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先月兵庫県加古川市で起きた「金属バット殺人事件」は、詳しくは定かではありませんが、41才の無職男性が、70才と65才の両親と38才の弟(会社員)を自宅で殺傷するという悲惨な事件で、これは十数年前から繰り返し起きている典型的な「手遅れになった引きこもり殺人事件」と考えられます。

金属バットで殴り、父と弟死なす 殺人未遂容疑で逮捕
兵庫県加古川市尾上町養田の無職Hさん(70)の近所の人から「Hさんの息子が人を殺したと言っている」と110番通報があった。県警加古川署員が駆けつけたところ、男性2人が家の中で倒れており、無職の長男(41)が家族3人を金属バットで殴ったと認めたため、殺人未遂の疑いで現行犯逮捕した。Hさんと、逮捕された長男の弟の会社員Tさん(38)が病院に運ばれたが死亡が確認され、県警は容疑を殺人に切り替えて調べている。
加古川署によると、Hさんは1階居間付近で、Tさんは2階の部屋で倒れていたという。Hさんの妻のMさん(65)は1階トイレに逃げていたが、頭などを殴られて重傷。長男は「家族から死ねと言われて腹が立った。3人とも殺してやろうと思った」と供述しているという。(2012年2月8日)

参考までに無職の中年男性が同居している家族に殺意をいだく事件は毎年あちこちで起きています。

「働け」に激怒…兄と弟を包丁で襲い、自殺か
東京都杉並区宮前の無職男性(75)方から、「息子が刃物を振り回し、兄弟を刺した」と119番があった。
警視庁高井戸署員が駆けつけたところ、男性の長男(45)と三男(42)が包丁で頭などを切られ、長男は意識不明の重体、三男も重傷。次男(45)は風呂場で首をつっており、搬送先の病院で死亡が確認された。
同署では、次男が長男と三男に切りつけた後、自殺を図ったとみて調べている。
同署幹部によると、会社員の長男が、職に就かず引きこもり状態だった次男に「働け」と説教をしたところ、口論になり、次男は自宅2階で長男を襲った後、様子を見に来た三男も刺したという。1階にいた母親が気付き、通報した。長男は頭や首を、三男は胸や腹を刺されており、包丁は風呂場で発見された。(2012年1月30日)

引きこもりの果ての事件?金属バットで両親殺害容疑、40歳の長男逮捕
島根県東出雲町揖屋(いや)町の無職男性(72)の親族から、「男性の長男から親を殺したと連絡があった」と松江署に通報が あった。署員が男性宅に駆けつけたところ、男性と妻(68)が木造2階建て住宅の1階居間で頭から血を流して死亡しているのを発見した。室内にいた無職長男(40)が「金属バットで頭をたたいて殺した」と話したことから、殺人容疑で緊急逮捕した。
同署によると、男性は妻と長男の3人暮らし。金属バットは台所で見つかり、長男は「今月8日に殺害した」と供述しているという。(2010年10月12日)

普通に考えると「無職で収入がない中年男性が、年老いた両親や働いている兄弟に衣食住を与えてもらっているのに、なにか言われて逆ギレ」と流れですが、いずれも時間の問題だっただけで、起こるべくして起きているわけです。

さらには、逆に高齢の親(元エリート銀行員)が、自分の身体が動くあいだに決着をつけておこうと、30年近くずっと引きこもりだった息子(と言っても50才)を金属バットで殺害するというやるせない事件もありました。

長男をバットで殴る 78歳父親を逮捕 秋田
同居する無職の長男(50)の頭を殴り殺害したとして秋田県警秋田中央署は13日、秋田市千秋中島町、T容疑者(78)を殺人容疑で逮捕した。同署によるとT容疑者は妻、長男と3人暮らしで「金属バットで頭を殴った」「以前から長男とトラブルがあった」と供述しているという。T容疑者は12日午後に自宅で、同居する長男の頭を殴り死亡させたとしている。
同署によると午後11時40分ごろ、T容疑者の妻が「夫が息子を殴ったようだ。帰宅したら息子は冷たくなっている」と119番。署員らが駆け付けたところ、長男が階段付近でうつぶせに倒れ、頭から血を流して死亡していた。T容疑者は1階廊下に横たわり、近くに金属バットが置かれていた。近所の人によると、長男は大学を卒業したころからほとんど家に引きこもり、自宅から時々激しく言い争う声が聞こえたという。(2010年11月13日)

CARPE・FIDEM(カルぺ・フィデム)」という不登校や引きこもりになった人を、再び学校や社会へ送り出すための教育をおこなっている会社があります。

そこのサイトの中に「不登校・引きこもり相談問答集7」というのがあり、読むと引きこもりに対するQ&Aにユニークというか、ストレートに本音の回答で応えていて興味深いので紹介しておきます。引きこもり問題のQ&Aは家庭内の微妙な問題でもあり、一般的にはオブラートで包み、よくわからない歯切れの悪いものが多いのですが、こちらはいたってクールです。

CARPE・FIDEM
不登校・引きこもり相談問答集7
不登校になったときに知っておくこと

上記のサイトの問答集には数多くのQ&Aが掲載されていますので、全部を読みたい方はぜひそちらをご覧ください。

その中でも、私が重要だと思うこと、あるいは、気になったり、思わずうなったりしたものをいくつかピックアップして引用させていただきます。
※一部に内容は変えず文字の修正(全角を半角にとか)を加えたものがあります。
※もし引用部分が多く著作権上問題があればすぐに削除等対応させていただきます。


Q1:子供の引きこもりに、親の責任ってありますか?

A1:きっかけ自体には特にないことが多いです。しかし長期化は親の責任であることが多いです。
 
Q9:中学生の頃から不登校で、高校も行っていない18歳の子供がいるのですが、今後自立させる上でどうしたら良いでしょうか?

A9:その場合には、まず「まともな仕事は無い」という現実を知っておいて下さい。厳しいようですが、今の時代、無教育層の若者は社会から必要とされていませんし、今後も必要とされないでしょう。勉強し直すか何かで、再度まともな教育のルートに戻らないことには、自立への道はほぼゼロです。
 
Q13:「引きこもりの親殺し」などの殺人事件などがニュースになりますが、うちの子供もそのような危険人物になるのでしょうか?

A13:何もせずに放っておき、完全に詰んでから強引に外に出そうとすればなるでしょう。
 
Q16:「詰む」の基準ってありますか?

A16:大体、何もしないまま30歳を過ぎると、まともな仕事の受け入れ先が消滅するので、9割方詰みます。20代の間にどれだけ行動したかで、大体が決まります。
 
Q19:子供が40歳等の中年になるまで、何もせず引きこもっていた場合どうなるのですか?

A19:どうにもなりません。
 
Q20:どうにもならないとは?

A20:そのままの意味で「社会に出るルートが完全に閉ざされる」ということです。残念ですが、各家庭の優劣が表面化しただけのことです。
 
Q23:引きこもりの親の会で、国が何とかすべきだという意見もありましたが……。

A23:親の会は複数ありますので、どこかは分かりませんが、それは「手遅れになった引きこもり当事者の親の会」でしょう。
 
Q24:「手遅れの親の会」なんてあるのですか?

A24:表面的には標榜しませんが「事実上手遅れ」というものがあります。手遅れになってどうしようもないから国の支援を当てにせざる得ない状況であり、ある意味「手遅れの最前線」です。ただ、現実的有効策はほとんど出ていませんので、そういった歪んだ主張をしなくて済むよう、事前対策を講じておいて下さい。
 
Q25:「手遅れの親の会」には、何か特徴などはあるのですか?

A25:会によって違う部分もあるかと思いますが、各会に関与した人々の話をまとめると、大筋以下のような特徴があります。
 A:親が60歳過ぎ、子供が30歳過ぎが目立つ
 B:家庭の責任や親の責任よりも、国や社会状況に責任転嫁する話が中心になる
 C:変なところで妙に団結しており、政治活動に結びつける傾向がある
 D:支援サイドに福祉関係者が多い
 E:国や地方公共団体からの補助金の話がしばしば出て来る
 などの様子が見える場合には「手遅れの親の会」のことが多いです。
 
Q33:経済的要素が引きこもりを生んでいる気がしますが?

A33:例えば「中卒 35歳 職歴なし」で「親が年金生活に入って金もなく、どうしようもない。これは経済的困窮が原因だ!」のように主張する当事者がいましたが、中には、アルバイトで学費を稼ぎ、大学に進学して専門教育を受けて社会に出ていく人達も普通にいます。若ければ手段はいくらでもあるのですから、若いうちから貧困を理由にするのはおかしな話ですし、手遅れになってから「金がない!」などと主張するのは、単に無思慮に生きてきた報いがやってきただけのことでしょう。
 
Q44:だとすると、30代の引きこもりの子供を持つ親はどうしたら良いのですか?

A44:まず、親が期待するようなまっとうな道は既に消滅している、と見ておくことです。「子供がアルバイトで食いつなげるだけの存在になれれば、それだけで100点満点」というのが現実的でしょう。

※A13やA16にある「詰む」という表現に違和感を覚える人が多いらしく、本文の最後にそれを使った理由等が追記されています。

資本主義も社会主義も関係なく、働かざる者食うべからずは世の法則で、10代の頃から成人後も親のすねをかじり続けていれば、やがて道は狭くなり、親と子双方とも問題を先送りして年を重ねるにつれ、最後には社会へ出る道が完全に閉ざされてしまうことを明確に答えています。

国や自治体からの補助金をもらって福祉事業をやっている人や、現実を直視しない学者先生だと「単に無思慮に生きてきた報い」のようなキレのよい回答はできないでしょう。

では引きこもりが長期化しそうな時に親はどうすればいいか?

上記のサイトにも繰り返し書かれていましたが、本人と話し合い、期限を決めて家から追い出すぐらいのことをする必要があるそうです。

期限がきたら、仕事が決まっていなくても家から追い出すぐらいの強硬手段を使わないと結局はズルズルと先延ばしに終わってしまうそうです。といいながらもその場ではなかなかそれができないのでしょうね。

あとここでは書かれていませんでしたが、引きこもりが長期化する大きな要因として私が考えるのは「外へ出掛けて一緒に遊んだり、スポーツしたり、旅行に出掛けたりする親しい友人がいないこと」がまず第一に起きることではないかと考えています。

親しい友人ができない理由としては外因として「いじめ」や「差別」「生活環境」「親の過保護」などがあり、内因としては「内向的性格(非社交的)」「消極的態度」「非活動的」「面倒ぐさがり」「自分勝手」「わがまま」などがあります。

また「身体的特徴」は外因としての「差別」という場合と、「障害」や「肥満」「不衛生」など内因による場合の双方で考えられます。

もし親しい仲のいい友人がいて、誘われて一緒に買い物や映画、ボーリング、テニス、旅行に出掛ける機会があれば、まず引きこもりなど起こるはずがありません。

そういう機会がなくなれば徐々に引きこもりへの道へ近づきます。まずは外へ引っ張り出してくれる友人がいないのは外因の理由なのか、内因の理由なのかという気づきが親には必要だろうと考えます。

特に両親が忙しく働いていて家族で一緒に出掛けたり旅行する機会もないとさらに拍車がかかるでしょう。

難しいのは家で一人で勉強や読書をするのが好きな子供の場合、それが引きこもりの序章なのか、それとも単なる一時的なものかの判断がつきにくいことでしょう。一見するとおとなしくよく勉強して手のかからないいい子のようにも見えたりします。

引きこもりになる外因を取り除くことは親だけでは難しいでしょうから、学校の教師やカウンセラーの力を借りる必要があります。

内因については親が早く気づいてあげて、マナーや協調性を厳しくしつけたり、可愛い子には旅をさせよで、自立心を身につけさせるしかないでしょう。

ところがどうもこれが最近の親は苦手で、自分のことで忙しい上に「甘やかすこと」=「愛情」と勘違いしています。

内閣府が2010年におこなった初の引きこもり全国実態調査(15~39歳対象)では、引きこもりに該当する人は69.6万人いるとされていますが、報道などでは稀に外出もする準引きこもりの人を含めると全国に300万人ぐらいと言われています。

もし今後なにも手を打たずこれらの人が高齢化していけば、親が相当裕福で多くの遺産を残せない限り、やがて行き詰まり金欲しさに安易に犯罪を起こすか、生活保護を受けるしか生きていく術がなくなってしまいます。

働きたくても仕事が見つからない人や、障害があって働けない人とは違い、心身に異常がなくても自ら進んで外へ出て働こうとはしない引きこもりの人に生活保護費を支給すべきかどうかは今後国民に問われていくことになるでしょう。

それにこうした家庭の問題、個人の問題に国が積極的に関わると「国が強制労働をさせようとしている」とか「弱いものいじめで人権問題だ」とか精神疾患の問題にすり替えたりと非難し糾弾する論者やマスコミが必ず出てきますので、できれば誰も触れたくはない難しい問題であることには違いありません。


 【関連リンク(過去の日記)】
 ニート対策ひとつの考え方
 ニートって言うな!と言われても
 リストラと生活保護と自己破産
 私のリストラ激闘記
 労働紛争解決法
 リストラはまだまだ続いている

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対岸の彼女 (文春文庫) 角田光代

2004年に発刊(文庫は2007年)された直木賞受賞作品です。小説のスタイルとしては二人の主人公がいて、そのうちのひとりは高校生だった頃と現在、もうひとりの主人公は現在だけで、それぞれの視点で過去と現在が交互にいったりきたりします。

女子高生の葵は中学校時代からどうも同級生同士の人間関係に不安があり、横浜の中学校ではいじめに遭い、高校へ進学するときには両親に頼み、母親の実家がある群馬県の高校へ入学することにします。そこで魚子(ななこ)といういたってマイペースな同級生と知り合い、親友になっていきます。

その葵は東京の大学卒業後に旅行会社を起業しますが、新規事業として家庭向けの清掃サービスを立ち上げるため従業員を募集します。その従業員に応募してきたのが来たのがもうひとりの主人公小夜子です。

小夜子は結婚してまだ小さな子供を抱えていますが、同じような子供を抱える母親同士のつき合いなど人間関係が苦手で、それが子供にも影響していくことを日々恐れています。

夫や姑の反対を押し切って、清掃の仕事を覚え、開拓していきますが、やがて葵との関係に亀裂が入り始めます。

女性の感性で書かれているので、なかなか男、特に古い男には理解しがたい感覚のところが多々ありますが、そういうものなのかぁとあらためて結婚した女性の悩みを知ることにも。

主人公二人ともいつうつ病になってもおかしくなさそうな、よく言えば繊細、悪く言えば神経質っぽいところで、読み進めていくのが重くつらかったりしますが、最後の展開で救われた思いをしました。

著者別読書感想(角田光代)

  ◇   ◇   ◇   ◇   ◇

発火点 (講談社文庫) 真保裕一

真保氏の作品は過去に数多くを読んでいますが、テーマとする幅が広く、また想定される読者層にも偏ったものではなく、しかも長編が多いので読み応えを感じます。この「発火点」も560ページを超える長編です。

デビュー作の「連鎖」は公務員を、「ボーダーライン」ではロサンゼルスの日系人探偵、映画にもなった「ホワイトアウト」はダムの運転員を、「奇跡の人」は脳死から復活した記憶喪失の男、「奪取」は偽札作り、「朽ちた樹々の枝の下で」は森林作業員を、「黄金の島」ではベトナム難民と日本のヤクザを、「アマルフィ」では外交官をと、バラエティにとんでいて、どの作品をどこから読んでも飽きません。私にとっては「読みたい本がないときの真保頼み」となっています。

「発火点」は2002年に初出(文庫は2005年)の小説です。主人公は21歳の若者で過去に父親を父親の幼なじみに殺されるという過去を持っています。

その父親を失った経緯や理由が、本文中ではずっとチラみせだけで、なかなか本題に入ってこないので、ちょっとイラっときてしまいます。

ストーリーは家を出てアルバイトを転々としすさんだ生活をおくる現在と、父親が殺された12歳の頃の話しが行ったり来たりするのは上記角田光代氏の「対岸の彼女」と同じような構成です。

著者自身、高校を卒業後、志望していた企業に落ち、その後多くの仕事を転々とした経験があり、21歳の鬱積した青春をおくっている主人公には、著者のその頃の思いや考え方が反映されているのかなと勝手に判断しています。と書いたあとで文庫の「あとがき」を読んだらそのようなことが書かれていました。

著者別読書感想(真保裕一)

  ◇   ◇   ◇   ◇   ◇

泥棒は詩を口ずさむ (ハヤカワ・ミステリ文庫) ローレンス・ブロック

初出は1979年というからかなり前に書かれた作品(文庫は1994年刊ですが現在は廃刊?)です。著者ローレンス・ブロックはチャンドラー、パーカー亡き後、私が認める数少ない読ませるハードボイルダーですが、この作品は欠かさず読むアル中探偵「マット・スカダー・シリーズ」や切手収集が趣味の殺し屋「ケラーシリーズ」ではなく、コメディタッチで軽めの「泥棒バーニイ・シリーズ」の3番目の作品です。

古書店「バーネガット書店」を営む天才的泥棒のバーニーは、来店客から稀覯本を高価で手に入れたいが、それがいまどこにあるかということを聞かされます。

つまり彼が泥棒だということを知っていて、高額を支払うから盗んできてほしいと頼まれるわけです。

高性能なセキュリティをかいくぐり、無事大富豪の家に忍び込み、他の宝石や現金には一切手をつけず、その稀覯本を手に入れますが、その後、いざ引き渡しをするところで見事に騙され、稀覯本は奪われてしまいます。

おまけに薬で眠らされている間に拳銃を握らされ、銃殺された死体と一緒に置き去りにされているところに警察官が押しかけてくるという絶体絶命のピンチに陥ります。

ま、ちょっと設定には無理がありすぎるのと、コメディと絡めながら妙に推理小説っぽく書かれているのがちょっとどうかと思いますが、元々推理小説家というジャンルではないので仕方がないかなと。

なぜ「マット・スカダーシリーズ」が大ヒットして、こちらのシリーズがイマイチなのかがわかる作品でもあります。このシリーズを読むのはこれで2冊目ですが、もういいかな。

ちなみにマット・スカダーシリーズでは「八百万の死にざま」「死者との誓い」、殺し屋ケラーシリーズでは短編連作の「殺し屋」と長編「殺しのリスト」がお勧めです。

著者別読書感想(ローレンス・ブロック)


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大学生の就活が話題になると、識者と呼ばれている人がこのように言います。

 就職は大企業にこだわるな
 「大企業でも30年後40年先に安泰とは言えない
 「中小企業やベンチャー企業でやりがいのある仕事を探そう


しかしそのようなもっともらしい嘘を真に受けてはダメです。

そのようなことを言う人は、おそらく新卒後に大企業や役所(教師や学者含む)に就職した人がほとんどでしょう。

中には大学卒業後まもなくベンチャー企業を立ち上げて成功した人もいるでしょうけど、決して学校卒業後に誰も名を知らない中小零細企業に就職して、そこで何年も苦労して叩き上げて成功してきた人でないことは確かです。

そのような当たり前に大企業に入社してきた人が言う「大企業ばかり目指すな」という言葉を決して信用してはいけないのです。

ちなみに新聞の社説や記事を書く編集委員や記者、テレビ局出身のニュースキャスター、多くの識者と言われるコメンテーターなども、学校卒業と同時に大企業である新聞社やテレビ局、あるいは大企業や官公庁に就職した人達ばかりで、それを後悔して書いたり喋っているわけではないのです。そういう人達がもっともらしく喋っているのをみると怒りさえ覚えます。

よく引き合いに出されるのが「60年前には学生に人気だった大企業の石炭開発企業や紡織メーカーは、今では消えたか吸収されたかそれとも事業を変えたりしています」という例。

そして「昔より今はもっと社会の変化が激しいから、大企業はいずれにしても消え去る運命」とバッサリ言ってのけます。

では問いたいのですが、現時点で可能な予測として、現在の大企業が30年後に消えてなくなる確率と、現在の中小企業やベンチャー企業が同じ30年後に消えている確率を比べるとどちらが高いでしょう?

つまり例えばNHKや三菱商事、日本生命、ソニー、ホンダ、読売新聞社が30年後に企業として跡形もなく消えてなくなっている確率は0%だと私は予測していますが、現在社員200名以下の中小企業やベンチャー企業の場合、今後30年のあいだにつぶれたり、どこかの企業に吸収されたりしてなくなっている可能性は低く見ても50%ぐらいだろうと経験値から予測します。

社会の荒波は決して大企業だけに襲いかかってくるわけではないのです。

今回は別にそういう自称「就職事情に詳しい評論家やジャーナリスト」の嘘を糾弾するのが目的ではなく、なぜ「今でも大手企業に入るべき」なのかという持論を書いておきます。

まず1番目の理由は入社時の充実した研修です。

dD1000003.jpg新卒で企業に入ると、中堅以上の会社では入社研修をおこなうのが普通です。

大手になるほど長い期間、内容の充実した研修を受けさせてもらえます。

零細企業だと、良くて研修会社主催の新入社員研修にほりこまれて2~3日の研修、ひどいところでは1~2日人事担当者や役員が自前で研修してハイ終わり。

「明日から現場へ行って先輩について指導を受けてね」って言われます。

大企業だと長いところでは1年間、短くても数ヶ月に渡る研修が当たり前です。

新人一人ごとに先輩社員のチューターがついて親身に様々な相談に乗ってくれるところもあります。

たかが研修と言うなかれ。大企業出身者は「研修など受けさせてもらえて当たり前」の感覚ですから、零細企業へ入社した人の惨めな扱いが理解できていないだけです。

同じ研修でも大企業と中小企業ではその中身、つまりお金のかけ方には雲泥の差があります。

大手企業の場合、入社時に業務に関係する専門的な教育が受けられること以外にも、複数の語学研修やIT系、プレゼン能力、カウンセリング能力、ビジネス交渉力、ビジネス文書、コンプライアンス、リーダーシップなど幅広い研修機会を与えてくれます。

業種にもよりますが、社内に数カ国語の講師が常駐していてマンツーマンで教えてくれるなんて中小企業には絶対に不可能でしょう。

郊外の静かな場所に研修施設があり、環境にも恵まれています。それよりも周囲にいる同僚達がみな必死で勉強をするので、自分もその中にあって必死にならざるを得ません。

これってものすごく大事なことです。中小企業だとよくありがちな先輩社員や上司に安い飲み屋に連れて行かれ、しょうもない説教や自慢話など聞いている暇はありません。

第2には入社後の研修機会の違いです。

大企業と中小企業ではまず入社時の教育や人間形成で大きな差がついてしまい、さらに大企業では入社後も語学留学や海外研修、資格取得、大学院への派遣など、会社がかかりっきりで面倒をみてくれる場合があります。

「会社の教育制度の違いぐらい」と思ってはいけません。重要な資格を取ったり大学院へ通うのに数百万円かかることは珍しくありませんし、欧米の著名な大学院へ毎年何名か派遣しているのも大企業や中央官庁だけです。

そして知識を身につけ資格を取ってしまえば、そのほとんど個人の所有物です。もちろん全員ではありませんが、条件を満たせばそれらを太っ腹に会社が全部面倒見てくれるのです。

常に人手不足でなかなか休めない中小企業に勤め、周囲の同僚に気を遣いながら、残業時間をやりくりして、疲れた身体に鞭を打ち自腹で外の学校に通うのと、会社が提携している学校や、社内で開かれている講座に昼間の時間に仕事として出席するぐらいの差があるわけです。

「教育は自腹を切ってこそ身につくんだ」という人がいるでしょうけど、職場環境が厳しい中小企業で無理をすればたいていは疲れて翌日の仕事に影響したり、身体を壊して挫折したりすることになります。

第3は、大企業や中央官庁でしか得られない人脈という資産です。

20120407_111.jpg同期入社の同僚達や先輩・後輩などの人脈は「同じ釜の飯を食った仲間」ということで、やがて自分の資産となっていきます。

と、同時にどのクラスの会社や役所に入社、入庁するかで、自動的にその人にもランクがついてしまうのです。

プライベートにおいても大企業の社員は大企業の人とつき合う傾向があり、自然と大企業の社員の周りには大企業の知り合いが増えていくのです。

「大企業だけ目指すな!」と言っている人の自己紹介欄を見てください。きっと有名大学や大企業、出身官公庁の名が誇らしげに書いてあるでしょう。

自己紹介欄なんてものは基本自分で書きますので、自分はそのランクの人間なんだということをアピールしているわけです。

この選ばれた人だけの人脈や感性というものは、今後の人生の中で大いに役立ちます。交友関係も結婚相手も大企業同士というのが普通です。ついでに言うと会社の福利厚生も大企業と中小企業とでは大きな差があります。

東京電力が原発事故の後、売却できそうな資産を公表しましたが、その中に都内にあるサッカー場がいくつもとれそうな広大な専用グラウンドや、社員専用総合病院、数多くのレジャー施設など驚いた人も多かったのではないでしょうか。

最近でこそ各企業とも福利厚生施設は縮小傾向にありますが、大企業ならこれぐらいは別に普通です。

少し以前には公金というか税金で救ってもらった都市銀行の福利厚生施設が紹介されましたが、それはもう東電なんかとは比べものにならないぐらいに見事なものです。驚くのは知らなかった中小零細企業の人達ばかりです。

最初に「30年後に今の大企業が安泰かどうか怪しい」ような意見があると書きましたが、私もなにも30年40年間、同じ会社に勤めることが必須で素晴らしいと言っているわけではありません。

将来独立をするにも転職するにも、大企業で得られた教育や人脈という資産はなにものにも代え難く、そして大いに役立つのです。

中小企業から大企業へ正社員として転職するのは至難の業ですが、逆は簡単です。世の中はそのようにできているのです。

だからこそ無理をしてでも、わずかなチャンスがあれば、最初から中小企業など狙わずに大企業へ潜り込むために全力投球するべきです。

公務員でも赤字財政が続き市町村合併や財政再建団体指定になる可能性がある地方の公務員などではなく、巨額赤字でも絶対につぶれない国家公務員それもまずは総合職試験を目指すべきでしょう。

私は学校の成績が悪かった上に、始終アルバイトに明け暮れていて就職活動をまったくと言っていいほどしてこなかったので、結局は社員30数名ほどの零細企業にしか入れませんでした。

それを今でも大層後悔しています。しかしその入った会社は何度かの倒産危機を乗り越え、自ら転職を決意して辞める20年後には社員も二千名を超え、幸運にも上場していて大企業の仲間入りをしていました。

そういう幸運は極めて珍しいことで、もしかすればという偶然を期待して、好んで小さなベンチャー企業へいきなり飛び込むことは決してお勧めしません。後悔先に立たずです。

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690
NHKのBSで古い有名なモノクロ映画をやっていましたので、録画をして一気に見ました。若い人にはこのようなモノクロ映画というのはどうも拒絶反応がありあまり見たがらないようですが、なかなか味わい深くていいものです。

小学生の頃はまだ白黒テレビが普通だったこともあり、私は白黒映画も全然平気です。チャップリン映画は1967年の『伯爵夫人』以外はすべて白黒映画で、どの作品もたいへん面白いと思うのですが、以前録画して子供に見せると、モノクロ映画というだけで拒絶反応を示しました。生まれたときから当たり前にカラーテレビ・映画を見ていると、自然とそうなってしまうのでしょうかね。

映画「グランド・ホテル」はエドマンド・グールディング監督の1932年に製作されたアメリカ映画です。第5回アカデミー賞最優秀作品賞を受賞した有名な映画ですから、テレビ映画やレンタルして見た人も多いと思います。この時代にこれだけの深い人間ドラマを作れるのはさすがに近代エンターテインメント先進国です。

公開された1932年というと日本では昭和7年、満州国が日本軍部の傀儡により建国され、上海事変(第一次)が起き、5.15事件で犬養毅首相が暗殺された昭和の暗黒時代へまっしぐらに進んでいた時期で、前年の1931年に公開した「街の灯 」が大ヒットしたチャーリー・チャップリンが宣伝も兼ねて初来日した年でもあります。暗殺が起きた首相官邸からほど近い帝国ホテルに宿泊していたチャップリンも、その時はさすがに緊張したでしょうね。

元々の原作はヴィッキイ・バウムという作家の小説ですが、当初は舞台劇として有名になっただけに、映画を見ていても場面が変わることは少なく、ホテルのフロントと登場人物の部屋の中だけをいったりきたりするだけで、舞台演劇をそのまま映画にしたって感じです。

登場人物は、落ち目になって人気に陰りが見えた一流バレリーナ役に当時の大スターグレタ・ガルボが扮し、その他借金に追われホテルの部屋荒らしをする自称男爵の詐欺師にジョン・バリモア、生き残りのため企業合併を目指す事業家役にウォーレス・ビアリー、その事業家に雇われたタイピスト役に愛らしいジョーン・クロフォード、事業家の工場で長年会計士を勤めたが病気で余命がわずかと知り自暴自棄となっている男にライオネル・バリモアと、当時の名優たちを揃えています。と言っても私が知っている名前はグレタ・ガルボとジョーン・クロフォードぐらいなのですが。

映画の役ではグレタ・ガルボはとうが立ったダンサー役で、ジョーン・クロフォードは若い新米タイピスト役なのですが、あとで知りましたが二人はともに1905年生まれで映画公開当時27歳ということです。

ストーリーは、ベルリンにあるグランドホテル。そこの宿泊客として、借金まみれの自称男爵の詐欺師、人気と自信を失い生きる気力もなくした有名なバレリーナ、会社存続のため合併を画策している会社経営者、臨時に雇われた口述筆記のタイピスト、そして経営者の工場で働く余命少ない会計事務員らと役者が揃います。

留守を狙ってバレリーナの部屋に侵入し真珠のネックレスを盗もうとした男爵は、公演をキャンセルして突然帰ってきたバレリーナと鉢合わせしてしまいますが、苦悩に共感して二人のあいだに愛が芽生えます。

当初その自称男爵からナンパされダンスに誘われて期待を膨らませていた、しがない臨時雇いタイピストは、男爵の気持ちが他に移ってしまったことを悟り、お金のために言い寄る会社経営者にすり寄ろうとしたり、優しい会計事務員にも近づいたりと、したたかで節操がありません。

そのような人間関係が複雑に絡み合い、もつれる中、やがて偶発的に部屋の中で殺人事件(事故)が起きてしまいます。しかしグランドホテルは何事もなかったかのように、いつもと変わらず、出発する人を送り出し、来る人を暖かく迎え入れる日々が過ぎていきます。

「グランド・ホテル」監督:エドマンド・グールディング 1932年公開 アメリカ
【出演者】
グレタ・ガルボ(1905年~1990年)スウェーデン生まれ
主な出演映画『肉体と悪魔 』『アンナ・クリスティ』『アンナ・カレニナ』『椿姫』『ニノチカ』『マタ・ハリ
アカデミー主演女優賞1938年『アンナ・カレニナ』、1940年『椿姫』 
アカデミー名誉賞1955年

ジョン・バリモア(1882年~1942年)アメリカ生まれ
兄のライオネル・バリモア、姉のエセル・バリモアと共に「バリモア三兄弟」として有名
主な出演映画『ドン・ファン』『マノン・レスコウ』『狂へる悪魔』『愛の嗚咽』『ハムレット』

ライオネル・バリモア(1878年~1954年)アメリカ生まれ
主な出演映画『晩餐八時』『サラトガ』『自由の魂』『素晴らしき哉、人生!
アカデミー主演男優賞『自由の魂』

ウォーレス・ビアリー(1885年~1949年)アメリカ生まれ
主な出演映画『ビッグ・ハウス』『チャンプ』『奇傑パンチョ』
アカデミー主演男優賞1931年『チャンプ』

ジョーン・クロフォード(1905年~1977年)アメリカ生まれ
主な出演映画『ミルドレッド・ピアース』『大砂塵』『何がジェーンに起ったか?』『失われた心』『突然の恐怖』
アカデミー主演女優賞1945年『ミルドレッド・ピアース』


続いて見た「第十七捕虜収容所」も元々は舞台劇で有名になった作品で、1945年には『失われた週末』でアカデミー監督賞、1960年には『アパートの鍵貸します』でアカデミー作品賞・監督賞・脚本賞を受賞した名匠ビリー・ワイルダーが監督した1953年公開の作品です。

映画は第二次大戦末期ドイツ占領地内で捕虜となったアメリカ軍の軍曹クラスばかりが集められた捕虜収容所が舞台で、そこで展開される捕虜の日々の生活や巻き起こる事件が、ある時はコメディタッチで、そしてある時はシリアスに描かれています。

主演は米軍捕虜セフトン役でウィリアム・ホールデン。この映画でアカデミー主演男優賞を受賞しました。

その他の出演者は終盤になって登場する捕虜となった米軍将校ダンパー役のドン・テイラー、ネタバレですが米兵捕虜の中に混じってアメリカ軍の情報を収集するドイツのスパイ役に「おはようフェルプス君」こと若い頃のピーター・グレイブスなどです。

この映画での名演技によりピーター・グレイブスは14年後の1967年からテレビで始まる大人気ドラマ「スパイ大作戦 」(原題Mission: Impossible)への道が決まったも同然です。勝手な想像ですが。

私が思い描く捕虜収容所というのは「戦場のメリークリスマス 」や「戦場にかける橋 」など、食糧も乏しく極限状態の厳しい環境下で強制労働や虐待などが日常茶飯事というものですが、ドイツの捕虜収容所は「大脱走 」の時もそうでしたが、収容者は逃げようとしない限り比較的自由な生活のようです。

同じドイツの収容所でも「シンドラーのリスト 」などに出てくるユダヤ人収容所とはえらく違うものです。

この映画でも捕虜だというのに酒、タバコ、クリスマスのお祝いなどを手に入れて持ち込み、望遠鏡でロシアの女子収容者棟を覗いたり、ラジオまで入手して英国BBC放送で戦況を聞いたりとやりたい放題です。

ストーリーは収容所に地下道を掘り脱走を企てますが、ドイツ軍に事前に見破られていて脱走者は待ち伏せを喰らい、外へ出た瞬間に射殺されてしまいます。

その他、隠していたラジオが収容所所長に簡単に発見されたりと収容所内の秘密が正確にドイツ軍に漏れていることに気がつきます。

その中で脱走に否定的で、看守のドイツ軍兵士を買収して仲がよく、様々な闇物資をガッチリ貯め込んでいる主人公が、一番怪しいと疑われ、捕虜仲間から激しいリンチを受けることになります。

そうした中へドイツの貨物列車を爆破したと疑われているアメリカ人将校が新たな捕虜として収容所に連れてこられます。列車の爆破方法を収容所の中で仲間にしゃべったとたん、それまでは決め手がなく処分できなかったドイツ軍にその手法が伝わってしまい、重犯罪者としてゲシュタポに引き渡されることになります。

ゲシュタポに連れ去られるともう生きては帰れないので収容者は団結して将校を逃がそうと画策します。

そのどさくさで、ドイツ軍と通じていたスパイが判明しますが、そのスパイを単に殺してしまうとドイツ軍の怒りを買い、捕虜全員が殺されてしまうリスクがあり、かと言ってそのまま逃がすと、また別の収容所で同じようなスパイ活動を繰り返すだろうということで、先にスパイと間違えられ仲間からリンチを受けた主人公が一計を案じることになります。

この映画を見ていると、子供の頃によく見ていたテレビドラマ『コンバット!』を思い出しました。同じ白黒ということもありますが、テーマ音楽も似ていて、おそらく『コンバット!』(1962年~1967年)を最初に企画した際は、この映画や音楽を大いに参考にしたのではないかと思われます。

「第十七捕虜収容所」監督:ビリー・ワイルダー 1953年公開 アメリカ
【出演者】
ウィリアム・ホールデン(1918年~1981年)アメリカ生まれ
主な出演映画『慕情 』『サンセット大通り 』『麗しのサブリナ 』『戦場にかける橋
「第十七捕虜収容所」でアカデミー主演男優賞

ドン・テイラー (1920年~1998年)アメリカ生まれ
主な出演映画『花嫁の父 』『トゥルーマン・ショー』『東は東』
主な監督映画『新・猿の惑星』『ドクター・モローの島』『ファイナル・カウントダウン

ピーター・グレイブス( 1926年~2010年)アメリカ生まれ
主な出演映画『狩人の夜』『世界終末の序曲』『テキサス』『アダムス・ファミリー2

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高齢者が多くなり今や「終活」という自分の死後の際にどうするかという問題に直面する人が増えてきています。「終活」というのはなにもお墓のことだけではありませんが、今回はお墓を中心に考えてみます。今回はちょっとシリアスなテーマで、自分の死後についてのことをあれこれと考えてみました。

新聞にはお墓や霊園、仏壇などをPRするチラシが週末にはドカンと入ってきます。不況が続く中の日本では数少ない成長産業です。20年ほど前ならマンションなど不動産や自動車、インテリア用品などの広告が目立ちましたが、すっかり入れ替わった感があります。

そのお墓、子供達にできるだけ迷惑をかけたくない、あるいは跡継ぎの子供がいないので墓を作っても誰も守ってくれないからと独自のお墓を建てるのではなく最近は「共同埋葬スタイル」が人気となっているようです。

東京都が募集した共同埋葬の「樹林墓地」はそのうまいネーミングや自治体が運営する安さと安心感からか、応募が殺到しています。

jurinbochi.jpg

団塊世代にとっては受験、就職、公団住宅入居、郊外の新築マンションなど若い頃からすべてにおいて競争率が高かったのですが、とうとう死んでから入るお墓まで高い競争率です。ちょっと気の毒な気もしますが、意外と競争にはもう慣れっことなっているためか、不満の声はあまり聞こえてきません。

古くからの慣習で「死ねば先祖代々のお墓に入って」というのが廃れてきたのは、高度成長期に人が地方から大量に都会へ出てきたことによります。もうほとんど地元に帰ることもなく、子供達もずっと都会で生活しているので、今さら出身地に帰るのは嫌ということでしょう。もっとも実家を長男が継いでいれば、自動的にお墓も長男が引き継ぐことになり、基本的なルールではその長男以外は自分たちで新たにお墓を準備するしかありません。

nobunaga.jpg団塊世代前後から急速に核家族化が進み、親戚関係の縁が薄れ、同時に先祖が奉られている菩提寺の檀家の意識も弱まり、元々希薄だった宗教色もさらになくなってきました。ほとんど縁がないお寺さんや僧侶と、法事や葬儀の時だけの関係というのに疑問を持つ人も増えています。

私が少し前に知人の葬式に参列したとき、いただいた案内に「お通夜」や「告別式」という表記ではなく「お別れ会」と書かれていて「?」と思いましたが、行ってみてわかりました。

その「お別れ会」は、会場こそ各宗教に対応ができる葬儀専用の施設でしたが、形式は無宗教スタイルで、僧侶の読経やお香などはなく、喪主や友人などの挨拶のあと、故人が好きだったポップな音楽が流れる中、柩の中の故人にお別れを伝え、そばにお花を置いていくというものでした。それを見て、自分の時もこうした気楽で負担をかけない「お別れ会」がいいなぁと感じました。

なにがいいかと言えば、第一に暗くて陰気くさい仏教の葬儀は、長い読経のあいだは私語は慎み、参列する人もただジッとうつむいてひたすらお焼香の順番を待ちます。喪主やその家族は最前列に座り、忙しい中来てくれた参列者と直接会話を交わすこともままなりません。

しかしこの無宗教スタイルだと会場の中はちょっとした立食パーティのようで(もちろんその場で飲み物や食事は出ませんが)、照明は明るく、参列者でザワザワとしていますので、故人を中心として参列者同士、あるいは喪主やその家族へお悔やみをいい、気軽に声をかけ、故人の思い出話をしたり、聞いてあげたりして故人を偲ぶことができました。

第二に決して明朗とは言えない葬儀社に支払う様々なランクがある祭壇や飾り付け、僧侶に渡す御布施、御車代、御膳代、戒名料などの費用を省いたり、あるいはクリアにすることで遺族の負担を減らすことができればと思うからです。

ieyasu.jpg仏式で葬儀をおこなえば、一般的にかかる費用は会場費も含めるとざっと200万円~300万円と言われています。さらに初七日、四十九日などその先も脈々と続いていく法要や儀式があります。日本の古くからの伝統や慣習を軽んじるわけではありませんが、本人が希望すれば様々な見送り方があってもいいのでないでしょうか。

もちろんそのために、子供達には迷惑をかけないようにと自分の葬儀代を貯金している人や、事前にお墓を建てて戒名までもらっておく人、死亡保険をかけ葬儀費用が出るようにしている人なども多そうです。

私ならば次男坊ということもありますので、最初から子供達には「戒名、法要、葬式は不要」「息を引き取れば別紙に記載した知人だけに通知し短時間の質素なお別れ会」「お香典や供え物は辞退」「骨は共同墓地へ」「墓参りは無用」ぐらいの遺言を残しておくのが、親としての最後の務めかなとも考えています。

いずれにしても少子化の流れの中、今後ますます所有者のいないお墓が増加していきそうです。一人っ子同士の結婚も増えていますが、その両親のそれぞれのお墓を1組の夫婦だけで守っていくことが果たしてできるのか?ということです。

先祖代々のお墓があり永代使用権があるといっても、その土地の所有権はお寺であったり市区町村だったりします。通常ならば新たに永代使用権を買うならば数百万円+墓石+納骨代(法要)などが葬式費用とは別にかかります。さらに施設の管理費として年数万円(公営の場合は年数千円)が請求されることが多いのではないでしょうか。お寺さんへのお布施や寄進はまた別です。

そうこう考えると、子供がいない、あるいは一人っ子や他家へ嫁いだ娘ばかりの親の場合、それでも「立派な自分のお墓を建てて入りたい」と考える人は少ないでしょう。さらに今後数十年間は生まれてくる子供よりも死んでいく大人が圧倒的に多くなりますから、ますますその傾向が強くなるはずです。

私のところは子供が3人いますが、決してお墓参りというのは楽しいことではなく、しかも遠隔地にあれば、負担となり足が遠のくことになります。そのように考える人が今後増えていくのは間違いなさそうです。

そして圧倒的に不足する墓地を、お参りするのに便利な場所で大量に作るというのは、周囲の住人とのトラブルや、各種の規制、高額になる権利金などの問題があります。すでに先祖のお墓がある人以外は、法の定めがない散骨か、公営・民営の樹林墓地など共同墓地のスタイルがスタンダードになっていくのではないでしょうか。

この超高齢化社会の中において、比較的安く、倒産や廃業の心配もない市区町村が運営する公共の共同墓地が、希望する人にはすべて利用できるようになると、高齢者をカモにして金儲けに血眼になっている悪徳霊園ビジネス業者や、名義貸しで金儲けを企むお寺や僧侶を排除できると思うのですがどうなのでしょう。それもまた民業圧迫と言うのでしょうか。

財政難で苦しんでいる自治体や地方の市町村にもしアイデアマンがいれば、都会から割と交通の便利な場所で、しかも海や山など風光明媚な場所に、民間企業からお金を引き出して県営(市営)の大霊園+自然公園を建設し、県外(市外)の住人の利用も受付け、半分を分譲形式のお墓に(民間経営)、半分を共同墓地(公営)として売り出せば、いまもっとも有望な町おこし事業、税収不足対策になるのにと思わなくもありません。

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