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宮仕えに汲々したサラリーマンなら一度は考えることとして独立起業があります。
ソフトバンクの孫さんやホリエモンさんのようにサラリーマン経験はなく、学校を終えてすぐ(あるいは学校在籍中)に起業した事業家のように特別な才能と幸運に恵まれた人は別として、多くの起業人は数年から十数年のサラリーマン経験をしてから独立するケースがほとんどだろうと思います。
また脱サラで起業した人の中にも、何年働いたら会社を辞めて独立すると計画を立てて就職する人もいれば、会社勤めしている中で、自分の居場所はここではないと、転職のひとつの形として独立起業をする方もいるでしょう。
一度でも会社勤めをするということは、ビジネス感覚を養い、人脈を作り、一個人だと知り得ない業界知識やノウハウが身について将来独立する上においてそれらが大いに役立つことは確かです。
起業するにあたっては、人それぞれ置かれている環境や、強い意志、周囲の理解、家族の援助など様々な要因があってのことなので、そのいずれが正しいという解答はありません。
レアなケースとして50代、60代になってから起業する人が最近は増えているようです(増えてきたと言うより、元々その年代の人口が多いため、その年代で起業する人の割合は変わらなくても実質数が増えて目立ってきたということもあるでしょうけど)。
ただ私の考えでは、独立起業を決意するなら遅くとも40歳までに判断すべきだろうと思っています。アイデアと資金さえあれば、もちろんもっと早く20代のうちに独立を目指すのも問題ありません。
なぜ40歳までか?
通常大学を出てすぐに就職した場合、20年経つと年齢は42歳。この年齢になると、中小企業なら部次長クラス、大手企業なら課長クラスで、社内では重要ポジションに身を置き、さらに今後上(部長や取締役)を狙えるかどうか非常に大事な時期に入ってきます。
この段階まで来てしまうと、よほどのことがない限り、転職や勤務先を辞めてリスクを冒すのは生涯賃金とリスクを考えると割りに合うとは思えません。
さらに平均的にこの年代になると配偶者と扶養する子供がいて、住宅ローンまで抱え込んでいることが多い年代でもあります。配偶者とはともかく、子供がいるとリスクはなかなか冒せません。
またバブル崩壊後に年功序列が崩れはじめ、年収カーブが従来なら50代半ばまではずっと右肩上がりだったのが、最近では40代でもっとも高くなるケースが増えてきています(国の統計平均では現在最も年収が高いのは50代前半)。
そして今後はもっと若手の早期登用が進むと思われ、この年収カーブがより40代ピーク、技術系職に至っては30代ピークへと移っていく可能性があります。
そうしたことを考えると、独立起業を目指すなら、晩婚化でまだ配偶者がいなかったり、いても配偶者は自立して働いているとかで、少なくとも扶養すべき子供がいない30代前半、遅くとも39歳までにしておくべきだということです。
独立して例え仕事がうまくいったとしても、数年間は毎月の収入が安定しなかったり、社会的信用が得られず、引っ越したくても家の賃貸契約を断られたり、買おうと思っても住宅ローンの審査が通らなかったりすることがあります。
また子供がいると義務教育期間はともかく、やがて多額の教育費(高校・大学とも私立だと入学金・授業料だけで1000万近く)がかかり、ある程度の蓄えが必要です。個人事業の場合、例え儲かっていても自転車操業的に自己資金をまず優先して使ってしまうのでまとまった貯蓄がない場合が多く、そうしたことも事前に考えておかなければなりません。
一方、転職の場合は、中途入社の場合は即戦力を求められるケースがほとんどなので、それなりの経験や知識があれば40代でも可能性はあり、起業するよりもリスクは少ないでしょう。ただしこの場合、現在勤務をしていて現役バリという状況下での転職活動に限ります。
いつでも就職できるとタカをくくって、40代で退職後に1年間放浪生活やボランティアでもして、さて就職しようとすると、かなり高度な専門職以外では苦労することになるでょう。
どうしても40代で1年間の放浪生活をしたいなら、就職できない場合、自分で起業するしかありませんが、当然さらにリスクも高くなります。
40~50代で早期退職制度を使って辞める人が結構いますが、辞めてから数年は割り増しされた退職金などで優雅な生活が送れるものの、その後の10~15年間はまた働いて稼がなければなりません。これが結構大変です。
大手メーカーを(早期退職などで)辞めた人が、アジアの競合企業から誘いを受けて、ノウハウや機密資料を持ち出すようなことが起きるのも、給料の高さにひかれてというより、国内で就職しようとしても他の仕事に簡単に就けないからだと見ています。
脱サラで起業をしている人の中を見ていると、上記にも書いたとおり、若いときから計画的に独立を目指して貯金をし、人脈も作り、勉強もして、家族の協力も得てという方がもっとも成功しているように思われます。
脱サラした起業事例は、実のところ成功例ばかりが取り上げられて、その何倍、何十倍いや何百倍とあるはずの失敗例はほとんど取り上げられることはありません。しかし間違いなく成功例の裏側にはその何百倍もの失敗例があるはずなのです。
中途採用活動をやっていると、履歴書の勤務歴の欄に前の会社を退職後しばらく期間が空いていたり、会社解散のため退職のような書き方をされている方が結構見受けられます。
その不自然さを尋ねるとたいていは「起業したがうまくいかずに解散した」とか「知人と一緒に起業したがいろいろあって自分は離脱した」とかです。
失敗したことを堂々と履歴書に書いて説明できる人はそれだけで立派だと思いますが、実のところあまり触れられたくない感じの方が多いようです。
個人的には例え失敗したとしても起業にチャレンジしたことは素晴らしいことだと思いますが、一般企業の採用担当者からすると、若干違って見えてくるからかも知れません。
たまたま採用担当者が同じような経験者で脱サラ起業に理解のある人ならまだいいのですが、たいていはその会社にずっと長くしがみついている人で、「脱サラ=裏切り者、職場放棄」と思っている人も少なくないからです。
つまり一度企業を辞めて脱サラした人は、行動力があり自己顕示欲が強いだけに、ノウハウや取引先情報を盗んでまた脱サラするのではないか?と疑ってかかります。
これは転職回数が多い人を見る目と同じですが、脱サラ起業する人のほうが行動力やバイタリティがあり、その分会社に大きな損害を与えてしまう可能性が高そうに見えて敬遠しがちなのです。
なので、独立起業するときは、事業がうまくいかなかったとき、再就職も簡単ではないということも考えて、両親や知人に返すあてのないまま借金することや、配偶者や扶養する子供がいるならなおのこと、慎重にことを運ばねばなりません。
逆に、配偶者や子供や住宅ローンなどのしがらみさえなければ、ちょっとした思いつきで起業をすることもできます。とにかく最低自分だけが食っていける収入があればいいのであれば、意外となんとかなるものです。
そう考えると、自分のキャリアプランを考えるのは、20代のはじめから始まっていて、人生の中で大きな転機となる結婚・出産・持ち家をどのタイミングでどうするかなど考えていかなければなりません。特に結婚や出産は相手の都合もあるので、自分ひとりで決定できず、早めの対応が必要となってくるでしょう。
もし家族がいて住宅ローンもあるのに、そうしても起業したいというのなら、勤務している会社は辞めずに、休日や夜間にできる仕事を考えて興すべきでしょう。
こういう事を書くと、「そんな生半可な気持ちでは一生成功しない!」とか非難を浴びそうですが、それはあまりにも現実を知らなすぎです。
自分ひとりが路頭に迷うのは勝手ですが、大切な家族や出資者を巻き込んで、負けが圧倒的に多い博打みたいなことは避けるべきです。
公務員の場合は法律で決められていて兼業は御法度ですが、民間企業の場合は会社の就業規則に兼業禁止事項があったとしても、それが明らかに就業時間や労働の質に影響を及ぼすような場合を除き、就業規則違反には当たらないというのが過去の判例にもあります。憲法で保障されている「職業選択の自由」と、拘束されない休日に、本業には支障のない範囲で働いてどこが悪いのか?って当然の判例でしょう。
最初のうちは副業でスタートして、もしそれだけで十分ビジネスとしてやっていけそうとわかれば、会社を辞めて専念するということもできます。
そうしたケースで成功するのは100にひとつあるかどうかも疑わしいのですが、それぐらい家族に対する責任があるということです。
あと、50才過ぎてから起業を考える人もいるでしょう。これは、将来IPOして金儲けがしたいとか、もう宮仕えは嫌だからという理由ではなく、概ね定年がなくずっと働ける、自分の事業を興したいという思いからです。
確かに年金がこの先どうなるかもわからず、しかも満額出るのが65才から、若い人を中心に「高齢者の年金はもらいすぎだ!」という声などがあり、60才以降の生活や仕事の不安から、まだ元気なうちに、暖めてきた事業を思い切って始めるという人が多そうです。
若いときよりも人脈や経験、そして資金力もあり、起業しやすい環境にありますが、問題は体力や健康、そして苦労をする覚悟があるかどうかでしょう。
私なんかは、20代30代に体力の限界まで闇雲に働いてきて、40代で身体のあちこちが悲鳴を上げ、もう60過ぎてからはできれば働きたくない思いがいっぱいなので、とてもそういう気持ちにはなれませんが、働くことが人生に潤いを与えてくれるという人も多そうで、それはそれで結構なことです。
ただこの場合も、事業のため家族の日々の生活費にまで手を出してしまうようなリスクを冒すべきではなく、例えば後継者がいなくて廃業や解散寸前の事業を、貯金の一部でまかなえる費用で譲り受けたり、弟子入りをしていずれは引き継ぐというようなリスクを減らすように考えなくてはいけないでしょう。
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番組を見た人からの通報で、その認知症患者が、7年前に行方不明となり警察に捜索願が出されていた東京在住の方だったことが判明し、夫と再会できたと続報をニュースでやっていました。
NHKの調べによると、認知症患者が行方不明となって警察に届けられた件数は2012年の1年間で9607人で、大半はすぐに見つかるそうですが、見つかったときにすでに死亡していた方が351人、年末時点で行方不明のままという人が208人もいたそうです。
上記のケースは東京在住の患者が群馬県で発見され、着ていた衣服に名前が書かれていたのにも関わらず、警察間の情報共有の不手際や連携の悪さが露呈したわけですが、認知症患者の徘徊の多くは、住まいの近くで発見されるというケースが大半ということで、こうした都道府県をまたがっての捜索や身元照会に不備があると言われても仕方がありません。
盛岡在住の患者が京都で発見された例も出ていました。新幹線を乗り継いで5~6時間、距離にすると約1000kmの距離を患者は移動しています。
「認知症女性」700キロ離れた盛岡に警察官が送り届ける…京都の寺で保護
そして今後、現在65歳前後の団塊世代が、認知症に罹りやすい75歳前後の後期高齢に入っていくにつれ、今後もこうしたケースが増えていくことが予想されます。
さらに、要介護者の増加に伴って、すでに専門の24時間体制の介護施設や介護人が不足してきており、政府や国は認知症患者の自宅介護政策を強く推し進めています。
これはどういうことかと言えば、夜中でもいつ起き出して外へ飛び出してしまうかわからない認知症患者を家族、と言ってもその多くは同じく高齢の配偶者が24時間監視をしていなくてはならないということで、これは現実的に不可能とも思えます。
また例え息子や娘と同居していたとしても、ずっと介護にかかりきりになると、外では働けず、恋愛や結婚もできず、24時間、親の介護だけをすることになり、それもまた限界があります。
でもそうしないと、自宅介護の場合、家族はどういうことになるかと言うと、
二審も家族に賠償命令 認知症徘徊電車訴訟で名古屋高裁 2014/4/24
愛知県大府市で2007年、電車にはねられ、死亡した認知症患者の男性の家族に対し、JR東海が列車遅延などの720万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が24日、名古屋高裁であった。長門栄吉裁判長は一審・名古屋地裁に続き、男性の妻の責任を認めた上で、約360万円の賠償を命じた。
つまり91才の認知症患者が家族の見張りの隙を突いて外出し徘徊した結果、電車にはねられ死亡。その患者(夫)が外出した時に、うつらうつらしていて気がつかなかった85才の妻にその責任があり、鉄道会社に損害賠償金を支払えとの判決です。
もちろん鉄道会社も事故で大きな損害を受けており、今後のことを考えると、前例として残るだけに一歩も引けないでしょう。
でも自分より元気で力の強い認知症患者がその気になれば、自宅から抜け出すことを止める手段は家族にはなく、それこそ人権侵害になりそうですが、手足を縛っておくか、鎖でつないでおく以外難しそうです。
ちなみに前述の7年間身元不明だった患者は、身元がわかるまで仮の名前で生活保護を受けていて、その公費(税金)が使われた費用は7年総額でおよそ1000万円。
今回家族が見つかったことで、法令上はその費用を家族が速やかに返却しなくてはなりませんが、これも「ご無体な」って感じがします。
このケースでは群馬県館林市の安楽岡一雄市長が、「認知症は社会全体の問題で、人道的見地から請求すべきでない」と判断したそうで、ホッとしましたが、こうしたケースが今後増えてきた時に、果たしていつまでも温情的判断が下されるのかわかりません。
その行方不明になったまま見つからない認知症患者の話しに戻りますが、NHKの全国放送で、ゴールデンタイムに放送されたから身元が判明したものの、そうでなければこの患者は身元不明者のまま一生を終わっていたでしょう。
その後も18年間身元不明で狭山市の施設で保護されていた認知症の男性が、東京在住の方だったことが判明したというニュースがありましたが、これも当時に捜索願が出ていながら、なぜ今まで発見できなかったのか不思議です。
東京・渋谷区の「野村正吉」さんか 埼玉・狭山市で保護、18年の認知症男性
どうして警察が行方不明者の届け出を受けていながら、この認知症患者をすぐに発見できなかったのか、ささいなミスもあったようですが、優秀とされる日本の警察にしては残念なことです。
今回NHKがそのような警察の行方不明者捜索の問題をやんわり指摘したこともあり、あわてて警察署の連携や捜索方針の見直しなど対策を講じているようですが、今後急増していく中で、根本的な解決をするためには、全国一斉に「顔認識システム」を導入するのが一番手っ取り早いのではないでしょうか。
つまり身元不明者や中には身元不明で亡くなった方、身元がハッキリしない受刑者などをすべて顔認識ソフトで登録し、行方不明者の届け出があったときに、写真を持ってきてもらい、それを登録照合すれば一発だったハズです。
登録されるタイミングで、行方不明の捜索願か、身元不明者の登録か、どちらが先であっても、後から登録した時点での検索で発見が可能です。
あと身元不明のままで亡くなる人の数は、1年間に1000人から1400人に達します。そうした人の写真は、過去何十年とすべて撮られているでしょうから、過去の行方不明者の捜索でもそれを使うことも可能です。
最近の顔認識の正誤率は、一般的なものでも98%前後まで達しています。
つまり顔正面の写真さえあれば、生死に関係なく、経年変化があっても、特徴を一瞬で見分けられますし、完全一致はしなくてもかなり似ているとか捜索を効率化させることも可能です。
すでに一部の犯罪捜査では、犯人が駅や街頭の膨大な防犯カメラに写っていないかを調べるときに使われているとも聞きます。
顔認識ソフトはすでに一般的になりつつあり、カメラや画像処理ソフトでも使われていて、かなり普及しています。もっと高機能、高効率なものでも、時間をかけてじっくり検討し、何度もテストを繰り返して慎重に導入するほどのものではなく、コストもそんなに大きいものではありません。
要は、全国一斉に基準を決めてすぐにやるかやらないか、だけのことでしょう。そうすれば前述のような不幸な身元不明者(本人も家族も)を減らすことができます。
将来的には、累犯者や、指名手配犯などの写真も取り込み、プライバシー情報には注意しながらも、犯罪捜査や、再犯予防・抑止にも使っていけることを考えれば、従来からある指紋照合DBとは別に、顔認識ソフトと顔データの情報共有をもっと早くから取り入れてもよさそうに思います。
そんなに導入を躊躇うようななにか問題があるのでしょうかね?
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高齢者向けビジネス(第1部 居住編)、高齢者向けビジネス(第2部 趣味編)に続く第3弾は仕事編です。仕事のビジネスっていうのもなんか変なのですが、いわゆる生活費を稼ぐため、あるいは生き甲斐やちょっとした小遣いを稼ぐために働き続ける高齢者向けのサポートビジネスと言ったほうがいいかもしれません。
また稼ぐつもりなら土・日曜日が出勤(代わりに平日が休み)の業務や、深夜・早朝勤務といった普通一般の人があまり好まない勤務体制で働くことで、「非正規+高齢」という大きなハンデを乗り越える必要があるでしょう。もちろん特殊な資格があればそれを生かせればより有利です。
一方、生き甲斐のために働き続けたいとか、年金にプラスして少しお小遣いを稼ぎたいという高齢者は、毎日、月~金で朝から晩までのフルタイムで働く必要はなく、空いた時間や無理のない程度に働くというパートやアルバイト、派遣、ワークシェアリングといった形での労働が適しています。
ずっと昔から高齢者を対象とした派遣ビジネスというのは盛んに行われています。自由化が進む派遣業界も、以前は派遣期間や派遣職種など厳しい制約がありましたが、高齢者(60歳以上)の派遣の場合は、それらの制限(対象職種や期間など)が撤廃されていて割と自由にできるというメリットが労使双方にあります。
また4月に書いた「今こそワークシェアリングを根付かせるチャンス(かも)」では、元々主婦や学生など短時間労働を希望する人や、夜間に学校へ通う人、逆に昼間勉強したり用事があって夜しか働けないという人がワークシェアリングを使うものでしたが、これからは時間に余裕のある元気な高齢者がひとつの仕事を分け合って働く仕組みとして有効だと書きました。
繰り返しになりますが、高齢者が若い人のパートやアルバイトと比べて有利な点は、一般的に社会経験が豊富で(対人関係のトラブルが少ないとか、暗算での計算が速いとか、仕事の要領がいいとか飲み込みが早い)、働く時間帯は早朝から深夜まで割と自由に設定ができ(勤務シフトが組みやすい)、さらに長年社会人としての自覚があり、信用や信義を重んじますので、若い人よりは無断欠勤や遅刻、突然の退職なども少ないときています(人によるところが大きいですが)。
もちろん体力がない、病気や怪我をすると完治するまで時間がかかる、長時間ひとつのことに集中できない、機敏に動けない、ITに弱い、眼や耳が悪い、若い社員が父親のような高齢者を使いにくい、などデメリットもありますが、それらを考慮した上で、1日4~5時間の短時間勤務で高齢者シフトを回していくという働き方は、それなりに労使双方にとってメリットのあることではないでしょうか。
それらの仕組みを1企業でおこなうのは求人やシフト作成、勤怠管理、給料計算・支払など労務管理上面倒なので、できれば派遣会社や人材コンサル会社が代行して募集~労務管理をおこなうのがベターと思われます。
一例を挙げると、マンションの管理人は住み込みでなければ通常は平日のみ9時~17時までの勤務体制が普通ですが、保安上や宅配便の代理受け取りなど考慮すれば、土・日曜日も含め24時間とは言わないまでも8時~23時頃まで管理人が常駐すれば、昼間は働いている人でも管理人とコミュニケーション(頼み事だとか、設備の修理依頼など)がとれますし、また1人住まいの高齢者や、両親がともに働いて夜まで子供だけの世帯を気にかけておくこともできます。
この8時~23時の1日15時間勤務は、ワークシェアリングで6名(1日5時間ずつ3人のシフトで1日おきに勤務)の管理人がシフトを組めば可能で、年金をもらっている高齢者にとってはほどよい勤務時間・日数です。
利用者側も部屋を別に用意して住み込みの管理人を雇ったり、同様の時間を専門の警備会社に委託するよりもずっと格安で済むはずです。
人材派遣といえば以前なら主婦や子育ての終わった女性が再び社会に復帰する際に利用したり、プログラマのような専門技能を持つ人がフリーの立場で働いたり、製造業などで時期によって業務量に波があったりする季節労働的な働き方をする人に向いたものとされましたが、これからはサービス業を中心に、恒常的な高齢者派遣ビジネスが主役に躍り出ても不思議ではありません。
またその他多くの派遣会社がシニア派遣と銘打った独自のサービスを展開しています。
私もあと4年にせまる定年後にはこれらのサービスに登録し、お世話になるかも知れません。
次に高齢者の仕事と言ってもその体力や健康状態で様々変わってくると思われます。
派遣の場合だと主としてサービス業(ビルメンテ、修繕・修理・点検、飲食店、販売店、駐車場、警備、管理人、電話応対、配達、チラシ配りなど)ですが、これから高齢者がおこなう仕事の中でもっと流行りそうなのは、自宅でもできる内職系がヒットする予感があります。
内職というと今までのイメージは主婦などがおこなう翻訳、データ入力、採点、シール貼り、DM発送、テレアポ、刺繍や裁縫などなど。
しかし社会経験が豊富な高齢者がおこなう内職は、各種のネット販売やネット仲介、ネット売買代行、ホームページ更新、データサーチャー、メルマガ執筆・配信代行、技術マニュアル製作、ネットワーク監視、講演・演説のシナリオ作成、翻訳・校正、投資相談、節税相談など幅はさらに拡がっていきそうです。
一般的な高齢者の場合、ある程度の年金をもらっていますので、毎日フルタイムで働く必要がある人ばかりではありません。もっと言えば貯金もあるので月に数万円の小遣いが稼げばいいという人もたくさんいます。
それならば、アフェリエイトや仲介、代行のネットビジネスをすることで、ある程度知識と経験を積めばそう難しいことではありません。
とにかく時間はいくらでもありますから、会社で働きながら副業でそうしたことをやっている人からすると羨ましいぐらい自由な時間があるわけです。
そしてそれが高じ、月に十数万円も稼ぐようになってくると、もう立派な個人ビジネス、個人事業主です。最近増殖してきているCGMというビジネスモデルがありますが、それはアマチュアの読者に記事やコンテンツを書いてもらって、それをたくさん集めてメディアと称する「人のフンドシで相撲を取る」ものです。つまり裏を返せば普通の読者が書いたものがお金に替わることもよくある話しなのです。
そのひとつにレストランや物販の評価サイトでサクラの書き込みをするようなあまりお勧めできないネット内職もありますが、そうした人を騙す目的ではなく、地元企業に地域の名所紹介文を頼まれて書いたり、近所の商店会のホームページに沿革やPRコピーを書いたりと、最初のうちは頼まれてボランティアで引き受けていたとしても、それが評判になると次は有償で依頼されて、人に喜ばれるような仕事もあるでしょう。
但し、文章がそこそこ書けると言うだけでいきなりプロのライターになろうと考えるのは大甘で、ただでさえフリーライターをやっていて、それだけで食えている人はごくごくわずか、せいぜい自分の目が届く範囲で、基本は趣味の延長ぐらいと考え、まずは副業的な小遣い稼ぎに徹したほうがいいでしょう。
ネットでできる仕事がいいと思うのは、実に高齢者向けの仕事だからです。
まず自宅の中にネット環境さえあればできます。団塊世代以下で技術職やホワイトカラーだった人ならまずPCは扱えるでしょう。
しかも文章を書くのは昔から書籍や新聞を熱心によく読み、稟議書や報告書、起案書、マニュアルなどビジネス文書を書くのも手慣れたものです。
最新テクノロジーや知らない業界のルールなどは新たに勉強していく必要がありますが、そうした副業用勉強パックを高齢者に向けて販売するのもひとつの仕事になるかも知れません。前回書いた趣味編の料理教室の下の階では高齢者向けの「ネットビジネス教室」ができるかもしれませんね。
この高齢者がおこなうネットビジネスで注目したいのは、実は私がやりたいと思っていることですが、地方の農産品のネット直販をごく少量から引き受けて代行するビジネスです。
自分の実家のある出身地にいる古い友人・知人や、旅行先で知り合った農家さんでもいいのでそういう人から農産品販売の委託を受けます。
つまり小さな農家が自分でわざわざ楽天やyahoo!ショッピングに店を構える必要などなく、親しくなった農家の人から毎朝FAXかメールで「今日はダイコンとニンジン各50本、ハクサイ30個、自家製タクアン漬け20本を1個○○円で売りたい」と委託されたら、それを利用料のかからないyahoo!ショッピングに写真入りで出品し、購入者が現れたらその送り先を農家に伝え、送料と販売価格の何割かを農家の人に渡すというスキームが出来上がります。
売れなければそれは市場価格に合っていないということですから、それを伝えてノウハウを積んでいけば、やがては常連さんもつき、売れ残りもなくなっていくようになります。
JAや会社が事業としておこなうなら、ある程度まとまった分量と、形の整った製品(規格品)でなければ成立しませんが、小遣い稼ぎの個人がおこなうなら、どんなに少量の出品でも、また曲がったキュウリでも、表面に少し傷が入った果物でも出品が可能です。
個人でおこなうなら、少量であっても複数の農家と手を組み、毎日2~3時間やればそこそこの小遣いにはなりそうです。
私なら近所の道の駅へ行って、そこで販売されている地元特産品(加工品や農産物)の製造者と交渉し、まだネット販売を手掛けていない商品の代行販売をおこない、売れたらその手数料を得るというところから始めますね。仕入や発送、入金管理等が不要でノーリスクですから。
そして自宅の押し入れの中や倉庫に眠っていて、捨てたい、あるいは誰かにあげたいと思っているものって結構あるものです。
ご近所の中で顔が広い方であれば、知り合いの方にそうしたものを出してもらって、代わりにネットオークションに出品し、落札価格の20~30%程度を手数料としてもらうというビジネスもすぐにでも始められそうな仕事です。
落札後のクレームなど、リスクがまったくないとは言えませんが、通常ならご近所さんにも喜ばれ、買った人にも喜ばれ、3者3得の満足が得られそうです。
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823
塩狩峠 (新潮文庫)
1968年に発刊された小説で、実話を元にした感動作品です。これを原作として映画もできましたが1973年と約40年も前なので目にした方は少ないでしょう。
私は著者の作品ではデビュー作で代表作の「氷点
タイトルになっている塩狩峠は北海道の道央と道北と結ぶ境にある険しい峠で、1899年(明治32年)には国鉄の前身の官設鉄道天塩線(現在の宗谷本線)が敷設されています。
そこで1909年(明治42年)に実際に起きた鉄道事故で、身を挺して犠牲となった鉄道院(国鉄の前身)職員の長野政雄氏がこの小説の主人公のモデルです。
明治時代といえばまだ仏教が当たり前の日本ではキリスト教やその信者は差別的にヤソと呼ばれ、大都会東京でも一般世間からは変わり者と言われ、のけ者にされていました。
主人公の母親もキリスト教徒であったため、子供を産んですぐに姑に家から追い出されてしまいます。主人公はその姑が亡くなるまで、母親はずっと前に死んだと聞かされていました。
姑が亡くなり家に母親が戻ってきたと思ったら、今度は父親が急死してしまい、中学(旧制、現高校)を卒業した後は一家の大黒柱として働かざるを得なかった主人公ですが、札幌に住んでいる中学校時代の親友から北海道へ来て仕事をしないかと誘われます。
自分の母親や妹、そして親友の妹で好きになった障害者の娘さんもキリスト教の信者ということもあり、北海道へ渡って鉄道会社に就職していた主人公は、やがては自然とキリスト教へ入信することになります。
私自身、キリスト教のことはよくわかりませんが、こうした自己犠牲と宗教というのはとても相性がいいようで、この鉄道事故が起きた後は日本でもキリスト教と信者が大層持ち上げられ、見直されるきっかけとなったそうです。
しかしその後日本は宗教とは直接関係がないとはいえ、自己犠牲を美徳とする教育とマスコミの煽動を徹底しておこない、国全体で多大な代償を払う太平洋戦争へと突入していくわけですから、そうした自己犠牲を清らかに賞賛する社会の風潮は美徳と言うだけでなく、なにか恐ろしいものだという感じもします。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
医療にたかるな (新潮新書)
昨年2013年に刊行された新書で、その刺激的なタイトルもあり、ベストセラーになりました。著者は負けん気の強い方なのでしょう、ユニークな経歴で、まず最初は薬科大学を卒業したものの、医者から「薬剤師のクセに」と一段も二段も下に見られて腹が立ち、それならばと医学部へ入り直し医者へ。
しかし実家が半端なくメチャクチャ裕福でないと薬科大学と医学部の両方を卒業するなんて絶対に無理でしょうね。
大学病院で勤務していたとき、北海道瀬棚町の町長に請われて町営の病院へ移り、再建と町民の意識改革に手を尽くしたものの、町長が替わったとたん政策が大きく変わってしまい、新町長と喧嘩別れして新潟の湯沢町の病院へ。その後財政破綻した夕張市の管財人からの依頼を受けて夕張市へ行きます。
そこでは既得権益者やたかり、甘え体質が蔓延していた役所や住民達とも対立し、一方的な批判記事が書かれたり、議会でつるし上げにあったりと散々な目に遭いながらも、1億円を超える当面の資金を自分で工面し、無駄をなくし予防医学を中心とする医療改革をおこなっていく過程が書かれています。
批判は国の制度や自治体や役所の問題だけでなく、医療現場にたかろうとする北海道の住民体質に向けても舌鋒鋭く、持論を述べています。
実際に双方の言い分を聞いてみないとどっちがどうでという判断は難しいのですが、とかく新しい風を吹き込もうとすれば、先日「政治家の殺し方」でも書いたように過去何十年間にわたり強大な力を蓄えている既得権益者との激しい戦いがあり、この著者もそれに巻き込まれることになります。
あと残念なこととして、この新書では触れられていませんが、既婚の著者の自宅(単身赴任?)で、著者の愛人と思われる二人の女性が刃傷沙汰を起こした事件が2012年に起き、自分が借金までして作った「医療法人夕張希望の杜」の理事長を辞職するに至っています。
著者の医療に関する信念と、プライベートのスキャンダルとは関係がないと言ってしまえばその通りですが、せっかく改革者として既得権益者やそれに与するマスコミに対して正面から攻勢をかけていたのに、つまらないことで勢いをそがれてしまうことになったことは無念なことでしょう。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
オレたちバブル入行組 (文春文庫)
テレビドラマで人気を博した半沢直樹シリーズの第1作目の小説として有名です。この文庫が発売された2007年から2008年前半頃には店頭に平積みをされていた時期がありましたが、当時はそれほど人気が高かったわけではありません。
私も著者の本では、デビュー作の「果つる底なき
しかしご存じの通り2013年にはテレビで大ヒットし流行語大賞にも選ばれるほどの人気となり、再び書店では「半沢直樹フェア」が仰々しく開催されていました。
著者にとってはこうしたテレビや映画で作品が映像化され、それがきっかけでベストセラーとなり、その影響で別の作品も一緒に売れるのはとっても旨味があるでしょう。
それだけに作品の映像化による原作使用料は、大ヒットして興行収入58億円と言われる映画「テルマエ・ロマエ
物語は、主人公の半沢直樹がバブル真っ盛りの中、就職活動をおこない、悠々と都市銀行の内定をとり、順調に階段を駆け上がっていたところ、バブルが弾けてしまいます。
支店の営業成績を上げるため、支店長命令でろくな審査もせずに企業融資をおこなったところ、それが不良債権になってしまい、あとは支店長以下に責任を押しつけられ、窮地に追いやられそれを同期の仲間達にも助けられ奔走するというものです。
「すさまじきものは宮仕え」とはよく言ったもので、特にエリートが集まる大手企業ではこうした社内政治力学や、上司の不正行為、ミスが発生したときのスケープゴート探し、子飼いの部下や社内派閥の構成、ゾンビとか妖怪と呼ばれても権力にしがみつく老人など、事実は小説より奇なりということは、大手企業に勤務したことがない私ですら知っていますが、今の若い人達は、こうした現実ではあり得ないようなビジネス下克上物語で少しは溜飲を下げたりするものでしょうか。
◇著者別読書感想(池井戸潤)
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
それでも、警官は微笑う (講談社文庫)
昨年読んだ武本・潮崎シリーズの「そして、警官は奔る
著者の名前は日明恩と書いて「たちもりめぐみ」と読みます。普通の人は読めませんよね。ということは、書店によって著者順に並べてあったとしても「タ」のところにちゃんと置いてあるかどうか怪しかったりします(多くの書店員さんは賢いから大丈夫かも知れませんが)。
そしてこの著者は警官や消防士という、男臭くて汗臭い男を主人公とした小説を書きますがなんと女性です。
主人公の武本は高卒で警視庁に入り、硬派で真面目一方のたたき上げの刑事。コンビを組まされている後輩の潮崎は、大卒で国家試験を通り警視庁に入庁してきたキャリアではないもののエリートで、しかも実家が茶道の名門家元とかで、警視総監クラスの上流社会にコネをもち、警察組織の中でどう扱っていいか困って、本人希望で現場の所轄に配属された刑事。年は若く経験も少ないものの、役職は武本よりも上というありがちな設定です。
そしてこの二人は経歴と同様に、性格も対照的で、無口で人嫌いな主人公と、とにかくよく喋り、誰とでもすぐに仲良くなれる潮崎は、お互いに自分にない、いいところを認め合っています。
前述の通り、このシリーズの2作目は昨年春に読んでいますが、その時謎だった二人の関係や主人公の武本、潮崎二人の素性がこれを読んでようやくわかりました。やっぱりシリーズものは最初から読まなきゃダメですね。
第2作目を読んだときの感想文では「堂場瞬一氏の作品と共通する匂いがある」ような事を書きましたが、この1作目を読むと暴力的指向性が楡周平氏の作品のイメージに似たところがあるなぁって感想。いずれにしても刑事や知能犯を派手目に描くと味付けは似てきてしまうのは仕方がないところで、最近ちょっとそういう作品が多すぎるかなぁという気がします。
◇著者別読書感想(日明恩)
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定年まであと4年となってきて、この先のことをいろいろと考えるようになってきました。
そのひとつは、60歳で会社を辞めたあともリアルに付き合っていける人(友人)は何人ぐらい残っているかな?と。このような現実的な自問自答が繰り返し頭の中をよぎります。
現在の法律では60歳定年の規程であっても、希望をすれば65歳まで(私の場合は経過措置があるので63歳まで)は義務的に会社に雇ってもらうことは可能ですが、どうせ非正規社員になる(通常は定年後は1年ごとの契約社員や嘱託)のなら、積極的には働かないという選択肢や、働くとしても(できるかどうかは別として)なにか別の仕事をと考えたりしています。
いやいや、特に財産と言えるような貯金もなく、40歳過ぎで転職しているのでまとまった退職金もなく、住宅ローンは62歳まで続き(途中で5年間の延長をしたため)、今から子供に経済的な世話になるのもはばかられるし、さらに60歳過ぎて気前よく雇ってくれるところなんざそうはないと確信をもって言えるので、いずれにしてもこの老体にむち打りこのまま可能な限り今の勤め先で働かなくてはいけないのは確実な情勢ですが、なぜか仕事のことよりも先に、プライベートで気軽につきあえる友人・知人のほうへ頭が先にいってしまいます。
そのことがなければ一生涯その同級生と再び言葉を交わすこともなかったハズですが、偶然も重なり元同級生という存在から、大きな目標へ向かって一緒に目指す親友の関係へと変化していきます。
それを読んで、金や権力(昇進など)がついて回る会社の同僚や先輩・後輩なんかより、高校や大学の同級生や、クラブの先輩・後輩といった関係、つまりは途中で何度も途切れながらでも、結果的には何十年と続いてきた細い糸の縁のほうが、実はずっと価値があるというのは、自分に当てはめて考えても確かかもしれないなぁとあらためて感じた次第です。
一般的によく言われるように、会社を定年で辞めると年賀状の枚数が一気に減ってガッカリするという、ちょっと古い会社人間の例をひくまでもなく、会社を辞めると友人・知人が仕事関係を中心に大きく減ってしまうのは普通のことでしょう。
幸い私の場合、40過ぎで転職後、20年間勤めてきた以前の会社の人達の多くと、仕事上ではまったく関係がなくなっているに関わらず、今でも年賀状やFacebookでのつき合いが細々と続いているのと、現在勤務している会社では、社風と言うこともあり社員同士の年賀状のやりとりはほとんどしていないので、例え今すぐ会社を辞めたとしても、それだけで年賀状の数が減るということはなさそうです。
ただこの歳になると毎年、高齢の恩師や先輩、親戚などから喪中葉書によって訃報が届き、賀状の枚数がその分は確実に減っていくのは寂しい限りです。
但し「年賀状=友人」というのは短絡的で、実際にそういう人に連絡をとってみても「ではすぐに会おう!」となるかどうかはお互いが思っている距離感の相違や、年賀状という一種の虚礼のつながりだからこそ続いているというケースもあるでしょうからなんとも言えません。
私にとって親友と呼べるのは、やはり高校や大学の時の同級生で今でも時々会う友人や、海外赴任中に知り合った同年代の人達、そして前の会社に勤務していた20年間をともに苦労をしてきた同期生ぐらいなのかなぁと。
残念ながら仕事を通じて知り合った人や会社の先輩後輩と言った人の中では、知人レベルや気楽な友人はいても、親友と呼べるような関係はありません。
ずっと昔、そう、小・中学生の頃から「親友を作れ」「親友を呼べる仲間を増やせ」という言葉をよく耳や目にしました。
しかし、この「親友」という言葉にはなにか引っかかりがあり、その時は本当に親友と呼べるのは誰?という答えが出ませんでした。
今から考えると「そりゃそうだ」と思うのですが、要は相手が自分をどのように思っているかは無関係に、自分が「お前は親友だ」と勝手に決めてしまえばそれが親友にもなるし、卒業したり、クラスが変わったりして数年経って自然に関係性が消滅した頃にはまた別の親友と思い込む相手ができているだろうし、その時々で定義なんていい加減なものです。
ところがこの歳になってくると、大学時代は同級生という程度でそれほど親しくなかったのに、卒業して30年以上も経過した今でも平均すれば年に何度かは一緒に食事をしたり遊びにいくような関係が続いている相手は、まさに親友と呼んでも誰に恥じることはないでしょう。
つまり本当の親友というのは一時的にでも過去を共に過ごしてきた歴史が作りあげるものだというのが最近になってわかりました。
一番わかりやすいのは、男女の関係では「金の切れ目は縁の切れ目」って言いますが、男同士の友情や交流も、概してそういうところがあり、「あの人と知り合いになっておけば、そのうちなにかいいことあるのでは?」とか「あいつは顔が広いので頼めば客先からの注文を取りやすい」と言った「なにか役立つ(かもしれない)」という思惑で続いている縁は、やはり退職や引退で切れてしまうというもの。
一方、学生時代の知人で、共通の友人がいて、お互いの仕事ではなにも利害関係はなく、話題も趣味のことや家族、共通の友人のことばかりという友人は、お互いになにも損得勘定や遠慮もなくつきあえるので、やがては一生のつきあいになっていきます。
ただ悲しいことにそれって学生時代にはわからないことで、今思えば「まさかあいつとこんなに長い縁ができるとは!」って思うこともあり、人の縁なんて摩訶不思議なものとしか言いようがありません。
海外で知り合ってその後20年以上交友が続いている友は、お互いに周囲に日本人が誰もいない環境の中において、違う文化、違う言葉、違う風習でともに苦労を味わい、ふとプライベートで偶然知り合って意気投合した相手で、おこがましい言い方をすれば「死ぬか生きるかの戦争を一緒に戦った戦友」みたいな強い絆と同種のものでしょう。
通常なら帰国後、勤務場所も遠く離れ、仕事も関係性がなければつながりは自然消滅するのですが、上記のように尋常ではない場所で生まれた縁は、その後もなぜか切れることなく続いていくもので、そうした関係は平和な世の中では極めて稀なケースでしょうけど、確かに存在することがわかりました。
若い人にアドバイスができるとしたら、
・若いときに親友がいないなどと悩む必要はまったくない。また無理に作る必要もない。親友は必然性と歴史が作ってくれる。
・苦境の時、困っている時に気にかけてくれたり、変わらずつきあってくれるのが本当の友人で、逆に羽振りのいいときに近づいて来るのはみな偽物と疑え。
・仕事を通じての友人は、プライベートで深いつき合い方ができた人だけが残り、その数は決して多くはない。
ってことでしょうかね。
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627 起業するのは難しくないが、引き際が難しい
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