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1151
転落の街(講談社文庫)(上)(下) マイクル・コナリー

2011年発刊で、翻訳版は2016年刊のハリーボッシュシリーズの第15作品目で最新作です。

日本で最新作と言っても、すでにアメリカでは、まだ翻訳版が出ていないシリーズの5作品が出ていますので、この順次出てくると思われますので楽しみです。

未解決凶悪事件の担当をしているハードボイルドなハリー・ボッシュ刑事もそろそろ定年を迎える時期が近づいてきていて、ロス市警本部で定年延長の話しが持ち上がってきています。何十年といつまでも壮年だったパーカーのスペンサーシリーズとはその点は違いますね。

内容は、未解決凶悪事件と、同時に有力な市会議員に指名された事件の捜査を、中国系の若いパートナー刑事と並行して進めることになります。

元ロス市警副本部長で若きボッシュとは深い因縁のある間柄だった有力市会議員の息子が、ホテルから転落して死亡します。

それは果たして自殺なのか事故なのか、それとも殺人なのかということでボッシュと相棒は捜査を進めていくわけですが、その間にも最近の科学捜査であらたに判明してきた未解決事件にも首を突っ込んでいきます。

このボッシュシリーズではよくありますが、全く関係がない二つの事件を同時に進めていくことで、読者を飽きさせず、また一粒で二度美味しいじゃないですが、その二つの事件が時をほぼ同じくして解決していくというちょっとご都合主義的なところがあります。

今回も、タイトルにもあるとおりホテルからの転落死の謎と、それとまったく関係がない未解決事件の不可解なDNA検査結果を周囲の人を巻き込みながら並行して捜査を進め、同時に解決していきます。

大衆エンタメに走り過ぎたきらいのある前作「ナイン・ドラゴンズ」はいまいち評判が悪そうですが、今回はそうしたベテランの域に達した老練で冷静なボッシュ刑事の活躍が見られます。

★★☆

著者別読書感想(マイクル・コナリー)

  ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

となりのクレーマー―「苦情を言う人」との交渉術 (中公新書ラクレ) 関根眞一

2007年出版の新書で著者はデパートでお客様相談室を長くやってきたクレーム対処のプロの方です。

具体的なクレーム対処法というのも少しは出てきますが、メインは心構え的な話しが中心で、それをマスターしておけば、たいていのクレームにも動揺することがなく、また顧客を逃すことなく収束させられるという精神論的な話しです。

クレーム処理は様々な場面で出くわすことがありますが、そうした時の対処法を知っているのと知らないのとでは円満解決できたり、逆に一歩間違うと訴訟沙汰に発展することなどよくあることです。

また最近増えてきているのが「モンスター●●」と言った、クレームのためのクレームを趣味か商売にしているような頭の悪い人が増えてきている問題対処法なども一読する価値はあります。

個人的にも今は引っ越していっていませんが、隣人と些細なことでトラブルになったことがあり、本当に不快な日々をおくった経験があります。

これも最初の対処を誤ったせいで、相手がつけいる隙を与えてしまったわけで、どうしてもそうしたトラブル時にはお互いがカッと感情的になりがちなので、今から思えば反省するとともに、プロのクレーム処理ならどうやってこうした難局を切り抜けるのかな?ということを考えると、案外冷静に客観的に物事が見え、対処ができるようになるかも知れません。

★★☆

  ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

長女たち 篠田節子

10年以上八王子市役所に勤務していたという異色の作家さんですが、1990年に「絹の変容」で作家デビュー以来着々と作品を生み出し、1997年には「女たちのジハード」で直木賞を受賞して押しも押されぬ売れっ子作家さんになっています。

この作品は、2014年の作品で、「家守娘」「ミッション」「ファーストレディ」の3編からなる中編小説です。

テーマはタイトルにもある通り、老いた親と長女という深い関係性で、長女視点で書かれた介護や仕事、恋愛などとなっています。

男性、しかも中高年が読むと主人公に感情移入はできず、ちょっと理解しがたい思考や行動を客観的にみるしかないのですが、現在進んでいる一人っ子の家庭では、こうした様々な親と長女の関係が社会の中で大きく捉えられるようになっていくのでしょう。

長女に頼りたい親と、他の兄弟のように自由に外へ出て行きたい長女とで、肉親の関係ゆえに重苦しい葛藤が生まれていくというのは想像が容易です。

男からすれば、だからどうした?っていうような些細なことまで気に病み、あれこれ自問自答するなど、想像できないところがわかって自分が老いたときには気をつけようと思ったり。

★★☆

著者別読書感想(篠田節子)

  ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

殺戮にいたる病 (講談社文庫) 我孫子武丸

以前「弥勒の掌」(2005年)を読んだことがある作家さんの1992年発刊の割と古めの犯罪ミステリー小説です。

 2011年9月後半の読書「弥勒の掌」 (文春文庫)

最初読み始めた時には、25年も前に書かれた小説とは知らなかったのですが、読んでいくうちに、携帯電話も出てこないし今なら犯罪捜査には欠かせない監視カメラの存在もまったくないので、これはバブル時代かそれ以前の話しだなぁって気がつきました。

主人公は被害者の妹と一緒に犯人捜しをする元刑事ということになるのでしょうけど、その他にも、平凡な家庭の主婦と、連続して快楽殺人を犯していく犯人の二人の視点でも描かれています。

凝ったミステリーなので最後のクライマックスを書くわけにはいきませんが、ま、よくあるパターンと言えばそうですし、まったく現実的ではなさそうと言えばそうなる微妙な感じです。

死体損壊や屍姦など、決して気持ちの良い話しではなく、終わり方も異常でちょっと奇をてらいすぎた?って感じです。

でも1992年頃って、片田舎ならともかく、目撃者が多くいる都会の中で連続殺人が行えるほど警察の捜査能力って低かったのでしょうかね?ちょっと時代を感じてしまいました。

★☆☆

著者別読書感想(我孫子武丸)

【関連リンク】
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1150
前東京都知事の舛添要一氏は知事時代の2015年4月に変形性股関節症で人工股関節全置換手術を受けられました。

手術後、都庁に復帰後、オリンピック関連のニュースで登場するたびに時には杖をついて不自由そうに歩く姿もよく映し出されていました。(写真はTOKYO MXテレビより)



毎週のように東京から離れ、公用車を使って湯河原の別荘へ行っていた理由を記者から尋ねられたときも「私は足の手術をして、足を伸ばして入れる別荘の風呂で療養していた」というような発言をされていました。

その人工股関節置換手術を受けるまでの話しをブログに書いておられます。

変形性股関節症について(1)

この(1)から(11)まで続きます。

私とほぼ同じ時期に人工股関節置換手術を受けられたと言うこともあり、その動向を注視していましたが、手術において私が2016年に受けたものとやや違っているなぁと思い、その違いを書いておきます。

舛添氏が手術を受けたのは帝京大学医学部附属溝口病院整形外科で、執刀医は中村茂教授という話しを聞いたことがありますが、事実かどうかは不明です。

舛添氏のブログでは、2015年4月2日に左股関節人工股関節置換手術をし、2年後の2017年7月7日に右側の手術をされたということです。

その最初の手術について詳しく書かれていますが、2年前の人工股関節全置換手術では、新職員を前に訓示(職員入都式)し、その後も仕事をした上で入院、翌日の朝に手術ということでした。

手術前に貯血をするのは同じですが、舛添氏の場合「念のため自分の血液800ccを事前に採取し、輸血用として冷蔵保存」とありました。私の受けた病院では貯血はその半分の400ccだけでした。

「手術は朝8時から始まり、お昼頃に部屋に戻った」とありますから、手術に3~4時間かかっていることになります。片側だけの手術としてはちょっと長いかなって気もします。ただその時間中は全身麻酔で意識がないので、実際の手術時間は聞かない限りわからないものです。

病室に移ってから輸血、栄養剤注入、カテーテルでの排尿などとこれは私の場合と変わりありませんが、「寝たきりになると、血栓が問題となりますので、ベッドの上で、両足の爪先を動かす動作をして予防に努めました」とあるのは通称エコノミー症候群対策だと思いますが、フットポンプは使っていなかったのでしょうかね?私の受けた病院では気がついたときから両足にフットポンプが付いていて圧縮と開放が繰り返されていました。

「手術の翌々日の3日には、自分の口から朝食を摂りました。」とあるのは「入院の翌々日(手術の翌日)の3日には・・・」の誤りでしょう。手術翌日の朝食からというのであれば同じです。

「4日(手術の翌々日?)には尿カテーテルを外し、車椅子から歩行器へと移行しました。」とありましたが、私の病院では、手術の翌朝にはカテーテルを外し、立ち上がる練習&車椅子をおこない、トイレへの移動はひとりで可能でした。カテーテルで尿をとるのは短い方がいいです。

「ベッドの上でも、両脚のあいだに枕やクッションを挟んでおきます。また傷口を守るため、仰向けではなく、身体の右側を下に、左側を上にする体勢にせねばならず、寝返りも打てません。」
とありますが、私が手術を受けた病院では手術後の禁忌体勢はまったくなく、体勢は自由で、手術翌々日のリハビリでは理学療法士から「では正座してみましょうか?」と無茶なことを言われました。

このあたり病院のやり方というのはちょっと遅れている?って気もしますがどうなんでしょう。

それ以外では、「4月15日には、シャワーを浴びる許可がおり、2週間ぶりにすっきりとした気分になりました。」と書いてありましたが、4月2日に手術で15日にシャワーというのはいくらなんでも遅すぎな感じです。

私が受けた時は、手術の3日後にはシャワーをひとりで浴びることができました。その後も毎日リハビリで汗をかいた後はシャワーで気持ちよく流していました。

4月1日に入院し、2日に手術、そして「4月28日に無事退院することができました。」ということは、なんと手術後26日も入院、リハビリをされていたことになります。さすがVIPです。

私が受けた病院では昨年皇室の方(75歳)が両足股関節の同時置換手術をされてましたが、やはり入院は22日間でした。片足の手術で26日とは軟弱過ぎ~って気もします(両足同時手術の場合、リハビリは片足手術の2倍ぐらいの期間と言われています)。

もっとも「2017年7月7日に同じような手術を受けました。今回は前回よりも10日間早く退院しました」とありましたから、初回の2015年4月の手術が異例の長さだったとも言えます。VIP待遇で、退院して自宅で療養&仕事をするより、病室で仕事をするほうがよいと判断されたのかもしれません。

私が手術を受けた病院では、片側だけの人工股関節手術の場合、平均で入院は13日ほどで、私の場合はリハビリも順調にいったので、手術後8日で退院しました。早くなったとは言え舛添氏の2017年の2回目の手術(おそらく16日間)の半分ですね。

そして、術後2週間後には杖をついてですが、満員電車にのり、駅の階段も登り降りし、普通に通勤してました。舛添氏のように、手術から4週間後に悠々とワゴン型の専用車で送り迎えしてもらえるわけもなくです。

いかに舛添氏が、変形性股関節症から人工股関節手術をしたと言っても、それは十分にVIP待遇されており、一般の人からすれば羨ましい限りの入院、リハビリ生活と、周囲の対応です。

なので、舛添氏は「湯河原の別荘へは療養を兼ねて」とか無粋な言い訳や「都庁スタッフが病院へ報告へ来ていたので仕事は続けていた」とか特権意識丸出しの苦しい言い訳などせず、せっかく病院に長く入院したのですから、VIP用特別室にこもっていないで、そこで多くの難病の患者さんと触れ合って、励ましたり励まされたりするのが本来の政治家の姿ではないでしょうか。

病院は都内ではなく神奈川だったので、お金を含めすべての損得に敏感な舛添氏らしく、神奈川の市民達と触れ合っても無駄との判断なのかもしれませんが、、、

私だって自分でネットをつないで手術の翌日からベッドの上で普通に仕事をしていたぐらいですから、変な特権階級ぶった病気自慢、仕事自慢、そして人に気の毒がってもらうような発言はするべきではないでしょう。

それにしても人工股関節の置換手術をする場合、病院によって、手術方法や入院期間(リハビリ期間)など大きく違うものです。病院選びは自分の考えに合ったところを慎重に探すべきですね。


【関連リンク】
1049 変形性股関節症の人工股関節置換手術まとめ
1047 変形性股関節症の人工股関節全置換手術(4)
1046 変形性股関節症の人工股関節全置換手術(3)
1037 変形性股関節症の人工股関節全置換手術(2)
1033 変形性股関節症の人工股関節全置換手術(1)

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1149
まだ幼年期か小学校低学年だった頃に、母親宛に毎月1度は送られてくる祖母(母親の母親)からのはがきを眺めるのが好きでした。

明治生まれの才女?が、万年筆で流れるように崩した女性っぽい文字で書かれ、達筆?すぎて文字はほとんど読めませんでしたが、はがきの匂いとインクの匂い、そして小さなはがき裏面いっぱいに、今から思えば子を思う親の気持ちが幼い子供心にも響いていたのだと思われます。

はがきを出したりもらったりすることは、年賀状を除き、広告のDM以外ではほとんどなくなりましたが、無味乾燥の電子メールとは違い、当時の切手や色あせてくる紙の質、それにその人の性格や書いたときの感情がにじみ出ている手書き文字に情緒があります。

最近、サマージャンボ宝くじを30枚買いましたが、その時にもらえるキャンペーン応募はがきを出すとき、そのはがきに貼る切手が50円切手しか手元になく、追加の12円切手をわざわざ買いに行くのも面倒だし、それに追加の切手を貼れる場所も見当たらず、仕方なく手持ちの80円切手を貼って出すことにしました。

ちょこちょこと値上げされて、その都度、手持ちのはがきや切手が使いにくく、時には無駄にしてしまうことが多く、困ったものです。

  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇

私の中では郵便局等で売られている切手を貼らなくてもよいはがきの名称は「官製はがき」として認知していますが、ご存じの通り2003年に郵政事業が国営事業から民営事業化され、はがきを発行する日本郵政はもう「官」ではなくなりました。つまり「官製はがき」ではなくなり、今は「郵政はがき」と公式上は呼ばれています。

一般的な呼称「郵便はがき」は「官製はがき」に対する切手を貼って出す「私製はがき」の公式名称ですので、呼び方が「官製」から「郵政」に変わったことで「郵政」と「郵便」の区別がつきにくく、誤りをなくすため今でも「官製」を使う人が多いと言うことです。

同様に、国鉄がJRに変わってからしばらくのあいだ「国電」という言い方は普通に使われていましたものね。代わりに付けられた「E電」という名称は結局定着しませんでした。

その「郵政はがき」ですが、数年に一度、年賀状の失敗分や余った分、それに料金が変わる前のはがきをもって、郵便局へ新しい「郵政はがき」へ交換しに行きました。

はがきの交換には手数料がかかりますが、数多く持って行くと、枚数に応じて等価交換してくれて手数料を別途支払わずに済むことを先日知りました。簡単に言えば交換枚数は減るけれど持ち出しの現金手数料は不要ということです。発生した端数の金額分は切手でもらうこともできます。

  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇

さて、昭和の半ばぐらい(1970年頃)までは遠方の通信手段と言えば、電話か手紙やはがきしかありませんでした。

その電話も長距離通話はめちゃくちゃ高く、実用的ではなかったので、前述のように実家の親と遠くへ嫁いだ娘とは手紙やはがきで連絡を取るのが普通でした。

それが1985年に電電公社が民営化されて、一気に長距離電話が安くなったことで、気楽に電話で話すことも可能となってきました。そう考えると電話は民営化されて値段が下がったのに、郵便は民営化されても次々と値上げされているのは腹立たしい限りです。

全国統一料金、サービスで、職員が元公務員の割高な人件費、通信事業とは違い労働集約的な業務であることなど様々なハンデを抱えていることはありますが、それに加えて投資で4000億円をドブに捨てるようなアホな経営者達がいるので、今後も郵便料金の値上げが頻発しそうな勢いです。

日本郵政「M&A蟻地獄」、お荷物の郵便抱えた民営化の末路(ダイヤモンド・オンライン)
民営化し株式を売り出した時、赤字転落を誰が予想しただろう。豪州の物流会社トールの買収に失敗し、4003億円を減損処理した日本郵政。「損失は一括処理で解消された」と長門貢社長は言う。本当だろうか。

ま、郵政事業は巨額の国の税金や年金、国民の財産を預かり、事業資金不足になることは考えられませんが、こうしたあきれた放漫経営は、その昔、社会保険庁がその当時は有り余る年金積み立て金を湯水のごとく使って、豪華な保養所やホールなどを全国に建設し、そこへ役人を次々と天下りさせて高給を支払ってきた構図と変わりありません。

すでにお亡くなりになっていますが、ヤマト運輸で宅急便の生みの親である小倉昌男氏がもし日本郵政の経営を任されたら、おそらく世界に冠たる郵便、金融、保険、運輸、流通の国際総合会社を作り上げたでしょう。もちろん役人や役所が大嫌いな小倉氏がそのような話しを受けるはずもないことですが。

  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇

はがきと手紙の話しに戻りますが、これらの取り扱い数の長期的な推移を調べようとしても、なかなか適当な資料がみつかりません。

日本郵政が公表しているデータは平成23年度(2011年度)までで、それ以前のデータは総務省の統計データから引っ張ってきました。

第一種(定型封書)と第二種(はがき)の国内取り扱い数推移(単位:億通)


1996年には封書が125億通、はがきが68億通と言いますから、国民ひとりあたりに換算すると、封書が年間104通、はがきが57通ということになります。

それが2016年には封書が84億通、はがきが63億通となっています。同様に国民ひとりあたりに換算すると、封書が年間70通、はがきが53通ということになります。

意外にはがきの枚数はあまり変わっていません。

実感としては、年賀状の影響で封書よりも葉書の方が受け取る枚数が多いような気もしますが、毎日のように届く封筒のDMなどを考えるとそうなのかも。

それにしてもこの20年間で封書の落ち込みが3割減と大きい感じです。

はがきや手紙といったアナログではあるけれど、風流な文化はできればいつまでも残していきたいものです。


【関連リンク】
1110 宅配業者は本当に困っているのか?
830 宅配ビジネスのラストワンマイル
755 電子書籍を普及させるには
723 個人情報保護も大事だと思うが



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1148
漂えど沈まず 新・病葉流れて (幻冬舎文庫) 白川道

2015年に69歳で急逝した著者の2013年発表の作品(文庫は2014年)で、自伝的な長編小説です。

あらためてこのシリーズを一覧にしておくと、

病葉流れて 1998年
朽ちた花びら―病葉流れて 2 2004年
崩れる日なにおもう―病葉流れて 3 2004年
身を捨ててこそ 新・病葉流れて 2012年
浮かぶ瀬もあれ 新・病葉流れて 2013年
漂えど沈まず 新・病葉流れて 2013年
そして奔流へ 新・病葉流れて 2014年

となります。

主人公が一橋大学に入ったところから始まり、そこで麻雀や競輪のギャンブルの指南を受け、さらに女性関係も華やかになり、その後大学を卒業して大阪の三洋電機に入社するも、息苦しい会社員生活にすぐに飽きてしまいたった3ヶ月で退職し、株や商品取引の一攫千金の世界を知って一財産を作ると、その後東京に戻り、広告代理店の東急エージェンシーに入社して、淡々と退屈な業務をこなす一方で高額レートのギャンブルに染まっていくというのが「浮かぶ瀬もあれ」までのストーリーでした。

あと残るところ、この「漂えど沈まず」と次の「そして奔流へ 新・病葉流れて」で亡くなったので、その先の株式相場に手を出してお縄になるところまでは出てこないと思いますが、著者の波乱の人生を垣間見れて面白いです。

このような作者自身をモデルにした一般的には私小説は和洋問わず数多くありますが、何年もかけて長編シリーズに仕上げたものでは、日本では五木寛之氏の「青春の門」が有名です。

その他にも宮本輝氏の「流転の海」シリーズ、花村萬月氏の「百万遍シリーズ」などを好きで読んでいます。

ただ、作者が亡くなると中途半端なままで終わってしまうこともあり、こうした何年(何十年)に渡ってのシリーズにはリスクがつきものですね。

もし段取り上手なw私だったら、一応完結まで書いておいて、信頼できる人や法人(出版社や弁護士事務所)に預けておき、亡くなったらそれを順番に出版して欲しいと遺言しておくでしょう。それが読者に対する最後のお勤めというかお礼という形になります。

さて、この作品ですが、下のシリーズ最終編になる「そして奔流へ」とほぼ一体となった作品ですので、下で書くことにします。

★★☆

著者別読書感想(白川道)

  ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

そして奔流へ 新・病葉流れて (幻冬舎文庫) 白川道

2014年に単行本が発刊され、亡くなった2015年4月の8ヶ月後にこのシリーズ最後となった自伝的小説の文庫版が登場しました。

文庫版の解説には事実上の妻であった新潮社の出版部長である中瀬ゆかり氏が書いています。幻冬舎の本に新潮社の社員が寄稿するという珍しいパターンです。

内容は、上記の「漂えど沈まず」とほぼ同じような、賭け麻雀や競輪、女性関係の話しがダラダラと続きます。昭和時代の肉食系男子なら一度は夢で妄想するような世界です。

要は大阪で大ばくちをうって大金を手にし、知人のつてで広告代理店の東急エージェンシーに入社、女子大生モデルや会社の同僚で大企業のお嬢様とも付き合い、さらに一橋大学の学生時代に知り合った新宿のクラブのママとも関係を続けるというアウトローなギャンブラーとして20代を過ごしていきます。

しかし賭け麻雀で知り合った会社の幹部に頼まれてやった裏金作りがとうとう会社にバレて、その幹部と同様に自ら会社を退職し、いよいよ本命でもある株の世界へ踏み入れ始めたところで終わってしまいます。

その後のことは、デビュー作の「流星たちの宴」(1994年)に出てきますので、そちらを読むことをお勧めです。

★★☆

著者別読書感想(白川道)

  ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

本と私 (岩波新書 新赤版 (別冊8)) 鶴見俊輔編

団塊世代より上の世代にとっては大変よく知られた哲学者であり、評論家であり、政治運動家でもあった鶴見氏が選者で編者となった2003年刊の新書です。

「本と私」というテーマで岩波書店が創業90年の記念事業として一般から公募し、応募があった818作品の中から19作品を編者が選び収録したものです。

もちろん通常の読書感想文というのではなく、本との出会いとその後の人生にどういう影響を与えたのかなど、人生論や哲学的ないたって真面目で、しかし読者にも深く染み渡るような作品が多く、すぐれた短編集を読んでいるような印象を受けます。

若い人の作品もありますが、やはり激動の戦争中からモノが不足した戦後間もない頃の話しが多く選ばれています。

こうした作品を読んでいて気づくのは、過去には本を手に入れるのに大変な苦労をしたり、古本でも高額でなかなか買えなかったり、何度も繰り返して読むことが当たり前だったりしたのだなぁってこと。

今の世の中では、すっかり書籍は邪魔者扱いされ、紙の本を読むというのはなんだかダサいことみたいに思われてしまっています。古本も100円から多くあり、売れるのは出版されたばかりの新刊書が中心と、書籍と書籍を生み出す作家などにとっては極めて不遇の時代です。

ま、デジタル化は資源の節約につながるとか言う人もいますが、そういう人に限って、数年ごとにエコカーと呼ばれるクルマを買い換え、多くの処理ができない危険な廃棄物をいっぱい出していることに気づいていないのでしょう。

★★★

  ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

落日燃ゆ (新潮文庫) 城山三郎

元内閣総理大臣で、太平洋戦争の責任を問われ、唯一文官としてA級戦犯として処刑された広田弘毅を描いた小説で、今から43年前の1974年に単行本、1986年に文庫版が出版されました。

過去2回(1976年と2009年)テレビドラマ化されていて、私も1976年版(主演:滝沢修)を見た記憶があります。

いずれにしても悲しいお話で、戦争をなんとか回避しようと外交努力で動き回った文民の政治家が、軍部の暴走を止められず、その余波をまともに受け、しかも終戦後には我が身かわいさで必死に罪を他人になすりつけようとする軍人や政治家が多い中、一切の弁明はせず、天皇を守り日本を守れるなら誰かが責任を取らなければならず、それは自分だという思いで淡々とA級戦犯として処刑されるに至ります。

彼がどういう思いで外交官となって世界に出て行き、誰とどのような外交交渉をして、やがて政治家になったあとは軍部のやり方に異議を唱え、何度も衝突し、血気盛んな若手将校ににらまれ、いつ暗殺されてもおかしくない状況にもなりながら、結局は欧米との戦争に入ってしまう道を作ってしまったかという歴史が著者によって熱く語られていきます。

もっとも官僚や政治家が、小説に書かれるほどに清廉潔白で、罪や野心がひとつもないなんてことは考えられませんので、話半分だとしても、日本の重い歴史の一端を不幸にも担った人であることは確かでしょう。

これを読むと、増長していく軍部が、政治を手中に収め、国民世論をも味方に付けて、神の国が負けるはずがないという根拠のない根拠で戦争の道へと進んでいったあの時代がよくわかります。

そうした右傾傾向と感情的な扇動政策は、決して70数年前だけのことではなく、現代でも十分に起こりえることで、今に生きる国民は、果たしてその時の反省と理解をいつまで保持できるかなということを考えさせられる小説でした。

★★★

  ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

いっぽん桜 (新潮文庫) 山本一力

2003年に単行本、2005年に文庫化された江戸の庶民を描いた、「いっぽん桜」「萩ゆれて」「そこに、すいかずら」「芒種のあさがお」の4編の時代小説です。

著者の作品では、直木賞に輝いた「あかね空」や同じく江戸の庶民を描いた「だいこん」、難破して漂流中にアメリカ船に救助された中浜万次郎を描いた「ジョン・マン」などの時代ものの長編小説や、自伝的な要素を盛り込ませた現代小説の「ワシントンハイツの旋風」など数多くの作品がありますが、出色な短編作品も多くあります。

この作品でも、江戸の市井の庶民達が生き生きと暮らす日々を描いていて、まるでその様子が目に浮かんでくるようです。

タイトルにもなった「いっぽん桜」は、苦労し長く勤めて大番頭まで上り詰めた主人公ですが、後進の若い人にそれを譲らなければならなくなった時、気持ちが萎えてしまい、請われて別の仕事に就くものの、大きな仕事をやってきた自分がなかなか捨てられず、前と同じやり方を強引に推し進め、周囲から鼻つまみ者にされてしまいます。

しかしある出来事から自分が間違っていたことに気がつき、サバサバとした気分になるという現代の定年退職、再就職組に向けた応援歌たる物語です。

4編ともそれぞれ季節に応じた花が脇役ですがポイントとなっていて、美しい短編と言えるでしょう。

著者別読書感想(山本一力)


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1147
すでにお二人とも亡くなっていますが、私が子供の頃から青年期にかけて大好きだったのが、人生幸朗・生恵幸子の「ぼやき漫才」です。

「浜の真砂は尽きるとも、世にボヤキの種はつきまじ」
「まぁ皆さん、聞いてください」

ってヤツです。50代中盤以上の方、特に関西に住んでいた方にはおなじみではないでしょうか。



今でこそ、SNSやデモ活動で社会の不満や自己主張を外に向けて発信したり、行動したりというのが当たり前になっていますが、1970年代~1980年代というのは、1960年代の激しかった学生運動も遠くに過ぎ去り、中東情勢によるオイルショックこそありましたが、少なくとも国内の政治や社会においては不満はほとんど表に出てきませんでした。

もちろん表には出てこないだけで、公害問題や交通戦争、通勤地獄、住宅問題など社会の問題はいくつもありました。

しかしそれらを凌駕する経済成長や国際的地位の向上などもあり、国民の多くは収入が増えていき、理想的な生活をおくる夢を見て、まもなく始まろうとしているバブル経済に高揚感をもっていた時代でした。

そのような一種、国民総催眠状態の中で、この戦前生まれの古風な漫才コンビだけが、時には社会問題を辛辣に取り上げ、しかもそれを笑いに変えていて、今から思えば一歩間違うと大炎上しかねない微妙で絶妙なプロの技と言えるものです。

社会問題はともかく、その時はまだ子供でしたので、記憶に残っているのは当時の流行歌を面白おかしくけなしていたことです。

流行歌と言っても戦後直後のものから山口百恵まで、幅広い歌の歌詞にいちゃもんをつけていくのですが、中でも最近ふと思い出したのが1945年の歌謡曲で並木路子が歌った「リンゴの唄」を取り上げた漫才です。

歌詞は、

「赤いリンゴに くちびる寄せて だまって見ている 青い空 リンゴは何にも いわないけれど リンゴの気持ちは よくわかる リンゴ可愛いや 可愛いやリンゴ」

確かに突っ込みどころ満載の歌詞です。

私の生まれるずっと前の歌なので、リアルタイムで聞いたことはありませんが、覚えやすい簡単な歌詞とリズムで、なぜかよく記憶に残っています。終戦直後の荒廃した街の中で復興に立ち上がる庶民の姿をとらえた白黒フィルムが流れるときには、このメロディが挿入されることが多いですね。

漫才では、生恵幸子が突然この歌を歌い出し、その歌詞に人生幸朗がぼやくわけです。

「リンゴは何にも いわないけれど~♪」
「リンゴが物言うたんか!リンゴが物言うたら果物屋のおっさんうるそうて寝られへんわ!」

そのほかにも、野口五郎の名曲「青いリンゴ」では、

「青いリンゴを 抱きしめても~思い出さえ 帰らない~♪」
「男やったらリンゴやのうて、おなごを抱かんか!」

伊東ゆかりの「小指の想い出」では、

「あなたが噛んだ~小指がいたい~♪」
「当たり前や!誰でも小指噛まれたら痛いわ!ボケッ!」

千 昌夫の「アケミという名で十八で」では、

「波止場で拾った 女の子~ 死にたいなんて言っていた~ アケミという名で 十八で~♪」
「うちの近所のアケミは68や!」

このようなぼやき?を次々と繰り出して、次第に顔は真っ赤となり、直立不動の姿勢のまま、興奮気味に直角に曲げた両腕だけを上下に動かすロボットのような出で立ちが、会場を大爆笑の渦に巻き込みます。

最近のテレビでよくやっている演出のように、録音してある爆笑や感嘆を、あとから編集で差し込むようなアホな演出は一切ありません。

最後に決まって、「責任者出てこい!」と絶叫する人生幸朗。

すると相方の生恵幸子が「出てきたらどないするの!」

人生幸朗は「謝ったらしまいや!」でチャンチャンとなります。

BS放送では、古いドラマや映画はなんども再放送をやっていますが、古い漫才や落語もぜひレギュラー化してやってもらいたいものです。

今やテレビ視聴者のメーンは引退した高齢者という有様なので、なにをしゃべっているのかよくわからず、ただギャハハと手を叩いて身内同士で喜んでいるくだらないバラエティではなく、こうした昭和時代のじっくり聞ける漫才はきっと今の視聴者には受けるはずです。


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