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1011
2月に読んだ塚崎公義著「退職金貧乏 定年後の「お金」の話(祥伝社新書)」で、これは意外!とか、斬新な考え方だなぁって思ったことがいくつかあるので、備忘録的に。すべての人に当てはまるか、参考になるかはわかりませんし、私自身も100%これらの話しに同意しているわけではありません。

2月後半の読書と感想、書評 退職金貧乏 定年後の「お金」の話(祥伝社新書) 塚崎公義


この本は、ほぼ50~60代の既婚男性を対象とした「もうすぐやってくる引退(リタイア)に向けて老後資金をどうするか」って本ですから、若い人やすでにリタイア生活に入っている人にはあまり参考にならないかと思います。

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

◆生命保険、医療保険は不要
子供がすでに学校を卒業し、自活をしていれば、一家の大黒柱である父親が急死しても、家族の生活に大きな影響はありません。

父親名義の住宅ローンは死亡すれば残ローンは消え、遺族年金などが妻に支払われますから生命保険は不要という考え方です。

もし家族が大病した場合でも、健康保険に加入していれば「高額療養費制度」があるので、高額にならずに済みます。

たとえば年金生活者で年収310万円以下の人が支払う自己負担上限は57,600円になるなど、年収により負担する最高額が決まっています。

保険会社は「がん治療に医療費が○千万円必要!」とか「三大疾病に安心プラン!」と煽りますが、健康保険対象医療であればどんな高額医療であっても自己負担は数万円で済むのです。

もちろん保険対象外の治療や、特別な最先端医療、入院時は個室を希望するとか、お金が余っていればたんまり医療保険を支払うことで、より優雅で満足いく闘病生活がおくれますので、そのために加入するのは勝手です。

保険は確率論からすれば保険会社の経費や利益分があるので、加入者が必ず損をする仕組みです。

子供の扶養など責任が重い時期が終わり、老い先短くなった高齢者であれば、お金がたっぷりある人だけが入ればよいということです。

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

◆持ち家の火災保険は不要
火災保険は自宅が火災に遭って住めなくなった場合に、保険で自宅を再建したり、使えなくなった家財を買うためにかけておく保険ですが、一般的に住宅ローン支払い期間中は自動的に保険がかけられていて、ローンが終了すると火災保険も終了します。

したがって住宅ローンが終了する頃に、新たに火災保険に入るかどうかを考えるわけですが、その頃になれば子供達は巣立ち、不動産の持ち主はすでに高齢で、25~30年前に建てた古い家は日常生活にも不便になってくる時期でもあります。

なので、万が一火事で住めなくなったら、どうせ築20年を超す建物なんかに価値はないのだから、再建したり一部を修繕したりせず、さっさと土地を売り、その売ったお金で夫婦だけが暮らせる小さなマンションを買うか借りるかして移り住めばよいという説明です。

火事の怖いのは、隣家が出した火事が延焼した場合でもよほどの重過失が証明できない限り、火元から賠償は得られず、自己負担となることです。

つまり火事の後始末、撤去、整地、再建などもすべて自己負担でおこなうことになります。

それ故の火災保険ですが、高齢化して身体のあちこちが不自由になってくる夫婦が、新築の広い一戸建てに暮らすことが最善か?と考えると微妙でしょう。

地震保険は必ず火災保険とセットで加入しなければなりません。そして居住エリアによってかなり高額に設定されています。

近いうちに大地震が想定される太平洋側の南関東、東海、近畿、四国の一部地域は、その他の地域と比べると保険料が2~3倍も高くなります。

さらに地震保険は火災保険の補償の30~50%程度だけ補償される場合が多く、地震保険の補償金だけでは半壊、または全壊した家を再建することは難しいでしょう。

若い人なら不足分を新たな住宅ローンで組めますが、年金生活者だとそれも難しそうです。

こちらも火災保険と同様、地震保険は加入せず、地震で万一全半壊するようなことがあれば、生きているかどうかも怪しいですが、高齢者が自分で再建するのはあきらめて、土地を売ってマンションでも買うか借りる割り切りと考えるのがベターでしょう。

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

◆貯金は将来のインフレを考えてEFT(上場投資信託)や物価連動国債、変動金利型国債
いくら利率がよい外貨預金でも、国内のインフレと連動することがないと、将来食料品などモノの値段が急に上がった際に預金が大きく目減りしてしまうリスクがあります。また外貨預金は為替のリスクもつきまといます。

その点株価は比較的インフレと連動する傾向があるので、老後資金のような長期で運用する確実性の高い預金に向いていると言われています。

さらに余裕があれば、日本経済が長期的にみて今後成長していくとは思えないので、分散投資として外貨建てMMFまたは米国債、外国株ETFを合わせて購入しておくと安心という話です。

ってなるほどねぇ~って、こればかりはよくわかりません。本当に数年~数十年後にインフレがくるかどうかなんて誰にもわかりません。それに備えるというのはギャンブルでもあります。

本書では年々寿命が伸びそれだけ多くの資金も必要となるので、60歳の定年後も、65歳、できれば70歳ぐらいまではパートやアルバイトでよいので働き続け、年金受給開始をできるだけ遅らせ、その分割り増しで多くもらえと書かれています。

しかし私の場合はすでに足の病気で外で働けない状態になりつつあり、それは無理。自宅で働けることがあればそれは考えたいですが、年金は定年後にでもすぐに欲しい状態です。

また退職金が出て分散預金できるほどお金のある高齢者はいいのですけど、私のように退職金がなかったり、あっても住宅ローンの返済にすべて消えてしまう高齢者はどうすればいいのか?ってところも聞きたいところです。

上記で言えば、引退したら生命保険(私の場合は掛け捨ての共済保険)や、新たに入ろうかと思っていた火災保険はやめにするのはいいとしても、その分は無駄遣いせずに貯蓄に回し、不意の出費、例えば家族の医療費、家の修理、家電の買い換えとかに備えておかなければダメでしょうね。

あとは夫婦の年金だけで毎月回していけるかってところが、実際に健康的な老後をおくれるかどうかってところです。

とりあえず(まだ住宅ローンが残っているものの)住むところだけは確保できていますので、質素な暮らしに努めればなんとかなるのかなと。

覚醒剤で逮捕された清原元選手を見てもわかるとおり、現役を引退し、収入が大きく減っても、生活は現役当時のように派手で金遣いが荒い習慣が抜けないというのが人間の習性です。

一度身に染みついた生活スタイルは簡単に下げられないのでしょうが、これは自分でも一番気にかかるところです。

果たして今までのように、毎月一定の収入がある生活から、生活にギリギリ必要な最低限の収入(=年金)で回していけるのか?

4人家族で世帯収入が400万円で普通?に生活している人がいますが、同じ条件で1000万円以上あってもまだ足りない、貯金できないという人もいるわけです。

論理的には年収1000万円の人が400万円の生活に変えれば年間600万円も貯金ができるわけですが、絶対にそうはならないそうです。

わかっちゃいますが、これからますます高齢者が増えていき、社会保障費が拡大していくその中に、自分の未来もあると思うと、背筋が凍るような思いがします。

もう一度30歳ぐらいからやり直せたなら、30年先40年先のことを考えたプランも作れますが、時は残酷です。


【関連リンク】
795 定年リタイア時の必要貯蓄額と生涯住宅費用
574 仕事を引退する時、貯蓄はいくら必要か
499 定年後にどう生活していくか
325 元気な高齢者はいつまでも働くべきなのか
834 高齢者向けビジネス(第4部 ボランティア編)



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999
過去に高齢者の地方移住について何度か書いたことがあります。

公的な高齢者移住計画は成功するか? 2015/1/21(水)

高齢者の地方移住はこれからも進むか 2013/7/27(土)


これは、首都圏を中心に団塊世代が後期高齢者に入っていく数年後から大きな社会問題となりますが、高齢者用の介護施設や介護人材の不足が顕著になってくることが予想されています。

なぜそうした団塊世代の高齢者が都市部に多いのかと言えば、それは1960年代以降の高度成長期に地方から都市部へと若者が大量に移動し、そのまま都市部に住み着いたからに他なりません。

例え今は60代で健康で誰のお世話にもならないという人でも、75歳を過ぎる頃からは、どこかが具合悪くなり、なにかしら健康を害し、介護が必要になっていきます。それが老いというものです。

国や自治体では、こうした急増する都市部の高齢者を、まず最初には介護を外に求めるのではなく家庭内で完結してもらう。

次にできるだけ要介護者を都市部と比べるとまだ余裕のある地方に分散させることで、介護施設の不足や人材不足を補おうと考えています。

経済発展のために地方から都会へ集められ、窓ガラスが割れるような寿司詰めの通勤電車で毎日通わされ、そしてリタイアすれば、老害とか、若者から搾取をしているとか言われ、果てはまた地方へ追いやられてしまうという構図です。

もちろん逃げ切りに成功し、退職金を満額受け取れた裕福な高齢者も多いので、そういう人達は、元気なうちに一戸建ての家を売り払い、便利な都市部のマンションや介護付きホームなどへ移っていけるでしょう。

そうじゃない高齢者は、20数年前に建てられた高齢者にとっては不便で老朽化した家やマンションから出ることもままならず、満足な介護サービスは受けられず、それに堪え忍ぶか、あるいは先述したように、地方へ移住をするかという選択を迫られそうです。

高齢者の地方移住というと、裕福な高齢者が暖かで空気のいい場所で、のんびりと釣りやゴルフを楽しむ毎日を送るというイメージがありますが、現実はそう甘くありません。

近年は高齢者だからと言っても、年金だけでは十分な暮らしができにくくなってきていますので、同時に収入を得るために働かざるをえない人も多くいます。

そこで政府は、『元気に働ける移住高齢者でつくる地域共同体「生涯活躍のまち(日本版CCRC)」構想』というのを推進するようです。

高齢者移住「継続的事業に」=地域再生法改正へ-石破担当相(時事ドットコム)
石破茂地方創生担当相は12日の閣議後の記者会見で、元気に働ける移住高齢者でつくる地域共同体「生涯活躍のまち(日本版CCRC)」構想の具体化に向けて地域再生法を改正し、市町村や共同体の運営事業者の役割を明確化する考えを明らかにした。石破氏は「継続的な事業として成り立たせたい」と述べた。同法改正案を今国会に提出する。
構想は、主に都市部の高齢者に地方に移住してもらい、周辺住民との交流を通じて地域活性化につなげる狙い。共同体の運営は社会福祉法人や企業などが担う予定だ。改正案には、高齢者の移住を受け入れる市町村が事業者と連携して運営計画を作ることなどを盛り込む。

つまり簡単に言えば「大都市に年寄りは邪魔だから集団で人口減少している地方へ行ってもらい、年金に頼らず死ぬまで働け」ということですね。

国としても年金生活でなにも生産しない隠居老人を養うよりは、労働生産して、税金も納めてもらって、その分年金も減らせることができれば一石3鳥でしょう。

特に地方の労働力不足は明らかなだけに、移住高齢者にその役割を担ってもらおうという魂胆がかいま見えます。

そして先述の通り、お金がなければ都市部でまともな介護や治療を受けるというのが難しくなってくるのもまた事実です。それについては下記の日記で書いています。

介護にまつわるあれこれ 2014/12/6(土)

これを見るとわかりますが、都市部の住人の高齢化スピードは急速で、介護施設はもちろん、病院や診療所の不足も顕著になっていきます。

都市部で裕福な老後をおくることができる人達、おそらくは老夫婦二人だけの年金生活世帯で、夫婦とも健康で持ち家があり金融資産(預貯金など)が3千万円以上持っているか、賃貸マンション住まいの場合だと、健康な夫婦で5千万円ぐらいの金融資産がある人達は、別に仕事を探したり地方移住を積極的にする必要はないでしょう。

そうでない人達(私も当然こちら側)は、都市部に住み続けて介護難民の憂き目に遭うか、それとも戦前の南米移住や、戦後のハワイ移住などと同様、国の甘言を信じて地方への移住を決意するか、まぁどちらにしても楽な生活でないことだけは確実で、それなりの覚悟が必要のようです。

【1000回まであと☆1】

【関連リンク】
889 公的な高齢者移住計画は成功するか?
865 仕事と介護の両立という難題
733 高齢者の地方移住はこれからも進むか
578 外国人研修制度という名の移民政策
425 棄民政策は日本の伝統か



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995
1~2年前から時々話題になっている、リゾート地に建てられ、一時期は数千万円もしたマンションが、現在はわずか10万円で販売されているって話し。

80年代から90年代序盤のバブル時代に、団塊世代以上の人達が、当時ブームだったスキーや保養、それに将来価値が上がるかもと投機目的で買ったリゾートマンションが、20年以上が経ち、持ち主が高齢となり、スキーもしなければ、温泉つかりにわざわざこんな遠方まで足を運ばなくなり、かと言って、売りに出しても買い手がつかずというパターンが増えています。





先月NHKのある番組でこうした格安物件の購入者というか、在住者に取材をしている番組がありました。

50代で早期退職したあと、訳ありで戻る場所がなく、古いリゾートマンションを5千円で購入して、終の棲家として住んでいるという男性のパターンや、子育てが終わった老夫人が、いろいろと煩わしいことを言ってくる夫とは一緒に住みたくないからと1人で気ままに暮らしているケースなどが紹介されていました。

こうした激安マンションが存在するのは、もちろん買い手がつかないからですが、それは例え安く買ってもかならずついて回る、月々の共益費(管理費)修繕積立金の負担という理由があります。

その他にも固定資産税や、使える状態であるならば、水道や電気代などの公共料金(使っていなくても基本料の支払い)の負担もあります。上記の50代男性の場合、支出を抑えるために電灯やストーブをできるだけ使わない生活をしてました。

マンションに住む以上、この共益費と修繕積立金の負担は当たり前なのですが、リゾートのマンションの場合、将来値が上がると思っての投機目的か、別荘として購入し年数回利用するだけで、そこに住むことを目的としていないに関わらず、毎月数万円を負担しなければならず、持ち主が年金生活者になってしまい、それに音を上げて、売り急ぐ持ち主が相次いでいるようです。

さらには同時に持ち主が不明だったり、権利関係が複雑で、共益費や修繕積立金が数年間支払われず、未納となっているケースも多く、いわゆる日本中で深刻化している「空き家問題」「老朽化マンション問題」と同じ課題を抱えています。

しかし、考えてみると、地方で貸家のアパートに入居しても、毎月数万円の家賃負担は当たり前で、同時に水道代電気代ガス代などの負担もあります。その貸家での負担とこのリゾートマンションで暮らすための費用とを比べると、一見するとそう悪くはないのかも知れません。

民間の借家では単身の高齢者はなかなか入居できなかったり、2年ごとに更新料とか訳のわからない多額の費用を請求されたりすることを考えると、薄っぺらな壁の安普請の賃貸アパートとは違い、古いとはいえ自己保有する鉄筋コンクリート造りのマンションのほうが自由度が高く、住みやすいということもあるかも知れません。

高齢になっても健康なあいだはこうしたリゾートマンションでも問題は何もないとしても、もし病気や怪我で入院介護が必要となった場合はどうでしょう?介護してくれる家族がいない場合、自宅療養、介護というのが難しい場合がよくあります。

また認知症や寝たきりに近い状態になってしまうと、介護保険と個人の年金や貯金を使って特養や完全介護付きの老人ホームへの入居ということになりますが、借家の場合は住んでいるアパートの賃貸契約を解約するだけでその後費用は発生しません。

リゾートマンションを保有していると、老人ホームへ移ったあとも毎月の共益費と修繕積立金、固定資産税の支払いがついて回ります。マンションをたとえタダにして手放したくとも、まず買い手が見つかりません。なので、そうした二重生活にならないよう注意する必要がありそうです。

自活できる健康な老後をおくり、そのまま介護施設や病院にはやっかいにならず、自宅(=リゾートマンション)でポックリいくことができれば、管理費は賃貸といて支払っていると思って、こうした激安リゾートマンションを買って住むというのもそう悪くないかも知れませんが、先のことはわからないだけにリスクでしょう。

それで持ち主が亡くなった後、法定相続人(子や孫)が相続すれば、これまた売れるまでずっと相続人が毎月支払いを続ける羽目になります。

相続放棄をすれば免れますが、その場合、もし他の財産(現金や不動産など)があっても相続できなくなります。預金だけ相続して古いマンションはいらないなんて都合のいい相続はできません。

不動産業界では、こうしたことから、このような老朽化が進む古いリゾートマンションを「ババ抜きゲーム」と呼んでいるそうです。誰がこの毎月の支払い(=ババ)をつかんでくれるか?という意味です。

やがてはこうした老朽化マンションの補修にも限界が来て、本来ならば建て替えが必要となってきますが、リゾートマンションだけに持ち主が常時住んでいるケースは少なく、通常1戸あたり数百万円~数千万円の追加費用が発生するような建て替えに2/3以上の賛同はなかなか得られないでしょう。

そうするとやがては修繕不可能にまで老朽化し、空き家が増え、建て替えもできないとなると、管理会社も逃げて、あとはスラム化、廃墟化してしまうのは必然でしょう。

都心部の老朽化マンションであれば、まだ土地に需要があるので再開発されることで、住人は幾ばくかの立ち退き料か、もしくは新築マンションに優先的に入居できる権利(追加費用は発生)がありますが、こうした遠隔地のリゾートマンションではそれも期待できません。

結果、ババをつかむのは誰か?ってことで、例えお金を出してでも早く売りたいという持ち主があとを絶たないのだと思います。

30~40年前の建設ラッシュに沸いた時は、地元の市町村は税収も伸び大いに潤ったはずです。そしていま、果たして行政がそうした空き家問題とそこに居住する貧しい高齢者になにかできるか?って考えると、知らなかった、聞かなかった、見なかったという知らんぷりを決め込むことになるのでしょう。


【参考 格安中古マンション検索】

ひまわり(不動産会社) 湯沢・苗場 安い中古リゾートマンション
苗場周辺には10万円マンションがズラリとあります。

suumo 東京都 安い中古マンション
さすがに東京都は安くてもワンルームで200万円台からです。2LD以上なら300万円台からになりそうです。

suumo 大阪府 安い中古マンション
大阪なら200万円台から2LDKや3LDKが買えます。

suumo 北海道(札幌) 安い中古マンション
札幌なら100万円台で3LDKが買えます。

suumo 群馬県 安い中古マンション
草津のリゾートマンションは100万円以下で買えます。

suumo 山梨県 安い中古マンション
空き家率が日本一高い山梨では100万円台で豊富に売りに出ています。

suumo 山梨県 安い中古一戸建て
中古一戸建ては300万円からあります。

suumo 千葉県 安い中古一戸建て
千葉でも300万円台で3LDKの一戸建てが購入可能です。

【1000回まであと☆5】

【関連リンク】
874 老朽化しつつあるバブル以前のマンション
795 定年リタイア時の必要貯蓄額と生涯住宅費用
681 コンパクトマンションが流行っているらしい
590 『家を買うべきか借りるべきか』の決着はつかない



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989
以前読んだ有吉佐和子氏の小説「恍惚の人」の中に出てきますが、「地域の老人クラブ」について、我が身に置き換えてもあと2年でその会員資格ができ、なにか身近に感じてきたので、その調査結果をレポートしておきます。

同小説の中では、夫婦共働きの中、家の離れで老後の生活をおくる祖父母のうち、わがままな祖父の面倒を一手に引き受けていた祖母が先に亡くなってしまい、昼間の時間、ひとりぼっちになる義父をどうしようかと近所の老夫人に聞きに行ったところ、紹介されたのが「老人クラブ」でした。

時間だけはいっぱいある元気な高齢者にとって、そうした老人クラブでの活動が生き甲斐となっていたり、また愚痴を言いあえる仲間がいて、嫁への不満や、感情のはけ口として機能していることが書かれていました。

その「老人クラブ」というものに今まで全く縁がなく、存在すら知りませんでしたが、調べてみると立派な全国組織なのですね。

老人クラブが最初にできたのは昭和38年で、同年施行された「老人福祉法」が元になっています。

そしておそらく天下り官僚がシメシメとばかりに暗躍し、しっかりした全国組織ができあがっています。

まず「公益財団法人 全国老人クラブ連合会」というのが最上位にあり、それにぶら下がって「都道府県老人クラブ連合会」、その下に地域ごとの「市区町村老人クラブ連合会」という3段階になっています。さらに大都市部では市区の下に各町会の老人クラブが作られています。

組織運営は、厚労省官僚や地方自治体、市や町の役所から役人OBの恰好の天下り先としても機能しているようです。補助金と天下りをセットにして送り込むような仕組みがうまく整っているようです。

2015年現在、末端には約11万もの個別のクラブがあり、会員数は約670万人です。1クラブ平均61人が所属している勘定になります。名実とも幽霊会員もいたりするのでしょう。

日本の60歳以上の人口は約4100万人(2013年)ですから、60歳以上で老人クラブに入会しているのはその中の約16%にあたります。意外と老人クラブに加入している高齢者は少ないという感じもします。

今は16%ですが、もし60歳以上の半分が入会して2000万人に達し、これがいわゆる「政治圧力団体」を組織すれば、、、もの凄いパワーになります。

選挙でこの老人クラブに逆らえば間違いなく落選し、政党も老人クラブ優遇をしない党はコテンパンにやられてしまうこと必至です。なにせ暇と経験と行動力は豊富なメンバー揃いですから敵に回すと最高に怖い存在となります。

ちなみに現在の会員数670万人でもどのぐらいのパワーを持っているかと言えば、共産党の党員が約30万名、後援会会員を含めても400万人、創価学会の会員数(国内)はおよそ250万人、自民党党員、党友は合わせておよそ80万名と言われていますので、それらをはるかに凌駕する人数(票田)と言うことです。

もし老人クラブ加入の会員の政治意識を統一することができ、高齢者優遇の政策を公約して選挙に打って出れば、全員が当選するだけのパワーを秘めています。もちろんそのようなことは実現不可能でしょうけど。

しかし密かにそうした老人クラブ闘争プランが全国で着々と進められているのではないかと思ったりします。頭のいい人や闘争好きな人がこの世代には多いですからね。つまり「老人クラブの野望」です。ゲームや小説にもなりそうです。

それはさておき、老人クラブに加入するための気になる会費は?っていうと、入会自体に費用はかからないようです。

老人クラブの直接的な運営費は国や地方自治体から出ています。つまり税金で運営されています。これも天下り達が群がりそうな構図です。

老人クラブとして使われている施設やそこに常備されている例えば囲碁や健康器具などの使用は基本無料、老人クラブ主催でスポーツイベントや旅行、宴会を行う場合、その参加費用としてなにかしらの実費や費用が発生するというパターンでしょうか。地域や老人クラブ個別によって多少の違いがあるかも知れません。

そう言えば要介護者に対しては、ディサービスが活況を浴びていますが、老人クラブは要介護ではない健康な老人の暇つぶしや趣味、情報交換の場として機能しています。先の「恍惚の人」の中にも、ある老人ホームでは入浴施設付きの施設なども出てきました。

しかし今の世の中、60歳で「老人クラブ」入会って言われてもピンときません。役所の使う言葉なのでなかなか変えられないのでしょうけど、職安をハローワークと呼び、国民背番号をマイナンバーと言い換えることができるのだから、そろそろ古臭い「老人クラブ」ってのも「プラチナクラブ」とか「シニアソサエティ」「アクティブシニアクラブ」とかかっこいい名称に変えればもっと入会率は高まりそうです。

そのクラブの中でなにが行われているのかってことも少し気になります。

東京のあるクラブの(大きな)年間行事を抜粋してみますと、

 6/18 輪投げ大会
 9/7 芸能大会
 10/16 ペタンク大会
 10/28,29 第44回全国老人クラブ大会
 11/13 グラウンド・ゴルフ大会
 12/上旬 体力測定講習会

おー、、、なんと、しょうもない。

なにか「老人はこうあるべきだ」「こうしたいハズだ」的な要素が中心で、異論を挟めば「絶対多数で決まった」「アンケートの結果」とか言うのでしょう。

今までまともな民主主義がなかった親方日の丸で、お偉い官様が決めたことに従順に従うことが是としてきた人達に、アンケートとかちゃんちゃらおかしい。

これからは末端のクラブ独自でもっと楽しいレクリエーションや、例えばサッカー好きが多ければ、地元のJリーガーを招いてフットサル教室を開いてその足でJリーグの試合を応援しに行くとか、将棋ファンが多ければプロ棋士を招いての多面打ちもよし、麻雀は?コンピュータゲームは?ジャズやロック演奏は?料理教室は?日本酒利き酒会は?ダンスパーティは?ディスコは?ゴルフコンペは?スヌーカーは?ダーツは?って利用者の嗜好によってその中身も変化していくべきでしょう。

いずれにしても現在の老人クラブはいかにも昭和時代の官製福祉っぽい感じ丸出しで、ホームページで内容見ても入会したいとはまったく思いません。

おそらく現在は会員がノルマをきせられて新しい会員を連れてきて入会させるというアムウェー方式かなと。

官製ではなく、こういう老人クラブの運営も、いっそTSUTAYAとかラウンドワン、ナムコ、セガ、ゲオ、マルハン、ミズノあたりに全面的に運営を委託して、もっと効率的に効果的に金持ちには金持ちが喜んでお金を使い、お金がない人はお金がなくても楽しめる運営をきっとやってくれるはず。

もちろんお役人の天下り利権分が、高齢者の福祉と、民間企業の利益に使われることになり、お役所的には相当抵抗はあると思いますけどね。


【関連リンク】
889 公的な高齢者移住計画は成功するか?
834 高齢者向けビジネス(第4部 ボランティア編)
824 高齢者向けビジネス(第3部 仕事編)
820 高齢者ビジネス(第2部 趣味編)
810 高齢者向けビジネス(第1部 居住編)
568 老人虐待と介護の問題



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985
以前、NHKのニュースで『ふだん笑わない高齢者ほど「健康状態悪い」』という調査結果が報告されていました。笑いは健康によく、長生きの秘訣だとよく言われていることを証明しているものということです。

毎年12月初旬にニュースで流れる山口県防府市小俣地区に伝わる神事「笑い講」は、鎌倉時代の1199年から始まったそうで、豊作を祈ることが目的ですが、おそらくは農民達の健康増進という意味もあったのでしょう。

下記のはてなブックマークのコメントではこのニュースに対して「健康だからふだんから笑えるのであって因果関係が逆」と書かれていて確かにそうだとも思えます。

はてなブックマーク ふだん笑わない高齢者ほど「健康状態悪い」NHKニュース

笑うと言うことは、思い出し笑いや、テレビをみていて単独でケラケラ笑うケースもありますが、本来の笑いは他の誰か相手とのコミュニケーションから発生するものです。

「今日仕事中にこんな面白い事件が起きたよ」とか「こんな間抜けな失敗してしまったよ」、「電車の中に一風変わった人がいてね」など。

あるいは子供や孫の想定外の行動や発言が、親や祖父母を大いに笑わしてくれることはよくあります。もちろん親しい友人との馬鹿話も笑いには不可欠です。

つまり、「笑う門には福来たる」は、会話が弾むことで、健康になれるという意味がこめられている気がします。コミュニケーションあってこその笑いが生じるという意味で。

ところが高齢化社会では、独居、または老夫婦だけの家族構成が急増しています。

2012年では65歳以上高齢者がいる家族構成の中で、ひとり住まいの高齢者が16.1%、高齢者夫婦だけの世帯が37.5%で、合計すると53.6%に達します。

まず一人住まいの高齢者数ですが、年々増加し2010年は男性139万人、女性341万人、合計479万人ですが、「国立社会保障・人口問題研究所「日本の世帯数の将来推計」によると、今から5年後の2020年は男性217万人、女性451万人、合計668万人(2010年比189万人増)2030年には男性243万人、女性486万人、合計730万人(同251万人増)となっています。(いずれも千人以下を四捨五入)


データ出典:平成22年までは総務省「国勢調査」、平成27年以降は国立社会保障・人口問題研究所「日本の世帯数の将来推計

この高齢者の一人住まい(独居)は、自らが進んでどこへでも出掛けてコミュニティに加わる社交的なタイプでない限り、公的なサポートがなければ、何日も誰とも会話をしないということが起こります。

したがって笑いも限られてきます。趣味など見つけ、面倒がらずに毎日仲の良い友人達と一緒に過ごせる人はいいのですけどね。

ひとり住まいで、いつもひとりで食事をしていると、鬱になりやすいという統計もあります。

「孤食」の高齢者 鬱リスク増 独居男性は2・7倍 東大研究チーム発表(産経ニュース)

そりゃそうなりますよ。今後ますます介護人材の不足が深刻化していくことを考えると「弧食」はますます進みそうです。

またサービスが身近にあっても、高齢になると、そういう人との付き合いが面倒くさくなって、いくら福祉担当者が勧めても動きたがらない人も多いと聞きます。

「チィチィパッパだけはゴメンだ」とディサービスの決まり切った老人を子供扱いするような健康法だけでは一回行っただけでもう二度と行きたくないと思う高齢者がいても不思議ではありません。

行政や福祉団体側も、老人が喜んで行きたくなるような多彩なメニューや趣味嗜好を考えた仕組みを、もっともっと頭を使って考えるべきでしょう。

老人クラブも集会所を公民館みたいなところだけでなく、今週はラウンドワン、来週はゲーセン、再来週はカラオケ貸し切りというような工夫も必要でしょう。

次に、高齢者夫婦の世帯ならば、ひとりではないので問題ないのでは?と考えそうですが、高齢者夫婦だけで、いったいどれほどの会話などコミュニケーションがあるか?って考えてみると、若い人には想像できないかもしれませんが、毎日顔を合わせている夫婦間でも、何日も会話がまったくない(話しをすることがない)夫婦なんてざらにいます。

子供や孫が来てくれると大喜びする老夫婦は、つまり「会話やコミュニケーションできる相手が来てくれた」と喜ぶわけです。

私のところも今は子供達が同居しているので、夫婦とも会話がなくなるということはありませんが、子供がみんな外へ出てしまうと、もうほとんど会話らしい会話はなくなってしまいます。そういうものでしょう。

あと数年もすれば子供達も巣立っていくでしょうから、そうしたときに残った老夫婦の日常生活は容易に想像ができます。

さて、今から子供達がみんないなくなっても、夫婦で会話ができる、夫婦以外で趣味などで近くにいつでも話ができる知人やご近所さんがいるって状態を夫婦で作っておかなければ、一気に健康を壊してしまいそうです。これが高齢者になると面倒になってきて、できないんですよねぇ、、、


【関連リンク】
889 公的な高齢者移住計画は成功するか?
888 火事と高齢化社会の因果関係
810 高齢者向けビジネス(第1部 居住編)
768 無口な人はコミュニケーション能力が低い?
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