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あえて調べるまでもなく日本の労働者(就業者)の高齢化が進んでいますが、総務省から発表されている労働力調査の年代別就業者数を見るとよくわかります。

年代別就業者数グラフ(総務省労働力調査)


赤い線の15~24歳までの若年層の就業者数の減少は、進学率の向上による影響もあるでしょうけど、もうひとつの大きな要因である少子化の波をうけて1992年頃から一気に下がり続けています。

逆に、65歳以上の高齢就業者数は1970年はわずか231万人だったのに対し、2013年は636万人と2.7倍に増えています。1970年代時の高齢者は戦争で亡くなった方も多く、そうした少ない事情もあるでしょうけど、その後は年々元気な高齢者が増え、高齢者が働ける環境が整ってきているということなのでしょう。

就業者全体の数が2013年は6311万人ですから、65歳以上の高齢就業者だけですでに10%を超えています。働いている人の1割以上が65歳以上の高齢者だということですね。

私の父親(大正8年生まれ)が現役バリバリで働いていた1970年代は、企業や役所の定年が55歳が普通で、貯金と退職金で年金が出るまでの間は食いつなぐか、60歳までは嘱託として働き、60歳で年金をもらいその後は悠々自適の生活でしたが、日本人の平均寿命が延びるのに合わせて年金支給が遅れ現役生活が長くなっていきます。

またグラフの中で各年代推移の最高値に達している点を「オレンジ色の○でマーキング」しましたが、これは人口の中でもっとも多い団塊世代がその年代で働いていたことがわかるポイントです。

また「黒い▲マーク」は団塊ジュニア世代で、現在40代前半に達していることがこの山になっていることでわかります。

こうした高齢者の就業者が増えているということを念頭に置いて、次に正規と非正規社員の推移について調べてみます。

テレビを見ているとキャスターやコメンテーターがわけ知り顔で「若者の非正規社員が増えている」「非正規が増えると非婚や年金未納など社会的な問題が起きる」と言います。

NHKですらニュースで「非正規社員の急増」と大見出しを出すだけで、その中身の真実については語りません。

非正規社員(らしい人が)が増えてきているのは、確かに実感としてもありますが、しかし「若者の非正規増」については前から疑問があり、今回同じ総務省統計局の労働調査から調べてみることにします。

ちょっと見づらいですが、2002年から2013年の年代別正規・非正規社員数の推移を表したグラフです。



このグラフをみると、非正規社員数が増える傾向にある年代は、35~44歳、55~64歳、65歳以上で、あとは横ばいか逆に下がっています。

35~44歳の働き盛りの年代に非正規社員が増えているのは問題ですが、この年代の特徴はここ5年ほどは団塊ジュニアという大きな塊が推移していて総数で増えていることで、それは正規社員数も同時に大きく増えていることからもわかります。

またこの年代は出産を終えて再び(非正規で)働き出そうという女性が多いのも特徴です。

つまり、労働人口の中に占める非正規社員が増えている最大の要因は、55~65歳と65歳以上の年代層に限られると言っても過言ではないということです。

特に民間企業ではまだ60歳定年のところが多く、60歳になると一度退職をして契約社員とか嘱託で再雇用されるケースがほとんどです。それらは正規ではなく非正規雇用となるので、この年代の非正規雇用が大きく増えてきているわけです。

人数では、団塊世代や団塊ジュニア世代という突出している数値があるのでわかりにくいということもあるでしょう。

そこで全雇用者(役員や個人事業者は除く)の中に各年代別に正規と非正規社員がどのぐらいの割合(%)を占めて推移しているかというグラフが下記です。率ですから人口構成の人数が多い少ないはほとんど関係ありません。



特に下の非正規雇用の年代別推移を見るとわかりますが、赤い線の15~24歳と、こげ茶色の25~34歳の比較的若い層の非正規雇用(率)はいずれも下がってきています。逆に45歳以上の年代の非正規社員(率)は大きく増えてきています。

つまり「若者の非正規社員が増えている」というのはまったくの誤りで、もし非正規社員増の問題を議論するなら、まず60歳以上の高齢者向けの対策、次に、30代後半以降の出産後の女性が非正規ではなく正規社員として復帰できる環境整備などが先でしょう。

もちろん60歳過ぎても転勤や残業、休日出勤まである正社員として目一杯働きたいと言う人ばかりではないでしょうし、出産後に子育てや親の介護をしながら残業や地方への出張もある正社員として復帰したいと願う女性ばかりでもないでしょう。

こうした統計数字はちょっと見誤ると、180度違った感想や意見を持ってしまうこともよくあり、またマスメディアはより刺激的な内容であればあるほど注目を浴び、視聴率が取れるので、それに都合の悪いことは伝えず、単に「非正規社員が増えている!さぁたいへんだぁ!」と視聴者や読者を煽り続けているわけです。


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