジルに経済協力をしようとしても、貿易の最大相手国の中国に事前にお伺いを立てないと、なにもできないということを示しています。

例えばブラジルの経済活性化につながるよう日本の円借款で日本の新幹線や地下鉄を建設しようとしても、中国が黙ってそれを見過ごすことはないでしょう。ダムや原発、大規模工場などの建設や進出もブラジルにとって最大の(貿易の)友好国である中国が有利な点は変わらないでしょう。

世界の紛争の火種や経済危機は、中東、アフリカなどに向きがちですが、案外この南米の大国から火が点く事になるかも知れません。しばらくは注視していきたいものです。


【関連リンク】
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