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698
世界の書籍三大ベストセラーは「聖書」、マルクスの「資本論」、サン・テグジュペリの「星の王子さま」と塩澤実信著「ベストセラーの風景」には書かれていますが、「コーラン」や「毛主席語録」は推定では聖書に次ぐ数十億冊が出版されているそうです。

無料で配布されることもある宗教本や政治本はベストセラーとは言えないという理屈であれば、上記のベストセラーからも「聖書」を外さなければなりません。

その世界のベストセラー本は果たして日本でも売れているのだろうか?と思って調べてみました。出典はWikipedia(2013年3月20日時点)を基本としていますが、調査年度や調査方法等にばらつきがあり、中には発行元が自主的に発表している信用のおけないデータも混じっているのでその点はあしからず。

聖書など宗教や思想、政治関連書籍および漫画は除き、単一本での発行部数で多かったとされる書籍ベスト10は、

(1)チャールズ・ディケンズ著「二都物語」 2億部
(2)J・R・R・トールキン著「指輪物語」 1億5000万部
(3)曹雪芹著「紅楼夢」 1億部
(4)J・R・R・トールキン著「ホビットの冒険」 1億部
(5)アガサ・クリスティ著「そして誰もいなくなった」 1億部


(6)パウロ・コエーリョ著「アルケミスト - 夢を旅した少年」 1億部
(7)C・S・ルイス「ライオンと魔女」 8500万部
(8)ヘンリー・ライダー・ハガード「洞窟の女王」 8300万部
(9)アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ「星の王子さま」 8000万部
(10)ダン・ブラウン「ダ・ヴィンチ・コード」 8000万部
  ※部数は推定(以下同)


とされています。この中で読んだのは「星の王子さま」「そして誰もいなくなった」と「ダ・ヴィンチ・コード」だけです。たぶん平均的な50代日本人とほぼ一致しているのではないでしょうか。

日本人が書いたベストセラーでは、太宰治著「人間失格」と村上春樹著「ノルウェイの森」が共に1200万部となっています。

「ノルウェイの森」などは多国語に訳されてはいますが、やはり日本語の壁は厚いようです。

日本国内では50万部もでれば大ベストセラーですが、人口が日本の10倍の中国では50万部ぐらいでは果たしてどうでしょうか。人口が10倍でも熱心な読者人口も10倍いるかどうかはわかりませんが。

シリーズもの、あるいは定期刊行される書籍の累計ベストセラーは、

(1)J・K・ローリング著「ハリー・ポッターシリーズ」 4億5000万部
(2)R・L・スタイン著「グースパンプス」 3億5000万部
(3)E・S・ガードナー著「弁護士ペリーメイスン」 3億部
(4)スタン&ジャン・ベレンスティン「ベレンスティン・ベアーズ」 2億6000万部
(5)子供向けゲームブック「きみならどうする?」 2億5000万部

などとなっていますが、1位の「ハリー・ポッターシリーズ」は私も数巻読みましたが、それ以外は日本ではあまり知られていません。「グースバンプス」は今でもそこそこ売れていたりするのでしょうかね?

さて日本の書籍(シリーズもの累計)では、

(1)吉川英治著「宮本武蔵」 1億2000万部
(2)細木数子著「細木数子の六星占術あなたの運命」 9300万部
(3)池田大作著「人間革命/新・人間革命」 4000万部
(4)山岡荘八著「徳川家康」 3000万部

などとなっています。おそらく累計だと1億部はいっているはずのJTB時刻表などはカウントされないのですね。定期刊行物なのに。

「宮本武蔵」全8巻は読みましたが、元々は太平洋戦争前の1930年代に新聞連載小説として連載され、その後単行本や文庫になっています。

映画化やドラマ化でも定番の作品ですが、最近の若い人には同作品を原作としたコミック「バガボンド」のほうがよく知られているのでしょう。

8巻計1億2000万部が売れたと言うことは、単純計算すると、(発売開始後80年近く経っていることを考慮しなければ)全国民の8人に1人が8巻すべてを買ったか、赤ちゃん含め全国民が一人1巻を持っているという計算になりますから想像するとものすごい数です。

余談ですが、この吉川武蔵は巌流島の決闘で終わります。巌流島の決闘以降を描いた小山勝清著「それからの武蔵(全6巻)」も意外と知られていない武蔵の晩年が描がかれていて面白かったです。

細木数子氏の占い本(シリーズ)がこれほど売れていたとは驚きです。私は読んだことはありませんが、占い本として9300万部というのはギネス記録に認定されているそうです。

これだけ売れるともう完全に左うちわの印税生活でしょう。1冊552円として著者に入る印税が1割の55.2円×9300万部=51億3千万円ですからね。ホントか?

「人間革命/新・人間革命」は創価学会第2代会長・戸田城聖、第3代会長山本伸一の半生を描いたノンフィクション大河小説とのことですが、私は読んでいませんのでなんとも、、、実際に書いた人にはそれ相応の謝礼がちゃんと渡っているのかが唯一の関心事です。

4位の山岡荘八著の「徳川家康」(全26巻)とランク外の吉川英治著「新書太閤記」(全11巻)の超長編小説は、そのうちいつか読もうと思いつつ、まだ実現できていません。

仕事を引退してからか、大病を患い長期療養するなど、暇な時間がたっぷりとできてからゆっくりと味わうことになりそうです。

次に日本がお得意分野と思われる漫画作品(シリーズ累計)で見るとどうなるでしょうか?

世界の漫画(シリーズ含む)発行部数ランキング

(1)「クラシックス・イラストレイテッド」アルバート・ルイス・カンター作 10億部
(2)「X-メン」 マーベル・コミック作 5億部
(3)「タンタンの冒険旅行」エルジェ作 3億5000万部
(4)「アステリックス」ルネ・ゴシニ(原作)、アルベール・ユデルゾ(作画) 3億5000万部
(5)「ラッキー・ルーク」ルネ・ゴシニ(原作)、モリス(作画) 3億部
(6)「ピーナッツ」チャールズ・M・シュルツ作 3億部

と、意外にも上位6位に日本漫画は出てきません。やはりここにも日本語の壁があるのでしょうか。

が、しかし7位以下は、

(7)「ONE PIECE」 尾田栄一郎作 2億8000万
(8)「ドラゴンボール」 鳥山明作 2億3000万
(9)「キャプテン・アメリカ」 マーベル・コミック作 2億1000万
(10)「スーパーマン」 DCコミック作 2億
(11)「ゴルゴ13」 さいとう・たかを作 2億

と、ようやくお馴染みの作品が登場してきます。

今後の活躍次第ですが、まだ連載中の「ONE PIECE」や「ゴルゴ13」などは十分ベスト5入りの可能性もありそうです。ドラゴンボールは連載は終わっていますが今なお人気は高く、日本はもちろん海外でも人気があります。

もうひとつ意外に思ったのは、アニメの世界では圧倒的に強いウォルト・ディズニーものがないこと。コミックから早く抜け出して映画やテレビのアニメへとシフトしたせいでしょうか。

あと下記を見てもわかりますが女性漫画(ベルバラとかガラスの仮面、花より男子とか)の販売数は意外と伸びていません。

11位以降、日本の漫画だけを抜粋すると、

 ブラック・ジャック 手塚治虫作 1億7600万部
 ドラえもん 藤子・F・不二雄作 1億7000万部
 こちら葛飾区亀有公園前派出所 秋本治作 1億5527万部
 名探偵コナン 青山剛昌作 1億4000万部
 NARUTO -ナルト- 岸本斉史作 1億2650万部
 SLAM DUNK 井上雄彦作 1億1897万部
 美味しんぼ 雁屋哲(原作)、花咲アキラ(作画) 1億1120万部
 鉄腕アトム 手塚治虫作 1億部
 タッチ あだち充作 1億部
 北斗の拳 武論尊(原作)、原哲夫(作画) 1億部
 金田一少年の事件簿 天樹征丸(原案・原作)、金成陽三郎(原作)、さとうふみや(作画) 9000万部
 サザエさん 長谷川町子作 8600万部
 キャプテン翼 高橋陽一作 8000万部
 はじめの一歩 森川ジョージ作 7550万部

となり、13作品がシリーズで1億部を超えています。シリーズものの日本の小説で1億部を超えているのは「宮本武蔵」だけですから、やはり漫画の人気はさすがと言えます。

もう何十年間も若者の読書離れが言われ続けていますが、要は難しい文学や哲学、ビジネス書から漫画本へ移行しただけではないのか?とちょっと思ったり。

私はといえば、上記の漫画の中ではブラック・ジャックは昨年の夏休みに全巻一気読みしましたが、あとは読んでいないか1~2巻程度を喫茶店で暇つぶしで読んだぐらいです。

子供の頃は漫画よりもアニメが好きであまり漫画本を読んだ記憶はありません。今も小説と比べるとやっぱり小説をとってしまいます。


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697
ここ何年かの非正規(雇用)社員が増加している元凶が、小泉政権時代におこなわれた「人材派遣の自由化にある」と思っている人が困ったことにいまだ多くいます。

たぶんそのように言うとマスコミからも注目され「労働者の権利を迫害する業者や政治家を叩く俺って格好いい」と思ってのことでしょうが、まったく非正規雇用問題の本質を理解していないふざけた話しです。

別に派遣会社やその業界団体からなにかの恩恵を受けている私ではありませんが、コロッと騙される人も多いかなと思って解説しておきます。

2008年年末に「年越し派遣村」という話題が一気に噴騰し、あたかも「派遣労働→派遣切り→ホームレス→可哀想→糾弾しなければ」と、派遣労働を目の敵にしてきた労働組合系組織や、それに同調し表向き「弱い者の味方」と称するマスコミによって、意図的な情報操作で悪評が広められてきました

「派遣業者・派遣という就業形態=悪者」と断じて、「悪者(人材派遣業界や自由化を支持をしてきた政治家)を叩け」とばかりに、もっともらしく書くジャーナリストや評論家が後を絶たず、人材派遣の業界団体もまったく聞く耳を持たない労組やマスコミに手を焼いていました。

なぜ労組が人材派遣を目の敵にするかといえば、労組は誰でもが加入できる組織化されていない小規模なところを除き、基本は大企業や業界ごとに正規雇用者が主体となり組織されています。

つまりパートやアルバイトならともかく社員と同等の仕事をする派遣社員が職場に増えることで、正社員の既得権が侵され、組合員が減り、相対的に労組が弱体化してしまうことを一番恐れているからです。

正社員以外で働く人のことを一般的に非正規(雇用)社員と言いますが、それには明確な区分があるものとないものが混在しています。

一般的にはアルバイト、パート、フリーター、契約社員、嘱託、季節労働者(期間工など)、日雇い労働者、派遣、個人請負(個人事業主の場合は曖昧)などが非正規(雇用)社員と位置づけられています。

非正規社員の中でそれぞれが占める割合と推移をみてみましょう。

全雇用者に占める非正規社員の割合推移と2010年非正規社員の内訳(総務省統計局/労働力調査より抜粋)
hiseiki001.jpg

非正規社員は1990年と2010年で比べると確かに全年代で増加しています。しかし思い出してください。1990年といえばバブル絶頂時代で、完全な売手市場の中、失業率も低い時代でした。

そのような時代と現在を比べて「正規雇用者数の割合が減ったのはけしからん」と言ってもあまり説得力はありません。

解決するには最低でも80年代後半のように企業が超人手不足で、猫も杓子も正社員として採用してくれるよう景気をよくする必要があります。それは今の時代どう考えても難しいでしょう。

この20年間の非正規雇用の増加は、派遣労働者の増加というだけではなく、働き方が多様化したり、バブルが弾け長引く不況の中、業績も停滞し、その結果企業が正社員雇用を絞っってきたからに他なりません。別に労働組合つぶしで正社員を減らしてきたわけではありません。

特に1990年頃までは雇用数が多かった製造業の現場で、1990年前半のバブル崩壊以降、円高と激しい国際競争にさらされ、それに対応すべく非正規社員(派遣社員ということではなく)を多く使うようになってきたからなのです。

それを証明するために、下記のグラフを見てみましょう。

2000年、2005年、2010年の非正規社員内訳比較(総務省統計局/労働力調査より抜粋)
hiseiki002.jpg

小泉純一郎氏が政権についたのが2001年、それから5年後の2006年まで総理大臣の座にいました。

その間で労働者派遣法が改正されたのが、2003年の要件緩和と退任後の2007年から実施された派遣期間の緩和です。果たしてそれが今の非正規雇用問題の元凶だといえるのでしょうか?

派遣職種が過去一番ドラスティックに変更され緩和されたのは1999年小渕恵三内閣時代の改正で、この時に派遣業種が原則自由化され、製造業派遣なども認められました。

いわゆる派遣禁止職種のネガティブリスト化ということで、それまでは制限されていた派遣可能職種から、やってはいけない職種の制限に置き換えられました。

百歩譲ってもし派遣法改正が元凶だというのなら、この時の改正を言うべきでしょう。

次に非正規雇用者を年齢別にみるとどうでしょう。

年代別全雇用者数に占める非正規雇用の割合(2000/2005/2010年)(総務省統計局/労働力調査より抜粋)
hiseiki003.jpg

顕著なのは、2000年から2010年の10年間で、55歳~64歳の非正規雇用者数の割合が増大しているのがわかります。

これは数百万人もの団塊世代が2007年頃から続々と60歳定年を迎え、61歳以降は嘱託や契約社員として、あるいはパートとして働くようになりました。

一方では、15~24歳の層は、いったん2005年には急増したものの、その後2010年にかけては非正規雇用者割合が減っています。その他の層も55歳以上以外は2005年と2010年を比較すると横ばい傾向と言っていいでしょう。

もしどうしても非正規雇用急増の問題を指摘するなら、減ってきている若年層ではなく、定年後も働き続けなければならない、あるいは一度退職すると次に正社員としては採用してもらえない55歳以降の非正規雇用の問題を真っ先に取り上げるべきなのです。

実際には60歳以上の高齢者は、すでに年金支給の対象となり、多くの人には規定の退職金も支払われて、他の年代と比べると裕福と言われています。

そのためこの年代の非正規雇用自体に大きな問題があるかというと、ちょっと疑問符がついてしまいますが増えているのは実はその層なのです。

話しは横道へそれてしまいましたが、派遣労働者の数は、2010年でわずか96万人に過ぎず、全就業者数6256万人に占める割合はわずか1.5%です。非正規社員全体の1755万人の中でもたった5.5%に過ぎないのです。

それなのに「非正規社員≒派遣労働者」の扱いをするとはまったく無能としかいいようがありません。

住むところを追われ、年越し派遣村に来ざるを得なかった人達の中に、いったい何人の派遣労働者がいたのか、実際のところを教えてもらいたいものです。

統計上で推定すると、年越し派遣村が「無職の人と生活が不安定な非正規雇用の人達向け」ということであれば、20名の中に派遣社員が1名いるかいないかという程度なのです。

それだけにわざわざ「派遣村」と名付けたのは誰かが意図した悪意としか言いようがありません。

非正規雇用が増えたため、その分収入が減りデフレが起きたという意見にも賛同ができません。2000年以降、日本経済は円高の影響などにより国際競争に負けて多くの仕事を失い、物価変動の影響を考慮した名目GDPも1997年以降下がっています。

が下がったのは非正規雇用の人だけではなく公務員以外の一般的な正社員勤労者平均が下がっています。

1997年と2009年比較で約13%も平均給料が下がっているのです(国税庁:民間給与実態統計調査)。

非正規雇用者の2倍近くいる正規雇用者の給料が下がれば、それに引きずられ全体に与える影響のほうが大きいことは明かでしょう。

なのでデフレが起きたのはなにも非正規雇用が増えたためではありません。これも非正規雇用問題を大きくするために作られた嘘です。

さらに、人口統計で明かですが、少子化と高齢化の影響で、進学や結婚、実家から独立などで多くのお金を使ってくれる若い人が90年代後半から減り続けています。

逆に裕福な高齢者は将来の年金不安や医療制度不安でしっかり貯金をして支出しません。そのような流れが10数年続いている中では景気が改善するわけがありません。

それでも非正規雇用の問題を取り上げるのであれば、まずは一番数的インパクトの大きいパート労働者で、その問題を解決すれば半分、さらにアルバイトの問題を解決すればそれで非正規雇用問題の7割が解決することになります。

転勤はできない、フルタイムでは働けない、残業もダメ、重い責任や部下のマネジメントの責任は負いたくないという一般的なパート労働者を、それでも正規雇用に切り替えさせようというのは、労使共に無茶な話しで、希望があれば社員登用の道を作るぐらいしか、対策はないと思われますがどうなのでしょう。


 【関連リンク】
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696
レスリングがオリンピック種目から除外されるかもしれないと関係者は大慌てですが、私はそれも仕方なしかなと思っています。

レスリングは第一回オリンピックの種目にもあった伝統ある競技だからとか、一部の国々で人気があるからと言って、既得権益のように五輪の種目に永遠にあり続けるかと言えばそれは無理な話しで、ビジネス上のことも考え、さらに競技日程や競技会場の制限もあり、時代と共に競技種目が変わっていくのが筋ではないでしょうか。

そうしないと五輪のような世界でもっとも注目される競技会で披露できないと、新しいスポーツは、例え世界中で人気が急上昇してきても、空き枠がなければ新たに五輪に加わえられず、なかなかグローバルな競技となりません。

いっそ、毎回競技を1/4ずつ入れ替えていくという方法もいいかも知れません。それによって今までメダルと縁の無かった小国でもメダルの可能性が高くなりますし、オリンピックのような晴れの舞台に縁がなかったマイナー競技にも陽の目があたります。

スポーツ実施人口と言っても競技人口との区別が難しいところですが、SSF笹川スポーツ財団が「スポーツライフ・データ2010」で、国内の「種目別スポーツ実施人口」を調査したものがあります。

順位は推計実施人口(10歳以上、年1回以上実施者の多い順に表示)です。年1回以上ですから競技人口を含むその他大勢の愛好家というところでしょうか。

sportslank.jpg

世界基準で見ると国内1位の「ウォーキング」は散歩などと同様、スポーツとみなされないところもあるでしょうけど、日本ではスポーツ実施人口にカウントされています。

2位以下は概ね実感値と一致します。見るのが好きなスポーツや、協会などに登録しておこなう本格的な競技人口とは違い、実施人口ですので、少し変に思うところもあります。

しかしこうしてみるとスポーツも日本人の高齢化を感じさせるようになってきました。2006年と2010年で比較するとランクが上昇したスポーツでは「フットサル」は除き、「登山」「グラウンドゴルフ」「太極拳」などいかにも中高年から高齢者向きのスポーツが目立ちます。

4位の「バドミントン」は、五輪など競技用の鳥の羽を使ったシャトルを用いる競技人口は、さほど多くないように思われますが、一般レジャーとしてよく使われるナイロン製の軽量な羽根を使った「バドミントン」実施人口を入れるとこうなるのでしょう。

8位の「卓球」は2006年調査の時は6位でしたので2ランクダウン、同じく11位の「スキー」も2ランクダウンしています。

意外なのは2006年15位だった「スノーボード」は2010年調査ではランク外で、スキーよりも増えているかと思っていたら案外そうでもなさそうです。最近はスキー場へ行くとスキーよりもスノボやっている人のほうが多いように見えるのですがねぇ、、、

2006年より2ランク以上上がったのは9位の「登山」、15位のグラウンドゴルフ、17位フットサル、24位太極拳など。

「登山」は最近の山ガールブームや中高年登山者の増加で、今後もっと上位進出を果たすかも知れません。しかしこれも一種の「ウォーキング」と同じで、果たして正式なスポーツと言えるかという疑問があります。

人工的な岩場を手足だけの力で登りそのタイムで勝敗がつく「ボルダリング」など「フリークライミング」の競技とはまったく違います。

私が高校生の頃は、体育で「柔道」が必須でしたから、「柔道」が25位までに入らず、「剣道」や「太極拳」にも及ばないのにはちょっと意外です。

いま世界でもっとも「柔道」人口が多い国はフランスですが、フランスでは本格的な競技というよりも礼節を身につけるために柔道を習う愛好家が多いようです。全世代でマナーが悪くなってきたと感じる日本人にもぜひ聞かせたい話しです。

今回除外される可能性が高いレスリングの国内での実施人口は、ランク外ですが、想定で1万人ぐらいとされています。

オリンピック競技ではない空手や合気道、それに今回脱落候補として争ったテコンドーの国内実施人口1.5万人にも及びません。なので、なぜこれほど日本のマスコミが懸命に報道しているのか理解できません。オリンピックってメダルを取ることに意義があるのでしたっけ?

ついでに根拠がやや薄弱ですが、世界規模でスポーツ競技人口ベスト10は、

 1)サッカー
 2)クリケット
 3)バスケットボール※
 4)テニス
 5)モータースポーツ
 6)競馬
 7)野球
 8)陸上競技
 9)ゴルフ
 10)ボクシング
 ※バスケットが世界一競技人口が多いというデータもあり

のようです。但し正確な統計データはどこにもなく、おおよその推計値です。

というのも、日本の「ウォーキング」が日本ではスポーツ実施人口としてカウントされるように、各国のスポーツ実施・競技という認識が違うのと、そのカウント方法も統一されてなく、この国では人口比で概ねこれぐらいだろうみたいな大雑把な数字の寄せ集めしかないからです。

特に「サッカー」や「バスケットボール」は、いわゆるストリートプレーヤーが多く、統計とはあまり縁がない貧しい国(人口は多い)で、ボールがひとつあればできるスポーツとして特に人気が高く、それらを足し合わせるとさてどちらが多い?となり諸説あるようです。

2位の「クリケット」は人口が多いインドで大人気スポーツなので上位にきていますが、そんなことを言えばアジア大会の正式種目となっている「太極拳」も、人口が多い中国と欧米のアジアブームで上位にランクされていても不思議ではありません。

そう言えばアニメ「巨人の星」をインドで放映する際に、主人公がおこなう競技を野球からクリケットに作り替えたというのは有名です。

クリケットの素養(運動神経)があれば野球選手としての才能もあるでしょうから、近い将来日本のプロ野球にもインド選手が加わってくる可能性がありそうです。

プロ球団も今のうちにインドに若手養成所を設立して選手を発掘すれば、将来はいいビジネスができると思うのですが。

それにしても競馬の競技人口が6位と乗馬競技を入れてもこれほど多いとはとても信じられず、競馬場に通う観客を入れての数のような気がします。競馬ではなく乗馬と置き換えても江戸時代ならともかくこの順位は高すぎます。

特徴的なのは上位にランクされるスポーツの多くは英国発祥のスポーツで、その他の国の発祥は少ないことです。

スポーツ大国アメリカ発祥と言えば「バスケットボール」と「野球」ぐらいです。ま、英国とアメリカとで歴史の長さが違うので仕方がないでしょうが、フランスやイタリア、スペイン発祥のスポーツが出てこないのはなぜでしょう。

アメリカの4大スポーツと言えば「野球」「アメフト」「アイスホッケー」「バスケットボール」ですが、今の五輪ではそのうち二つは入っていないことになります。

「野球」は世界の競技人口数で堂々7位、世界的にメジャーなスポーツとも思えるのですが、競技人口が東アジアと北中米に偏っていて、それらの国の競技者だけで世界の競技者の95%以上を占めているという実態があるそうです。

なのでオリンピック発祥の地ヨーロッパや、国が多くそれだけ発言力があるアフリカ諸国では「野球」は支持されず、オリンピックの競技から外された経緯があります。その他専用球場の建設にコストがかかる、試合時間が長いなどの理由もありましたが。

いずれにしても五輪など国際競技においては「近代スポーツの発祥や主体は欧州」という、やや地域差別的な慣行があるようで、欧州で人気のないスポーツは商業的にもオリンピックから除外されていくという傾向がありそうです。

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695
アリアドネの弾丸(上)(下) (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ) 海堂尊

チーム・バチスタの栄光」から始まる東城大学医学部付属病院シリーズ(不定愁訴外来 田口公平シリーズ)の第5弾作品で2010年(文庫は2012年)の発刊です。

現役医師が医療を扱った作品を書くというのは過去にも例が多く、それは医師になる人というのは、多彩な才能をもった人が多いということなのでしょうか、森鴎外や手塚治虫をはじめとして渡辺淳一氏、帚木蓬生氏など、最近では「神様のカルテ」で夏川草介氏も大ヒットを飛ばしています。

医療の世界というのはまだまだ学閥や師弟関係が重要視される閉鎖的で保守的な世界ですが、海堂氏は小説の中で厚労省との関係、製薬や医療機器会社との癒着、医療事故の責任問題など多くの話題を提供してきました。

しかし現実の社会において、つい行き過ぎたところもあり、Ai(エーアイ:死亡時画像診断)の理解促進に力を注ぐあまりに東大教授から訴えられ名誉毀損で敗訴しています。

古い慣習にとらわれない医療界の中では異端児とも言える医師ですが、そう言う人達が、硬直化しているように見える医療の現場を少しずつ変えていくのかも知れません。

物語は、主人公田口公平医師が病院長に呼び出され「エーアイセンター長」に任命されたところから始まります。

このエーアイセンター、その運用主導権を巡って診療側と警察など司法側が激しく主導権を巡り争っていて、その混乱必至の中へほりこまれるという構図です。

なぜ司法が死亡時画像診断において主導権を得たいのかというと、原因が明らかでない死亡者所見は、9割は司法の検死官の状況判断、1割だけ司法解剖をおこない、警察と法医学側がすべての権限を握っていました。

しかし最近流行し始めたDNA鑑定など新技術により、誤認逮捕だったことが明らかになる例が出てきたり、死亡原因が後に問題になってきたりして警察の自信と信頼が揺らいできています。

もし原因が不明の死亡者全員分のエーアイを実施しておけば、後々問題になったときの証拠として利用できると同時に、不可解な死因や警察が捜査上隠しておきたい場合でも、隠蔽されることなく診療側が行えば公正にオープンにできるということです。

そこで診療側主導で導入されてしまうと、今後司法捜査がやりにくくなるのではという危惧があり、その運用を司法側で押さえておき、あわよくばつぶしてしまおうという目論見があるからです(もちろん小説です)。

一方では診療界としては、本当の死因を究明しデータを蓄積することで医療の発展につながります。また遺族のことを考えると、原因が特定されていなくとも現状ではわずか1割しか解剖されず、証拠も残さないまま葬られてしまうケースをなくし、絶対的な権力を握る司法の暴走を食い止めることができると考えています。

このシリーズのオールスターキャストとまではいかないものの、田口公平と同級生の島津吾郎、火喰い鳥厚労省の白鳥圭輔、医師資格と弁護士資格も持つ才媛姫宮、元碧翠院桜宮病院医師だった桜宮小百合など過去のシリーズや、シリーズ外からもチラッと登場する場面もあって楽しめます。

著者別読書感想(海堂尊)

  ◇   ◇   ◇   ◇   ◇

パルテノン (実業之日本社文庫) 柳広司

トーキョー・プリズン」(2006年)「ジョーカー・ゲーム」(2008年)で完全にブレークした柳広司氏のこの作品は、それらの発表前、2004年に刊行、2010年に文庫化された古代ギリシアを舞台にした小説で、プロローグでも触れられていますが、柳氏が若い頃にギリシアをひとりで訪れた時この構想を考えついて一気に書き上げたもののようです。

巻末の解説で宮部みゆき氏も書いていますが、この著者柳氏の作品は、様々な時代をまるで見てきたかのように小説の中で再現して見せます。「トーキョー・プリズン」は終戦直後、「ザビエルの首」は400年前の戦国時代、そしてこの「パルテノン」は紀元前4世紀のギリシアと、その歴史考察力と創造力は見事です。

物語は「巫女」「テミストクレス案」「パルテノン」の三つの物語にわかれていて、書かれた時期は別々のようですが、それぞれに少しずつ関係する連作ともいえるものです。

時は紀元前5世紀から4世紀にかけてのギリシアの話しで、三度にわたるペルシア軍が襲ってくるペルシア戦争と、その後栄華を極めた都市アテナイ(首都アテネの古名)が誇るパルテノン神殿の建築、アテナイとスパルタの内戦などを中心とした歴史ストーリーで、いずれにしても日本人には馴染みの薄いギリシア古代史が、相当脚色されているとはいえ面白く読むことができます。

著者も脂がのった40代半ば、まだ大きな賞には恵まれていませんが(「ジョーカー・ゲーム」で吉川英治文学新人賞、日本推理作家協会賞は受賞されていますが)、近いうちにきっと大物を釣り上げるそうなのは間違いないでしょうから、ますます楽しみな作家さんです。

著者別読書感想(柳広司)

  ◇   ◇   ◇   ◇   ◇

ニライカナイの語り部―作家六波羅一輝の推理 (中公文庫) 鯨統一郎

2008年に発表、2010年に文庫化された「作家六波羅一輝シリーズ」の二作目です。同シリーズ第1作目の「白骨の語り部 - 作家六波羅一輝の推理」と第3作目「京都・陰陽師の殺人―作家六波羅一輝の推理」はテレ朝系土曜ワイド劇場でそれぞれ2010年と2012年にドラマ化がされていますのでそちらを先に見て知った方も多いのではないでしょうか。

物語の主人公はデビュー作こそヒットしたものの、次作がなかなか書けずに出版界からも忘れ去られそうになっているミステリー作家で(決して著者そのものを反映しているというわけではないでしょう)、このシリーズは筆者お得意の歴史もの+西村京太郎氏や内田康夫氏らが得意とする紀行ものを合わせた推理小説と言っていいでしょう。

「ニライカナイ」という言葉、普通の関東在住関西人にとっては初めて聞く言葉で、Wikipediaによると「沖縄県や鹿児島県奄美群島の各地に伝わる他界概念のひとつ。理想郷の伝承。」「遥か遠い東(辰巳の方角)の海の彼方、または海の底、地の底にあるとされる異界。」とのことで、よくわかりませんが、なんとなくロマンがありそうです。

その伝承が残る地域にリゾート施設を作ろうとする人と、建設に反対をする住人の対立があります。主人公達がその地に取材に訪れたあと、関係者が何者かに殺害されるという事件が起き、「ニライカナイ」の伝承とリゾート施設建設に絡む利権を暴き出し、主人公の作家と相棒の新人編集者が謎を解いていくこととなります。

物語の中には、ジュースの中の氷を紙ナプキンで釣り上げる方法やスパムメールの語源など、ストーリーとは関係がないうんちく話しが盛り込まれていて、そういうところもこの作者の作品ならではの楽しみ方です。特にデビュー作「邪馬台国はどこですか?」は一番のお勧めです。

著者別読書感想(鯨統一郎)

  ◇   ◇   ◇   ◇   ◇

そして、警官は奔る (講談社文庫) 日明恩

昨年読んだ「鎮火報」が、たいへん面白かった日明恩(たちもりめぐみ)氏の作品で、2004年(文庫は2008年)発刊されています。あとで知りましたが、この作品はシリーズ化されていてこの本が第2作目です。シリーズ1作目は「それでも、警官は微笑う」が2002年に発刊されています。

しまったなと思うのは、登場人物などその1作目からの流れに関係すると思われることが結構でてきますので、この2作目から読むとなにのことを言っているのか意味不明の箇所がいくつかあります。

シリーズものの場合、どれから読んでも影響がない作品もありますが、そういうところを気をつけて読まなければいけませんね。

寡黙な警視庁蒲田署の刑事武本と、武本を慕う元部下で現在は退官している潮崎の二人を主人公としたこの作品は、外国人の不法滞在とその子供達がテーマとなっています。

おそらくシリーズ1作目でなにかが起きて警視庁を退官してしまったらしい潮崎が、この作品では国家I種試験に合格し、いわゆるキャリアとして警察庁入庁をほぼ決めてから先輩武本の前に現れます。ところがこのコンビがどうして生まれてどういう関係なのかは2作目から読むとわかりません。つまり1作目から読み直せということなのかしら。

多くの警察物小説にも共通しますが、警察内部のことが詳しく書かれていて、よく調べたなと感心します。特に女性作家でこのような男の刑事を主役とする小説を書いている人は少ないでしょう。

ちなみに国家I種試験でキャリアの道を歩むのと、通常、高卒・大卒で巡査から入るのとでどれだけの差があるかというと、I種合格者が入庁し7年経つと自動的に階級で言うと上から5番目の警視になります。

大学卒業と同時に22歳で入庁すれば29歳で一般的に各地の警察署長に多い警視の階級になれるわけです。

一方でもっとも下の9番目の階級で巡査から入れば警視まで上がるのは難しく(キャリアも含め警察官全体のわずか2.5%)、しかも順調に昇任したとしても45歳以上となります。

実務能力があろうとなかろうと関係なく、入るときに大きな格差があるわけです。

読み進めていると、堂場瞬一氏の警察小説「刑事・鳴沢了シリーズ」と雰囲気が共通するところがあります。同シリーズは全部を読みましたが、いま思うと昇進や権力には興味がなく、勧善懲悪、クールだが心の中は温かいと理想に近い刑事で、ちょっと現実的にはあり得ねぇと思ったり。

正直に言うと「鎮火報」の主人公のような軽いノリの軽快なストーリーを期待していたのですが全然違っていて、どちらが本当の日明恩氏の作風なのかよくわからなくなりました。

まぁ両方っていう答えなのでしょうけれど。

しかしこの手の刑事を主人公とした小説は数多くあり、デビュー作からのシリーズとは言え、厳しく言えばこの作者のものでなければならない特徴も理由も特に見つけられません。それゆえにこの作者には刑事以外を主人公とした作品を強く望みたいところです。

著者別読書感想(日明恩)


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1年前に「転職のキモは履歴書だ」を書きましたが、そこでは触れなかったことで、ひとつ重要なことがあります。

それは「虚偽の記載」についてです。

大学を中退したのに学歴のところに卒業とか、簿記は二級しかとっていないのに一級とか書くのは問題外ですが、本人は虚偽という認識はなく軽く考えてつい書いてしまうようなことがあります。

例えば、退職後にしばらく無職の期間があったり、アルバイト期間があると、面接を受けるとその期間中は「なにをしていたか」「なぜ就職せずにアルバイトをしていたのか?」と聞かれます。

そういう質問に「仕事が嫌になってしばらく羽を伸ばしていた」と本当のことは言えず、かと言って「転職活動をしていた」とか「生活費を稼ぐため就職活動に支障がない程度にアルバイトをしていた」と事実を正直にも言えず、後ろめたい気持ちや、あまり格好がよくないからと、ブランクの期間をなくすため、前職を退職した時期を勝手に延長したり、アルバイトだったのに、正社員で勤務していたように書いてしまうことがあります。本人は悪気があってとは思えません。

しかしこれも程度によりますが、履歴書の虚偽記載と言われても仕方なく、そんなことばれないだろうと思っていても、意外と簡単にばれてしまいます。

それはプロの面接官ならば、前職の退職時の話しや仕事の説明を求める際、そのときの表情や説明内容で怪しいかどうかわかりますし、餅は餅屋であの会社はここ数年中途で正社員は採っていなかったハズというような情報を持っています。

そして怪しければ裏をとります。つまり前職の会社の人事部に尋ねることです。

人事部が元社員のことについて外部の質問に返答するのか?という疑問を持つ人がいると思いますが、例え商売上はライバル企業同士でも、人事部同士はお互い持ちつ持たれつの関係です。

さすがに個人情報に触れることは回答しないまでも「当社の求人募集に応募されている○○さんという方は、貴社に1月末まで正社員として勤務をされて、円満退社されたというのは事実でしょうか?」という質問にはほとんど普通にYESかNoで回答するでしょう。

そこでもし履歴書に書かれていることが虚偽だとわかったら、どんなに評価が高い応募者でも採用されることはありません。

入社する時から嘘をつく人をまともな企業なら信用せず雇いません。入社してからも顧客や上司に平気で嘘をつく可能性があると判断されるからです。

昔面接を担当していたとき、女性の場合で特に多かったのは複数の職歴が一流の会社ばかりで、それはあり得ないだろうと思って聞くと「全部派遣社員として」というもの。

履歴書にはそういうことは一切書かず、もし相手が勝手に誤解してくれたらそれでOKとでも思っていたのでしょうか。採用担当者をなめているとしか思えません。

同じ職歴でも大企業の正社員だった人と、派遣で大企業へ行き仕事をしていた人ではその評価は違って当たり前です。

就活では大企業を目指すべき3つの理由

あと、自分の転職経験で言うと、採用が内定した後に、大学の卒業証明書と健康診断書、前年の源泉徴収書の提出を求められました。健康診断書は、本当なら新たに受けにいく必要があるそうですが、聞くと前年に受けたものでもいいと言われ、それを提出しました。

大学を卒業したのは、その転職時にはもう20年ほど経過していたので、すぐに卒業証明書を発行してくれるのかな?とまず電話で問い合わせをしました。

説明通りに郵便で申請し、取り寄せできましたが、新卒の場合はともかく、厳格な企業は、直接仕事とは関係がないのに、そういうことまでするのだなと知りました。

最近では無資格医師が何十年と病院や診療所に勤務していたと問題となっていますが、卒業証明書や資格の証明書などの提出は転職するときには求められることを覚悟しておくほうがよさそうです。

なので大学中退後もう20数年経っているからわからないだろうとか、資格を更新せず切れているのに持っているように書くと、入社が決まってから虚偽と判明し、採用取り消しになることもありますから注意です。

履歴書の健康状態欄には「良好」または「きわめて良好」と書くのが通例ですが、前年度の健康診断書を出してと言われ、その中に不良箇所が何カ所もあると、健康の問題は主観的要素も多いので虚偽とは言い切れないものの、やはりあとで気まずい思いをすることになります。

履歴書には「良好」でも面接時の質問で聞かれたら、長く煩っている持病があり病院へ通院しているのであれば、仕事には支障がないと断って、少しハンデにはなるでしょうけど正直に話しておく方が後々のことを考えるといいかもしれません。

中途入社の際、内定となり給料を決める際に参考にされるのが、前職時代の給料額です。転職する際には今までもらっていた給料と入社後の給料は大事な要素になりますから、少しでも多くもらおうと、実際の給料額より多めに伝えたりすると、あとで前年の源泉徴収票を見られ嘘がバレることに。面接時には前職での支給額と手取りがどれぐらいだったかは把握しておく必要があります。

その他、社会保険の手続きで就職先に提出する年金手帳には、過去に厚生年金を支払ってきた履歴と、退職したあとに国民年金に切り替わった期間等が記載されていますので、履歴書と合致しないと問題になる可能性があります。

ただ会社によっては、出向など在籍先が実際の勤務先の名称とが違っているケースもままありますので、それは必要に応じて説明する必要があります。

いずれにしても、自分の履歴書の虚偽記載は刑法上の私文書偽造には該当しないらしいですが、それでも採用後に発覚した場合、最悪は懲戒解雇される可能性もある重大な違反行為です。

確信犯的な虚偽記載はもちろんですが、履歴書のように後に残る文書は、軽い気持ちで相手に誤解を与えてしまうようなあやふやな書き方をしないに越したことはありません。


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