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1885
密売人(ハルキ文庫) 佐々木譲

密売人
2004年の「笑う警官」以来「北海道警シリーズ」として続く第5作目で、2011年に単行本、2013年に文庫化されました。その1作目から4作目まではすでに既読です。

主人公は、過去作から引き続き登場している北海道警の刑事と仲間のメンバーで、それぞれが別々の事件に遭遇する中、お互い情報交換をするうちに、被害者達に共通する点があり、独自に動いて調べ始めます。

今回も、腐敗した北海道警の負の遺産という構図ですが、暴力団や、エスと言われる警察への情報提供者、過去の道警幹部の行いなどが次々と明らかになり、警官OB達にこれらの事件の本質を聞くことになります。

こうした小説を書かれると、現場にいる北海道道警の内部の人達はどういう思いをしているのだろう?と考えてしまいますが、きっと苦々しく思う人もいれば、まったく意に介さぬ人、警察官採用に苦慮する人、単にフィクションとして楽しめる人など様々でしょう。

でもどうして道警ばかり叩かれる?と腹を立てている人が多そうな気がしますが、2002年に発覚した現職の警察官が覚醒剤の使用・所持・密売、さらには拳銃の不正所持に関与した「稲葉事件」や、2003年に発覚した警察幹部が大量に処分された「北海道警裏金事件」の影響が大きいのでしょう。

しかし小説のほうは、予定調和で、たいした波乱もなく、無事に落ち着くところに落ち着くので、安心して読んでいられます。

★★☆

著者別読書感想(佐々木譲)

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

春を背負って(文春文庫) 笹本稜平

春を背負って
2009年から2010年にかけてオール讀物に連載された連作短篇集で、2011年に単行本、2014年に文庫化されています。

さらに、内容や舞台はだいぶ変わっていますが、2014年に木村大作監督、松山ケンイチ主演で映画化がされています。

事故で亡くなった父親が始めた奥秩父の山小屋が舞台で、東京でエンジニアをやっていた主人公が会社を辞めてそこの経営を引き継ぎ、成長していくという物語です。

特に素人同然の主人公をサポートしてくれる父親にお世話になったという後輩で、山小屋が閉まっている冬期は東京でホームレスをやっているオヤジがいい味を出しています。

映画では豊川悦司がその役を演じていますが、容易にイメージが想像ができて面白そうです。

こうした山岳登山をテーマにした小説は様々ありますが、個人的にはまったく縁遠いというか、趣味の範疇には入っていませんが、一種の憧れもあるので興味はあり、面白く楽しめました。

過去には北村薫著「八月の六日間」(2014年)や、NHKでドラマ化もされた湊かなえ著「山女日記」(2014年)などを読みましたが、まったく知らない登山や山歩きの世界の話だけにどれも興味がわきました。

山岳小説と言えば真っ先に出てくる新田次郎氏や夢枕獏氏の山岳小説、その中でも特に有名な「劒岳 点の記」(1981年)や「神々の山嶺」(1997年)はまだ読めていません。

人類初のエヴェレスト初登頂を果たした登山家ジョージ・マロリーを描いたジェフリー アーチャー著の「遥かなる未踏峰」は、既に読んでいます。

13年前には、趣味としての登山について、ブログを書いていました。

第三次登山ブームが起きたわけ 2013/7/20(土)

あと、地方で父親の事業を継いだ若者の奮闘と成長話という点では、風力発電事業に関わる北海道の過疎地で働く主人公を描いた高嶋哲夫著「風をつかまえて」を思い出しました。

★★☆

著者別読書感想(笹本稜平)

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

ダーク・アワーズ(上)(下)(講談社文庫) マイクル・コナリー

ダーク・アワーズ
原題は日本語タイトルと同じ「The Dark Hours」で、米国では2021年に、日本語版は2022年に発刊されています。

「女性刑事レネイ・バラードシリーズ」の4作目ですが、同時に別シリーズの主役、ハリー・ボッシュも私立探偵としてですが、刑事のパートナーとして登場しています。

ボッシュは警察を定年で退職していますから、今後の主役は現役刑事のバラードがメインになっていくのかも知れません。やはり事件解決は探偵より刑事の方が深みに入っていけますから。

今回の事件は、並行して二つの犯罪、つまり「二人組の連続レイプ魔事件・ミッドナイト・メン」と、もうひとつ「年明けのカウントダウンストリートパーティでの殺人事件」を女性刑事がボッシュの力を借りながら独断で調べていくという内容です。

時は2020年の12月末から1月頃にかけての話なので、コロナ禍の真っ最中ということや、大統領選挙の結果に不満を持つ集団が議事堂を占拠した事件、警察官に押さえつけられた黒人が死亡したことに抗議する「Black Lives Matter(ブラック・ライブズ・マター)」運動など、当時の世情も反映されています。

通常刑事はコンビを組んで捜査をするはずですが、経費削減や、仕事にやる気がない同僚たちとは言え、なぜかいつも単独で行動しているのがちょっと不思議です。

殺人現場で見つけた薬莢が、過去にボッシュが担当した未解決事件で使われたものと同じと言うことがわかり、ボッシュにその時の話を聞くため近づき、同時に元ベテラン刑事だったボッシュから様々なアドバイスや協力を得ることになります。

犯人に近づいたことで、送り込まれた殺し屋に自宅で寝ている時に襲われますが、それ以外で今回は特に大きな失敗や危険はなく、予定通り(予想通り)に、別々の二つの事件は解決に向かいます。

意図してかどうかはともかく、2名のレイプ犯を罠にかけるため、上司から自宅謹慎を命ぜられていることに背くため、警官を辞職する届けをメールで送り、犯人を待ち伏せ、正当防衛で殺害するという方法をとります。

上司の命令に背き動き回り、私立探偵の拳銃で犯人を追い詰め射殺したことで、大きな問題を犯したことは間違いなく、果たして好きだった刑事の座を手放すことになるのか?というのがポイントです。

★★☆

著者別読書感想(マイクル・コナリー)

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

届け物はまだ手の中に(光文社文庫) 石持浅海

届け物はまだ手の中に
2013年に単行本、2015年に文庫化された長編ミステリー小説です。

いきなり最初に、主人公が、復讐のためにある男を殺したことが示され、その後、様々なミステリアスなことが起きていき、その謎を解いていくというちょっと変わったスタイルです。

その殺人をおこなったのはある子供の頃の恩人を交通事故で殺め、親の金の力で反省もせず軽微な罪で許されたことに対する復讐のためです。

当時は同様に復讐を誓っていた親友が、学生時代に起業し、それで大成功を収め、社長として裕福になっていて、一緒に約束したはずの復讐を反故にしたことで、自分ひとりで犯人を殺しそれを友人に突きつけようと、その友人の家にやってくるところから始まります。

復讐を遂げた後、主人公は親友の家を訪れますが、その時その親友の子供の誕生パーティがおこなわれていて、それに加わります。肝心の友人はどうしても手が離せない緊急の仕事が入り、パーティには参加していません。

パーティには、友人の妻と妹、それに友人の秘書の女性3人と、パーティの主役の小学生の息子が参加していて、一見和やかなムードですが、なにか違和感がつきまといます。

その違和感を最後に説明していくことになりますが、探偵小説のように細かな齟齬を積み重ねていき、友人家族や秘書の嘘を見破っていくことになります。

殺人者が、探偵役?というなかなか今までにない面白いスタイルでしたが、あまりにも軽いノリで、リアリティは薄すぎます。

★★☆

著者別読書感想(石持浅海)

【関連リンク】
 3月後半の読書 眼球堂の殺人、殺し屋、続けてます。、.月に吠えろ!萩原朔太郎の事件簿、誰も書かなかった日本史「その後」の謎
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1884
造船工場個人的にはアメリカ大統領のトランプ氏は発言を聞くだけで嫌悪感を覚えるぐらい嫌いな人ですが、ひとつだけ日本がいま見習うべき、すぐにでも実行すべき政策があるように思います。

それは、過去にアメリカが製造業を労働力の安い外国に依存してきたことが、現在のアメリカの国力弱体の原因であることを主張し、アメリカファースト、つまりMAGA(Make America Great Again)を目指すために、アメリカ国内に製造業を取り戻そうとする政策です。

日本も1970年代から1980年代に経済が急成長し、1990年頃からアメリカを見習い、国内の製造業を次々と人件費の安い中国や東南アジアへ移してきたその結果が、1990年以降の失われた30年になってきたことは明らかです。

製造業が相次いで海外へ技術移転し始めた90年代には「日本の産業の空洞化」を心配する声がありましたが、まさにその通りになったということです。

冷戦が終結してから、グローバルなサプライチェーンを構築し、安く作れるところから買えば良いという合理的な考え方が進みましたが、カントリーリスクについては見て見ぬふりをしてきました。

その結果、レアメタルの規制でもの作りに支障が出てきたり、国内の技術が流出したことで、技術移転を進めてきた国々に多くのシェアを奪われてしまうと言う結果になっています。工場がなくなったために、国内の技術の蓄積と技術の伝承も薄れてしまっています。

例えば、製造業の基礎ともなる粗鋼生産量の推移を見ると、1970年頃までトップだった米国を1980年に日本が追い越して世界一になりましたが、その16年間維持してきたトップの座は、1996年に中国に抜かれてしまい、2018年にはインドにも抜かれてしまいます。

下記のグラフでもわかるとおり現在の粗鋼生産量は中国が他国を圧倒していて、日本は中国の生産量の1割にも達しません。さらに2025年は米国の政策により、再び米国にも抜かれて4位へ転落しています。

粗鋼生産量

日本の製鉄には特殊な技術で高品質な製品を生み出すという特徴もあるので、必ずしも生産量だけで国力や収益性を比較することはできませんが、それにしても年々下落して落ち目もいいところです。

その中国の製鉄産業に技術支援で力を貸したのは、言うまでもなく1970年代後半頃から始まった日本(新日本製鐵)です。

造船業も日本は1980年代には世界の建造量の半分のシェアを誇っていましたが、2000年頃には韓国に、2008年頃には中国に追い抜かれ、現在日本の建造量は中国の1/3ぐらいまでに下がっています。

造船建造量

その韓国は1975年以降の日本からの経済協力で得た資金をつぎ込み、国が主導し、競争力ある安い価格で受注を伸ばし、造船業を一躍世界トップに押し上げることになります。

半導体の生産も1980年代後半から1990年までは日本は世界トップを誇っていましたが、2013年には韓国に、2023年には台湾に追い抜かれています。

今や電子部品や家電製品で、世界シェアがトップクラスで、そのほとんどを国内生産ができているものと言えばエアコンとカメラなどの光学製品ぐらいになっています。

そしてメーカーブランドは日本の会社でも、実際の製造は外国に依存しているケースも多くあります。

そのエアコン(業務用含む)の世界シェアトップ企業は2020年頃まではダイキンが首位でしたが、2024年は中国の企業に抜かれ、3位以下もアジア企業で占められていてその追い上げも急速です。

テレビやパソコンは、2000年以降は日本製のものはほとんど皆無になってきていますが、冷蔵庫はまだ日本製が多いのでは?と言われそうです。

しかしそれは日本国内シェアだけの話で、冷蔵庫の世界シェアを見ると、日本メーカーは上位トップ5にも入りません。

asimo2000年に発表されたホンダの2足歩行ロボットASIMOは、当時としては「自律して二足歩行ができる画期的なロボット」としてもてはやされました。

ロボットの2足歩行はバランスをとるのが難しく、ただゆっくりと前進歩行ができるようになるまで巨額の資金をつぎ込める大企業のホンダでも10年以上の開発期間を要しました。

さらに軽く走ったりするためにはまた10年ぐらいの開発期間が必要でしたが、中国のロボット技術はわずか数年で2足歩行はもちろん、逆立ちや、バク転までこなすことができる急速な進歩を遂げています。

時代が違うのと、日本の1民間企業と、国が多額の支援しているかもしれない中国のベンチャー企業で比較は難しいですが、それでも開発スピードという点では中国企業は日本の数十倍の速さです。

Unitree Kung Fu Robot at 2026 Spring Festival Gala


人型ロボット技術は、人口減少と高齢化のため、労働力不足で悩む日本にとっては、本来ならバラ色の未来がある技術で、国を挙げて世界の最先端を走るべきものでしたが、今ではこの分野において、日本は世界から周回遅れと言わざるを得ません。

そうしたことから、再び日本の経済を再生するために今日本が真っ先におこなわなければならないことは、「製造業を再び日本に取り戻す」です。つまりトランプ大統領のMAGAの基本政策と同じことです。

人口減少が続く中で製造業を取り戻しても、労働者の確保が難しいのでは?と言われそうですが、昨今の製造業では無人工場のような多くの労働力に頼らない生産が主になりつつあります。

また、正しい移民政策や外国人労働者の受け入れ策の元で、外国人労働者を工場のオペレーション要員に雇い入れることもできるでしょう。一般的なサービス業と比べ言葉の壁や文化の違いで起きるトラブルも少なく、労働者の確保がしやすいはずです。

さらに工場や流通施設は都市部に作る必要はなく、過疎化が進む地方の再生にもつながります。

今なら円安で、労働賃金も国際相場からすると安くなっているので、様々な製造業を再び国内に戻す政策を国が積極的に進めれば、企業ももっと努力をして国際競争力のある製品、しかも過去に培った品質の高いジャパンブランドで世界に打って出ることもできると思います。

今の総理大臣が喜びそうな、防衛装備の生産と輸出にも、そうした日本の製造業の復活が必要です。

ロシアやイラン、ウクライナの戦い方を見ていても、アメリカから輸入しなければならない高価で過剰な性能を詰め込んだミサイル(トマホーク1発3億円)や戦闘機(F-35戦闘機1機140億円)ではなく、安く大量生産ができる無人兵器(無人自爆ドローン1機20万円、イランの無人ドローンシャヘド136は推定1機500万円程度)の開発力と生産設備のほうが現実的にずっと防衛に有効ということがわかりました。

それらを有事に備えて国内で即座に大量生産できるノウハウを蓄積することも、国内に製造業を取り戻すメリットがありそうです。

【関連リンク】
1658 家電製品の耐用年数は?
639 前からだけど日本の大手製造業はやっぱり変だぞ
611 海外移転で製造業の労働者はどこへいったのか?

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1883
眼球堂の殺人(講談社文庫) 周木律

眼球堂の殺人
2013年に講談社主催のメフィスト賞を受賞した作品で、これがメジャーデビュー作となります。文庫版は2016年に出版されています。

いわゆる著者の「堂シリーズ」の第1弾作品で、当初はシリーズを考えていたわけではなかったそうですが、この作品の評価が高かったことからシリーズ化が決まったそうです。

私は先にシリーズ5作目の「教会堂の殺人~Game Theory~」を読みました。

登場人物が重なることもあるようですが、それぞれのミステリーは独立しているので、特に大きな問題はなさそうです。

その「堂シリーズ」は、すでに

タイトル 副題 発行年
眼球堂の殺人 The Book 2013年
双孔堂の殺人 Double Torus 2013年
五覚堂の殺人 The Burning Ship 2014年
伽藍堂の殺人 Banach-Tarski Paradox 2014年
教会堂の殺人 Game Theory 2015年
鏡面堂の殺人 Theory of Relativity 2018年
大聖堂の殺人 The Books 2019年

の7作品が刊行されています。「堂シリーズ」は一応これで終わりだそうです。

著者は大学で建築学を学んだという経歴があることから、こうした変わった建築物をテーマにした推理小説がお得意ということで、不思議な建物とミステリーと言えばすぐに思い出されるのは前にも書きましたが綾辻行人著の「館シリーズ」と似ています。

主人公は、放浪する天才的な数学者を追いかけている女性のルポライターで、その数学者が有名建築家が新築したという自宅に招待されたことで、それに同行します。

数学者以外にその完全に隔離された山の中に建設された不思議な建築物に3日間の予定で招待されたのは、ノーベル賞受賞者の物理学者、絵画芸術家、精神医学者、政治家、編集者で、二日目の翌日から次々と殺人が起きていくことになります。

そして長い長い3日間が終わり、事件の謎が解かれた後にももうひとつ「真実」が残されているところは、驚きを隠せません。なかなかどうしてすっかりと騙されたという苦い思いが最後に待っています。

シリーズ以外にも多くの作品があるので、もっと読んでみたいと思える作家さんです。

★★★

著者別読書感想(周木律)

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

殺し屋、続けてます。(文春文庫) 石持浅海

殺し屋、続けてます。
2017年に出版された「殺し屋、やってます。」に続く「殺し屋探偵シリーズ」の第2弾で、2019年に文藝春秋に連載され、2021年に文庫版が出版された一部連作の短篇集です。

一部連作というのは、今回ちょっと前作とは違い、ライバルの殺し屋が登場し、それぞれの活躍?と見知らぬ関係ながら、関わりを持っていくことになります。したがって主人公は各話によってそれぞれの殺し屋、最後は二人の殺し屋ということになります。

その「殺し屋探偵シリーズ」は3作目「女と男、そして殺し屋」(2024年)、4作目「夏休みの殺し屋」(2025年)の計4作品が既刊です。

収録されている短篇のそれぞれタイトルは、「まちぼうけ」「わがままな依頼人」「双子は入れ替わる」「銀の指輪」「死者を殺せ」「猪狩り」「靴と手袋」の7篇です。

「晴らせぬ恨み 晴らします」とばかりに現代の「必殺仕事人」とも言えますが、こちらの殺し屋にとっては必殺シリーズと違い、依頼人の恨みや、やむにやまれぬ事情は関係なく、金が確実に得られ、そして仕事がたやすくできるかどうかが肝心との割り切りがあります。

いとも簡単にターゲットを尾行し、行動パターンをつかみ、そして実行していますが、小説の中での話で、現在はあちこちに防犯カメラがあり、人気のないところで長時間の張り込みをしている不審な人を見かけるとすぐに通報されたりするので、そう簡単なものではないでしょう。

ま、そういうリアルなことは小説ですから考えないとして、もっとも難しく思えるのが、殺しを引き受ける広告(営業)と、依頼人から直接話を聞く1次取り次ぎ者までのところかも知れません。その仕組みも「猪狩り」で少しだけ書かれていました。

しかし依頼人がその「殺人請負」の仕組みをなんらかの方法で知ることができると言うことは、警察や他の一般人が知っていても不思議ではないということで、当然、囮捜査の可能性も考えなきゃなりません。

そういった現実性に乏しいことから、いまいち感情移入がしにくい内容です。

★☆☆

著者別読書感想(石持浅海)

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

月に吠えろ!萩原朔太郎の事件簿(徳間文庫) 鯨統一郎

月に吠えろ!萩原朔太郎の事件簿
2003年にノベルスとして、2007年に文庫版が出版された連作短編の推理小説です。

タイトルや副題からもわかる通り、詩集「月に吠える」が有名な大正から昭和初期頃に文壇で活躍した詩人、萩原朔太郎を主人公とした連作短篇小説です。

収録作品は、 「死者からの手紙」 「閉じた空」 「消えた夢二の絵」 「目の前で消えた恋人」 「ひとつの石」 「怪盗対名探偵」 「謎の英国人」の七篇です。

面白いのは、ひとつの事件を解決したあとに、その事件をイメージさせる実際にある萩原朔太郎の詩を挙げて、もちろんフィクションですが、事件からインスピレーションを得たものと匂わせていて、そのあたりは著者の創造力や作品への造詣が深いことがよくわかります。

こうした歴史上の人物を主人公にした小説が好きで、学生時代に教科書に出てきた有名人は実際はどういう人だったんだろう?と思いをはせながら読めます。

登場人物は、萩原朔太郎がホームズ的な探偵役で、語り手としてはその助手的な役割のワトソン役として萩原朔太郎と仲が良かった室生犀星です。

その他、室生とともに一緒の詩人グループ団体「人魚詩社」を作っていた山村暮鳥や、師匠的な北原白秋、「消えた夢二の絵」に登場する竹久夢二本人など。この時代には蒼々たる芸術家が出ています。

また「人魚詩社」が大正時代に実際にあった場所は、淀橋の七曲がりという地域(現在の東京都新宿区下落合)で、それから連想させるように「月に吠えろ!」というタイトルにも笑ってしまいました。もちろん人気テレビドラマ「太陽にほえろ!」と萩原朔太郎の代表作をミックスしてパロディにしています。

★★☆

著者別読書感想(鯨統一郎)

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

誰も書かなかった日本史「その後」の謎(中経の文庫) 雑学総研

誰も書かなかった日本史「その後」の謎
著作者の雑学総研というのは、聞いたことがなく、匿名にしたい任意の団体か、仮のグループ名のような気がしますが、書籍には「珍談奇談の類から、学術的に検証された知識まで、種々雑多な話題をわかりやすい形で世に発表する集団」とあります。実際に存在が確認できずよくわかりません。

2014年に出版された文庫ですが、角川グループの中経出版が編集し、KADOKAWAが発行しています。

全部で146ものエピソードがわかりやすく簡素に書かれていて、読みやすいのはいいのですが、様々な時代(飛鳥時代~昭和時代)が行ったり来たりして、時代感覚が狂ってしまいそうです。

例えば、「明治維新後、徳川宗家はいったいどうなった?」の次が、「大化の改新後、蘇我氏の子孫は実は栄えていた?」で、その次には「坂下門外の変のあと、老中・安藤信正はどうなった?」というような感じです。

その他にも、史実と違って「本当は生き延びていた?」という話も豊富です。

「壇ノ浦に消えたはずの安徳天皇は生きていた?」
「ロシア皇太子と一緒に帰国?生存説が根強かった西郷隆盛」
「日本全国に生存説が!真田幸村はどこで死んだのか?」
「実は生き延びていた?忠興の妻・細川ガラシャ」
「生存説も根強かった東洋のマタハリ川島芳子」
「新撰組組頭・原田左之助は満州で馬賊になっていた?」
「ヨーロッパ逃亡説もささやかれる大塩平八郎のその後」
「琉球へ流れ着いた源為朝、子孫は琉球王国の初代王に?」
など。

単なる噂話だけでなく、古い文書や手紙、石碑などからも検証していて、説得力は?ですが、面白い話です。

ただあくまで、下世話でどうでも良さそうな雑学レベルのものが多いのと、あまり有名ではない(私は知らなかったというだけであるところでは有名なのかも知れません)人物、例えば大川周明や林子平、川上貞奴、飯沼貞吉、聖武天皇、谷干城、河口慧海などの話は、雑学としては良いけど興味は薄いです。

暇つぶしには十分役立ちそうな良い本です。

★★☆

【関連リンク】
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 2月前半の読書 騙し絵の檻、日本のタブー3.0、日御子(上)(下)、この闇と光

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1882
桜
一般的なことですが、年をとってくると興味や関心が、ことごとく質や量ともに減少してきます。

まぁそれは必ずしも年齢的なことではなく、性格や人生観など様々な影響で左右されているのかもしれませんが、年齢は大きな要素です。

年をとると守りに入り新しいことにチャレンジしなくなるというのはよく言われることですが、それ以上に以前は関心や興味があったことでも、年齢を重ねていくにつれ、その関心度が一気に下がってしまうということをいままさに経験しています。

具体的には、以前なら政治や選挙については、人並み以上に高い関心がありましたが、今はまったく興味はなくなり、テレビで女帝に成り上がったかのように振る舞う政治家や、顔中シミとアザだらけの強欲の昭和オヤジというイメージの政治家、口先三寸で軽薄そうな政治家が次々出てくるのは見ているだけで鬱陶しく感じ、そういうテレビはすぐ消し、新聞は閉じてしまうようになりました。

もう政治にはなにも期待していないし、選挙権は行使するとしても、その結果や政策になんの興味も関心もなくなりました。

また印象操作と思えそうな北の将軍様とそれを称えるハイテンションなニュース映像と、繰り返し放送される共産国の派手な軍事パレード、寒い国で何十万人の戦死者を出しても好き勝手に軍事活動を続ける独裁者、自分の発言以外はすべてフェイクと決めつけ、それでいて自分の発言はデタラメと朝令暮改ばかりという愚かな大国のリーダーなど、それを詳しく知っても今の私には意味も興味もありません。

よく悩み相談なんかで、「自分の力でどうにもできないことを心配したり、クヨクヨ嘆いても仕方がない、無駄なだけ」というアドバイスが語られますが、確かにその通りで、日本政治や国際関係など自分の力でどうにもできない以上、なにも真剣には考えないのが正しい選択でしょう。必死になって政治家の応援をしたりSNSで過激な政治や戦争の行方の議論をしているのを見るとアホばっかりと思ってしまいます。

オリンピックシーズン中は日本人選手の活躍はどこのチャンネルでも、やれ家族との絆や、怪我との戦い、恩師との美しい師弟関係など、(テレビ局がそう思っている)感動シーンを目一杯に盛り込み、何度も繰り返しやっているので、以前ならこの時期は仕方ないとあきらめて眺めていましたが、最近はアナウンサーや解説者、キャスター達の大げさでハイテンションなしゃべりに嫌気がさして、オリンピック中継やそのニュースが流れるたびにテレビは消してしまいます。

つまり政治やスポーツ中継(落ち着いた静かな中継をしてくれるNHK BSのMLB中継は除く)は、結果だけわかればそれでよく、テレビも新聞もネットも必要を感じなくなり、これも年をとって様々なことからの興味が失われていくひとつだなぁと思いました。

情報が少なく貴重だった昔はそうじゃなかったんだけどなぁと思いながら、残り少なくなってきた人生で、自分に残された時間の使い方の取捨選択に拍車がかかってきたということです。取捨に拍車というのは韻を踏んでます。

この2月は、衆議院選挙があり、さらに続けて冬季オリンピックがあり、もうテレビを付けるとギャハハと下品に笑っているだけのくだらない売れない芸人を集めたバラエティ番組以外はそればかりやっていて、結局テレビを付けるのは、朝昼晩のニュースと天気予報以外には、過去に録画しておいた趣味の番組と(政治やスポーツ以外の)ドキュメンタリー、古い映画ばかりになってしまいました。

50歳以下の人には「まだテレビや新聞なんか見ているの?」と笑われそうですが、60代以上の人にとってテレビと新聞は唯一(唯二)と言って良い(正確かどうかは別にして)世の中で起きている大切な情報源であり、難しい話をわかりやすく短時間で伝えてくれるもので、なくてはならないものです。えぇ昭和に多くの時間を費やし、それが習い性となっているものですから。

リタイアするとやることがなくなり精神的に不安定になったり、暇なだけに妻に様々な面倒をかけるようになって熟年離婚という事態に陥ったりという話は、小説やドラマでよく出てきますが、私に至っては今のところ「やることがない」「暇を持て余す」ということはまったくありません。

妻はパートで今でも働いているので、できるだけ負担を分散し、現役中はやってなっかった家事もできるだけやり、その他の時間は趣味に没頭したり、ブログを書いたり、30~40年前に仕事で毎日歩いていた街の変貌を見るためカメラを持って歩いたりして楽しんでいます。虚勢ではなく本当に日々の時間が足りません。

また、リタイアする前に「やりたいことリスト」を作っておきました。これが意外と効果を発揮します。

これは映画「最高の人生の見つけ方」(2007年)で出てきた「棺桶リスト(Bucket List)」を模したもので、死ぬまでにやりたいことをリスト化しておいたものです。これが日々の目標にもなるので、リタイア前に作っておくことをお勧めします。

映画では「スカイダイビングをする」とか、「ピラミッドを見る」とか、「マスタングでレースに出る」とか、かなりハードルの高い、しかも自分の楽しみを中心とした「やることリスト」でした。

しかし私の場合は、そうした旅行など楽しみに加え、質素で現実的なあれこれ、「買って使わなかった家電やツール、趣味のモノをヤフオクに出品し売る」とか、「家のリビングのフローリングをDIYで張り替える」「BSアンテナをDIYで交換する」「18箇所近くある網戸をDIYで張り替える」など、実用的な「やることリスト」で、リタイア時には全部で20ほどのリストを作り、すでに8つほどは完了しています。

また、サラリーマン定年リタイア組の先輩、勢古浩爾氏が書いた「定年後のリアル」は、定年後にはこうなるというリアルな実態がよくわかり、定年前、現役引退前に読んでおくといろいろと参考になります。

日課としているウォーキングは、元々歩くのが好きで、現役中は歩いているときが一番頭が冴える時間で、仕事のアイデアや工夫などは歩行中に思いついたことが多かったです。

現在のウォーキングは、元々人工股関節手術の後に始めたリハビリの延長で、健康のために歩いていますが、ブログのネタはウォーキング中に考えたり思いついたものがたくさんあります。

関心事が減少してくることは、年をとると自然なことなので、それを少しでも遅らせるために、好きなことを無理なく続けたり、「死ぬまでにやることリスト」をひとつずつ消していく楽しみを課したり、家族のために自分が何ができるかを考えて実行したり、身近なことで残りの余生を楽しむので良いのではないでしょうか。

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カウントダウン(新潮文庫) 佐々木譲

カウントダウン
2008年から2009年にかけて雑誌連載されていた「二度死ぬ町」を加筆修正し、2010年に単行本、2013年に文庫化された長編小説です。

夕張市が財政破綻したのが2006年で、そうした厳しい北海道の自治体と地方政治を舞台として、やがて北海道に限らず、日本の多くの自治体が陥るであろう財政破綻について予言的な内容となっています。

選挙をテーマとした小説はよくあり、若い主人公が様々な老害や既得権益受益者からの妨害を受けながら奮闘していくというものばかりですが、この小説はそれだけでなく、夕張市を引き合いにした地方都市ならではの問題を突いています。

主人公は夕張市と双子市と言われている架空の地方都市で、亡くなった父親から引き継いだ司法書士事務所で働きながら1期目の市会議員として財政破綻の心配をしている男性。

二十年の長きにわたり取り巻きを増やし独裁的に振るまっている市長の6選を阻止すべく、主人公が立ち上がるわけですが、そのきっかけとなったのが、著名なやり手選挙コンサルタントが突然事務所に現れたことで、破綻寸前の市の市長になったところで、なにができるのか?と悩みながらも一歩踏み出す物語です。

過去の箱物行政や、市長の息子が経営する第三セクターのせいで、市町村の赤字が膨らみ、借金が財政の20%を超えると財政再生団体に指定され、国や都道府県の自治体から厳しい指導下におかれ、公共工事の停止や公共施設の廃止、住民税の増額、職員などの減数などがおこなわれます。

現在(2026年)までは夕張市だけですが、やがて日本の多くの市町村でこうした財政破綻が起きてくるのではないか?という問題提起でもありますが、夕張市の場合は、北海道庁とグルで負債を長く隠していたと言われていて、なかなか表面化しづらく住民にとっては寝耳に水ということもあります。

今後、高齢化した人口が大きく減少していく中で、老朽化した公共インフラの改修や、昔作った贅沢な公共施設の維持費など、すでに破綻が間近に見えている市町村もありそうで、そうしたところは、平成の大合併で生き残り策をとりましたが、今後はもしかすると都道府県単位での合併、つまり道州制などの導入も検討することになるかも知れません。

いずれにしても、北海道の地方都市の問題というだけでなく、未来の日本国全体の縮図として読むと背筋が凍るような思いがする小説です。

★★☆

著者別読書感想(佐々木譲)

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斬に処す 甲州遊侠伝(小学館文庫) 結城昌治

斬に処す
1971年に週刊アサヒ芸能で連載され、1972年に単行本、その後文庫化された時代小説です。

個人的には江戸時代の任侠ものや博徒についてはまったく詳しくないので、清水の次郎長などは名前ぐらいしか知らないので、その敵役で、この小説の主人公、黒駒勝蔵という博徒も当然知りませんでした。

通常は清水次郎長は強きをくじき弱きを助ける善玉の侠客で、敵対するヤクザの親分達は大悪人と相場が決まっていました。

しかし著者が調べたところ、幕末の混乱していた時代、要領よく立ち回った次郎長にうまくやられてしまったという図式で、侠客を名乗りつつ、やることは博打の元締めや時には役人の手先となって敵方のみならず仲間も平気で裏切りお縄にしたり謀殺しています。

結局は、どっちもどっちで、次郎長だけが善良とは言えず、逆に胡散臭そうではないか?という疑問から、この次郎長を敵役とした小説ができたそうです。

他にも、この主人公、黒駒勝蔵を称えるような小説があり、同様に考えて大悪人とされていた黒駒勝蔵の名誉回復に寄与した歴史家や作家は多そうです。

しかし結局は、江戸時代の博徒の時の殺人が、明治に変わった後に尾を引き、幕府を倒す新政府側の小隊長として功績を挙げながらも、タイトルにあるとおり「斬に処す」刑罰が下り、40歳の生涯を閉じます。

一方の敵役で要領の良い次郎長は、明治26年、当時としては長命の73歳で天寿を全うします。

★★☆

著者別読書感想(結城昌治)

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嫉妬/事件(ハヤカワepi文庫) アニー・エルノー

嫉妬/事件
著者は1940年生まれで元中高校の文学教員をしながら小説などを執筆してきたフランスの作家で、2022年にはノーベル文学賞が与えられています。

本著は、2000年と2004年にフランスで出版された中短編小説を合わせ、2004年に日本語翻訳版として出版されたものです。

他の作品を読んでいないので、他はどうなのかはわかりませんが、この収録2作品は、小説と言うより著者自身の実体験を元にした内容となっているそうです。

つまり、「嫉妬」は、40代の著者が主人公で、30代の愛人が別れを告げて別の女のところへ行ってしまったことをネチネチとストーカーじみた感情を吐露しつつ、相手の女性に嫉妬を募らせていくという話し。

もうひとつの「事件」は、著者がまだ学生だった時代、親元から離れ奔放な寮生活を送っていましたが、妊娠してしまいます。

しかし当時、1960年代のフランスでは中絶は違法で、本人も処置をした医者も罪に問われ懲役が科せられる重い犯罪でした。

そのため、闇で処置をしてくれるところを探し求めていくというかなりプライベートな話で、当時の日記をもとにして、当時の感情の動きや、心理描写が迫真に迫っています。

こうした自分のプライベートで、ナーバスな問題を作品のネタにする作家は時々見かけますが、ここまであけすけに、しかも創作ではなく当時の日記に書いていたことを元にしてリアル(っぽい)話の作品は初めてです。

性生活にオープンなフランス人独特の価値観などもあるでしょうけど、まず日本人作家(男女関わらず)は恥ずかしくてとても書けそうもない、つまり読むことはできそうもない新鮮な作品でした。

★★☆

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

プア・ジャパン 気がつけば「貧困大国」(朝日新書) 野口悠紀雄

昔若いビジネスマンだった時代(1990年代)には「「超」整理法シリーズ」などの実務で役立つ書籍でお世話になっていました。すでに85歳と言うことですがお元気そうでなによりです。

本書は2023年に出版された新書です。タイトルからわかるとおり、この数十年間の日本経済と政治の低落ぶりを各種のデータを元にこれでもかと披露しこの先を憂慮しているってことです。

2023年の刊行なので、コロナ禍があけてまもない今から3年以上前の日本の話ですが、それでも急速な円安や物価高、実質賃金の低下、国際競争力の劣化、高度専門家の海外流出、中国との関係、弱体化を進める補助金ジャブジャブなど、予言的な話もあり、なかなかジワッと身にしみてきます。

特に著者が批判をしているのがアベノミクスで、これが今の貧困大国のすべての元凶だったというような内容になっています。

私は違いますが、アメリカのトランプ大統領同様、安倍元総理の熱狂的な支持者やファンは日本には多そうなので、この新書で多くの敵を作ってしまったことでしょう。

今年にはそのアベノミクスの後継者を自認している新総理が誕生したので、著者もヤレヤレといったところでしょう。もちろん批判するばかりではなく、ちゃんと経済学者としての処方箋も書いてあります。

★★☆

著者別読書感想(野口悠紀雄)

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