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京都市勧業館みやこめっせで開催されている「人体の不思議展」で多数の「死体」が展示され、平穏に生活する権利を侵害されたとして、会場から150メートルの所に住む京都工芸繊維大の宗川吉汪名誉教授が20日、主催者の同展実行委員会に1万円の慰謝料を求める訴訟を京都地裁に起こした。
 
私の記憶では、この人体標本を展示してお金をとる催しは、10数年前に東京で始まったと記憶していますが、当時からどうして人の遺体標本が営利事業として見せ物となるのか不思議でした。いえ、別に人体に興味を持つのは別に不思議でもなく、私も小中学生の頃に友人に誘われて何度か医科大学の学園祭へ行き、生々しい解剖されて展示されたホルマリンの臭いに包まれた人体標本を見たことがあります。
 
最初に東京で「人体の不思議展」が開催された時にはたいへんな評判となり、皮膚を剥いだ筋肉だけの人体がポスターに描かれ、すごく気味が悪かった記憶があります。仕事柄その展示会場のすぐ近くを通っていましたが、その都度なにかとても嫌な思いをしました。もちろん中に入ったこともなく、入りたいと思ったことはありません。しかし宣伝効果もあって日本では過去650万人もの人が見に行ったと言うことですから日本人の20人に1人ということになります。
 
遺体や遺体の一部が医学の発展のために献体されることは当然あると思いますし、遺族の同意がなくても身元不明者の遺体についてはある一定の条件はつくのでしょうけど、大学医学部や研究所に献体されているようにも聞いています。しかしいずれにしても、自分の亡骸を不特定多数に公開し、入場料を取って商売に使っても構わないと思っている人はいないでしょう。
 
ちなみにその展示に使われている遺体は、日本人ではなく、中国大連の工場に集められた中国人の遺体を使って、加工されているとWikipediaに書かれていますが、こうなるともう標本というよりか完全に加工された工業製品に近い気がします。アートだと主張する人も団体もありますが。またその遺体の献体同意書や展示承諾についても、過去に証明書が提出された例はなく、入手経路や身元などについても疑惑が残るようです。
 
献体された遺体が、バラバラに腑分けされ、解剖され、スライスされ、時には透明樹脂コーティングまでされて、研究や医者の卵の教育用として使われるのならともかく、どう見ても高い入場料を取って全国をまわる「人体の不思議展」は、昔にお祭りの時によくあったけれど最近では差別を理由にほとんど見掛けなくなった「蛇女」「狼男」「猫娘」「牛娘」「ろくろ首」などの見せ物小屋と変わりません。いや見せ物小屋のほうがジョークがきいていて、入場料も騙されたと思っても誰も怒らない笑って済ませらるユーモアがあります。
 
医学生や研究者でなくても、人体の仕組みや機能を実物の標本を見て知ることは、決して悪いことではありません。むしろ子供の頃にそういった標本を見て、生命や自分の身体にも興味を持ち考えさせることはぜひやるべきことと思います。しかし人の亡骸を加工し、高い入場料を取って見せ物にするというのは、遺体を提供した遺族や、死者に対する冒涜であり、逆に命の軽さを見せることにしかなっていないような気がします。
 
フランスではすでに2009年にこの手の展示会を中止するよう裁判で判決が出ているようですが、今のところ日本では、様々な中止を要請する意見や要望は出ているものの、展示会を中止させようとする訴訟は起きていないようです。
 
今回の訴訟でも、あえて展示会中止そのものは表面には出さず、身近なところに「死体」がずっと置かれている事に対する「精神的苦痛」が争点としています。これは単純に「気味悪いから開催の中止」で争うと逆に「営業業務妨害」となりかねず、「死体の展示」の有効性や営業権利の問題になるのを避ける意味合いがあるものと思われます。
 
実際に見に行った方も多いと思いますが、そう言う方を非難するつもりではさらさらありません。ただそれが商売になるから、さらにパワーアップして次々とそこのような展示会が頻繁に行われ、展示内容も過激になってくるのがちょっと心配なだけです。


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467
自動車損害賠償責任(自賠責)保険が2011年度には約11%の値上げが決定し、2013年度までの3年間に25~30%近い値上げがおこなわれるそうです。デフレ加速でモノの値段が下がり、給料やボーナスも下がっていく時代に、いったいなにを考えてのことでしょうか。いや、たぶんなにも考えていないのでしょうけれど。
 
自賠責保険とはトラックや乗用車、バイク、原付などの持ち主が加入し、運転が人身事故を起こしたときに被害者に賠償金を支払う強制保険ですが、以前からこの第2の税金とまで揶揄される保険会社にとっては濡れ手に粟の損害保険については様々な問題があります。
 
まず、交通事故発生件数は2000年頃にピークを迎え、2005年頃から4年連続で下がり続けています。同時にシートベルトやエアバッグなどの安全装備品の普及、救命救急医療の格段の進歩もあり、交通事故死亡者に至っては1993年から17年連続で下がり続けています(下記グラフ参照)。それなのになぜ損害保険料が不足するのでしょうか?
 
グラフ交通事故件数と交通事故死亡者数  クリックで拡大
kotsujiko.jpg
 
事故も死亡者も減っているのに、保険料だけが足らない、、、その理由として「後遺症が出る障害への保険金請求が膨らみ採算が悪化」と訳のわからない苦しい言い訳をしています。後遺症が出る交通事故(むち打ち症など)が最近になって急に増えてきたとも思えません。こういう苦しい言い訳の影には必ずと言っていいほどなにか裏があります。
 
どうにも納得がいかず、もう少し掘り下げて調べてみました。
 
(1)今回の値上げは金融庁の諮問機関である「自賠責審議会」なるものが、これも金融庁や保険会社の利益代表で息のかかった「損害保険料率算出機構」が出した保険料率試算により、保険料を値上げすることが既定路線として審議し、答申したもので、談合根回し済みの出来レースと言われても仕方がない。そしてそれは各省庁の官僚や損害保険会社にとって都合がよく望ましい。
 
(2)平成14年の時点で自賠責保険の運用余剰金は約2兆円もあり、そのうちの半分は保険料の値下げでユーザーに還元されてきたが、残りの1兆円の中から6000億円が自民党政権時代に国家予算の一般会計に貸し出したままでまだ返却されてなく、また4000億円については、何に使われたかよくわからないがこれも天下り団体に使われているケースが多いらしい(すまん詳しく調べていない)。
 
(3)当然と言うべきか自賠責保険の巨額の運用益や余剰金は各省庁や金融機関から官僚天下りの機関や団体へと支出されている。何をしているかよくわからない「独立行政法人自動車事故対策機構(理事長以下国交省OB多数)」や「損害保険料率算出機構」「財団法人交通事故紛争処理センター」などは露骨な利益誘導団体。
 
(4)この自賠責保険という巨大な甘い蜜には①金融庁②国交省③財務省④警察庁など多くの官僚組織や公務員が群がっていると思われるが、例えば金融庁や財務省は自賠責保険関連団体に直接はもちろんのこと、これによって利益を得ている損害保険会社やその関連団体へも大量に天下っているので、その実態の把握は難しい。
 
しかしいずれにしても、自賠責保険を3年間で約30%も値上げしようとするその根拠は乏しく、逆に、国民生活が一番大事とする政府の方針からすると、今後ますます交通事故件数や死亡者数が減っていくことが想定され、それによって恒久的な保険料の大幅減額をしていくというのが筋ではないでしょうか。
 
百歩譲ってもし交通事故で重大な後遺症が残る事故が増えているというのなら、それを科学的、医学的、物理的に詳しく分析し、その原因を引き起こす自動車メーカーに対してペナルティを支払わせればいいのです。アメリカでプリウスのリコール届けがちょっとばかり遅れただけで政府から15億円の制裁金をかけられ、それになにも文句も言わずにポンと支払うのが日本の自動車メーカーです。後遺症を残す原因を作った車の製造者責任を自動車メーカーに問っても間違いではないでしょう。
 


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466
今年2011年は隔年で行われている伝統ある日本最大級の自動車ショー「東京モーターショー」(主催:一般社団法人日本自動車工業会)が開催される年で、しかも20数年ぶりに千葉県幕張から東京都内(東京ビッグサイト)の会場へと変更されますが、その存在意義や運営手法について問われる節目の回になるかもしれません。
 
というのも2年前の東京モーターショーはリーマンショック直後であり、なおかつ「アジアの自動車マーケットの中心は中国や東南アジア」という世界の趨勢もありながら、なんの危機感も持たず努力を怠ってきた主催者の思惑は見事に崩れ、特に海外自動車メーカーの出展が激減し、幕張の広い展示スペースには空きが目立ち、来場者も目標数に届かないという惨憺たる結果となりました。
 
それに加えて、この失われた20年の間に育ってきた「貧乏な若者」「クルマを必要としないライフスタイル」「エコと健康ブーム」などから、「マイカー離れ」する人が増えてきたことが、このような展示会に足を運ばなくなった理由のひとつではないかと分析をしていました。
 
ところがそれをくつがえすかのように、毎年幕張で開かれている「東京オートサロン」という、主として巨大な自動車メーカーではなく、アフターパーツの中小・零細メーカーや、チューニングカーなどモータースポーツ関連企業が出展する割合が多い展示会(一般公開は1月14日~16日の3日間)が、昨年を上回る来場者を集め、しかも1日当たりの来場者数では一昨年の東京モーターショーを上回る1日平均約7万9千人という数字(東京モーターショーは1週間以上開催されるので合計入場者数は当然上回わります)を残しました。
 
 
元々発祥が官民が一体となった国策の工業展示会とも言える「東京モーターショー」が、年々来場者が減っていくのは「若者のクルマ離れ」「世界経済の悪化」のせいにしていますが、一方でモータースポーツやドレスアップ、チューニングカーという比較的若者向けの展示が中心となる「東京オートサロン」の入場者は年々増加をしているという、不思議な現象が起きてます。
 
その理由のひとつには主催者の考え方の違いがあります。「東京モーターショー」は「日本自動車工業会」という国交省と経産省の官僚天下りと、巨大メーカーの寄り合い所帯で構成される利権としがらみと惰性の旧態依然の組織で、とてもユーザーや一般来場者のことなど考えているとは思えません。
 
そのような70~80年代の高度成長期と同じ感覚で、実質的な企画と運営をファミリー企業や団体に丸投げをして、いつもどこか焦点がボケまくっている「東京モーターショー」と、いつ経営が傾いても不思議ではなく、存続をかけた背水の陣で望む中小零細企業の知恵と工夫と行動力が試される「東京オートサロン」では、出展社も来場者も真剣度が違い、その両者を結びつけるイベントや企画も豊富で、満足度も明らかに違います。
 
確かに自動車工業会の主要メンバーである大メーカーが、金に糸目を付けずに開発したコンセプトカーが大量に展示され、2年に一度のお祭りである「東京モーターショー」のほうが、その豪華さでは圧倒しています。しかし展示会はビジネスの場として割り切っている海外のメーカーや、本来の来場者である若者達もそのような単に豪華さだけが取り柄のお祭りにはあまり関心を持たなくなってきているのではと思います。主催者はまだバブルの夢が続いているのでしょう。
 
東京モーターショーで展示される各社の格好いい未来のコンセプトカーは、すでに映画のSFXの中ではいくらでも登場していて目新しさはありませんし、贅をこらした豪華絢爛なクルマも、乗ってみたいという夢やあこがれは、高度成長期と違ってもうありません。それに国内メーカーも、もはや国内市場よりも海外市場を重要視しているので、東京モーターショーで新車を発表する前に、ジュネーブやシカゴやフランクフルトの展示会で先行披露している場合がほとんどです。
 
今年の12月に開催される「東京モーターショー」は、そのような激しい環境の変化の中でも、単に規模を縮小しただけで今までと変わらないユーザー不在の開催と運営をしていくのか、それとも過去からの利権や慣行を例え少しでも取っ払っていき、一般ユーザーや、世界、特にアジア各国のメディアや来場者に向けて、ビジネスの場としての新しい「東京モーターショー」を開催し、満足させていくことができるのか、さてどうなるのでしょうか。
 

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465
小売店の不調は通信販売のせいだという話しもありますが、今後ますますその傾向は続いていくのは間違いないでしょう。
 
元々通販は(1)価格(2)稀少品(3)配達の利便性などで有利な面があります。
 
価格は言うまでもなく、大量仕入れ販売、在庫リスク軽減、無店舗、販売員・説明員人件費カットなどにより小売店と比べて明らかに有利な面があります。しかもカカクコムなど価格比較サイトのおかげで、家電などの規格品であれば、一部のアフターサービスの有無などを除き、最安値をいくつもの通販会社から選ぶこともでき、その有利さは明らかで、1割~2割は同じものが安く買えます。私の場合、ネット通販を利用する目的の70%はこれが理由です。
 
稀少品とは、ホームセンターや書店へ行っても手に入りにくい新刊本でない古い書籍などを購入する際は、店を探し回るよりネットで検索して購入するのが一番手っ取り早く値段や購入先も比較検討できますからもう言うまでもないことです。
 
あとバイクやクルマの交換部品で、中古でかまわないものであれば、オークションを探せばだいたい見つかりますし、ある特定車種のオプション品であった専用のフォグランプのレンズが割れたときは、ディーラーに頼むと1万円以上を覚悟しましたが、そのメーカーサイトを調べるとネットで直販してくれることがわかり、数千円で済んだこともありましたし、バイクのメーターが故障したときは中古でオークションに出ていたメーターを落札して自分で交換しました。
 
もし同等の機能を有するもので、メーカーがいくつかある場合でも小売店では置き場所やメーカーとの取引の有無でそのうちの1種類しか置いていない場合があり、そうすると比較さえできません。複数置いてある場合でも小売店ではそれぞれの店で販売強化をおこなっている製品があり、これはつまりその店にとって利益幅が大きいことを示していて、決して購入者のことを考えて推薦するものではありません。
 
ネットではそういう場合には実際に使った人の評判や詳しい人の書き込みが役に立ちます。もちろんそう言うものにはヤラセや単純な間違いなども混ざっていますので、見分ける力と多角的に見る手間を惜しんではいけません。また最近では勘違いをさせて小売店で買うより高い値段をつけて騙すような販売手法もありますので、いくつかのサイトで比べたり、実際に小売店での販売価格を調べておく必要もあります。
 
以前カーナビを買ったときは当然通販が安いと思って調べていましたが、近所のカーショップでキャンペーンがあり、それを見るとそちらのほうが安かったことがありました。ただカーナビ本体につけるその他オプション品は通販のほうが断然安く、本体だけをカーショップで購入しました。カーショップとしては本体を儲けなしで売ってもそのほかのオプション品や取り付け工賃で稼ごうという目論見だったのかもしれませんが、あいにく美味しいところ取りだけしてしまいました。
 
有名な大手ネット通販で購入すれば安心だと思いがちですが、ネット通販会社は自社で製品や価格を決めているものもありますが、単に売買するためのインフラを有料で業者に貸し出して商売をさせている場合もあります。そうした場合ではあとでクレームが付くような販売手法や製品と言うことも少なからずあるようです。
 
例えば、在庫がなく次にいつ入荷するかわからないのに販売をしておいて、購入者に先に支払いだけさせておいて、いつまで経っても送られてこないとか、中には売れるだけ売っておいたあと計画倒産させて逃げてしまったり、購入者に難解な専門的な話しをして、単独では役に立たないからと追加で関連製品を一緒に購入させたりすることもあるそうです。以前売り切れが続出していた人気のゲーム機の通販では不人気なソフトを抱き合わせして価格を上げて販売する手法が横行していました。
 
そんなことには騙されないと誰もが思っていますが、早く手に入れたいと気がせく当事者になって、説得力ある説明をされてしまうと、ついそういうものかと思ってしまう人間心理を巧みに突いていますので、誰しも被害者になることがあり得ます。
 
病気のことなら親しい友人のアドバイスよりも、偉そうにしている医者と言うだけで無条件になんでも信じてしまうことと似ています。だからドラッグストアのアルバイト店員や、なんの資格も知識もないコンタクトレンズの説明員がみな医者と同じ白衣を着て接客し、店が売りたいものを白衣の権威の力で売ろうとするのです。
 
配達の利便性とは、書籍にしても小型の家電品や家具にしても、買ってから自宅まで運ぶのが苦痛に思えることがあります。大型の家電品や家具ならば配達がセットになっていますので、問題ないですが、最近は「お持ち帰り特価」として販売されているものもありますので、重くてかさばるものを電車やバスで持ち帰るのは結構たいへんです。
 
通販なら当然宅配業者や専門業者により配達され、商品によっては別途追加料金が必要ですが、組み立てや設置までやってもらえます。梱包材なども持ち帰ってもらったりできますので、そういうサービ上手に使いたいものです。家具の買い換えならば、古い家具を引き取ってもらえるサービスがあるかないかも重要です。
 
いいことずくめに思える通販ですが、気をつけなければならないのが、実物を見ないとわからない製品、例えばソファや衣服など色や材質などが重要な製品を購入するときです。一度店舗で実物を見ているなら問題ないですが、カタログだけで決めるには、「思っていた色ではなかった」「サイズが合わない」「ソファの堅さが柔らか(堅)すぎる」「写真と違ってものすごく安っぽく見える」など失敗談も多く聞きます。多くの場合商品見本は高級品に見えるようプロが照明やアングルに気をつけて撮影しますので、見掛けが全然違うことは当然のことです。
 
また家具や大型家電の場合、「玄関に梱包されたまま置かれて1人では動かせない」「組み立てに専用工具が必要で無駄な出費になった」「通販業者には設置まで依頼していたのに配送業者には伝わってなくトラブルになった」等、笑って済ませられない問題もあります。わざとではないでしょうけれど、通販会社の間違いで違った商品が送られてくることもありますが、その連絡や返送の手間なども小売店とのやりとりと比べると相手が見えないだけに大変です。
 
最近は、ネット通販でもクレジットカードが使えるところが増えてきましたが、安売りの専門ショップでは現金振り込みか代引きでしか取引できないところも数多くあります。確かにクレジットカード会社に数%の手数料で利益が飛んでしまうギリギリの値引きをしているのもわかりますが、やはり便利さに欠けるのと、振り込み手数料や代引き手数料を購入者が負担しなければならないのはちょっと引いてしまいます。
 
最近の出来事ですが、お風呂の給湯を自動的に止める蛇口に取り付ける器具「風呂みーる 」をもう10年以上愛用していますが、この器具はおよそ2~3年で中のパッキン等が劣化し、完全にはお湯(水)が止まらなくなってしまいます。今使っている器具も2年半前にホームセンターで購入しましたが、とうとう漏れ出してきたので買うことにしました。

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今まではホームセンターで購入していましたので、今回も買いに行くと3,980円となっていました。確か今までは2,700~2,900円程度で買った記憶がありましたので、値上げされたのかな?と思い、その時は買わずに帰ってからネットで調べてみると、まったく同じ製品がAmazonで2,480円で売られています。ただこの製品はAmazonの直販ではないので送料が別途525円が必要なので合計3,005円になります。それでもホームセンターより千円近く安いので、たかが千円、されど千円ということで、迷わずネット通販をポチッとクリックをしました。
 
こういうわずか数千円のものでも、送料を入れても店で買うより安く買えてしまうケースが最近多いので、ついついネット通販で購入してしまいます。あとでその請求がドッカンとまとまってやってきて、青くなるという繰り返しです。これがネット通販最大のデメリットかもしれません。

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書店員さんお勧め本として購入しましたが、SF小説とはまったく知らずに購入しました。実はSF小説はあまり好きではなく、アーサー・C・クラークやフィリップ・K・ディックのいくつかの名著はともかく、日本人作家では小松左京や半村良を少し読むぐらいですから、読んだうちには入らないかも知れません。
 
なので、最初読み始めてしばらくは、聞き慣れないカタカナが次から次へと登場し、これがSF小説だということを知り、買ったことを後悔していましたが、読み進めていくうちに、とてつもなくよくできた近未来小説であることがわかりました。

一般的には取っつきにくいタイトルなので、たぶんそのせいで読み手が限られてしまうのが損をしています。
 
ストーリーは、テロに核爆弾が使われ出した近未来の世界で、ある日突然に発展途上国の各地で大虐殺が行われます。その大虐殺が起きる場所には、決まってあるアメリカ人の存在があり、それらの虐殺になんらかの関係をしていることが疑われ、最初は暗殺、その後捕らえるために主人公のアメリカ人特殊部隊員が送り込まれます。
 
ここで面白いのは主人公はじめ登場人物の多くがアメリカ人や欧州人で、その舞台は世界中という物語なのですが、書いている作家は日本人です。読んでいると日本人作家ではなくトム・クランシーなどアメリカ人作家の小説の翻訳版?だったっけ?と思えてしまいます。

柳広司氏の「トーキョー・プリズン」も主人公がニュージーランド人という変わった設定でしたが、小説の舞台は日本でしたので、この「虐殺器官」のようなまったく日本や日本人とは関係がない例は他には知りません。でも違和感はほとんどありません。
 
この小説で出てくる平和な社会がある日突然「あること」が引き金となって国中で殺戮が起きてしまうその「あること」を意図的に起こすことでその地域で虐殺事件を起こす因果関係方程式がとても不気味です。

現実の世界で虐殺が起きた場所にいた人に話を聞くと「なぜこういうことになったのか、さっぱりわからない」というのが、現実の中で実際に起きているからです。

過去の多くの虐殺事件で、その生き残った関係者の証言は、自己弁護や責任逃れと言うこともあるのかもしれませんが、ほとんどの場合そう言います。
 
この小説で描かれている未来はというと、そう遠くない未来、おそらく今から20~30年先には実現していそうなインフラや武器、兵器が登場し、とてもリアル感があります。

最後はSF小説の常であるかのように、あっけない幕切れとなってしまいますが、将来性を感じる作家だなぁって思っていたら、この伊藤計劃氏すでに2009年3月に癌のため34歳という若さで亡くなっていました。残された作品も少なく残念な限りです。

著者別読書感想(伊藤計劃)
 
  ◇   ◇   ◇   ◇   ◇
 
お正月の読書用にと借りてきて読みました。グリコ・森永事件と言えば、若い人には記憶にない人も多いでしょうけれど、1984年から1985年にかけて大阪で起きた一連の企業脅迫事件です。その中には江崎グリコ社長誘拐監禁事件も含まれます。
 
私はこの事件が起きた頃は、入社5年目で事件が起きた大阪で働いていましたので、よく覚えています。ただその当時は報道規制もあり、マスコミも警察にとって都合のいい発表しか伝えず、断片的な情報しか伝わってきませんでした。

当時は独身でしたから、グリコや森永のお菓子に青酸ソーダが混入されても、それがすぐに身の危険を感じるような立場にはなく、のんきに客観的に報道を見ていました。
 
とにかく警察の連携ミスや失敗をあざ笑うかのように(当時はその事実の多くは警察によって隠されていたが)、犯人は次から次へと大胆な犯罪を行っていたことが、後から明らかになります。
 
そのような一連の犯罪をまとめたのがこの本で、いかに警察が頼りないか、縦割り組織の弊害、都道府県をまたがる場合の連携の悪さ、報道規制による世論誘導、現場警官に対する情報伝達のまずさなどが明らかになってきます。

事件後容疑者は何名かあがりますが、アリバイがあったり、実証できるものが乏しく、いずれも逮捕には至らず、結果的にすべての事件について時効を迎えてしまいます。
 
この本で暗示される主犯と思われる人は、別の事件の取調中に自殺して亡くなっており、関係者と思われる人も別の犯罪で受刑中だったり、ピカレスク小説のように「犯罪で得たお金で優雅な海外生活を送っています」という雰囲気ではどうもなさそうです。
 
  ◇   ◇   ◇   ◇   ◇
 
この本は買ったのではなく、寝正月用に内容は深く知らないまま、会社の休憩室のラックに置いてあったのを拝借してきたものです。

麻生幾氏は日本の犯罪ドキュメントや最近テレビでドラマ化された「外事警察 」などちょっと特殊な警察モノを得意とする謎の多い覆面作家さんです。
 
同氏の作品では北朝鮮特殊部隊が原発破壊を狙って日本に上陸、国内の治安維持なので当初は警察の部隊が対応するものの、圧倒的な武力差で犠牲者が続出してしまい、政府の判断で自衛隊が出動するものの、武器の使用や、相手に攻撃されるまで反撃できない様々な法的な問題を抱え、現場が混乱する小説「宣戦布告 」を読んだことがあります。

この原作は映画化もされて、私も5~6年前にレンタルDVDを観た記憶があります。内容はだいぶんと変えられてましたが、自衛隊の様々な矛盾点を浮き彫りにしたいい映画だと思いました。
 
さてこの本ですが、昭和から平成にかけて日本で起きた謎多き事件や事故について、今まで封印されていた調書や証言をあらためてまとめたものです。
 
取り上げられている事件・事故とは、
 
 1.三菱銀行人質事件
 2.オウム真理教本部サティアン捜査
 3.赤軍派あさま山荘事件
 4.ホテルニュージャパン大火災
 5.ロッキード事件と田中角栄逮捕
 6.在ペルー日本大使公邸占拠人質事件
 7.影の総理金丸信逮捕
 8.国鉄初代総裁下山定則変死事件
 9.ベレンコ中尉亡命(最新鋭戦闘機ミグ25)事件
 10.日本海不審船追跡事件「北朝鮮工作船」への自衛隊海上警備行動発令
 
というものが列挙されています。
 
この中では、下山事件だけは生まれていない時の事件なのでまったく知りませんでしたが、他の事件、事故については、リアルタイムで新聞やテレビでニュースを見ています。
 
私の中では、ニュージャパン火災は社会人1年目で、朝早く、新宿の高層ビルにあった会社に出社すると、窓から遠くにもうもうと黒い煙が上がっているのが見えて、会社にあったテレビをつけるとその現場中継をやっていて火災事故があったことを知りました。
 
オウム事件はサティアン捜査の原因となった地下鉄サリン事件で、私が乗っていた地下鉄の1本前でサリンがまかれたとあとで知りました。サリンをまかれた車輌に乗っていた社員もいて、他線の人も含め何名かの社員が病院へ運ばれていました。
 
それ以外の事件事故は、自分とかなり遠いところで起こったものなので、新聞テレビ以上のことは知りませんでしたが、いずれも警察発表しか報道しない新聞テレビと違い、池上彰風に言えば「そうだったのか!」という話しがいくつか出てきます。

しかし結果的にそれがその時にわかっていたとしても、自分とは距離がありすぎて、関心は薄かっただろうなと思います。
 


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