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有効求人倍率が80年代後半のバブル時代の時並みに急騰しているという話しです。有効求人倍率というのは、単純に言えばハローワークに集まる求人数を求職者で割ったもので、過去からの推移を見ることで景気の動向等がわかるという代物です。
但し、昭和時代ならいざ知らず、今では企業が求人を出すのも、求職者が就職先を探すのにも、ハローワークを使うケースってどのぐらいあるのだろうと、ちょっと時代錯誤のような気もしますが、国の統計としては標準的に使われているので仕方がありません。
その4月の有効求人倍率(季節調整値)は1.48倍と、前月と比べ0.03ポイント上昇し、バブル期のピークだった1990年7月(1.46倍)を上回り、高度成長期の1974年2月の1.53倍以来、43年2カ月ぶりの高水準を記録したとのことです。
つまりひとりの求職者に対して1.48の求人があるということです。数では求人が上回っていますが、問題はそのミスマッチで、求人と求職者の希望する職種とがうまく合わないってことが最大の問題でしょう。
ちなみに有数の紹介会社や転職サイトを運営しているリクルートキャリア調べでは、5月の転職求人倍率は、前年同月より0.15ポイントプラスの1.85倍とのことで、ハロワと比べて高くなっています。採用がより難しい技術職の求人が多いせいでしょう。
同社の求人倍率が高いのは、WEBプログラマーなどのネット専門職(5.87倍)、建設関連技術者(4.67倍)、機械の組込・制御ソフトの開発技術者(4.55倍)とのことです。そういう職種の人は、今なら転職しても自分を高く売れそうですね。
リーマンショック後には一時期有効求人倍率が0.5倍(求職者2名に1件の求人)まで下がった時期がありましたので、それを思うとわずか8年前のことですが、隔世の感があります。
それにしても、高度成長期以来ですって、、、
そういえば、バブル時代は、新卒の内定式を海外で行ったり、ディスコ(笑)を借り切ってド派手なパーティを実施したり、いわゆる内定辞退者を出さないように、企業側は必死に学生に媚びを売っていました。今年の内定者もそうなのでしょうかね?とてもそういうおちゃらけた雰囲気はなさそうですけどね。
いくら就業人口が減ってきているとは言え、高度成長期やバブル時代と今と比べて雇用情勢がなにか似ているところがあるかな?って考えると、確かに3Kに代表される、若者に不人気な職業の求人難が叫ばれているのが似ていますが、それぐらいかなぁって感想です。
有効求人倍率推移(年間平均)データ出典:厚生労働省
こういう記事もありました。
このままでは「人手不足倒産」という悪夢が現実になる 「バブル期超え」を喜んでいる場合か(現代ビジネス)
定年の延長など働く高齢者が増えたことや、女性の参画が活発になったことが背景にある。安倍内閣も「女性活躍の促進」や「一億総活躍社会」といったスローガンを掲げ、働く人材の確保に力を入れていることが大きい。 |
人手不足倒産ってのは、得てして採用しても就業条件が守られなかったり、当初の約束と違っていたりして従業員が定着せず、また業績が急拡大しているわけでもないのに年中募集をかけているようなブラックな企業はどんどん潰れてくれて結構という気もしますので、別にどうでもいいのですが、闇雲に給料が上昇していくことで起きる様々な問題を懸念しています。
但しパートやアルバイトなど非正規雇用の時給は前から低すぎると思っていましたので、それの改革は必要だと思っています。
企業もパート・アルバイトの時給が上がると、それならもっと長期的な視野を持って正社員を増やしていこうという考えに向きますし、また従来の統一された正社員制度から、地域限定社員や時間短縮正社員など様々なライフスタイルにあった正社員制度ができてくる可能性が高まります。
そのパート・アルバイトの時給もジワジワと上がってきています。
パート・アルバイト・派遣労働者募集時時給の推移
こうしてみると派遣スタッフの時給は結構上がり下がりが目立ちますが、パート・アルバイトは結構緩やかに見えます。
これは統計グラフのマジックとも言えるもので、つまりパートアルバイトの総数と派遣スタッフの総数は相当の開きがあり、2016年の総務省データではパート・アルバイトの人数は1403万人に対して派遣労働者は133万人と10倍以上の差があります。
少ない派遣スタッフの時給が、件数がはるかに多いパート・アルバイトと比べ時給に凸凹ができるのは当然のことと言えます。
こうした賃金上昇問題は、今回はデータは割愛しますが、非正規労働者の賃金は三大都市部と地方との格差が大きく、人の都市部への集中が加速しています。それが最大の問題だと言えます。
賃金の抑制とともに、求人倍率を低下させ、バランスがとれた労働・雇用環境をおこなうためには、サービス業は仕方がないとして、役所(国の機関)や、製造業、大学や専門学校など、もっと地方へ分散移転をする努力が必要なのではないでしょうか?
農協のトップ組織全農が日本最大のビジネス街大手町のど真ん中にあること自体が理解不能です。
ネット関連企業も東京の中心部に本社を構える必然性はなく、都市部と地方とで法人税に数倍の差を付け、企業と役所が全国に分散することがこの国の近代的発展という方針を国がおこなうべきでしょう。
そのために、今までリニア含む鉄道、空港、港湾、高速道路などの建設でインフラを整備してきて、それらをもっと有効に使うことができるでしょう。
そしてそこで働く労働者にとっても、広い庭付きの住宅や、待機児童ゼロの保育園など子育て環境の充実がはかれ、少子化にも歯止めがきき、家族や仲間とのレジャー意識も高まり、残業ゼロの時短も進むのではないでしょうか。
【関連リンク】
807 労働人口と非労働人口推移と完全失業率
705 有効求人倍率と完全失業率から推測する未来
498 失業率推移ではなく失業者数推移でみると
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