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主として、テレビで放映された映画を録画視聴した感想です。
そういえば最近映画館へ行けてないな~
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幕末太陽傳|きみに読む物語|パシフィック・リム|家族はつらいよ2|岸辺の旅
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幕末太陽傳
監督 川島雄三 出演者 フランキー堺、左幸子、南田洋子、石原裕次郎
シリアルな場面も多く、一概にコメディとも言い難い内容で、まるで劇場でお芝居を見るような感じの映画で、61年前、私の生まれた年に公開されました。
主演は当時日活では飛ぶ鳥を落とす勢いがあった石原裕次郎ではなく、ベテランコメディ役者のフランキー堺で、舞台は品川にある遊郭相模屋です。
その裕次郎は実在する高杉晋作を、同じく人気のあった小林旭は久坂玄瑞を演じ、相模屋に逗留して、密談をする攘夷派武士を演じています。
お金を持たずに遊郭に泊まった主人公ですが、口八丁手八丁で、借金の形に小間使いをしながら、遊郭の中で様々な問題を手早く解決していき、店のものから重宝がられます。
その中で常連の客で尊王攘夷派の武士たちとも渡りをつけ、幕末の幕府派と攘夷派の争いにも巻き込まれていきそうになりますが、そこは世渡りが上手い主人公の機転で争いをうまく収めておきますが、同時に悪い風邪にかかって徐々に弱っていきます。
良きにも悪きにも主演のフランキー堺の演技と、それをうまく引き出した監督の川島雄三の代表作と言うことで、60年以上前の作品とは思えないぐらいの完成度の高さを感じました。
ただ、今の展開が早いスピード時代にはちょっと冗長に感じるところがあるのは、時代的に言っても仕方がないのでしょうね。
★★☆
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きみに読む物語
監督 ニック・カサヴェテス 出演者 ライアン・ゴズリング、レイチェル・マクアダムス
原作はニコラス・スパークスの1996年発表の小説です。
なかなか深い内容で、見ていると次第に最後の展開が見えてきますが、ここではそれに触れないようにするのがマナーだと思いますので書きません。
老人医療施設に入院している認知症を患っている老女に、老人の男性が物語を聞かせてあげています。その老女は記憶が曖昧ながらも、その朗読が好きで、毎回楽しみにしています。
場面は60年ほど前のアメリカに変わり、若い男女が知り合い、デートを重ねますが、家柄の違いから女性の両親からは交際を反対され、同時に男性は戦争のため徴兵されて戦地へ赴きます。
戦地から男性は毎日1年間手紙を書き続けますが、1通も返事が返ってきません。
戦争が終わり、男性は無事に帰還しましたが、相手の女性はすでに家柄が良いエリート弁護士と結婚していています。
男性は帰国後に、その女性と初めて抱き合った古い空き家を買い取り、そこをひとりで修復していきます。
彼女は、母親が隠してきた男性からの開封されていない365通の古い手紙を見つけ、男性の元へ走ります。
と、まぁ一種、よくある恋愛映画ですが、家柄の違いと戦争が仲を引き裂いた悲劇の若い男女が、大人になってからよりが戻って熱く燃え上がるというお約束のパターン。
映画の出来としては悪くないですが、ちょっとこういうパターンは普通すぎて食傷気味かな。
★★☆
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パシフィック・リム
監督 ギレルモ・デル・トロ 出演者 チャーリー・ハナム、菊地凛子
ハリウッドで実写版の怪獣映画、戦闘ロボット映画を作るとこうなるという見本のような映画です。
しかも怪獣の発音は日本語と同じで「KAIJU」となります。日本の怪獣文化と人型巨大戦闘ロボット文化を大いにリスペクトしてくれています。
ストーリーは、深海に異界とつながる裂け目(ブリーチ)ができて、そこから次々といろいろな怪獣が現れてきます。
地球側も負けずに、ガンダムチックな怪獣迎撃用の巨人兵器イェーガーを各国が開発・製造し、対応していきますが、やがて、際限なく莫大なコストがかかるのと、効果も限定的として予算を打ち切られてしまいます。
現れる怪獣はますます強力、凶暴となり、防衛側は新たに組織を作り、各地から優秀なエンジニアや巨人兵器のパイロットを集め、深海の裂け目を核爆発させて閉じてしまおうとプランを画策します。
なかなかCGも本格的で、大きな画面(スクリーン)で見ると迫力があって楽しいでしょうね。残念ながら私は小さな画面で録画ビデオ鑑賞でしたが、、、
菊地凛子は主人公を助ける新人パイロット役で、過去に家族を怪獣に殺されてしまう過去をもち、その記憶に出てくる子供の頃が芦田愛菜だったりして、ちょっと笑います。笑ってはいけないシーンなのですけどね。
★★☆
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家族はつらいよ2
監督 山田洋次 出演者 橋爪功、吉行和子、妻夫木聡、蒼井優
昨年、シリーズ第1作目の「家族はつらいよ
こちらはその第2弾で、すでに現在第3作目「妻よ薔薇のように 家族はつらいよIII」が公開されています。寅さんシリーズと同様、毎年1作という流れかな。
1作目は「熟年離婚」が主なテーマでしたが、今回のテーマは「無縁社会」で、団塊世代と思われるリタイヤした主人公は、長男夫婦と同居して悠々自適の生活ですが、ある日高校生時代にサッカー部で一緒にプレイしていた同級生とバッタリ出会います。
その同級生は、資産家の息子で、同級生の中でもとびきりの美人と結婚していましたが、その後事業は失敗し、妻とも離婚。現在は安アパートにひとりで住み、道路工事現場で交通誘導員として働いています。
その同級生を励まそうと、飲み会に誘い、そのまま自宅へ泊めるのですが、なんとそこで亡くなってしまいます。
身寄りがないので、葬儀には誰も参列しない状況でしたが、同級生や主人公の家族が温かく見守るという流れです。
その他にも、高齢者の免許証返納問題など、時代に沿った話題が盛り込まれ、時代を反映していてリアリティがあります。
しかし、主人公は横浜の住宅地に二世帯同居が出来るそれなりに大きな家を構え、所得がありそうな商社勤めの長男と専業主婦の妻、二人の孫と同居し、家族会議と称してすぐに集まってくる、ピアノ調律師の次男(妻夫木聡)と看護師として働く妻(蒼井優)や、税理士として働く妹夫婦達と、すべてにこれほどまでに恵まれた家族って果たしてどれほどあるのかなぁ~ってちょっと考えさせられたりしました。
★★★
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岸辺の旅
監督 黒沢清 出演者 浅野忠信、深津絵里、柄本明、蒼井優
湯本香樹実の小説が原作
実は原作は読んでなく、映画についても知識がなく、有名な山田太一のドラマ「岸辺のアルバム
「岸辺のアルバム」の岸辺は多摩川の岸辺ですが、こちらの岸辺は三途の川の岸辺ということでしょうか。
そういえば、私も数年前に三途の川を渡ってきました。どうでもいいことですが。
3年前に失踪して行方不明になっていた夫が、突然妻の元に現れます。すでに死んでいることがわかりますが、その死んだ夫の希望で失踪後にたどった道を一緒に出かけることになります。
まず夫が住み込みで働いていたという新聞販売店では、そこの店主としばらく一緒に生活をしますが、その店主もすでに亡き人で、やがては成仏して消えてしまいます。
その他、定食屋だったり、農村での私塾だったりと一緒に歩きますが、やがてその終末へと近づいていくというストーリー。
会話は少なく、主人公の夫婦の演技で喜怒哀楽を表現しようという試みは良いのですが、なかなか死生観というか、現実的ではない成仏できずにさまよっている幽霊の存在とか、わかりにくい面もあります。
個人的には、原作を忠実に再現しようとしたのかどうかわかりませんが、映像としては物足りなく、あまり集中できず好きになれなかった映画です。
★☆☆
【関連リンク】
1194 秘密 THE SECRET 2007年フランス、山の音 1954年東宝、君の名は。 2016年配給東宝
1180 ミリオンダラー・ベイビー 2004年、映画女優 1987年、HERO 2015年、ジャッカル 1997年、図書館戦争 THE LAST MISSION 2015年
1172 男性の好きなスポーツ 1964年、スターリングラード 2001年、誘う女 1995年、紙の月 2014年
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シャンタラム〈上・中・下〉 (新潮文庫)
2011年に出版された、この破天荒な内容の小説は、著者の自伝的な内容と言うことをあとで知って驚きました。
著者のプロフィールには、
1952年、豪メルボルン生れ。十代から無政府主義運動に身を投じるも、家庭の破綻を機にヘロイン中毒に。1977年、カネ欲しさに武装強盗を働き、服役中の1980年に重警備刑務所から脱走。1982年、ボンベイに渡り、スラム住民のために無資格・無料診療所を開設。その後、ボンベイ・マフィアと行動を共にし、アフガン・ゲリラにも従軍。タレント事務所設立、ロックバンド結成、旅行代理店経営、薬物密輸の後に再逮捕され、残された刑期を務め上げる。
とありますが、「タレント事務所設立」より前のプロフィール通りに話が展開していきます。
話しはオーストラリアで強盗事件を起こし刑務所に収監されていた主人公が、脱獄して偽のパスポートを使いボンベイ(1995年からムンバイと変更)に到着してからの話しです。
その刑務所から脱獄した場面も、小説のかなり後になってから、回想というか、自身の身の上を語るときに改めて出てきます。
小説ではインド・ボンベイでの話しがほとんどで、そこを拠点として近隣諸国へ出かけるときもありますが、インド人の宗教観や住んでいる人種、複雑な種族、言語、交通、地方など、目に浮かぶような叙情的な表現があちこちに見られます。
そして賄賂やスラムの中やインドの刑務所の中での激しい拷問のことまで、1980年代のインドの裏の実態を(やや大げさに)知るには役立つかもしれません。
登場人物は、インド人ばかりでなく、インドに住み着いた欧米人や中東、アフリカ系民族など多彩な顔ぶれが登場し、多くの名前を覚えるのに苦労しました。
Amazonの書評では、☆5以外の、☆4から☆1までがほぼ同数という、珍しく賛否が分かれるもので、私も読み進めていく中で、何度か、この冗長で回りくどい独白表現に退屈しました。とにかく無駄と思えるどうでもよい話しがダラダラと続き、あくびが止まらない。
その点はプロの書き手ではないのだから仕方ないかと思いましたが、そうであるならば、せめてプロの編集者がなんとかすべきかなとも思ったり。
上・中・下の3巻合わせて約1800ページを超える長編で、有能で合理的な編集者なら、内容やストーリーを一切変えることなく、文章は半分以下に納めることができたのではないかなと思います(いかにも自信過剰気味の著者がそれを許さないのかもしれませんが)。
Amazonのカスタマーレビューで☆5を付けた中に「一気に読ませる傑作」と書かれていましたが、それを書いた人は、おそらく10ページも読んでいないのだろうなってことがすぐにわかります。
とにかく、覚えにくい人物名が次々と出てきて、聞き慣れないインドの風習や地理、ヒンディー語やマラーティー語での言い回し、中東イスラム圏の言葉や風習、マリファナやハッシシなどの麻薬類などがわんさかと登場してきますので、つかえつかえで読むことになり、登場人物の名前とどういう素性かをいちいち先頭ページで確認し、退屈な場面ではあくびをかみ殺しながらページを繰ることになり、一気にスラスラ読めることはまずありません。
もっとも中巻ぐらいからは慣れてくるのか、それとも、インドを出て戦火が続くアフガニスタンへ武装して出掛けるなど、場面が大きく場が動くためなのかわかりませんが、進展が早くなり、読むスピードも自然と上がってきます。こうこなくっちゃね。
昔はニューヨークが人種のるつぼと言われていましたが、この小説を読んでいると、さしずめ今ではその表現が最適なのはインドなのかも?と思わせられますが、それは欧米人(著者=主人公はオセアニア人ですが)から見たインドの姿で、付き合う相手にバイアスが相当にかかっているには違いないでしょう。
もちろん21世紀のインドは、大きく変わっていて、小説で出てきたような街も風習もかなり消えかかっていることでしょうけど、本質的なところでは当時のまま、特に西洋人から見たインドはそれほど変わっていないように見えるかもですね。
★☆☆
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老いる家 崩れる街 住宅過剰社会の末路 (講談社現代新書)
2016年刊のこの新書は、ゼネコンにも勤務経験がある東洋大学理工学部教授が書いたタイトル通り、住宅の老朽化と、それと並行して起きる街の崩壊を警鐘した本です。
要点としては、人口が減り、空き家が増えてきているのに、新築の住宅も増え続け、やがてはこれらもスラム化、老朽化することで、大変なことが起きますよ~という話しです。
但し、本書に書かれている部分で、ちょっと誤魔化してありましたが、世帯数自体は本書が書かれた2016年以降の2017年時点でもまだ増え続けている(1世帯の人数が減っている)ので、世帯数が増えれば住宅数が増えても問題ないのでは?と逆に質問したくなりました。
もう一つ、農家が相続税対策のために誰も入居したがらないような不便な場所に節税マンションを建設しまくっているというような話しですが、入居者がいようがいまいが、それは大きなお世話であって、要は彼らは節税のために建てているだけのことで、賃貸経営には興味はないでしょう。
入居者が期待できない住宅のために、水道や電気・ガスなどの公共インフラを整備しなければならなくなるのは、行政や公益事業を行う民間企業の責任で、行政がそれをおこないたくないなら建築許可を出さなければ良いだけの話しで、許可を出した以上は整備する義務が生じます。
もし節税できる方法がアパート建設ではなく、駐車場でも養殖池でも野菜工場でも、太陽光発電でも同じであれば、農家はそちらを選ぶ人も出てくるのではないかな。インフラ整備が嫌ならそういう方法、手段だってあります。
現在湾岸エリアに次々と建っていく超高層マンションに対しては、今でも問題化している階数格差問題の他、中規模マンションなどでもよく問題となる修繕積立金の未収問題や、大規模補修工事や建て替え時の所有権者の同意の難しさに触れています。
確かに購入当時はバブリーであっても、10年後20年後も所有者がバブリーであり続けるとは限りませんし、所有者=住人というケースもそう多くはなさそうで、そうした時に所有者に応分の負担や義務を頼んでも素直に応じてくれるとはとても思えません。外国人(特に中国人)が投資目的で購入していたりすればなおさらでしょう。
この本を読むと、とにかく超高層マンションなど買えなくなることは必至です。もっとも買える身分でもありませんが。
行政の責任として、緩い規制のために起きる焼き畑的住宅建設というようなことが何度も繰り返して書かれていますが、日本人の特質として、古くからある郊外の住宅地の中古物件には魅力を感じず、例え不便な場所でも新築物件に惹かれるというのがあります。
ましてや、ヨーロッパのように石造りで歴史ある住宅が魅力というような感性や価値観はなく、安普請で歩くたびにギシギシ音がする中古住宅に住みたいと思う新婚さんはまずいません。
利害が多い政策よりも、文化や人の価値観を変えていかなければ、今後も古い住宅地は空き家になってそのまま残り、新しい場所に次々と新しい住宅地が作られ続けていくのだろうなと読んでいて思いました。
★★☆
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昨夜のカレー、明日のパン (河出文庫)
著者は、主としてテレビドラマ等の脚本家の和泉務と妻鹿年季子夫婦の共作ペンネームというちょっとユニークな形式です。この小説は連作短編集で、著者の小説デビュー作品です。
またこの作品を原作としてNHK BSでドラマ化
19歳で結婚し、その3年後には夫を病気で亡くした主人公は、その夫の父親(義父)と二人で夫の実家に住み続けています。
その後会社の同僚から、求婚されますが、どうにも煮え切らず、ズルズルと居心地が良い義父の家に収まっています。
その実家の隣人の元航空会社のCAをやっていた女性や、義父が始めた山登りを教えてくれる主人公の知り合いの山ガール、義父の嫁になる女性など、主人公と様々な縁がある人たちが1話ごとに登場してきて心温まる?話しが淡々と続きます。
その他にも、顔面神経痛で笑ってはいけないときに突然笑ってしまうことで辞めた元産婦人科医とか、事故で正座が出来ずに実家の寺を継ぐのを辞めた友人とか、笑うことが出来ないCAとか、急に涙があふれると身近な人が亡くなるとか、「ま、小説ですから」というノリで、そういう人がいれば楽しいだろうなと思うだけで、リアリティはなく、強大な敵の弱点を知りたいときに、身近に天才ハッカーが現れ、すべてを調べてくれるみたいな、ご都合主義小説の一つかなぁって思うのでした。
★★☆
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前編では、クルマのリサイクルについて、特にタイヤとバッテリーのリサイクルについて書きました。
自動車のリサイクルと部品共通化 前編 2018/7/7(土)
後編では、引き続きクルマのリサイクルについて、エンジンオイルについてと、部品や装置の共通化、互換性を進めていくべきとの提案をしていきます。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
オイル交換のあとの廃油は真っ当な回収業者であれば中和処理をしたり、ボイラー焼却燃料として活用したりしていますが、一部の不届き者は不法投棄することもあります(昔はドブや川に流す人が普通にいました)。
そうした発がん性物質を含む鉱物系廃油をできるだけ減らす工夫として、一部の欧州メーカーでは2年3万キロまで無交換というロングライフオイルを10年以上前から純正部品化しています。
日本のメーカーでは、現在でも半年~1年、5000~1万kmで交換が目安というところがほとんどですが、クルマに詳しい整備士等に言わせれば、儲けのためには早い交換がよいけど、機械的にはその倍以上使っても全然平気と言います。
よくガソリンスタンドで「オイル点検します!」と言って、「オイルの量が減っていますね~入れておきましょうか?」って聞かれます。
整備には無縁で無知な人なら「そりゃ大変だ、補充して!」となります。
私の場合は、「どれぐらい減っている?」って聞くと、「レベル下限の近くです」とか言います。
昔、整備士さんに言われましたけど、「レベルゲージのゲージ下限よりさらに下の、棒の先っぽにちょっとでもオイルがつくなら全然平気」と言われたことがありますので、下限でもレベル範囲にあるならばまったく問題なしと判断します。
さらにガソリンスタンドまで走行直後のレベルチェックですから、オイルは内燃機関全体に回っていて、オイルパンにたまっている量は少なくなって当たり前です。
そうした少なめに出るのを見越した上で、「オイルが少ない」と無知なユーザーを騙して、高いオイルを入れてお金をチャージしようという魂胆がミエミエなのです。
ちょっと話がそれましたが、不要と思えるほど頻繁なオイル交換で儲けているオイルメーカー、ディーラー工場やカーショップ、ガソリンスタンドのことよりも、本当に環境問題を考えるなら、日本の自動車メーカーやディーラーも、欧州メーカーに習ってオイル交換サイクルを長期化するべきでしょう。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
自動車メーカーも環境問題には取り組んでいますが、まだまだぬるいなと思うことがいくつかあります。
そのひとつに、部品の共通化をもっと徹底的におこない、その共通化した部品品質の向上と長期間の使用(在庫)、互換性確保にもっと取り組むべきと思っています。
技術進歩や流行の変化が激しい部品、例えばナビゲーションシステム、バンパー、ボディパネルなどは、クルマごとによって変わっても仕方ありません。
しかし小型車でも大型車でもそうたいして変わらない部品、例えば、ヘッドライトやステアリング、シート、操作レバーやスイッチ類、ペダル、ワイパー、リアコンビランプ、室内ランプ、フォグランプ、ドアレギュレーター、ドアハンドル、シートベルト、エアコン、自動ブレーキシステム、ホイールなど、できるだけ多くの部品の共通化と互換性を持たせ、品質向上と大量生産効果が上がるようにし、20年後でも普通に交換部品在庫があるようにするのが環境にもユーザーにも優しく、しかも質的向上とコストダウンにつながる唯一の道ではないかと思うわけです。
特にこれからクルマが大量に普及する途上国において、修理技術や補修品の在庫が先進国並みに整っているわけではないでしょう。
そうした過疎地域や途上国でも容易に交換修理が可能なように、部品の共通化=装着方法、検査方法の共通化、手軽に入手できる代替部品化を高度に進めていくべきです。
さらにもう一歩進めて、違うメーカー同士でも、優秀な部品や装置であれば、お互いにそれを使いあったり、融通し合うことで、より量産効果を上げ、無駄な開発費も省けます。在庫にかかる費用も部品の共通化や互換性で大幅に抑えることができます。
パソコンがこれだけ世界中に早く普及したのも、メーカー各社がバラバラで違う機能や独自のOSを使っていたらなかなか進まなかったでしょう。
独自路線で唯一成功したのはアップルだけで、その他のパソコンメーカーは、共通仕様に落ち着きました。
これから価格の安い商用車を含め、装着が必須となる歩行者検知機能付き自動ブレーキシステムや半自動運転機能を早く普及させるためには、各社バラバラで研究・開発するよりも、せいぜい世界で2~3種類に絞って装置を製造し、世界中のメーカーが相乗りで採用することで、大量生産による安価でより早く装着できるメリットがあります。
独自開発しなければ競争優位性が保てないとか、メーカーとして個性を出してと言い訳けがましく各社が言うのはわかっていますが、価格や質などユーザー視点に欠け、グローバルな環境問題を解決していかなければ自動車メーカーは自分の金儲けだけを考えている、人類を敵に回す悪徳企業となりかねません。
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1238 道路の白線についての誤解 前編
1233 運転免許証取得者は意外にも増えている
1231 クルマの修理であれこれ考えたこと
1225 交通違反の反則金の行方を知っているか?
1124 国内自動車販売台数や耐用年数推移など
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クルマには鉄やアルミだけでなく、ガラスやプラスティック類、ゴム、繊維など様々な原料というか素材が使われているのはご承知の通りです。
リサイクル法が2005年から完全施行されてきて、クルマを購入すると廃車時にかかる費用を「リサイクル券」という形で徴収されるようになっています。
国内で毎年廃棄されるクルマ(二輪除く)は約400万台※ということですから、毎日平均1万1千台が廃棄処分されている勘定になります。なにか想像を絶しますね。
※乗用車だけでなく、商用車やバス、トラック、ナンバーがない構内車など含む
廃車後のクルマでリサイクルできるものとして大きなものは、各種パーツの中古再生品、エアコンのフロンガス、鉄など金属類、廃油、タイヤ、プラスティックなどを粉砕してできるシュレッダーダストなど広範囲です。
その中でも廃車の分だけでなく通常の消耗品として数多くの廃品が出回るタイヤのリサイクルは比較的うまく回っているようで、使用済みタイヤ年間100万トンのうち9割がリサイクルされているそうです。それでもまだ河川敷や空き地に廃タイヤが捨てられているのをよく見かけます。
リサイクルされる廃タイヤ100万トンと言うと、タイヤ1本あたりが仮に10kg(乗用車17インチクラスのタイヤ重量)とすると年間1兆本が廃棄されているってことですね。
1兆本!マジ?これまた想像ができません。
ちょっと試算してみると、国内の自動車保有数は8200万台ですから、仮に平均して2年に1回4本を入れ替えて処分すると、その数は年間1兆6400万本となりますから、上記の数字は概ね間違ってはいなさそうです。
タイヤのリサイクルって溶かしてゴムを取り出すだけかと思っていたら、それだけでなく、廃タイヤのうち5割を超える量は、工場などで燃やして熱利用する、いわゆる石炭や石油に代わる代替燃料として使われているそうです。
ちなみにタイヤのメイン素材は天然ゴムと思っている人が多いのですが、一般的な乗用車用タイヤでは天然ゴム30%、合成ゴム21%、タイヤコード(うちテキスタイル3%、スチール11%)、補強材25%(カーボンブラック、シリカ)、ビードワイヤー5%(ピアノ線)、配合剤6%(加硫剤、加硫促進剤、柔軟剤、老化防止剤)となっていて※、イメージしているタイヤの素材の天然ゴムは全体の3割程度しか使われていないと言うことです。
※出典:日本グッドイヤー
但し、トラックやバスなど大型車のタイヤには天然ゴムがもっと多くの割合で使われているそうです。
さらに先日このような記事が出ていました。
タイヤ、天然ゴム使わずに ブリヂストンが新素材(日本経済新聞)
ブリヂストンは天然ゴムの代替となるタイヤ用の合成素材を開発した。合成ゴムに合成樹脂をつなぎ合わせることで強度を高めた。タイヤ用のゴムの原材料の約6割を占める天然ゴムをゼロにできる可能性があるという。ゴムの量を減らし、薄くて軽いタイヤを作製でき、燃費の向上につながる。2020年代の実用化を目指す。 |
上記によって環境への配慮や省エネにつながるかどうかは不明ですが、環境に配慮した上で、安くて丈夫でさらに安全ななものが作れるのならば歓迎したいところです。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
消耗品として、2~3年に1回交換を勧められるバッテリーは、やっかいな物質を含み、安価に安定したリサイクルが困難な部品の一つです。
バッテリーは大雑把ですが年間2500万個消費され、そのうち2000万個が回収されリサイクルされているそうで、それが正しいとすればリサイクル回収率は8割ということです。
リサイクルされずに捨てられている残りの2割と言うと年間500万個にもなります。その全部がゴミとして投棄されているわけではないでしょうけど、山や川や海などに不法に投棄されて環境汚染の一因となっていることも考えられます。
徐々に増えつつあるHVやEV用のニッケル水素電池やリチウム電池についても、ニッケルやコバルトなど希少金属が使われているものの、それを取り出して元が取れるほどの分量ではなく、再利用にはまだ多くの壁があります。
環境に良い!と思い込み(思い込まされ)、HVやEVが普及し、悪徳業者がリサイクルを請け負うと有料で引き取り、処理をしないで山林や海に不法投棄していくようなことが懸念されます。
また大量に廃棄される使用済みバッテリーが、国内だけでは処理しきれず、処理コストが安い貧しい国へ大量に輸出され、結局処理ができずにその国の土壌汚染を引き起こすという悲劇も想定されます。
そうなってしまうと、果たして新型EVに買い換えるのってそれ本当に環境に優しいの?っていう疑問も出てきそうです。
バッテリーについては1に10年ぐらいは普通に使える長寿命化、2に回収方法と再生品製造の確立、3に新技術、新素材を使った環境性能向上と言ったところが今後対策を強化すべきところでしょう。
後編では、廃オイル、そして部品の互換性についてです。
【関連リンク】
1238 道路の白線についての誤解 前編
1233 運転免許証取得者は意外にも増えている
1231 クルマの修理であれこれ考えたこと
1225 交通違反の反則金の行方を知っているか?
1124 国内自動車販売台数や耐用年数推移など
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決算書は「直感」で9割読める とことん手軽な会計入門 (PHPビジネス新書)
2012年に刊行された新書です。著者は公認会計士。税理士で、監査法人中央会計事務所(現・みすず監査法人)から独立して税理士法人キャッスルロック・パートナーズを設立し、その代表という絵に描いたようなエリートビジネスマン。
経理や財務の話しとなると、一般的な文系ビジネスマンにとっては頭の痛い話しで、大学で簿記なども一応学んだとはいえ私も同様で、こうした本は読めば読むほど頭の中が混乱してくるという気もします。
この新書では会社の中では当たり前に作られている基本的な「貸借対照表」「損益計算書」「キャッシュフロー計算書」について、経理に詳しくない人でも直感で見て理解することができる方法を教えてくれます。
数字を直感的にって言われても、真面目な人ほどそう大雑把に言われてもなぁって思うことでしょう。
しかし、現に経理担当者でもなければ、数字なんてものは一種の計器みたいなもので、それを詳細なデジタル計器ではなく、アナログ計器で大雑把に把握しておくという考え方には賛同できます。
それでもちゃんとこの本を理解し読み解くには、バランスシート、貸方・借方、キャッシュフロー、自己資本、純資産、営業外損益、税引き前利益等、経理用語は遠慮なくビシバシと出てきますので、最低限の経理知識は必要でしょう。
その他にも、株の投資などで役立ちそうな経営分析や、今後主流となっていく国際会計基準(IFRS)の計算書などの読み方も解説されています。
★★☆
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枯木灘 (河出文庫)
和歌山県新宮市生まれの著者には和歌山、特にこの小説の舞台となった紀伊半島の先端近く枯木灘周辺を舞台にしたものが多くあります。
この「枯木灘」は1977年に出版されましたが、その前1976年に芥川賞を受賞した短編集「岬
さらに1983年刊の「地の果て 至上の時
主人公は暴力事件で刑務所に行くことになる父親と、前の夫と死別したあと内縁関係となっていた母親から生まれ、その後母親がまた別の男と再婚し、その家で認知してもらって名前も変わるという複雑な人間関係です。
その義理の父親が始め、息子が後を継いでいる土方の現場監督をしながら日々暮らしています。
小説では路地と書かれていますが、主人公が暮らすのは被差別部落地域の中で、その中で、肉体を酷使する土方の仕事が自分に合っていると思っています。
とにかく、血族がいっぱいいて、複雑に絡み合っていて、その中には近親相姦的なものもありと、読んでいてもその人間関係図がすぐにはわからず苦労します。
と思って調べていたら、文庫の巻末に、主人公を中心とする相関図があり「早く言ってよ~」って感じです。
と言っても、この相関図を見ても、容易に理解することができず、複雑怪奇で小説の中で関係性の説明を読まないと、さっぱりわからないだろうなと思います。
それにしてもひとつの小説でこれぐらい同じことが何度も繰り返して書かれたものって他を知りません。
実際に著者の子供の頃に起きたことですが、主人公の父親違いの兄が桃の節句に自殺したことや、姉が気が狂ったことなど、それぞれ10数回も繰り返して書かれています。丁寧なのか、強調したいのか、それともちょっと読者を馬鹿にしているのか、先に書いたことを忘れているのか、よくわかりません。
よく新聞連載小説だと、途中から読む人のために、同じことを繰り返して書かれることもあります。でもその場合は、書籍として出版する際に、手を入れることも多いでしょう。
この小説は新聞連載ではなく、修正しようと思えばいくらでも機会はあったでしょうに、それほど大事とも思えないことが何度も繰り返されるので、文章の質についてちょっと疑いたくもなります。
主人公を中心として、人間の重き昏い性というか、血族からは簡単に抜け出せない当時の村社会など、貧困というのではないですが、終戦後の昭和の地方の姿がよく現れています。
先日読んだ桜木紫乃著の「ラブレス
まだ短編集の「岬
★★☆
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果てしなき渇き (宝島社文庫)
読み進めているうちにあれ?と気がつきましたが、これまた過去に一度読んだ小説でした。2007年に文庫化されてすぐそのタイトルに惹かれて購入し読んでいました。11年前のことですね、忘れていても仕方ないかな。
ダブって購入してしまったのは、ここ1~2ヶ月の間に、「ロマンス」柳広司著、「月の扉」石持浅海著とこれで3冊目となります。いよいよ老人惚けと言われても仕方ありません。
この小説を原作として2014年に「渇き。
主人公は、妻の不倫相手に重傷を負わせ刑事を退職、妻とも別れ、現在は通報があれば駆けつける警備員をしています。
ある夜、コンビニから緊急通報があり、駆けつけると、店員や客3名が惨殺されている現場に遭遇し、その凄惨な現場を目撃することになります。この事件があとで少し絡んできます。
その後、離婚した妻から「娘が行方不明になった」と電話がかかってきます。
娘の部屋から大量の覚醒剤が見つかったことから、娘を信じたい親として警察には届けることを躊躇し、主人公が自ら調べて娘を探すという展開です。
行方不明となった原因を調べると、学校でのいじめ問題、ヤクザ組織とつながる不良グループ、麻薬の密売、売春組織と、話しは徐々に大きくなり、首を突っ込む主人公はあちこちでボコボコにされ、また聞き込み先で死体を発見することになり、警察からもにらまれます。
それでもなんとか、手がかりを見つけ、なぜ娘がこうした事件や組織に関わってきたのかがわかっていきます。
なかなか手の込んだミステリー仕立てのハードボイルド作品というかノワール作品となっていますが、暴力性、凶悪度が強く、後味というか、読み進めているあいだ中、どうにも理解しがたい気持ち悪さがついて回ります。いつも寝る前に読んでいるせいで悪夢も見ました。
元刑事とはいえ、主人公も清く正しくってわけではなく、逆に相当なワルで、家庭には向かない大きな屈折と暴力性を内に抱え、こうした小説で主人公に据えるには珍しいキャラクターかなと思います。
著者はこの作品がメジャーデビュー作ということで、それまではサラリーマンをしながら、コツコツと短編小説や共著、ライターの仕事をこなしていたようです。
そしてこのデビュー作を宝島社などが主催する「このミステリーがすごい大賞」に応募、見事受賞します。
いきなりこのボリュームと、内容の濃さには驚くばかりですが、いい年したオッサンが読むにはどうしてもまだ荒削りなところばかりが目についてしまい、個人的な評価としては高くありません。
それでも、その後の作品をいくつか読んでみたいなとは思っています。
★☆☆
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氷菓 (角川文庫)
2001年に出版、2006年に文庫化されたライトノベル「古典部シリーズ」の第1作目となり、著者のメジャーデビュー作品です。
この「古典部シリーズ」は、「愚者のエンドロール
またこの作品を原作として2012年にテレビアニメ、2017年には実写映画
実写映画の監督は安里麻里、出演者は山﨑賢人、広瀬アリスなど。もちろん見てません。
こうした青春学園もの小説は苦手というか、もう還暦を迎えたおっさんが読んでも感情移入もできず、つい敬遠しがちなのですが、読書感想や書評では好評ということで、読んでみました。
形式的には連作短編のようなスタイルをとり、高校に入学した主人公が姉の命令で潰れかかっている古典部に入部し、そこで出会った豪農の令嬢、幼なじみの親友などとともに、不可解な謎を次々と解いていくというものです。
シンプルでありながら、短編という読みやすさから、普段からあまり読書に馴染がない高校生でもちょうどよいのではないでしょうか。
★★☆
◇著者別読書感想(米澤穂信)
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蛇にピアス (集英社文庫)
2004年に単行本、2006年に文庫本が出版された著者のデビュー作です。そして2004年の芥川賞に綿矢りさ氏と共に受賞し、一躍有名になった作品です。
その後、本作を原作として2008年に蜷川幸雄監督、吉高由里子、高良健吾などの出演で映画化
主人公は19歳の時々コンパニオンのアルバイトをしている自由奔放な女性で、同じく若いフリーターの男性と同棲をしています。
その彼氏のスプリット・タン(蛇のように舌に二股の切れ目を入れる)に憧れて、真似してそれを実行しようとしたり、彼氏の紹介で知り合った入れ墨の彫り師に頼んで背中に麒麟(中国神話に現れる伝説上の霊獣)と竜の彫り物を入れたりと、かなり発展的で、かつ、入れ墨代代わりに彫り師には彼氏に内緒でSEXで払うという過激とも言える内容です。
タイトルの意味は、上記の蛇のようなスプリット・タンをするために、最初は舌に小さめのピアス用の穴をあけて、徐々にそれを拡げていき、最後にカットして下の先を二股にしてしまう方法のことを指していると思われます。
ま、一般庶民にとっては、スプリット・タンはもちろん、ファッションで入れる大きな入れ墨も縁遠いと思いますので、それを小説という架空の世界で想像して楽しむ分には良いんじゃないかと思います。
しかし、読んでいて肉体改造や、暴力的なシーンに気持ち悪くなってくることもあって、まっとうな人にとっては後味はよくないでしょう。
それにしても、「え?これで芥川賞がとれるんだ!」と思った売れない作家や、メジャーデビューしたいと思っているアマチュア作家がきっと大勢いるでしょう。
この作品が受賞したことで、もし世の中に影響を及ぼしたとすれば、それが最大の貢献だったかもしれません。
★☆☆
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