リストラ天国 ~失業・解雇から身を守りましょう~
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とせい (中公文庫) 今野敏
著者は大学在学中の1978年に作家デビュー、その後はサラリーマン生活を送るもすぐに辞めて作家と、大学時代から始めた空手に専念というちょっと変わった経歴の持ち主です。著書の多くは警察事件ものですが、サイキックやSF的な小説もあります。
著者の作品で私が過去に読んだ4冊「隠蔽捜査」「朱夏―警視庁強行犯係・樋口顕」「ビート―警視庁強行犯係・樋口顕」「リオ―警視庁強行犯係・樋口顕」はいずれも警察小説です。
今回のこの小説は警察モノではなく、タイトルからもわかるようにヤクザ稼業を描いたもので、ストーリーはひょんなことからつぶれかかっている総合出版社の経営をすることになった弱小ヤクザ組織が、獅子奮迅の働きで出版社を蘇らせていくという、ま、ありきたりと言えばそのような内容です。
ヤクザが介護ヘルパーとして老人ホームで働いたり、ヤクザのイメージアップのために広告代理店が関わったりするコメディタッチのこの手の小説がすでにあり、こうした内容はもはや珍しくもありませんが、確かに出版社とヤクザ稼業とは案外相性がよいのかも知れません。
つまり週刊誌グラビアに使う元有名アイドルの「脱がせ屋」、関西のヤクザ同士の抗争裏話、ブラックな芸能プロ所属のタレントへのインタビューなど、出版社が望むものをヤクザがコネと脅しを使って紹介することで、うまく手に入れられそうです。素人っぽいちょっと安易な考えではありますが。
小説では、他に出版社の再生と並行して、本来のヤクザ稼業である技術力はあるけど需要が減少して運転資金を闇金から借りていた倒産間際の町工場の高利貸しトラブル解決や、同業者がフロント企業を通じて合法的なしのぎ稼業の販売ノルマに汲々している姿など、コミカルに書かれています。
なお、この「とせい」の続編?と言える「阿岐本組任侠シリーズ」として「任侠学園」(2007年)、「任侠病院」(2011年)がすでに発刊されています。タイトルを見ればすぐにピンときますが、この作品と同様、ヤクザが学校や病院の経営を立て直すっていう感じなのだろうと思います。
◇著者別読書感想(今野敏)
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
アルケミスト―夢を旅した少年 (角川文庫―角川文庫ソフィア) パウロ・コエーリョ
著者はブラジルの作家で、この本は1988年に発表され、世界中に拡がった有名な小説です。原題はポルトガル語で「O Alquimista」。アルケミストとは直訳すれば錬金術師という意味です。
特になにも事前情報なしにしばらく読むと、主人公は少年で、これは「星の王子さま」のような児童文学書なのかな?と思いましたが、どうもそうではなさそうです。
ストーリーは、牧師になるため神学校に通っていたスペインはアンダルシア地方の少年が、「旅をしてもっといろんなところをみてみたい」と親の反対を押し切り、あちこちを旅する羊飼いになります。
そしてある廃れた教会で野宿していると、二日続けて同じ夢を見ます。その夢のことをジプシーの老女に夢診断してもらうと、ピラミッドの近くで宝物を発見すると予言され、飼っていた羊を売って渡航費を作り、単身海を渡りアフリカへ向かいます。
しかしピラミッドのある街へ行くにはサハラ砂漠を横断して行かねばならず(上陸したのは西海岸モロッコ付近?)、その旅のガイド役を探していたところ、地元の少年に有り金全部を奪われてしまうことに。
お金をなくしたために、商売で身を立て、その他いろいろなことがありつつ、お金を作り、当初の予定通りにピラミッドへ向かう途中の砂漠のオアシスで、タイトルにもある錬金術師と出会い、そこでまた様々な試練を乗り越えピラミッドへたどり着くという物語。
「大切なのはお金ではない」とか「希望を持ち努力することは成功につながる」や、「前兆を知りそれをを逃すな」など教訓めいた話しが盛りだくさんあって、道理で世界中でベストセラーになった訳です。
◇著者別読書感想(パウロ・コエーリョ)
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
銀二貫 (幻冬舎時代小説文庫) 高田 郁
私とは年齢で2歳違いの著者が時代小説家としてデビューしたのは2008年の短編集「出世花」で、まもなく50歳になろうかという時ですから20代でデビューする作家も多い昨今では結構遅咲きだった方です。
この小説は2009年に単行本、2010年に文庫化された小説で、江戸時代に大坂にあった寒天問屋の商人の話しです。知りませんでしたが、昨年2014年にはNHK総合テレビの木曜時代劇枠でドラマが放送されたそうです。
脱藩して流浪中の侍の父とその子(主人公)が大坂の街を歩いていたとき、子供の目の前で父親が敵討ちに遭って斬られてしまい、そこを通りがかった寒天問屋の主に銀二貫で救われます。
父親は亡くなり、他に身寄りがなかったため、救った大坂商人の主が面倒を見ることとなり、商人(あきんど)魂を叩き込まれ、様々な辛苦を乗り越えて成長していく姿を描いています。
タイトルの銀二貫とは、父親が斬られた際に、寒天問屋の主人が焼けた天満宮へ寄進するために持っていたお金で、機転を利かせてそれを父親を斬った侍に渡すことで、子供を救うために使いました。
その父親を斬った侍に渡った銀二貫が終盤でなにに使われることになったのか判明することになりますが、それはこの本を読んだ人だけのお楽しみと言うことで。
なにか、2002年の直木賞に輝いた山本一力著「あかね空」をちょっと思い出しました。「あかね空」は江戸に出てきた京都の豆腐職人とその息子達の話しですが、どちらも関西の職人と、商売が前面に出ていて、苦労はいとわず、他人には優しく、絶望状態の中からでも、信念を曲げずに努力していくと報われるという、文科省が喜びそうな健康的サクセスストーリーです。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
ふがいない僕は空を見た (新潮文庫) 窪美澄
本作品は2010年に発刊され、第24回山本周五郎賞を受賞し、2011年の第8回本屋大賞では第2位に輝いた作品です。また2012年にはタナダユキ監督、永山絢斗、田畑智子らの主演で映画化もされています、見てませんが。
内容はそれぞれに主人公が変わる連作短編集となっていて、「ミクマリ」、「世界ヲ覆フ蜘蛛ノ糸」、「2035年のオーガズム」、「セイタカアワダチソウの空」、「花粉・受粉」の5編からなっています。
テーマは恋愛と不倫というか、ちょっとややこしい関係になっていて、短編だから読み進めると徐々にそれがほぐれていくって感じ。
ま、コスプレにはまる主婦とか、ネットで噂が広まるとかの現代的なテーマと、主人公の母親が昔ながらの自宅で助産師の仕事をしているという設定など、話し的には登場人物が面白く割り振られているなぁって感じ。
でもなにか淡々としすぎていて、ちょっと物足りないと感じてしまうのは、他の多くの小説の余計なまでに強い刺激に慣れてしまったからかも。
◇著者別読書感想(窪美澄)
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
ゲイルズバーグの春を愛す (ハヤカワ文庫 FT 26) ジャック・フィニイ
この小説は短編として発表されたものを集め、1960年に発刊された作品で、収録作品は「ゲイルズバーグの春を愛す」(I Love Galesburg in the Spring-Time)、「悪の魔力」(Love, Your Magic Spell is Everwhere)、「クルーエット夫妻の家」(Where the Cluetts Are)、「おい、こっちをむけ!」(Hey, Look At Me!)、「もう一人の大統領候補」(A Possible Candidate for the Presidency)、「独房ファンタジア」(Prison Legend)、「時に境界なし」(Time Has No Boundaries)、「大胆不敵な気球乗り」(The Intrepid Aeronaut)、「コイン・コレクション」(The Coin Collector)、「愛の手紙」(The Love Letter)の10編です。
選んでそうなっているわけではなく、短編を読むと、なぜかその後も続いてしまいます。短編はあまり好きではないのですけどね。
好きではない理由は、雑誌や週刊誌の誌面の都合上、決められた文字数で短編の1話完結型にしたいがためってケースが多く、それだと似たようなストーリー展開になり、週刊誌のコラムと変わらないじゃん、って思うようなものが多いから。
こちらの古い作品は特にそういう週刊誌の連載という事情があってのことではなさそうで、ボリュームもそれぞれに違っていますが、でもやっぱり著者が昔住んでいた場所が舞台となっていて、コラムにしても良さそうな雰囲気は漂っています。
タイトルにもなっている最初の作品の「ゲイルズバーグ」はアメリカ合衆国の中西部に位置するイリノイ州の北西部ノックス郡に実在する人口3万人ほどの街で起きた出来事の物語です。
最初は南北戦争の激戦地で、リンカーンがおこなった演説でも有名な「ゲティスバーグ」と勘違いしてました。
そうしたタイトル名だったので、最初は南北戦争にまつわるような話かなぁって思っていましたが、全然違いました。この街は、著者が昔住んだことがある街のようです。
「O・ヘンリ」や「サキ」など、こうした短編集で、発刊後何十年も読み継がれていく小説というのは、他にはない特別なものがあって、大きな外れはないですね。
◇著者別読書感想(ジャック・フィニイ)
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慈悲深い死 (二見文庫―ザ・ミステリ・コレクション) ローレンス・ブロック
ニューヨークが舞台のアル中探偵マット・スカダーシリーズ7作目の作品で1990年に翻訳版が出た作品です。
2012年に同シリーズ17作目「償いの報酬」が出た後はもう次はないかなと思っていますが、過去にさかのぼってまだ読んでいなかった本をぼちぼちと探しているところです。
この作品では自身のアルコール中毒から苦心して抜け出すためにもがき苦しむ様子が描かれ、新しい恋人ができたり、さらにこのシリーズの後半で欠かせなくなる、友人でありよき理解者のミック・バルーとこの作品の中で知り合うことになります。パーカーのスペンサーシリーズで言えばホークのような存在です。
あらすじは、女優を目指しニューヨークで一人で住んでいた娘が3ヶ月前に行方不明となり、その父親がインディアナ州から出てきて娘を捜して欲しいとスカダーに頼みます。
そして着手金千ドルをもらい捜査を始めますが、まったく手がかりがつかめないでいます。
一方断酒を継続するためのAA集会(アルコール中毒者の会合)でいかにもケチな犯罪者風の青年と知り合うこととなり、来週にも自分の告白を聞いて欲しいと頼まれますが、翌週になっても男は現れず、嫌な予感がしてアパートを訪ねるとそこでその青年の死体を発見します。
このまったく関係がない二つの事件を追いかけ、ふとしたことがきっかけで、それまで行き詰まっていた二つの事件の捜査が一気に進展していきます。
シリーズの他の作品を読んでいなくとも、これ単独でも十分におもしろく読めそうですが、やはり過去から引きずっているアルコール依存になった原因などは知っていた上で読むほうがよりいっそう楽しめるでしょう。
◇著者別読書感想(ローレンス・ブロック)
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
港町食堂 (新潮文庫) 奥田英朗
この著者の作品は過去文庫化されている小説はだいたい読んでいますが、これは珍しい?っていうか、たぶん初めての紀行エッセイ集で2005年刊(文庫は2008年刊)です。
旅先は、すべて新潮社がセッティングし、同行の編集者やカメラマンがお世話してくれるあご・足・枕つきの優雅な旅で、訪れる場所、そして港町独特のおいしい魚料理を食べる店まで出版社におまかせというご大尽ぶりで、なんのご褒美?っていうぐらいのうらやましさ満載の紀行集です。
人気が出てきてそのうちに大きな賞をとりそうな(このエッセイ連載中に直木賞受賞)作家先生に、講談社(デビュー作他多数)や文藝春秋(直木賞受賞作品他多数)に大きく差をつけられ、遅ればせながらも新潮社で書いてもらおうための接待攻勢か?って思わなくもありません。
それにしては船の中では同行者と相部屋の二等部屋だったりして不満?タラタラのところもあったりしますが。
行き先は高知土佐清水、長崎五島列島、宮城牡鹿半島、韓国釜山、新潟佐渡、礼文島となっています。テーマが港町ですので、船に乗ってその目的地へ入ることにこだわっています。
そういえばNHKの番組「ブラタモリ」で、長崎を訪れたタモリが「長崎のような港町は、船が着く場所が表玄関で、こうした港町へは船で来るのが正統な訪れ方」って言ってましたっけね。よくわかっていらっしゃる。
その中でも宮城県牡鹿半島編では、震災前の石巻、金華山、女川の美しい風景の描写が出てきて当時を偲ばせます。また女川港へ向かう船からは、巨大な女川原発が見え、その原発設置の恩恵として女川に建てられていた豪華な近代的な公共ビル群を淡々と「女川住人の選択」と書いてあるのが、それから6年後に町の8割の建物が津波でなくなってしまうことをなにか暗示していたかのようです。
◇著者別読書感想(奥田英朗)
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
グランド・フィナーレ (講談社文庫) 阿部和重
2005年の芥川賞を受賞した「グランド・フィナーレ」をはじめ、「馬小屋の乙女」「新宿ヨドバシカメラ」「20世紀」の計4編を収めた短編集です。
芥川賞受賞ということから新人作家か?と思ってしまいますが、あにはからんや受賞したときはすでにデビュー後10年以上が経っていました。デビュー作品は1994年発刊「アメリカの夜」で、その作品含め何度か芥川賞候補になっていました。
この著者の作品を読むのはこれが最初ですが、評判になっている「ピストルズ」(2010年)を探していて見つからなかったので、この作品を先に買ってきて読みました。
芥川賞の候補は純文学作品ということですが、最近の同賞の小説はどうも若者の感性と流行を追いすぎているものが多くて、どうもいけません。中高年者にとってはということですが。
というか、ストーリーは単純明快なものが一応ちゃんとあるのですが、それで結局何が言いたかったの?書きたかったの?主題や意図は何?なにかを暗示している?ってところが私にはよくわかりません。モブ・ノリオの「介護入門」もそんな感じで、芥川賞ってそんなのばっかり。
ストーリーは映画制作会社に勤め、妻と子がいる主人公の男性が、自分の中のロリコン性癖に目覚め、仕事で知り合った小学生の少女と付き合い、アルバイト感覚の少女をロリコン誌へ紹介して小金を稼いだりしています。
しかし自分でも少女や自分の娘の裸の写真を撮ってためていたことが妻に知られることになり、離婚裁判で接近禁止命令がでて、結果仕事も辞めざるを得なくなり、地方にある実家でブラブラしています。
そうした中で、旧友に頼まれたボランティアの仕事が、少女が演じる舞台の演技指導。だからなんだっていうのよ?ロリコンには避けようとしても避けられない宿命があるとでも言いたいのだろうか?他の3作品も似たり寄ったりで、結論というかよくわからないぞー。あ~気持ち悪い。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
リア家の人々 (新潮文庫) 橋本治
シェークスピアの有名な悲劇「リア王」をモチーフにしたもので、昭和の時代の一家の日常を描くという手法をとった小説です。
私は「リア王」を読んだことがありませが、ざっくり要約すれば「長女と次女に国を譲ったのち2人に事実上追い出されたリア王が、末娘の力を借りて2人と戦うも敗れてしまう。」(wikipedia)っていう17世紀初頭に書かれた小説です。
こうした古典には必ず善悪がハッキリと区別されていて、通常は善良な人が悪役に責め続けられて涙を誘うような仕様となっています。そして最後には立場が逆転して善良な人が勝利を収め、勧善懲悪で終わるってのが通例ですが、上記の要約のとおり、このリア王は敗北しハッピーエンドではありません。だから悲劇と言われているわけですね。
この小説では特に善悪があるわけではなく、また父親が娘に追い出されてしまうわけではありません。
旧文部省勤めから関連団体へ天下りしている父親と3人の娘、それに東京の学校へ進みたいという親戚の甥を預かっている家族です。妻は早くに亡くし、娘達が順番に嫁いでいき、やがてはひとりぼっちになっていくだろう年老いた男の姿を、懐かしの昭和史を散りばめながら描かれています。
戦前文部省に勤めていたことから、終戦後に公職追放されて生活が苦境に陥ったものの、それ以外は順風満帆な上流エリート家庭というのは、出てくる人みんなが傲慢で、ふてぶてしく、身勝手でどうにも好きになれず、従って感情移入もまったくできません。
また後半は当時の政治状況や学園紛争の話しが続き、小説の本質とはまったく関係のないところで話しが長々と展開していくのも無駄のような気がします。
同様にリア王をモチーフとした作品として、黒澤明監督の「乱」(1985年)があります。こちらは3人姉妹から3人の兄弟へと変更されていて戦国時代に合わせて悲劇をうまく表しています。
上映されたのは今から30年も前で、当時映画館へ見に行った記憶がありますが、家族の愛憎ということしか、いまいちその内容がよくつかめていませんでした。こちらは今度もう一度機会があればゆっくりとみてみたいものです。
◇著者別読書感想(橋本治)
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
知の逆転 (NHK出版新書 395) ジェームズ・ワトソン他
2012年に発刊された知の巨人達へのインタビューがまとめられた本です。インタビュアーは元NHKディレクターでサイエンスライターの吉成真由美氏です。
第1章から第6章まで各章ごとに著名な6人に対し、アメリカ大好きサイコー!ってな感じのよく事前に勉強したインタビュアーが素人にもわかりやすい質問をしてくれます。
「日本のグローバル化」や「太平洋戦争」、「福島原発事故」など、日本に関係ある話題も随所に散りばめていますので、読んでいても難しくて遙か遠い話しばかりではないので救われます。でもしっかりと読み進めていくにはそれなりに頭は使います。
頭を使うのはたいへん結構なことなのではありますが、私の場合、寝る前の1時間ぐらいを読書時間に充てているわけで、そうするとこの新書を読み始めると、速攻で睡魔に襲われてしまい、一向に先へ進まないと言う日々が何日も続きました。
ホテルに置いてある聖書のように、なにか眠気を誘う効果が秘められている気がします。いや読むとタメになりそうないいことがいっぱい書いてはあることは間違いないのですけどね。
第1章「文明の崩壊」は世界の文明発達に差ができた理由に迫った『文庫 銃・病原菌・鉄』の著者で進化生物学者ジャレド・ダイアモンド。
第2章「帝国主義の終わり」は50年以上マサチューセッツ工科大学に在籍し「現代言語学の父」と称されるノーム・チョムスキー。
第3章「柔らかな脳」のオリバー・サックスは映画になった『レナードの朝』の原作者であり神経学者。
第4章「なぜ福島にロボットを送れなかったか」は「AI人工知能の父」と呼ばれているマービン・ミンスキー。
第5章「サイバー戦線異状あり」のトム・レイトンは元MIT の応用数学教授でアカマイ・テクノロジーズの創業者。
第6章「人間はロジックより感情に支配される」は分子物理学者で、DNAの二重らせん構造を明らかにしたノーベル賞受賞者のジェームズ・ワトソン
それぞれにタメになる話しが盛りだくさんで、それらをあげていてはきりがないので省略しますが、これを読んだからビジネスや人生に役立つとかってものではありません。
頭のいい人がどういう思考性向を持っているのか、どういう人生を歩んできたのか、ブレークスルーはなんだったのかなど、これから生きていく上で、なにかひとつやふたつヒントになりそうなことがあるかも?って、あまり期待はせずに軽い気持ちで読むのがいいでしょう。
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先月2015年4月16日に作家の白川道(しらかわ・とおる)氏が亡くなりました。
1945年10月の生まれですから享年69歳でした。
死因は東京都内の自宅で大動脈瘤破裂のため意識を失っているところを、同居している中瀬ゆかり氏に発見され、病院へ運ばれたが死亡したとのことです。
代表作は山本周五郎賞の候補となった「天国への階段」ですが、結局最後まで有名な賞とは無縁な作家さんでした。
自伝的な小説が数多くあり、その中にもたびたび登場してきますが、著者自身も一橋大学を卒業後、三洋電機や大手広告代理店など様々な仕事をしながら、麻雀や競輪などにのめり込むギャンブラーであり、株や先物取引など相場師でもあり、そして有名な投資ジャーナル事件に関わり、インサイダー取引やマネーロンダリングなどの罪で逮捕、3年の実刑で服役をしています。
ギャンブルにまつわる噂や借金も業界の中では有名だったとか。
ベストセラー作家・白川道さん訃報、「ギャンブルの借金どうする」とざわめく出版業界
麻雀、競馬などのギャンブルも好み、“最後の無頼派作家”とも呼ばれた。莫大な借金があるということも、出版業界内ではよく知られた事実だった。 |
そうした自分で直接関わったり、また近くで見聞きしてきた裏の世界や、自身の波瀾万丈の生活が他人からすれば面白くないわけがなく、服役中に初めて小説の書き方を学び、出所後に自身の経験などを元にして書いた「流星たちの宴」でデビューします。その後はおよそ2年に1冊ぐらいのペースで、脛に傷あるクールな男を描いたハードボイルド小説をいくつも出しています。
作家には昔から現在まで過度にギャンブラー好きが多いようで、菊池寛、柴田錬三郎、山口瞳、清水一行、阿佐田哲也(色川武大)、藤原伊織、伊集院静、黒川博行の各氏。ロシアの文豪ドストエフスキーもギャンブラーで有名です。浅田次郎氏も借金こそこさえてなさそうですが相当なギャンブラーです。
作家がギャンブラーになるのか、ギャンブラーが作家という仕事を選ぶのかは不明ですが、名門一橋大から大企業に入社して、コツコツと真面目に働いていれば20年後はきっと同社の幹部だったはずのところ(三洋電機が経営危機を迎えた2007年はすでに定年)、たった3ヶ月働いただけでさっさと見切りを付けてしまうところは、とても会社人間は勤まらないと悟ったのでしょう。
さて白川道氏の小説では、自伝的な大河長編シリーズものとして、 「病葉流れて」シリーズがあり、主人公梨田雅之が大学時代からギャンブルにのめり込み、やがては自分で会社を興して、裏の世界ともつながり、犯罪に手を染めていく過程が描かれています。
下記はシリーズの発刊日順ですが、デビュー作品の「流星たちの宴」は同じ主人公が登場しますが、シリーズ外という位置付けのようです。
流星たちの宴(1994年)
病葉流れて(1998年)
朽ちた花びら―病葉流れて2(2004年)
崩れる日なにおもう―病葉流れて3(2004年)
身を捨ててこそ 新・病葉流れて(2012年)
浮かぶ瀬もあれ 新・病葉流れて(2013年)
漂えど沈まず 新・病葉流れて(2013年)
そして奔流へ 新・病葉流れて(2014年)
こうした自伝的な小説は私小説とも言われ、川端康成の「伊豆の踊子」や夏目漱石の「道草」のように、ある一時期だけを切り出したものもありますが、少年時代から大人になるまでを大河ドラマ的にシリーズ化された小説は、尾崎士郎の「人生劇場」シリーズ、五木寛之の「青春の門」シリーズ、宮本輝「流転の海」シリーズ、花村萬月「百万遍」 シリーズ、伊集院静の「海峡」シリーズなどがあり、いずれもベストセラーとなっています。
いつも諸般の事情から文庫が出るまでは我慢して待ってから買ってきたので、実はまだ文庫になっていない「漂えど沈まず - 新・病葉流れて」と「そして奔流へ - 新・病葉流れて」は読んでいません。まもなく出るでしょうから、いま単行本で買うのも悔しいので、待っているところです。
その代わりというか、遺作となるであろう最新刊の「神様が降りてくる」(2015年3月20日刊)をご供養を兼ねて単行本で買ってきました。もちろん初版です。
そう言えば「ファントム強奪」や「情報クーデター」などで、活躍が期待されていた竹島将が1990年にオートバイ事故で亡くなったときも、それまでは文庫しか買っていなかったので、その時点での最新刊「破滅の日」を単行本で買ってきたことを思い出しました。
著者別読書感想(白川道)
【関連リンク】
843 8月前半の読書(身を捨ててこそ 新・病葉流れて、浮かぶ瀬もあれ 新・病葉流れて
704 4月前半の読書(竜の道 飛翔篇)
607 5月前半の読書(冬の童話)
404 2010年6月後半の読書(最も遠い銀河 1巻 冬、2巻 春、3巻 夏、4巻 秋)
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著者別読書感想INDEX
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大人の流儀 伊集院 静
2009~2011年に週刊現代に連載されたエッセイ集で、それらから抜粋して2011年に発刊されました。そのせいか、その時代時代のニュースを元にしたネタも多く、残念ながら今読むと「そんな古い話題を取り上げても・・・」って感じを受けます。
小説だと10年前でも30年前でも100年前のものでも楽しく読めますが、時事ニュースの多いエッセーにはどうも向きません。
例えば自民党で参議院のドンとまで言われていた青木幹雄氏が2010年に政界をスパッと引退したと思うと、その後任に自分の息子をしっかりと据えていたことに対し「そんな世襲政治をやっていたのでは自民党の復活は遠い」なんてことが書かれていますが、その後民主党の失敗などもあり、すぐに自民党は復権したことはご存じの通り。
著者は団塊世代の1950年生まれですので、2009年当時ほぼ60歳という年齢からして、大人が若い人に対して「大人の考え方」のアドバイスを送るというような内容・文章となっていますが、今の若い人にとってはやはり「そんな古臭い考え方を持ち込まれても・・・」となってしまいそうな気がします。
結局は同じ団塊世代や、私のように団塊世代と一緒に苦楽を共にしてきた(彼らの使いっ走りとも言う)人間が読むと、妙に納得できたり、そうだそうだと、若い人にはなかなか理解されない苦労を大人の言い分として自己弁護に役立てるものかもしれません。
もっともそうした週刊誌を読むのは若い人ではなく、団塊世代を中心とするオッサンばかりという現実もあり、それが正しい書き方でもあり、読み方だと思います。
厳しい感想を書きましたが、著者の書く小説は概ね好きで、すでに15冊を読んでいます。このエッセイが「大人の流儀」ではなく、天下の大女優で美女達夏目雅子や篠ひろ子をメロメロにして妻にまでした「男の器量」を自己分析した「自分の流儀」的なものであればもっと腑に落ちたのではないのかなとちょっと残念です。
最後の章で、夏目雅子との出会いと別れや現在の妻の篠ひろ子との関係について少し書かれていますが、ギャンブル好きで借金まみれの不良中年がどうしてこうもてるのかは謎のままです。
あとこの本の最初に書かれていた言葉は覚えておきたいと思いました。ネットの世界だけにこもっていたり、あまり積極的に外へ出たがらない若者に対してのメッセージと思えますが、逆に年老いてなにもする気が起きない人に対しても激励するいい言葉です。
"旅をしなさい。どこへむかってもいいから旅に出なさい。
世界は君や、あなたが思っているほど退屈な所ではない。
◇著者別読書感想(伊集院静)
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
そのときは彼によろしく (小学館文庫) 市川拓司
2003年に発刊されその後映画化もされた「いま、会いにゆきます」で大ブレークした作家さんです。この本は2004年に発刊、2007年に文庫化され、同年に平川雄一朗監督、長澤まさみ、山田孝之主演で映画化もされています。いわゆる甘く切ない恋愛映画になっているのでしょうね、見てないけど。
内容はアクアプラント(水草など)ショップを細々と販売するショップのオーナーのところへ、女性がアルバイト募集のチラシをもって雇ってくれとやってきます。
しかも住むところがないのでこの店に住まわせてくれと。
その女性がオーナーは知らなかったものの、有名なモデルであり女優で、周囲は驚きます。いかにもできすぎたストーリーですね。
一方で、オーナーが少年時代の短い一時期をともに過ごした仲のよかった同級生の話しを、結婚相談所で知り合った女友達にしています。やがてその子供の時に仲良くしていた同級生が、そのアルバイトに応募してきた女性だということに気がつきます。
しかしどうもその女性はなにか問題を抱えているようで、、、って、いかにも若い女性にはウケそうなストーリーで、きっと映画も涙を誘ったことでしょう。
なにか映像化を前提としたような物語で、その点がちょっとやらしい気もしないではないですが、ハーレクイーンシリーズが何十年も繰り返し生み出されているように、こうした事情を抱えつつもイケてる男と女が長きにわたって想い続けてようやく出会うっていうのは、ま、鉄板なストーリーなのでしょう。
日々の生活に疲れた人が、頭を空っぽにして甘い空想に浸れるという意味では害のない、いい小説ではないでしょうか。意外と言っちゃ失礼ですが、平凡な主人公に味がありなかなかおもしろかったですよ。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
長生きすりゃいいってもんじゃない 日野原 重明、 多湖 輝
2010年に発刊された本で、ご高齢ながら現役医者の日野原重明氏と「頭の体操」シリーズのベストセラーで超有名人となった元大学教授の多湖輝氏、二人合わせて192歳(2015年5月現在)の長生き賢人コンビのコラム集です。
日野原氏は若い頃は病弱で、兵隊に志願しても丙で不合格となってしまうなど、そういう人が100歳を超えてなお元気にエスカレーターを使わずに階段を駆け上がるほど元気っていうのはまったくもって人間の体の不思議です。
もっとも太平洋戦争では若く血気盛んの健康体であればあるほど、人の寿命は短くなったのでしょうね。
今後は若者が口の上手い老獪なる政治家や、権力になびきやすいマスメディアの巧みな誘導に騙されてそういう目に遭わないように願いたいものです。
さて多湖輝氏は押しも押されぬご高齢の重鎮でありながらも、この日野原氏にかかると子供扱いって感じがして(別にそのような扱いをしている訳ではなく)、いかに日野原氏の生き様というか、100年を超える人生が大きすぎて、共著でありながら敬意を払っても払いきれないって感じです。
多湖輝氏の「頭の体操」第1巻が出たのが1966年、私は9歳の頃ですが、家族が買ってきたこの本をその後何度も何度も繰り返して読み、続編も数冊買ってもらいました。
今でもクイズ形式の質問と挿絵、ページをめくって回答と挿絵というパターンをよく覚えています。もしかすると私が本を好きになったきっかけの本かも知れません。
本書は二人のインテリ高齢者から、これから老人になる人に向けての人生の考え方を、自分達の経験を通して短いコラムでそれぞれに語っていくというパターンです。
なにか参考になることあったか?って聞かれると、「スーパーな爺さん、二人ともいつまでもお元気で!」って言うしかありません。お二人から見習いたいことは山ほどありますが、人間の出来が全然違うっぽいので、そりゃー参考にはならないよーと、タメ息一つです。
日野原氏が書いていたことでひとつだけ備忘録のため。
「幸せとはなにか?身のほどを知ることが『希望』を手にし、幸せになる第一歩と言える。『願望』の中に生きるのではなく、『希望』の中に生きる。幸せはそこにある」
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
カラフル (文春文庫) 森絵都
1998年に発刊された小説で、2000年には映画も制作されています。著者の本は今回初めて読みますが、デビューは1990年、当初は児童文学が多く、その後活躍の場を拡げ「風に舞いあがるビニールシート」で2006年上半期の直木賞を受賞されています。
ストーリーはファンタジー的な内容で私があまり好きではない(好んでは読まない)パターンです。
主人公が死後に変な天使に出会って、くじ引きにあったからもう一度あんたの魂を地上に返してあげるっていうような奇想天外荒唐無稽波瀾万丈神出鬼没有名無実な物語です。
ま、それでも人気の作品と言うことで読み進めると、意外にこの主人公(死後他人の身体を借りて復活する中3の少年)の考え方が、ふざけた漫画のような小説にかかわらず、奇をてらわず、すごくまともな感覚の持ち主で、そんな物わかりのいい中学生なんかいるのか!ってひとりつっ込みながらも、それはそれなりに共感を覚えたり。
読み進めるうちに「最後はたぶんこうなるんだろうなぁ」「いやいやそれじゃあまりにも小説として芸がなさすぎ~」って思っていたら、当初の想像通り普通に終わってしまい、ちょっと複雑な思いです。
文庫で250ページ程度の軽い中編小説なので、あまり複雑な内容にできなかったということで仕方がないかな。
◇著者別読書感想(森絵都)
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現在自宅には私が大学時代の頃から買ってきて読んだ約3000冊の蔵書がありますが、そのうちの7~8割は小説です。
高校生までに読んだ本のほとんどは実家にあり、その後家を建て直すときに処分されているので残っていません。
また読んだ本の中には図書館や知人に借りたものもありますが、それらはもちろん蔵書に含まれません。
文庫や新書、単行本など大きさは様々ですが、平均して1冊が400グラムとすれば、3000冊で小型車1台分に近い約1.2トンになります。
現在は自宅の2階の1部屋にその8割方を置いていますので、書棚やその他家具等の重量と合わせ、大きな地震が来れば床が抜けないかちょっと心配です。
3000冊を18歳から今の58歳の40年で割ると、1ヶ月平均して6.25冊読んできた勘定となります。最近でこそ(割と暇があるので)月9冊ぐらい読んでいますが、20代30代の頃は仕事中心の生活であまり数は読めなかったことが影響しています。
多い少ないというのではなく、その3000冊(小説以外の書籍も多く含まれていますが)の中から自分で感じたお薦め小説を選ぶと言うことに意義を感じた次第です。
小説なんかを読むメリットがわからないという、ビジネス書や専門書ばかりを読む人が、特に若い人の中では増えているようですが、確かに小説は優れたビジネス書や専門書のように「今日からすぐに役立つもの」ではありません。
しかし長い人生の中において、様々な文化的な知識や背景、他人の考え方、行動、価値観を知り、人としての器を拡げたりと、ビジネス書にはない豊かな感性を磨き、人の感情の機微を知り、生きる上での知性をもたらしてくれるのではないかと思っています。
当たり外れがあるのは小説でもビジネス書でも同様で、Amazonの書評を見てもわかる通り、他人の評判などまったくあてにならないものですが、背中を押されでもしないと読まないって人もいるでしょうから、あえて私の個人的なお薦め小説を書いておきます。
まずは和書で著者名50音順です。最初、20冊ぐらいに絞ろうと思っていましたが、「これを入れてこれを入れないわけには・・・」とはじめると、結局86冊(作品)になりました。
予防線を張るわけではないのですが、消して文学的な評価が高いとか、有名であるからというのが選択基準ではなく、単に私が読んで面白かった、感動した、役に立った、後々記憶に残っているといった個人的なものなのであしからず。
・蒼穹の昴 浅田次郎
・壬生義士伝 浅田次郎
・心の旅路 阿刀田高
・追いつめる 生島治郎
・陽気なギャングが地球を回す 伊坂幸太郎
・海峡 伊集院静
・燃える秋 五木寛之
・メルセデスの伝説 五木寛之
・屍者の帝国 伊藤計劃・円城塔
・東京セブンローズ 井上ひさし
・靖国への帰還 内田康夫
・深い河 遠藤周作
・侍 遠藤周作
・沈黙 遠藤周作
・野火 大岡昇平
・感傷の街角 大沢在昌
・明日の記憶 荻原浩
・イン・ザ・プール 奥田英朗
・オリンピックの身代金 奥田英朗
・夜のピクニック 恩田陸
・まひるの月を追いかけて 恩田陸
・ワイルド・ソウル 垣根涼介
・トラブル・バスター 景山民夫
・山の音 川端康成
・みずうみ 川端康成
・それからの武蔵 小山勝清
・ベルリン飛行指令 佐々木譲
・昭南島に蘭ありや 佐々木譲
・警官の血 佐々木譲
・太平洋の薔薇 笹本稜平
・その日のまえに 重松清
・虚貌 雫井脩介
・項羽と劉邦 司馬遼太郎
・破戒 島崎藤村
・写楽 閉じた国の幻 島田荘司
・器に非ず 清水一行
・外食王の飢え 城山三郎
・黄金の島 真保裕一
・天上の青 曾野綾子
・成吉思汗の秘密 高木彬光
・懲戒解雇 高杉良
・燃える氷 高任和夫
・13階段 高野和明
・レディ・ジョーカー 高村薫
・永遠の仔 天童荒太
・長良川 豊田穣
・墨東綺譚 永井荷風
・神様のカルテ 夏川草介
・天の夕顔 中河与一
・こころ 夏目漱石
・三四郎 夏目漱石
・慟哭 貫井徳郎
・破線のマリス 野沢尚
・聖灰の暗号 帚木蓬生
・千日紅の恋人 帚木蓬生
・私が殺した少女 原りょう
・雨やどり 半村良
・晴れた空 半村良
・手紙 東野圭吾
・ガルーダ(神鷲)商人 深田祐介
・川の深さは 福井晴敏
・蝉しぐれ 藤沢周平
・テロリストのパラソル 藤原伊織
・空の城 松本清張
・氷点 三浦綾子
・午後の曳航 三島由紀夫
・豊饒の海(一)春の雪 三島由紀夫
・金閣炎上 水上勉
・にぎやかな天地 宮本輝
・ノルウェイの森 村上春樹
・二人静 盛田隆二
・トーキョー・プリズン 柳広司
・血族 山口瞳
・大地の子 山崎豊子
・丘の上の向日葵 山田太一
・あかね空 山本一力
・利休にたずねよ 山本兼一
・アイの物語 山本弘
・海に沈む太陽 梁石日
・軍旗はためく下に 結城昌治
・上弦の月を喰べる獅子 夢枕獏
・夏の庭 湯本香樹実
・出口のない海 横山秀夫
・三国志 吉川英治
・遠い日の戦争 吉村昭
・夜に忍びこむもの 渡辺淳一
一般書店には置いてない古い本や、絶版本も多く含まれています。中には著作権が切れて青空文庫で無料で(電子書籍として)読めるものもあります。
できるだけ現在の流行作家ではなく、長く読み継がれてきた、あるいは今後も読まれるであろう小説を選んでいます。もちろん個人的好みは色濃く反映しています。
こうして一覧にしてみると、記憶がだいぶんと怪しくなっているものもあり、また読んでみようかなと思ったり。いやいや、それはリタイアして毎日が日曜日になったときのために取っておこうかと思案しています。
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