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22年目の告白 -私が殺人犯です- 2017年 映画「22年目の告白-私が殺人犯です-」製作委員会
監督:入江悠 出演者:藤原竜也、伊藤英明、仲村トオルなど

最初は知らずにこの映画を見たのですが、この作品の原作小説を1年前に読んでいました。タイトルも同じなのにすっかり忘れていました。ボケですね。

1月後半の読書と感想、書評 2021/1/30(土)」(22年目の告白-私が殺人犯です-)

元々このストーリーの原作は韓国の映画「殺人の告白」で、それを日本版に焼き直したものです。

内容はミステリーなので、詳しくは書けないのと、小説を読んだときに概要は書いているので省きます。

主演の藤原竜也はすっかりベテランらしい演技で、助演の伊藤英明との息はピッタリです。それに絡む仲村トオルがちょっとどうかなという感じですが、元々その役は設定に無理があり難しそうなので、誰がやっても難しいかも。

ということで、この3人がメインの映画で、意外性とか大逆転が続くドラマで、エンタメ性は抜群ですが、終わった後の爽快感や感激というものはありません。

★☆☆

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

ガール・オン・ザ・トレイン(原題: The Girl on the Train) 2016年 米
監督:テイト・テイラー 出演者:エミリー・ブラント、レベッカ・ファーガソン

原作は ポーラ・ホーキンズ著の同名小説で、3年前に読んでいます。

4月後半の読書と感想、書評 2019/5/1(水)

小説を読んだときは、不思議に場面場面の映像が浮かんできて、これを映像化すればおそらくこんな感じなんだろうなと思っていました。

そういう時の小説のイメージと、実際の映像とはかけ離れてしまうことも多いのですが、これに関してはかなり想像に近いものでホッとしました。

内容は、離婚してアル中になり、精神的にも不安定で職も失った女性が、毎日、思い出が残る住宅地の前を通る電車に乗って幸せな時代を回想しています。

そしてその住宅には再婚した前夫が住んでいて、そこに住む自分とは違う女性を眺める毎日という複雑なことを続けていて、そこから事件が起きて、、、という流れです。

正直に言って、小説での評価はあまりよくないものでした。それは、主人公の都合良く記憶喪失とか、徐々に思い出してきてそれと新たな事件が絡んでくるという面倒臭いものでした。

映画も原作通りに作られているので、その内容は変わりませんが、人の狂気や、精神喪失など、文章と実際の映像で見るのではその迫力やリアリティが変わってくるので、映画の方がまだ良かったかなというのが感想です。

また小説ではロンドン郊外が舞台になっていましたが、映画ではアメリカで製作されたこともあり、舞台はNY州郊外のウェストチェスターとなっています。

★★☆

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

トキワ荘の青春 1996年 カルチュア・パブリッシャーズ
監督:市川準 出演:本木雅弘、阿部サダヲ、古田新太他

手塚治虫氏や赤塚不二夫氏など多くの漫画家が貧しい時代に身を寄せていた古いアパート、トキワ荘を舞台にした苦悩しつつ成長していく漫画家達の実話的な青春物語という内容です。

時代は昭和30年前後、主人公はトキワ荘で兄貴分というかリーダー的な寺田ヒロオ氏で、彼を中心に物語は進んでいきます。

登場する漫画家は故人が多いですが、現在活躍中の方もいます。映画では当時の本名または通称(ペンネーム)で登場し、下記の各役者が演じています。

また登場人物には居住していた漫画家もいれば、通っていた人、たまに訪れていた人も含んでいます。

寺田ヒロオ:本木雅弘
安孫子素雄(藤子不二雄A):鈴木卓爾
藤本弘(藤子・F・不二雄):阿部サダヲ
石森章太郎(石ノ森章太郎):さとうこうじ
赤塚不二夫:大森嘉之
森安直哉:古田新太
鈴木伸一:生瀬勝久
つのだじろう:翁華栄
水野英子:松梨智子
手塚治虫:北村想
つげ義春:土屋良太

最初は、よく知られている実際の本人の顔と、役者さんの顔が当然違うので、誰が誰だかわかりませんが、見ているうちに段々とわかってきます。

生真面目で、子供向けの明るい漫画がなかなか世間に受け入れられず苦悩する主人公の寺田、売れっ子になり、手狭なトキワ荘を出て行くことになった手塚、その手塚がいた空いた部屋に入ってきた安孫子と藤本、クールにストイックに自分の道を突き進む石森、技術はあるのになかなか連載がもらえず苦しむ赤塚など、それぞれが漫画に人生を賭して必死に生きている姿が魅力的です。

そして住人の漫画家の中でも、次第に売れて引っ張りだこの人と、なかなか芽が出ずに漫画家を諦め出ていく人、しがみついたまま、他の漫画家のアシスタントを務めてチャンスを待つ人など様々で、売れっ子になるには実力と共に真面目に下積みを積むこと、そして運が必要と言うことがよくわかります。

今の合理的な若い人にそんなこと言うと「昭和じゃあるまいし」って、馬鹿にされて笑われてしまいそうですが。

★★☆

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

我等の生涯の最良の年(原題:The Best Years of Our Lives) 1946年 アメリカ(日本公開1948年)
監督:ウィリアム・ワイラー 出演者:マーナ・ロイ、フレドリック・マーチ

1946年公開の映画が対象の第19回アカデミー賞の10部門にノミネートされ、うち作品賞、監督賞、主演男優賞など9部門を受賞した映画です。

3時間近いモノクロ映画ですが、太平洋戦争が終わった直後の1946年にこうした映画が公開されるのはさすが戦勝国で豊かなアメリカとしか言いようがありません。

それを考えれば第2次世界大戦中の1940年に公開されたカラー映画巨編「風と共に去りぬ」は、もっと凄かったですね。

内容は、欧州戦線や太平洋戦線からアメリカへ帰国してきた3人の軍人が同郷に向かう輸送機に乗り合わせます。

その3人は帰国後にそれぞれの生活があり、ひとりは陸軍で硫黄島や沖縄などで日本と戦った軍曹で、徴兵されるまで勤務していた銀行に昇進した上で無事再就職ができますがアルコールが手放せない生活を送っています。

ひとりは、太平洋で空母に乗船中に撃沈され、その際に両手を火傷して失ってしまい、義手をつけて帰国するものの、他人の目が気になるのと幼馴染みの婚約者とギグシャクしてしまいます。

3人目は、空軍の爆撃手として勲章も贈られた将校ですが、貧しい家の出で、帰国後に仕事にあぶれて安い賃金の仕事しかなく、入隊直前に結婚した妻が派手好きで金遣いが荒いことに悩みます。

それぞれ三人三様の悩みや問題を抱えつつも、それらと真摯に向き合って解決していくという流れです。

個人的には、銀行員の妻で美しい良妻賢母を絵に描いたようなマーナ・ロイに目を奪われました。

どの辺りが、人生最良の年かはやや疑問な感じもしますが、基本的にはハッピーエンドに向かいますので、あとは希望的観測も含めてハッピーと言えるのかも知れません。

【関連リンク】
2022年1~2月 私は告白する(1953年)、デビル (1997年)、新解釈・三國志(2020年)、カーボーイ&エイリアン(2011年)、救命士(1999年)、フェイク シティ ある男のルール(2008年)
2021年11~12月 梟の城 owl's castle(1999年)、007 スペクター(2015年)、勝手にしやがれ(1960年)、TOKYO JOE マフィアを売った男(2008年)、劇場版鬼滅の刃無限列車編(2020年)、ロープ(1948年)
2021年9~10月 陰陽師II(2003年)、エージェント:ライアン(2014年)、アンダーグラウンド(1995年) 、悪い種子(1956年)

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1633
人が神に対抗しようとバビロンに天まで届く塔を建てようとしたところ、神が怒って人間の傲慢を打ち砕くために人の言語をバラバラにしてしまったことで、世界中の人々がそれまではひとつだった言語から多言語になったとキリスト教の旧約聖書には書かれています。

ちなみに、その神を怒らせた塔の名前は後にブライ語で「混乱」という意味の「バベルの塔」と呼ばれることになります。

日本には東京の麻布十番の交差点に「バブルの塔」と呼ばれていたバブル景気の絶頂期1990年に竣工した派手なビルがありますが関係ありません。

人同士のコミュニケーションで最大の障壁とも言える言語の問題は、古代から悩みの種だったことがわかります。

過去には大航海時代や産業革命、拡張主義などで他国や地域で優位に立った強国が、その地を支配し植民地化する際にまずおこなうのが自国の言語をその支配地域で強制することです。

そうした影響で、スペインやポルトガル、英国やフランス、アメリカ、ロシアなどの言語が、その影響が過去にあった地域で現在でも使われることになります。

しかし政治的な支配関係がなくなり、グローバル化が進んでいくと、言語は経済合理性の意味合いを深めていきます。つまりどの言語を使うことで生活が豊かになるか、便利になるかなど。

現在世界で使われている言葉は方言や日常的な変化など難しい判断はあるものの、おおよそ5千語ぐらいが使われているのではないかと言われています。通じない方言なども1言語とすると軽く1万言語を超えると言われています。

まずは、公用語、または母国語とされている言語と使用国とその人口の順位です。

元データは、世界中で翻訳や通訳、リサーチ事業をおこなっているWIPの日本法人WIP Japanのデータを参考にしています。

公用語または母国語としている言語の国と人口順位
言語 人口 公用語、またはよく使われている地域
1 中国語 13億7,000万人 中華人民共和国・台湾・シンガポール
2 英語 5億3,000万人 英国・米国・カナダ・オーストラリア・インド・ニュージーランドなど
3 ヒンディー語 4億2,000万人 インド・フィジー
4 スペイン語 4億2,000万人 スペイン・アルゼンチン・チリ・メキシコ・キューバなど中南米諸国
5 アラビア語 2億3,000万人 エジプト・イラク・イスラエル・モロッコ・サウジアラビア・UAEなど
6 ベンガル語 2億2,000万人 バングラディッシュ・インド
7 ポルトガル語 2億1,500万人 ポルトガル・ブラジル・アンゴラ・モザンビークなど
8 ロシア語 1億8,000万人 ロシア・ベラルーシ・カザフスタン・キルギス
9 日本語 1億2,700万人 日本
10 フランス語 1億2,300万人 フランス・モナコ・カナダ・アフリカ諸国など
11 ドイツ語 1億1,000万人 ドイツ・オーストリア・スイス・ベルギーなど
12 パンジャーブ語 9,000万人 インド・パキスタン
13 ジャワ語 8,400万人 インドネシア
14 朝鮮語/韓国語 7,500万人 韓国・北朝鮮
15 タミル語 7,400万人 インド・スリランカ・シンガポール・マレーシアなど
16 ベトナム語 7,000万人 ベトナム
17 テルグ語 7,000万人 インド
18 マラーティー語 6,800万人 インド
19 ウルドゥー語 6,100万人 パキスタン
20 イタリア語 6,100万人 イタリア・サンマリノ共和国・バチカン市国
21 トルコ語 6,000万人 トルコ・ブルガリア
22 ポーランド語 5,000万人 ポーランド
23 グジャラート語 4,600万人 インド・ウガンダ・ケニア・パキスタン
24 ペルシア語 4,600万人 イラン・タジキスタン
25 タイ語 4,600万人 タイ王国
26 ウクライナ語 4,500万人 ウクライナ
27 マラヤーラム語 3,600万人 インド
28 カンナダ語 3,500万人 インド
29 アゼルバイジャン語 3,300万人 アゼルバイジャン
30 オリヤー語 3,200万人 インド




人口が世界一多い中国のトップは揺るぎません。2位は先進国が多い英語、3位はあと5年(2027年)もすれば人口が世界一になるとされているインドのメインに使われている公用語のヒンディー語、4位スペイン語、5位アラビア語と続き、日本国内でしか使われない日本語は9位です。

日本は島国で、他国に長期支配された歴史がなく、バイリンガルは珍しい才能とされていますが、多くの国では隣国や支配国、経済関係の影響で一般市民がバイリンガルやトリリンガルというのは珍しくありません。

つまり、母国語とする人口ではわからない、実際に話されている言語とその人口を調べたのが下記の表です。

出典はWorldAtlasの「What Are The Most Spoken Languages In The World?」です。

世界でよく話されている言語と人数
1 English(英語)  11億3,000万人
2 Mandarin(北京語) 11億2,000万人
3 Hindi(ヒンディ語) 6億1,500万人
4 Spanish(スペイン語) 5億3,500万人
5 French(フランス語) 2億8,000万人
6 Standard Arabic(アラビア語) 2億7,400万人
7 Bengali(ベンガル語) 2億6,500万人
8 Russian(ロシア語) 2億5,800万人
9 Portuguese(ポルトガル語) 2億3,400万人
10 Indonesian(インドネシア語) 1億9,900万人
11 German(ドイツ語) 1億3,500万人
12 Japanese(日本語) 1億2,600万人

さらに、現在世界中で必要不可欠になってきているインターネット上で使われているコンテンツの言語の割合を示すのが下記の表とグラフです。

webコンテンツ使用言語順位(2015年、出典:ドイツのリサーチ会社Statista社
 1 英語  54.4%
2 ロシア語 5.9%
3 ドイツ語 5.7%
4 日本語 5.0%
5 スペイン語 4.7%
6 フランス語 4.1%
7 ポルトガル語  2.6%
8 中国語 2.2%
9 イタリア語 2.1%
10 ポーランド語 1.9%
その他 11.4%

意外なのは、ロシア語が2位(5.9%)を占めているのに対し、同じ社会主義国で、人口世界一の中国語が8位(2.2%)に留まっていることです。

2015年のデータで古いせいかもしれませんが、中国でインターネットが普通に使える都市部の富裕層やインテリ層は、最初から英語で使っているのかも知れません。インターネット利用者としては中国人が一番多いそうです。

日本語はドイツ語に続き5位に位置していますが、これからさらに増えていく要素はなく、逆に中国やインド、その他アジアやアフリカ諸国の使う言語に次々と抜かれていくのは目に見えています。

最後に、地理、地勢、経済、コミュニケーション、知識とメディア、外交などをポイント化して、各言語をランキングしたものを2016年と2050年予測で比較したレポートがフランスのビジネススクールINSEADから「Power Language Index ranking」として発表されています。

2016年 2050年
LANGUAGE NATIVE(MM) SCORE LANGUAGE NATIVE(MM) SCORE
1 English 446 0.889 1 English 541.6 0.877
2 Mandarin 960 0.411 2 Mandarin 940.5 0.515
3 French 80 0.337 3 Spanish 589 0.345
4 Spanish 470 0.329 4 French 88.4 0.325
5 Arabic 295 0.273 5 Arabic 494.1 0.295
6 Russian 150 0.244 6 Russian 134.1 0.242
7 German 92.5 0.191 7 German 88.6 0.155
8 Japanese 125 0.133 8 Portuguese 273.4 0.149
9 Portuguese 215 0.119 9 Hindi 489.1 0.138
10 Hindi* 310 0.117 10 Japanese 106.1 0.11

世界で影響力のある言語として、2016年も2050年も1位は英語、2位が中国語と変わりませんが、3位にスペイン語が4位から上昇、日本語は8位から10位へと下げています。

ちょっと意外なのは、アラビア語(Arabic)で、順位は5位で変わりませんが、2016年にはネイティブ人口が2億9,500万人だったのが2050年には4億9,410万人と167%もの増加です。これは人口増加が顕著なインドのヒンディー語ネイティブの増加率158%をも上回っています。

これから新たな言語を勉強するなら、大きな将来性がありそうなアラビア語かも知れませんね。難しそうですけど。

【関連リンク】
1598 日本と世界の平均気温
1597 民主主義対非民主主義、勝つのはどっちだ?
1479 世界電子政府ランキングと徴兵制
1453 ビザなし渡航できる最強パスポートは日本が3年連続世界一
1423 世界と日本の宗教別信者数
914 殺人事件の国際比較
777 成人の力 国際比較
728 対外資産残高22年間世界一ということ



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1632
世界の中心で愛を叫んだけもの(ハヤカワ文庫 SF) ハーラン・エリスン

奇才のSF作家と言われている著者の短篇集で原題は「(The Beast that shouted Love at The Heart of The World」とほぼ直訳のタイトルです。

最初このタイトルを見たときは、セカチュー人気にあやかって変な意訳にしたなぁーって勝手に思っていたら違いました、すみません。

著者はこうしたSF小説から、テレビドラマの脚本家として、「宇宙大作戦」や「アンタッチャブル」「ルート66」など多くの作品も手がけている多彩な方です。

この短篇集に収録されているのは下記の15篇です。

・世界の中心で愛を叫んだけもの(The Beast that shouted Love at The Heart of The World)
・101号線の決闘(Along The Scenic Route)
・不死鳥(Phoenix)
・眠れ、安らかに(Asleep: With Still Hands)
・サンタ・クロース対スパイダー(Santa Claus VS. S.P.I.D.E.R.)
・鈍いナイフで(Try A Dull Knife)
・ピトル・ポーウェブ課(The Pitill Pawob Division)
・名前のない土地(The Place with No Name)
・雪よりも白く(White on White)
・星ぼしへの脱出(Run for The Stars)
・聞いていますか?(Are Your listening?)
・満員御礼(S.R.O.)
・殺戮すべき多くの世界(Worlds to Kill)
・ガラスの小鬼が砕けるように(Shattered like A Glass Goblin)
・少年と犬(A Boy and His Dog)

SFですから、ふざけたものから、割とシリアスなものまで様々ですが、あまり真面目なリアリストが読むと混乱するというか嫌になって放り投げたくなるかも知れません。

というのも、1950年代から1960年代にかけて書かれた作品なので、最近書かれた現代のSFというイメージとはかけ離れています。それだけに「50年代にそこまで考えたか?」と読み込むとなかなか深いですが。

それだけに感想を書くのも難しく(よくわからなかったということもある)、おそらく数回読み込まないとちゃんとした感想や書評は難しそうです。

個人的には一番まっとう?な、ラストの「少年と犬」が一番面白かったです。最後はちょっとブラックでしたけど。

60年以上も経っても、異国(日本)で読み継がれている作品だけに、中身は確かそうです。よくわかりませんが。

★★☆

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

溺レる (文春文庫)  川上弘美

1999年に単行本、2002年に文庫化された短篇小説集で、伊藤整文学賞を受賞しています。

短篇は、「さやさや」「溺レる」「亀が鳴く」「可哀相」「七面鳥が」「百年」「神虫」「無明」の8編で、いずれも明快ではない純文学風です。

個人的には、こうした少し風変わりと思える女性から見た恋愛観や性愛などについては理解できない点も多く難解ですが、一般教養?として読み続けています。

著者は私と同年代ですが、書かれたのが23年前ということもあり、40代になり中年域にかかってきた様々な葛藤と複雑な心境(例え著者にはなくとも私にはあった)を言葉にしたものかなぁというのが感想。

この年代というのは、経験もあるし諦めもあって微妙な心理状態な時期です。そうした中での男女の機微を読むと、「そうなんだ」とか「それはないかな」とか様々な思いがよぎります。

★★☆

著者別読書感想(川上弘美)

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

生きている理由 (講談社文庫) 松岡圭祐

著者の作品の中では義和団事件の「黄砂の籠城」や、キスカ島撤退作戦の「八月十五日に吹く風」など、実際にあった歴史上の事件や作戦を元に小説仕立てにした作品がとても面白く、次いでこの清朝崩壊後の歴史を下敷きにしたこの小説を読みました。

2017年に文庫で刊行された長編小説で、崩壊した清朝の王家の娘が子供の頃に日本の家庭に養女としてだされ、その後日中両国で様々な話題を提供することになる日本名川島芳子の少女時代の物語です。

川島芳子は、清朝の第10代粛親王善耆の第十四王女で、本名は愛新覺羅顯し(あいしんかくら けんし、最後の「し」は王偏に子)です。後に「男装の麗人」とか、「東洋のマタ・ハリ」とか、呼ばれることになり、最後は当時中国を支配していた中華民国に捕らわれ、売国奴として死刑に処されます。

この小説では、満蒙独立運動の先駆者で粛親王と親しかった日本人の川島浪速に8歳の時に引き取られ、表向きは川島家の養女となりますが、なぜか籍は入れずに清朝の皇族のままで育てられます。

理由は、いずれモンゴル人で満州国の軍人に清朝皇族として嫁がせ、そこで清朝王国を復興させようという目論見からでした。

そうした政略結婚(のち離婚)後の華々しい活躍と悲惨な最期はこの小説では出てこず、少女の頃に日本で様々なことが起きたことをフィクションとして書かれています。

先に挙げた歴史小説と比べると、ちょっと奇想天外、松本聯隊のの下級将校が東京においても付きっきりでガードしたり、日本の街中で相続した黄金の駒を中国人と奪い合いで派手な銃撃戦が展開されるなど、無理なところが目立ってしまい、ちょっと残念に思います。

その後の川島芳子を描いた続編が予定されているそうですが、まだ出てなさそうです。

★★☆

著者別読書感想(松岡圭祐)

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

ミーナの行進(中公文庫) 小川洋子

2006年に単行本、2009年に文庫化された長編小説で、2006年に谷崎潤一郎賞を受賞しています。

著者の作品では「博士の愛した数式」だけを読んでいます。その小説を読んだ後、寺尾聰や深津絵里らの出演する同名の映画も見ましたが、とても良い心が穏やかな気分になる作品でした。

この作品は最初は母子家庭の主人公の女子中学生が、母親の仕事の関係で、2年間芦屋住まいでお金持ちの叔母夫婦の元に預けられるという設定で、なにか陰湿なイジメにでも遭うような話しなのかな?と身構えましたが、まったく見当外れで、心が洗われるような話しで良かったです。

その主人公が居候させてもらう芦屋の豪邸には、叔母夫婦と、その娘、叔父の母親でドイツ人の老婆の4人の他、住み込み家政婦で実質的に家事全般を仕切っている老婆、通いの庭師でもあり飼育しているコビトカバの世話係の男性が主要な登場人物です。

時代は、著者の年齢にほぼ合わせている感じで、1972年~1973年頃に中学生時代を送っているその時代の頃の話です。

タイトルのミーナとは、主人公の叔母夫婦の娘で小学生の美奈子のことで、喘息もちで身体が弱く、学校以外は滅多に外出しない少女。

そして通学など外出するときには、クルマの排気ガスが苦手なので、コビトカバの背中に乗って移動することが多いという変わった子供です。

どちらかと言えば貧しい家庭の子だった主人公が、いきなり上流社会、しかも家族に外国人がいる家庭で暮らす毎日は刺激的で、しかもその家族の中で大事にされ育てられます。

淡い恋や、ミュンヘンオリンピック(1972年9月)での男子バレーボール日本代表チームの活躍など、様々な出来事が散りばめられていて、退屈しない面白い作品でした。

★★☆

著者別読書感想(小川洋子)

【関連リンク】
 4月前半 蜜蜂と遠雷(上)(下) 、となり町戦争、連続殺人犯、追想五断章
 3月後半 虹色天気雨、老いた家 衰えぬ街、冷たい校舎の時は止まる、ドリーム・ハウス
 3月前半 思いつきで世界は進む、つまをめとらば、ガッツン!、真昼なのに昏い部屋

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1631
1960年代の子供の頃、お米を買うときは、米穀販売の許可を受けた米屋さんで買うのが慣わしでした。米屋さんは配達もしていましたが、うちは家から歩いてすぐのところに米屋さんがあったので、いつも買いに行ってました。

その米屋さんへお使いに行ってお米などを買ってくるのも子供達の仕事で、その時に米屋さんだけに置いてあるプラッシーを一緒に買ってもらえるのが楽しみでした。

当時、オレンジジュース(と言ってもオレンジ果汁は入っていないものでしたが)と言えば、小売店や自動販売機で売っていたファンタかバヤリース、チェリオ、ミリンダあたりが定番でした。

そこに、プラッシーという、ちょっと変わったミカンの皮というか正確にはミカンパルプ(ミカンの絞りかす)がビンの中で漂っている不思議なオレンジ飲料として子供心には興味津々でした。

このプラッシーは当時は米屋さんでしか買えず、どうして?と謎でした。

理由は製造をおこなっていた武田食品工業(武田薬品工業の子会社、現ハウスウェルネスフーズ)に、当時は小売店へ卸す流通ルートがなく、ビタミン強化米で既に流通ルートがあった米穀店ルートで販売することになったということです。

また米穀店からお米を配達してもらうときに、24本入りの重いビン入りプラッシーをケースで買ってもらい一緒に配達するという戦略でした。

そのプラッシーも、食糧管理法改正や見直しで、お米を米穀店以外のスーパーなどで買うことが多くなってきた1980年代には苦境に陥り一旦販売休止となります。

しかしあの独特な味わいのプレッシーの再販を求める声があり、1998年からコンビニやスーパーでも買えるよう流通網を整備した上で再販が開始されました。

その時にはオレンジだけでなく、アップルやグレープ、サワーなどバリエーションも増え、地味ながらそこそこの人気を得ていました。

私も、好きで時々買っては子供の頃に好んで飲んでいたことを思い出したものです。

ところが、知らなかったのですが、このプラッシーとそのシリーズ製品(プラッシー1000)は昨年2021年3月で製造中止となっています。

理由は不明ですが、やはり販売量が計画通りにはいかなかったのではないでしょうか。

私のように子供の頃から親しんだ世代がすでに高齢者となり、好んでジュースを買わなくなっています。

では、今はオレンジジュース飲料ではなにがよく売れているかと言えば、「なっちゃん」や「トロピカーナ」、そして古くからある「バヤリース」「POMジュース」などです。

私も毎朝飲むオレンジジュースは、もっぱらトロピカーナの果実100%ジュースです。牛乳と半々で割って飲むと、毎日でも飽きずに美味しく飲めます。

強力な競合製品が多く、消費者の健康志向にうまく乗っかれなかった感じがします。

それにやはり、日本コカコーラやアサヒ飲料、キリンビバレッジなどが大資本をバックに囲い込みで小売りや自販機販売を強化するのに対して、そうした多様な販売手法にまで手が出せなかったのが痛手でしょう。

いずれにしても、飲むと子供の頃を思い出す、感慨深い味のプラッシーが飲めなくなってしまったのはちょっと残念です。

【関連リンク】
1607 代表的なB級ファストフードの価格推移
1426 物知りと語彙力
1269 子供時代によく見たテレビと漫画一覧

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少し前にお笑いタレントの千原ジュニアさんが「人工股関節手術を受けた」という動画をアップされていました。

私は2016年と2017年の2回人工股関節置換手術を受けていますが、千原さんも私と同じ「変形性股関節症だったのかな?」と思っていたら、そうではなく「特発性大腿骨頭壊死症」という厚生労働省指定の特定疾患だそうです。

私も人工股関節置換手術を受けた後には、その後、同様な症状で悩む方向けにと動画ではなくブログで書いておきました。

1033 変形性股関節症の人工股関節全置換手術(1)

私の場合、年々ひどくなる足の痛みの原因がわからず、様々な病院をハシゴしても不明で、それが股関節由来だとわかったのが松本人志さんの「股関節唇損傷による痛みから骨切り手術をした」という話題が出た2010年のことで、こうした有名人がそれぞれの病気のことを詳細に公表することで、同じような症状や治療や手術などについて理解が進み、たいへん良いことだと思いました。

千原ジュニアさんの手術はうまくいき、1週間で退院、2週間目には自分でクルマを運転してスタジオ入りし仕事に復帰されています。

私の時も術後の経過は良く、術後8日目に退院、2週間後には満員の通勤電車に乗り(杖をつきながら)会社へ通勤しました。

20年ぐらい前の人工股関節置換手術だと、1ヶ月は入院し、さらに1ヶ月リハビリに努め、仕事復帰は3ヶ月目とか言われていたことからすると隔世の感があります。

私が手術した病院でも私が手術を受けた後に、新たな手術用ロボティックアームが導入されていました。使ってもらえず残念。

1478 人工股関節手術の定期検査

これで執刀医の経験と技術の差はかなり縮まり、手術時間も短くなって身体への負担も少なくなりそうです。

千原ジュニアさんの手術の模様(入院、術後、2週間後)の3本の動画を載せておきます。

舛添要一元都知事の1ヶ月間の大名豪華VIPルームへの入院&人工股関節手術&公用車で湯河原の別荘通いとは違い、同様の病気で悩んでいる一般の人にはたいへん参考になります。

千原ジュニアYouTube

【ご報告】難病の手術で入院する事になりました。


手術が終わりました。ありのまま色々と報告します。


人工股関節手術から2週間後の男の経過報告


【関連リンク】
1367 進化する人工股関節置換手術
1175 人工股関節手術のその後とまとめ
1582 人工股関節置換 右側5年 左側4年定期検査


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