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遠野物語 (集英社文庫) 柳田國男

柳田國男氏は明治8年生まれの民俗学者だった人で、島崎藤村や田山花袋、国木田独歩、南方熊楠などとも交流があり、埋もれてしまいがちな日本の各地に残るスピリチュアリズムを広く紹介した初めての人かも知れません。

その中でもこの「遠野物語」は有名で、岩手県遠野出身の民話蒐集家佐々木喜善氏が語る遠野に伝わる民間伝承を筆記・編集し、1910年に350部余りを自費出版したのが最初です。文庫にはこの「遠野物語」の他、「女の咲顔」「涕泣史談」「雪国の春」「清光館哀史」「木綿以前のこと」「酒の飲みようの変遷」などが収録されています。

内容は天狗、河童、座敷童子など日本の古くから伝わる妖怪にまつわる話しから、山人、マヨヒガ、神隠し、山霊、古くから伝わるしきたりなど多岐に渡り、極めて短い簡潔な文章で全部で119話あります。ただ119話といっても1話で完結するものばかりではなく、2話、3話でひとつの話しとなっているものもあり、読んでいるとどこまでが前の話と関わっているのか、全然関係ない話しなのかわからないときがあります。

もちろん今でも文庫として販売されていますが、すでに著作権は切れていますので、青空文庫で無料で読むことも可能です。

「遠野物語」の一部を大胆に引用してみましょう。

一七
旧家にはザシキワラシという神の住みたもう家少なからず。この神は多くは十二三ばかりの童児なり。おりおり人に姿を見することあり。
土淵村大字飯豊の今淵勘十郎という人の家にては、近きころ高等女学校にいる娘の休暇にて帰りてありしが、或る日廊下にてはたとザシキワラシに行き逢い大いに驚きしことあり。
これは正しく男の児なりき。同じ村山口なる佐々木氏にては、母人ひとり縫物しておりしに、次の間にて紙のがさがさという音あり。
この室は家の主人の部屋にて、その時は東京に行き不在の折なれば、怪しと思いて板戸を開き見るに何の影もなし。しばらくの間坐りて居ればやがてまた頻《しきり》に鼻を鳴らす音あり。さては座敷ワラシなりけりと思えり。この家にも座敷ワラシ住めりということ、久しき以前よりの沙汰なりき。この神の宿りたもう家は富貴自在なりということなり。

三一
遠野郷の民家の子女にして、異人にさらわれて行く者年々多くあり。ことに女に多しとなり。

三二
千晩ヶ岳は山中に沼あり。この谷は物すごく腥《なまぐさ》き臭のするところにて、この山に入り帰りたる者はまことに少なし。昔何の隼人という猟師あり。その子孫今もあり。白き鹿を見てこれを追いこの谷に千晩こもりたれば山の名とす。その白鹿撃たれて遁げ、次の山まで行きて片肢折れたり。その山を今片羽山という。さてまた前なる山へきてついに死したり。その地を死助という。死助権現とて祀れるはこの白鹿なりという。

五七
川の岸の砂の上には川童の足跡というものを見ること決して珍しからず。雨の日の翌日などはことにこの事あり。猿の足と同じく親指は離れて人間の手の跡に似たり。長さは三寸に足らず。指先のあとは人ののように明らかには見えずという。

八四
佐々木氏の祖父は七十ばかりにて三四年前に亡くなりし人なり。この人の青年のころといえば、嘉永の頃なるべきか。海岸の地には西洋人あまた来住してありき。釜石にも山田にも西洋館あり。船越の半島の突端にも西洋人の住みしことあり。耶蘇教は密々に行われ、遠野郷にてもこれを奉じて磔になりたる者あり。浜に行きたる人の話に、異人はよく抱き合いては嘗め合う者なりなどいうことを、今でも話にする老人あり。海岸地方には合の子なかなか多かりしということなり。

九十
松崎村に天狗森という山あり。その麓なる桑畠にて村の若者何某という者、働きていたりしに、頻《しきり》に睡くなりたれば、しばらく畠の畔に腰掛けて居眠りせんとせしに、きわめて大なる男の顔は真赤なるが出で来たれり。若者は気軽にて平生相撲などの好きなる男なれば、この見馴れぬ大男が立ちはだかりて上より見下すようなるを面悪く思い、思わず立ち上りてお前はどこから来たかと問うに、何の答えもせざれば、一つ突き飛ばしてやらんと思い、力自慢のまま飛びかかり手を掛けたりと思うや否や、かえりて自分の方が飛ばされて気を失いたり。夕方に正気づきてみれば無論その大男はおらず。家に帰りてのち人にこの事を話したり。その秋のことなり。早池峯の腰へ村人大勢とともに馬を曳きて萩を苅りに行き、さて帰らんとするころになりてこの男のみ姿見えず。一同驚きて尋ねたれば、深き谷の奥にて手も足も一つ一つ抜き取られて死していたりという。今より二三十年前のことにて、この時の事をよく知れる老人今も存在せり。天狗森には天狗多くいるということは昔より人の知るところなり。

一〇三
小正月の夜、または小正月ならずとも冬の満月の夜は、雪女が出でて遊ぶともいう。童子をあまた引き連れてくるといえり。里の子ども冬は近辺の丘に行き、橇遊《そりっこあそ》びをして面白さのあまり夜になることあり。十五日の夜に限り、雪女が出るから早く帰れと戒めらるるは常のことなり。されど雪女を見たりという者は少なし。


一七は座敷童
三一は山男
三二は山の霊
五七は河童(カッパ)
九十は天狗
一〇三は雪女

とまぁこのような内容が訥々と書かれています。

  ◇   ◇   ◇   ◇   ◇

傍聞き《かたえぎき》 (双葉文庫) 長岡弘樹

「迷走」「傍聞き」「899」「迷い箱」の各短編小説を集めた作品です。どの作品もピリッとひと味もふた味も効いていてなかなかのショートストーリーに仕上がっています。うまいですねぇ。

「迷走」は逆恨みによって刺された検事を病院へ運ぶ途中、救急隊員が、なぜか病院へ搬送するのではなく、その周囲の道を迷走させた理由とは?「傍聞き」とは「かたわらにいて、人の会話を聞くともなしに聞くこと」の意ですが、その手法を使うと、話しが例え嘘でも真実味を帯びて聞こえることをうまく利用したトリックです。

「899」は近所のアパートに住む女性に恋する消防士が、その女性部屋で消火活動をするときの心理状態と意外な行動を。「迷い箱」は受刑者が社会復帰するまでの更生保護施設の施設長の女性と、そこを退寮していった元受刑者の気持ちを描いた作品となっています。

各編主人公は救急隊員、女性刑事、消防士、更生保護士と公務を職業とする人達ですが、これらの小説には多くと言うかほとんどの小説に登場してくる便利な精神異常者などは出てこず、なにげない日常に起きているテーマでうまくショートストーリーにまとめてあります。

そうしたショートストーリーでは、古くはサキの「サキ短編集」や、「賢者の贈り物」や「最後の一枚の葉」などを書いたO・ヘンリ短編集、比較的最近ではジェフリー・アーチャーの「十二の意外な結末」や「十二枚のだまし絵」などが秀逸な短編集です。

この著者の作品は今回始めて読みましたが、今後もチェックしていきたいと思います。

  ◇   ◇   ◇   ◇   ◇

九月が永遠に続けば (新潮文庫) 沼田まほかる

著者沼田まほかる氏(65歳)の経歴は変わっていて、団塊世代の女性らしく早く結婚するものの、やがて離婚、得度して僧侶になったかと思えば、建設コンサルタント会社の経営をし倒産。その後57歳で出したこのデビュー作「九月が永遠に続けば」が、道尾秀介氏「背の眼」に勝ってホラーサスペンス大賞を受賞するという快挙を得ました。

ストーリーはある事情で離婚した女性が主人公で、その主人公の高校生の息子がある日、神隠しにでもあったように忽然と行方を消してしまいます。その消えた長男を探し出す物語となっています。

主人公は別れた元夫が再婚した女性の連れ子と交際している男性と知り合い、やがて深くつき合うようになりますが、その男性が事故か事件か不明ながら駅のホームから転落して死亡します。それが長男の行方不明とタイミングが同じだったので、息子がなにかの事情でその男を突き飛ばして殺したのではないかと疑い始めます。

この小説でも、レイプ事件の被害者や、近親相姦に悩む姿など現代の精神的病巣についての話題が登場してきます。先日読んだ直木賞受賞作品、村山由佳氏の「星々の舟」でもそうでしたが、女性作家はこうした創作設定を比較的軽く扱い過ぎてヘキヘキしないでもないです。もちろん女性作家だけでなく売れっ子の東野圭吾氏の「白夜行」などでも、主人公の敵が次々とレイプされる設定などもありますから、女性作家特有のものではないのでしょうけど、なにか軽薄すぎて嫌な感じがします。

最近のミステリー小説、特にホラーというジャンルでは精神異常者やレイプ犯罪、幼いときの虐待の心的外傷後ストレス障害(PTSD)などが、お約束のように必須となっているとはいえ、そういうものに頼らない本格的なミステリー小説はないものかなと心待ちにしているところです。

この文庫の解説を読むと「登場人物はみなどこにでもいる普通の善良な人」と書いてありましたが、善良はともかく、子どもの頃から何度もレイプされたり、大人になってからもその時と同じような設定でしか夫婦の営みがもてないなんて普通の善良な人々ではないでしょう。

あと、主人公を支える近所の関西弁男が女性の恋愛心理を表すのに「遠野物語」から引用していてびっくり。しかし出ていたその内容「村の娘が栃の木に恋してしまい、舟を造るために伐採された木を追いかけて一緒に滝壺へ・・・」というお話し、同時に読んでいた「遠野物語」にはなく、似たような話しで「飼っていた馬に恋し、やがてその馬と結婚した娘さん」の話しはあったけどなぁと思って調べてみたところ、「遠野物語」の続編にあたる「遠野物語拾遺」にその引用された話しが出ていました。

  ◇   ◇   ◇   ◇   ◇

瑠璃を見たひと (角川文庫) 伊集院静

この作品は1992年に初出ということで、同年に直木賞を受賞した「受け月」の前後に書かれたものと推察がされます。また同年には篠ひろ子と再婚し(最初の妻夏目雅子さんは1985年に死去)、同氏にとっては絶頂と言える時期だったかもしれません。

主人公は神戸の名門資産家に嫁いだものの、満たされぬ思いを感じてある日突然夫を捨てて出奔します。そして亡き父親の遺言にあった「なにか困ったことが起きたときにここへ電話をしなさい」というの実行します。

そこには父親と若くして亡くなった母親の知人で、謎の中国人女性が待っていて、何も聞かずに住む場所や仕事を提供してくれます。そしてその女性に頼まれ、それを対で持つと富と権力が手に入るという伝説の彫刻を探しに香港、フランス、ベルギーへと旅立つことになります。

そこまでもなにかあり得そうもない不思議なストーリーですが、ここから後半にはいるとさらに中国マフィア、ナチの残党、囚われの身となったままでシルクロードへの旅、ジンギスカンに滅ぼされた西夏文明の遺跡と、奇想天外、斬新奇抜、空前絶後、荒唐無稽な話しがジェットコースターのように進んでいきます。ちょっと待ってくださいよねぇ、と言ったところです。

本のタイトルにもなっている瑠璃色とは「やや紫みを帯びた鮮やかな青」ということで、このストーリーでは探し求めるタオティエという彫刻に使われている翡翠の色と、北京の西千キロほどにあった西夏の都の遺跡に残る伝説の瑠璃色に光る湖などを現しているものと思われますが、読む前はもうちょっとロマンティックな物語を想像していました。

この小説の中には日本人はほとんど登場せず、主人公を含め日本に住む中国系、または華僑など外国に渡った人、元ベトナム難民などアジア系の人達ばかりです。悪役で日系ドイツ人などは出てきますが、ちょっと毛色の変わった登場人物ばかりでそこのところは面白く読むことができました。

著者別読書感想(伊集院静)


【関連リンク】
 8月前半の読書 MOMENT、星々の舟 、パラダイス・ロスト、瓦礫の矜持
 7月後半の読書 氷の華、終わらざる夏(上)(中)(下)
 7月前半の読書 40 翼ふたたび、沈底魚、この胸に深々と突き刺さる矢を抜け

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743
日本にはほとんどの人が知らないというのを含めて多くの出版社がありますが、零細規模だったり資本的に不安定なところも多く、今までに数多くの出版社が倒産、廃業、休止を余儀なくされています。

しかし調べてみてわかったのですが、意外に出版社の倒産、特に大型倒産というのは少なく、他の業界、例えば建設業や不動産業、金融業、製造業、飲食サービス業などと比べてみるとこの長引く不景気の中でも不思議と大手出版社はつぶれていません。

理由をいくつか考えてみると、大手出版社は自社でビルなど不動産を持っているところが多く、人件費以外の経費はあまりかかず逆に出版以外の収入が得られていること、出版は昔のやりかたとは違い、発行部数が少なくても出しやすく、大きなリスクを背負うことがないこと、若い人が活字離れしても、その代わりにコミックやライトノベルはよく売れ、一方電子書籍の伸びは緩慢で、一気に書籍と置き換わりそうもないこと、比較的裕福な書籍好きな団塊世代がリタイアし、暇になって書籍をよく買ってくれるなどなど。

10年前なら倒産した出版社から発行されていた書物は廃刊となり、手に入れるのが難しかったのですが、Amazonのおかげで全国の古書店やリサイクル店からたいていの本は出品されており、簡単に手に入りやすくなったのは素晴らしいことです。

「ネットのせいで紙情報が主体の出版社が次々と倒産」と思いがちですが、意外とそうでもなく、2000年以前と2005年以降と比較しても年間の倒産、廃業件数はさほど変わりません。

ネットが流行すれば出版社もいち早く体制を変化させたり、多様化することで生き延びていたり、逆に売れるコミックにシフトをしたり電子書籍などをいち早く手掛け、売上を伸ばしている会社もあります。

新聞の発行部数のピークは1997年でそれ以降はずっとダウントレンドですが、雑誌や書籍などを扱う出版社も影響がもっとも大きいのは「若者の活字離れ」ではないでしょうか。書店数も同様に1990年代後半以降ずっと減少しています。

出版社というのは一種読書や書籍の趣味が高じ、会社を作った、あるいは大手出版社に勤務していたが、大手では扱わない自分の好きな本だけを扱ってみたいという編集者が独立してみたいな個人商店規模のところも多く存在し、スポンサーが撤退、あるいは死去すると、そこで終わりということもありそうです。

また倒産や経営悪化後に、有志達や新たなスポンサーの元で新会社を設立して前の会社の事業を引き継ぐというケースもあります。河出書房が河出書房新社に、中央公論が中央公論新社へと「新社」と名が付く出版社はそういう所以があります。

下記は2000年~2013年上半期までに業務委譲、活動休止、倒産、廃業して実質活動を終えた出版社の一覧です。

2000年
釣りの友社 自己破産
ペヨトル工房 解散
アクセラ 事業停止
青年書館 倒産
小沢書店 自己破産
博品社 廃業
柏樹社 廃業
マインド出版 廃業
葉文館出版 倒産
あゆみ出版 休業
飛天出版 自己破産
駸々堂出版 自己破産
2001年
同文書院 民事再生法の適用を申請。出版事業は継続中
梧桐書院 民事再生法申請
十月社 倒産
長崎文献社 倒産
経営実務出版出版 業務停止
ティーツー出版 民事再生法申請
都市文化社 倒産
銀河書房 倒産
成星出版 倒産
2002年
柴田書店 民事再生法の適用を申請。出版事業は継続中
勁文社 倒産
同朋舎 倒産
社会思想社 倒産
ワラヂヤ出版 破産
梧桐書院 民事再生法の適用を申請。出版事業は継続中
あゆみ出版 破産
創樹社自己 破産
一粒社 廃業
さくら出版 破産
2003年
婦人生活社 破産
日刊工業新聞社 産業活力再生特別措置法適用申請。出版事業は継続
デジキューブ 自己破産
光芒社(旧・丸山学芸図書) 廃業
ノースランド出版 自己破産
アップフロントブックス 事業停止、解散
アミューズブックス 事業停止、解散
シュベール出版 倒産
2004年
デル・プラド・ジャパン 自己破産
アルプス社 民事再生法適用申請。翌月ヤフーの子会社化、吸収合併
美術公論社 廃業
大明堂 廃業
ギャップ出版 自己破産申請
東京布井出版 破産
2005年
ソフトマジック 破産
平和出版 任意整理
文献出版 解散
メタローグ 倒産
岩崎美術社 廃業
ぺんぎん書房 倒産
2006年
ビブロス 自己破産
ナウカ 倒産
アポロコミュニケーションなど3社 民事再生法申請、2007年にぶんか社の子会社化
続群書類従完成会 不渡り倒産
史輝出版 消息不明
アクタスソリューション 自己破産
経林書房 破産
碧天舎自己 破産
2007年
リーフ出版・雄飛 破産
英知出版連鎖 倒産
あおば出版 破産
桃園書房・司書房 自己破産
朝日ソノラマ 廃業朝日新聞社へ版権譲渡
エクスメディア 自己破産
山海堂 自己破産
アートン 会社整理
白鳳社 廃業
チクマ秀版社 解散
夏目書房 業務停止
英知出版 破産手続き開始
生活情報センター 破産手続き開始
嶋中書店会社 解散手続き開始
東京法経学院出版 民事再生法の適用を申請
司書房 破産
2008年
新風舎 破産手続き。事業は文芸社へ譲渡
草思社 民事再生法適用申請。出版事業は継続。のち文芸社の子会社化
はまの出版 自己破産申請
アスコム 民事再生法適用申請。出版事業は継続
大阪書籍 民事再生法適用申請。出版事業は継続。日本文教出版に教科書版権譲渡
九天社 自己破産
日本洋書販売 自己破産
詩学社 倒産
マガジンファイブ 解散
雁書館 廃業
彌生書房 営業休止
歴史春秋出版 民事再生法の適用を申請
アーカイブス出版 民事再生法の適用を申請
スタジオ・セロ 破産
2009年
メディア・クライス(旧・バウハウス) 自己破産を申請
ユーリーグ 民事再生法の適用を申請。中心事業はいきいき株式会社に譲渡
雄鶏社 自己破産を申請
一橋出版 自己破産を申請
社会保険新報社 自己破産
エム・ピー・シー 自己破産
ゴマブックス 民事再生法の適用を申請
デプロ 自己破産を申請
草の根出版会 自己破産申請
ナイタイ出版 破産
日本聖書刊行会 解散
2010年
日本スポーツ出版社 破産申請
CCRE 民事再生法の適用を申請
一草舎 任意整理解散
工業調査会 事業停止
東京三世社 事業停止、廃業
理論社 民事再生法の適用を申請
KI&Company 倒産
コンシャスプレス 破産
民事法情報センター 解散
2011年
短歌新聞社 廃業
パロル舎 倒産
ブレーン出版 破産手続き開始
編書房 解散・廃業
講談社インターナショナル 解散
中央書院 破産
2012年
レッスンの友社 事業停止
武田ランダムハウスジャパン 倒産
どうぶつ社 廃業
オルディ 破産手続き開始
アメーバブックス新社 解散
エフ企画 業務停止
霞ヶ関出版社 廃業
学会出版センター 廃業
教学研究社 破産
工業調査会 破産
2013年
明文図書 自主廃業

その多くは一般の人にはあまり馴染みのない出版社ですが、個人的には2007年の「山海堂」、2009年の「ゴマブックス」が気になります。「山海堂」はクルマ関連の雑誌や書籍をよく購読していましたし、「ゴマブックス」は新書などで何冊か読んだことがあります。

「ゴマブックス」と「ごま書房(新社VM)」はよく間違われるようですが、元々はまったく関係のない会社で、一時期は事業の一部の譲渡を受けて「ごま書房」でゴマブックスを傘下に入れていましたが、経営悪化のため手放しました。

いずれにしても、書籍や新聞など紙媒体の電子化は、エコ(環境)や輸送配達コストの増加など長い眼で見ると避けられないわけですが、それには3年5年という短期中期レベルではなく、10年20年というゆっくりした長期的な変革となるでしょう。

だって今の老眼の入った中高年者が、今さら小さなスマホやタブレットの画面で新聞や書籍を読むなんて考えられません。その人達が新聞も書籍も読めなくなり需要がなくなるまでは、あと20~30年はかかりそうです。


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742
以前から「日本は解雇規制が厳しく人材流動性に乏しい」「中高年を解雇できないから若い人の採用が進まない」などの話しを読んだり聞いたりするたびに、すごく違和感を感じていました。

なぜなら私自身10年ほど前に、自身の希望に反して勤務していた会社から簡単に解雇された経験があり、その会社の同僚十数名もほぼ同時期に軽々しく解雇されたという経験があるからです。

会社の業績がいざ傾くと、経営者は自分達の責任をまず棚に上げ、立場の弱い人間から順にスケープゴートに仕立てていくのが通例です。

立場の弱いというのは決して非正規社員というだけでなく、部長や執行役員といった責任ある立場の人にも向かいます。

会社の業績が悪化するのは、社会情勢などもありますが、一般的には経営者とその下にいる執行役員や各部長の責任が大でしょう。

だから責任は上層部にあるわけですが、誰が責任を取るかを決めるのは一握りのトップなので、割を食うのはいつも執行役員や部長クラスということになります。

どうしても納得がいかない場合は解雇に抵抗するという方法もあります。

職安や労基署、それにいざとなれば裁判で不法行為を訴えかけることもできます。

しかしどれほど正当性のある言い分があったとしても、実際問題として、決着するまでに時間がかかり、精神的にも経済的にも追い詰められていくそのような事態はできれば避けたいと思うのが人情です。またそれまで世話になってきた会社や同僚といざこざを起こしたくないという心理的な要素もあります。

入社以来世話になった人や、仲のよかった人事責任者などに諭されれば、普通はあきらめて解雇に応じる人がほとんどではないでしょうか。また残ったとしても、そのような冷たい会社や経営者の元で、その先はつらい日々が待ち受けていることも容易に想像ができます。

私は勤務した経験はありませんが、外資系企業では、もっとドライで、日本であっても個人業績の悪い人や部門の縮小や閉鎖により、簡単に社員の解雇が言い渡されます。外資系だから日本の法律は守らなくてもよいわけではなく、法律を守って整理解雇を普通におこなっているわけです。

そういう整理解雇が普通におこなわれている日本で「解雇規制が厳しくて」と言われても「どこがだよ?」と言いたくもなります。

それをある意味裏付ける資料として、独立行政法人労働政策研究・研修機構が「従業員の採用と退職に関する実態調査」を7月31日に発表しました。

それによると、
ここ5年間に正規従業員に

 退職勧奨を行ったことが「ある」16.4%
 特に「1000人以上の会社」では30.3%、「300~1000人の会社」で23.1%と高率
 普通解雇をおこなったことが「ある」16.0%
 整理解雇をおこなったことが「ある」8.6%
 普通解雇と整理解雇のいずれかをおこなったことが「ある」20.7%
 整理解雇で退職金割り増しなど特別な措置を実施して「いない」24.7%
 解雇の通告時期は「1ヶ月ほど前」が47.5%ともっとも高い

というデータがあります。
(50名以上の民間企業2万社のうち回答があった5964社のデータ)

これらからすると、事件や事故を起こして一方的に解雇される懲戒解雇ではなく、本人にさほど大きな理由がなくとも解雇を言い渡される「整理解雇」や「普通解雇」は、5社に1社の割合であり、もはや決してレアなことではなくなっていることがわかります。

さらに解雇の際に退職金割り増しなど優遇策がないところが4社に1社。解雇通知は1ヶ月前というのが2社に1社の割合。1ヶ月前では転職準備もなにもあったものではなく、欧米でよくある一時帰休「レイオフ」などよりも、もっとひどい実態が明らかになっています。

付け加えておくと「懲戒解雇」ではなく、「普通解雇」の場合、その理由として「非行」や「無断欠勤」「仕事に必要な能力の欠如」などともっともらしい理由が付けられますが、もし本当に重大な問題を起こしているのなら「懲戒解雇」にすべきで、あえて「普通解雇」にしているところは、解雇する側にもなにかしら問題があったり、辞めさせるために無理矢理に評価を落として痛み分けをしようという企業側の卑しい魂胆も見え隠れします。

あとこの調査を見て、ちょっと疑問に思うのは、中小零細企業のほうが実質的な解雇はもっと多いのではないかなと言うことです。つまりこのアンケート調査には現れてこない、中小企業では当たり前におこなわれている「自己都合退職」という名の実質解雇です。

中小零細企業には多いワンマン社長の元で働く人は、そのワンマン社長に気に入られるとトントン拍子に出世していきますが、そうでなければ、特に、ワンマン社長に逆らうことの多い社員や、給料が高くなる中高年になるといつ肩叩きがされるかわかりません。

また、中小零細企業の場合、不景気で一部の部門を閉鎖した場合、大企業のように他部門で吸収することができず、余剰人員となってしまいます。

そのような場合、中小零細企業では大企業や外資系企業のような法律に従った解雇ではなく、本人から自己都合で辞めると言い出すようにし向けることが普通におこなわれています。それらはこの調査で言うところの「普通解雇」や「整理解雇」にはカウントされません。

したがって、上記の調査はある一定規模以上の大会社の数値は比較的信用できますが、中小企業が自ら出す数値にはあまり信憑性があるとは言えません。もしそれでも比較するなら自己都合も含めた離職率(年間退職者数/全社員数)を比較して見れば、中小零細企業の離職率が大手企業と比べて高いかがわかるでしょう。

結局は「人材の流動化」や「若者の正社員雇用をしやすく」という名の元で、雇用・解雇規制の緩和や撤廃が議論されるのは、独立した労働組合組織があるような大手企業だけの問題で、御用組合に成り下がっていない組合だと、解雇するのが難しいものだから、それをなんとかしたいという大手企業側からの要請に応えるものと考えられます。

ま、研究者や学識者というのは国や自治体からの支援だけでなく、そういう大企業にスポンサーになってもらって研究活動費を援助してもらったり、共同研究をおこなったりすることが多く、大企業に有利な結果を導くことが自らの利益にもつながることから、そういう議論がいつまでも続くのでしょう。


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741
「2011年新聞・テレビ消滅」佐々木俊尚著というのが大昔に話題になった気がしますが、そういえば私も大昔に「新聞・テレビが2011年どころか10年後でも消滅しない3つの理由」というのを書きました。

一部の地方新聞社や業界新聞社は別として、テレビ局や全国紙、一定規模以上の地方紙の新聞社がつぶれたという話しは2010年以降トンと聞きません。他の産業、例えば製造業や金融業、サービス業、旅館、建設・土木会社等のほうが廃業や倒産する割合ははるかに高そうです。

ちなみに2010年以降に廃刊、休刊となった新聞は、日本繊維新聞、南三陸新聞(東日本大震災のため)、建設日報、岡山日日新聞だけです。2010年までに財政基盤の弱いところはすでにつぶれたとも言えますが。

放送局(テレビラジオ)に至っては、2010年に愛知国際放送が廃業したぐらいで、地方局でも親会社が破綻したり経営悪化による事業譲渡はいくつかありますが、放送局自体がつぶれたところはありません。これは免許制度の恩恵かも知れません。

また新聞社や放送事業者は、その本業以外の関連事業への進出や強化も評価していいかも知れません。新聞社と直接的な関係はありませんが、各地にある新聞販売店も従来からの折込チラシの収入に頼るのではなく、最近は廃品や古物の回収、食料品・日用品の宅配事業などへ進出するなど、その業態が大きく変わろうとしています。

新聞・テレビの主たるユーザーは、子供の頃から新聞・テレビと共に泣き、笑い、喜び、怒ってきた概ね60歳以上の人々と言えますが、その中でも特に巨大な団塊世代の層が65歳を越え、おそらく今後まだ10年は、そのまま新聞・テレビの一番の愛好家として、些細なことですぐクレームの電話を入れたり、熱心に投書を出したりとしっかり盛り上げてくれることでしょう。

不思議なのは、テレビ局で、ゴールデンタイムはどのチャンネルを見ても若手お笑い芸人や場を盛り上げるリアクション芸人を大量に出演させたくだらないバラエティ番組ばかりですが、これは決して高齢者向けとは言い難く、若い世代向けです。

高齢化社会のテレビ番組は、囲碁や将棋、盆栽、家庭菜園、健康、料理、歴史ドキュメンタリー、映画、ドラマ、紀行、プロ野球、クイズばかりやっていればいいのかというと、スポンサーは新しいものを欲しがらない年金生活者よりも、流行にすぐ飛びついてくれる若い人に商品を売りたいので、どうしても若い人を集める番組を作らなければならないというのが実際のところでしょう。

さて、新聞社ですが、実は私も佐々木俊尚氏ほどは極端でないにしても、もっと早く衰退していくかな思っていました。

下のグラフは、新聞の発行部数(朝刊、夕刊、スポーツ紙合計)の推移と1世帯当たりの部数推移です。1世帯当たり平均1部を切ったのが2008年からですから、この調子でいくと数年後には、、、と思っても不思議ではありません。また現在も下げはとまっていません。



それは例えば団塊世代が現役を引退する2007年頃から始まり雇用延長した65歳も越える現在、少なくとも仕事絡みで読んでいた日経新聞や複数紙を購読していた新聞を1紙にあらためることによって、購読数が激減していくものと考えられ、現実もこの12年間、毎年平均で50万部づつ減らしてきています。

新たな若い層の読者が増えないというのももちろんですが、2003年から2012年の10年間だけでみても発行部数は約11%減となっています。

名古屋に住む人の多くは主に中日新聞を購読し、ビジネスマンならあと日経新聞、さらに全国紙の朝日か読売というように複数の新聞を購読している人が多かったように思います。

年金生活に入れば、株をいっぱい持って投資活動をしている人以外は、普通なら全国紙(名古屋の中日新聞や京都の京都新聞など地方在住の場合はブロック紙や地方紙1紙の場合もあり)1紙だけになってきているはずです。それでも新聞社はなんとか持ちこたえていることに感心しています。

下表は、全国紙5紙とブロック紙3紙の2012年度売上高、利益、平均発行部数(日経新聞の売上・利益は2011年度)です。


意外と言うと失礼かもしれませんが、どこの新聞社も健闘していて、赤字は毎日新聞社だけです。

その理由は、赤字の毎日新聞社を含め、新聞発行以外に様々な事業をおこなっているからです。特に大手新聞社は一等地に自社ビルを持っていて、不動産事業などそれらからの収入が大きく貢献して黒字を出しているところが多いのだと推察できます。推察というのは新聞社の多くは非上場のため、事業ごとの損益が非公開のため詳細はわかりません。

そして実態としては各社とも本業部門は火の車状態で、今後メインの新聞事業をどうしていくかというのが最大のポイントとなっています。個人的には土・日曜日などに自宅でゆっくりと新聞を開くと、ネットにはない貴重な情報や知識などが得られ、今でも十分にいい役割をしていると思うのですが。歳のせいでしょうかね。

もちろん日経を始めとして紙から電子版への移行や共存など、あるいはネットとうまく融合させて双方向性をもたせる記事など、様々な取り組みがおこなわれていますが、アメリカで数年前に起きた新聞社淘汰の嵐は、本格的に日本にもまもなく上陸することは間違いありません。

ただ日本ではアメリカと違い、新聞の宅配システムが全国隅々まで機能していて(限界集落や、準限界集落ではすでに危ういですが)、団塊世代という非常に大きく熱心な購読者層がまだ紙の新聞を見放していないことが大きいと言えます。

視力の落ちた高齢者にとって、今さら小さなスマートフォンやタブレットの画面で新聞を読みたいとも思いませんし、それが数年のうちにガラリと変わってしまうことも思えません。

平均年収が高い職業の代名詞として、過去には銀行や証券、保険業などがありましたが、最近ではテレビ局と新聞社というのが一般的によく知られています。

平均年収は朝日新聞社で1,252万円、日本経済新聞社で1,201万円(朝日2011年度、日経2010年度全社員平均)で、テレビ局ではフジ・メディア・ホールディングスが1,510万円、日本テレビが1,425万円とのことで驚かされます。

こうした社員への大判振る舞いがいつまでも続くとはとても思えませんが、少なくとも団塊世代がもう新聞を読めなくなる、必要としなくなるであろうあと10~20年間は、縮小は迫られるもののまだまだマスコミの主役として安泰と言えるのかも知れません。


【関連リンク】
687 旺盛な高齢者の労働意欲は善か悪か
581 新聞に想うこと その1
537 新聞・テレビが2011年どころか10年後でも消滅しない3つの理由
382 マスメディアと評論家を信じてはいけない

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ニュースにもなったので見たり読んだりした方も多いと思いますが、犯罪の総数は減ってきているものの、高齢者が引き起こす犯罪数は激増しているそうです。法務省が出している平成24年度の犯罪白書を見ると、

「我が国の犯罪情勢は,平成14年に刑法犯の認知件数が戦後最多を記録したが,国民と政府が一体となって治安の回復に取り組むなどした結果,刑法犯の過半数を占める窃盗を中心に刑法犯認知件数は減少傾向にあり…(中略)…近年の犯罪動向では,初犯者がおおむね減少傾向にある中,検挙人員に占める再犯者や刑務所入所受刑者に占める再入者の比率が上昇傾向にあり,特に覚せい剤事犯者や高齢受刑者等では再犯によるものの比重が大きい(以下略)

とあります。

一般刑法犯の検挙数では全国的に高年齢化が進み、60歳以上の構成比が昭和57年(1982年)に3.5%(1万5,363人)だったのが、平成23年(2012年)には22.9%(7万83人)と率で6.5倍、人数でも4.6倍と急増しています。

もっとも65歳以上の人口は2012年で29,752千人に対して1985年で12,468千人と約2.4倍の差がありますから、高齢者の犯罪の数が増えるのは当然としても、それにしても人口の伸び率以上の激増です。

確かに最近目にする凶悪犯罪も高齢者(60歳以上)が引き起こしたものが目立ちます。

「山口県周南市の限界集落5人殺人事件」の容疑者は63歳
「複数名の殺人や監禁をした尼崎事件」の首謀者(拘置中自殺)とされる女性は当時64歳
「宝塚市役所放火事件」の容疑者は63歳
「堺女性傷害致死遺棄事件」の被告は63歳と57歳の女性
「栃木茂木町の整骨院院長殺害」の被告は60歳

暴走老人は元都知事だけでなく全国で出没しているということです。

また凶悪事件というのではありませんが、被害者や遺族からすると同様な感情を持ってしまいそうな交通事故、特にブレーキとアクセルを踏み間違えてしまうクルマでの暴走事故は特に高齢者ドライバーに多く見られます。

駐車場で暴走のクルマ、フェンスを突き破って15m下に転落
2013/8/14(奈良県 運転者74歳男性

屋台に車突っ込む 子供ら5人重軽傷 東京・羽村の公園
2013/8/12(東京都 運転者70代男性

ペダル踏み間違えで暴走、時計店にクルマ突っ込んで客が負傷
2013/8/9(北海道 運転者85歳男性

兄弟はねられ9歳重体
2013/8/8(山口県 運転者77歳男性

ペダル踏み間違えのクルマが歩道で暴走、歩行者をはねる
2013/5/11(北海道 運転者76歳男性

ちょっと古い資料ですが、ブレーキの踏み間違いで起きる事故は年齢別には運転未熟者が多い19~29歳がもっとも多く、次いで70歳以上、次が60~69歳となっています。(平成18年交通事故総合分析センター)

この手の事故は、今後高齢者ドライバーが増えていくにつれまだ増えそうな勢いですが、各社から衝突防止装置の付いた新車が続々と出てきていますので、それに期待したいところです。ただ年金以外に収入のない一般的な高齢者が、割高な最新装備のついたクルマに買い換えるのか?というとはなはだ疑問が残ります。

私が近所のスーパーの駐車場で目撃したのは、70歳以上と思われる小柄なおじいさんが運転する軽バン自動車が駐車場に入ってきたものの、なかなかまっすぐに停められず何度も切り返しをしていました。しかもバックする際には左右に停まっている他人のクルマにガンガンぶつけながら切り返しをしているのです。それを間近で見ていた人が、おじいさんに注意をしたところ、「え?」と驚いて降りてきて、ぶつけたところを見ているのです。つまり何度もガンガン大きな音を立ててぶつけているのに運転している本人だけが気がつかなかったというお粗末さ。おそらく運転初心者ではなく何十年と運転歴のある人だと思いますが、歳を取るとそうした運転感覚や距離感が鈍るのでしょうね。

犯罪の話しに戻りますが、内閣府の「高齢社会白書」によると、平成19年の高齢者の一般刑法犯検挙数は「窃盗」が65.0%と最も高く、次が「横領」で22.0%、以下「暴行」3.7%、「傷害」2.3%と続いています。「窃盗」の多くは万引きと考えられ、「年金暮らしで生活費がかつかつで、、、」というパターンが多いそうです。

なにか昔だと「道徳は親や祖父母から教わる」「老人を労り、敬いましょう」的なことをよく言われましたが、現代における道徳教育は「高齢者の手癖の悪さは学んではいけない」「高齢者を見れば泥棒と思え」となっていきそうな勢いです。

高齢傷害・暴行事犯者の犯行時の動機・原因としては、「激情・憤怒」が63.9%、泥酔しているなど飲酒による影響が顕著に認められた「飲酒による酩酊」が14.3%、「報復・怨恨」が6.8%となっています。

最近よく聞く「キレる老人」は6割を超えるこの「激情・憤怒」で、今の60代はまだ人並みに体力や俊敏姓もあり、それが暴力事件や傷害事件へと発展していくのでしょう。なにかで読みましたが、60代で痴呆症を患っている男性を介護する場合、体力で劣る女性では気に入らないことがあるとすぐに暴れる患者は抑えられず、殴られたりして体中青あざだらけになると書いてありました。

65歳を超えた団塊世代の一部には、若いとき学生運動に情熱を傾けていた人も多く、そういう人にとっては会社勤務というタガが外れ、子ども達は巣立ってしまい、社会や家庭の中で自分の居場所がなくなってくると、沸々とわき出てくる情熱をぶつける対象がなくなり、アルコールへ逃避したり、酔った勢いで暴力行為に走ってしまうということも起きそうです。

そのアルコールですが、特徴的なのは「犯行時に飲酒が認められた者」は高齢傷害・暴行事犯者全体の53.7%と高く、他の年齢層と比較して多くなっています。私はよくタバコの被害よりも、ずっと多くの悲劇を生み出す飲酒こそ真っ先に規制すべきと主張しています。

飲酒運転による死亡事故や、酒が入った上での喧嘩やセクハラ、痴漢など、飲酒が引き金になった事故や事件の被害のほうが、喫煙による周囲の被害よりずっと大きいので、公衆の場所で販売や提供を制限・禁止をするのなら、タバコではなくまずはアルコールではないのか?と思ってしまいます。

あと、週刊朝日に掲載されていましたが、慶応大学の太田達也教授と警察庁が共同で調査したところ、同じ高齢者でも、単身世帯と子ども達など家族と同居しているか、またはよく行き来ががある場合とでは、その高齢者が犯罪を犯す率が大きく違ってくるそうです。当然気遣ってくれる家族が身近にいない単身世帯のほうが犯罪発生率は高くなります。

「社会的孤立」と犯罪には相関関係がありそうですが、先に起きた山口周南市の5人殺人放火事件の容疑者も、父親が存命中は問題は起きず、亡くなってから集落の中で孤立していったことが伝えられていました。今後の高齢化社会において憂慮すべき点でしょうね。

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