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星を継ぐもの (創元SF文庫)
著者のジェイムズ・P・ホーガンは1941年に英国生まれのSF作家で、この作品「星を継ぐもの(原題:Inherit the Stars)」は、仕事の傍らで書き上げ、1977年に発表(日本語翻訳版は1980年)されたデビュー作です。残念ながら数多くの作品を残し2010年に69歳で亡くなっています。
この作品が発表された1977年というと、アポロ11号が月面に着陸したのが1969年で、それから8年後という、まだ人類が月に対して期待とあこがれを持っている時期とも重なるのでしょう。
小説ではその月の凍った地中から宇宙服を着た人間のミイラ(チャーリー)が発見され、時代測定をすると、なんと5万年前に亡くなったものとわかります。
地球の5万年前というと化石で見つかっているのはホモサピエンスの起源ともされるクロマニョン人が現れた時代で、もちろん高度な文明や、月へ渡るだけの技術を持っていたわけではありません。
また5万年前にそれまで隆盛を極めていたネアンデルタール人が滅びて、現代人と同じホモサピエンスだけがなぜ生き延びてきたのかなど興味深いテーマと絡んできます。
さらに混乱を極めるのは、木星の周囲を回る惑星のうちガニメデの地下から、2500万年前の宇宙船と異星人が発掘されます。その宇宙船には人間とはまったく別の進化を遂げてきた高等生物である異星人のミイラと、倉庫には檻に入れられた地球から採取したと思われる生物や植物のサンプルが大量に積み込まれています。
専門用語?が飛び交い、ついて行くのにやっとですが、なぜ、今の地球人と5万年前に発達した文明に生きていたチャーリーとがまったく同じ進化を遂げていたのか?、2500万年前に地球上の生物が異星人によって地球外へ運ばれ進化した可能性は?当時の太陽系の惑星はいまちは違ってどう変化したのか?などSF小説ならではの大胆な仮説で面白く読ませてくれます。
しかし小説が書かれた当時は、アポロ計画の後、続いて火星や木星など次々と人類は宇宙への探求をするものと思われていた時期だったでしょうが、その後は考えられていたほどには進まず、火星はもとより、1972年以降は月面にすら新たに人類を送り込むことさえおこなわれていません。現代の科学ならば、技術的にはそう難しいことではないのでしょうけど、経済的なメリットが少なく、その割にリスクが高いということなのでしょう。
先日アメリカの探査衛星が9年の歳月をかけてたどり着いた冥王星の話しも出てきます。その星だけが他の太陽系惑星と違ってもの凄く小さい謎など、なるほどと思わせる推理でうならせてくれます。
なにか久しぶりに夢のあるワクワクするSF小説に出会えたって気がします。
★★★
◇著者別読書感想(ジェイムズ・P・ホーガン)
∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟
青が散る (文春文庫)
1960年代後半、著者の大学時代を描いた長編の青春小説で、1982年に発表されました。その後何度か改訂され、長く読み続けられている作品です。石原慎太郎の「太陽の季節
物語は、主人公が希望する大学には受からず、仕方なく滑り止めで受けて合格していた大阪の新設されたばかりの私立大学(追手門大学)へ入学金を納めにいくところから始まります。
高校時代に少しテニスをやっていた縁で、新しくテニス部を作ろうという同級生と一緒になって土方仕事をしてテニスコートを作り、一応形としてはテニス部らしい体裁を整えていきます。
そのテニス部に入ってくる同級生との友情や恋愛、テニス部の後輩とのプライドをかけた戦い、偶然に知り合った他校の大学生やその当時流行はじめていたシンガーソングライターの卵、そして友人の死など、自分の体験を元として、小説になるよう大幅にアレンジを加えつつ、書かれたものと思いますが、それにしてもまだ高度成長を遂げてはいない貧しい日本のなかで、登場人物達は当時としてはえらく優雅な大学生活を送っているなという感想です。
今では文壇の重鎮でもある著者の、原点とも言える青春時代をなぞった、学生生活の模様が淡々と描かれていて、こうしたお坊ちゃま的な作風が、その後もこの著者の様々な小説に反映されていくのだということがよくわかる作品でした。
★★☆
◇著者別読書感想(宮本輝)
∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟
月の上の観覧車 (新潮文庫)
2011年に単行本、2014年に文庫化された短編小説を集めた作品です。収録されている作品は「トンネル鏡」「金魚」上海租界の魔術師」「レシピ」「胡瓜の馬」「チョコチップミントをダブルで」「ゴミ屋敷モノクローム」「月の上の観覧車」の8編です。
著者とは年齢が1歳違いと近く、今までに時代と共に見聞きして体験してきた経験則も似ているということもあり、作品は概ね好きで、文庫になった作品の多くは読んできました。
特に早くから若年性アルツハイマー病についての作品「明日の記憶
この短編集では仕事、日常の生活、家族の死、淡い初恋など身近なテーマで淡々と語られていき、主人公の年齢も立場もそれぞれですが、なにか重い過去を背負ってきたり、感受性が豊かな普通の市井の人達って感じがして、それゆえに感情移入がしやすく、面白い作品に仕上がっています。
ただそれだけに感動とか、どんでん返しとかに期待はしちゃいけません。
次はビジネス的に求められるこのような短編小説ではなく、じっくりといい長編を書いて、今度こそ誰もが直木賞を推薦する作品に仕上げてもらいたいものです。
★★☆
◇著者別読書感想(荻原浩)
∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟
ジェントルマン (講談社文庫)
1985年に「ベッドタイムアイズ
1959年生まれの著者は、私とも年齢が近く、そろそろ週刊誌的な男女のドロドロした関係からも距離を置く頃かなと、ちょっと読んでみる気になりました。
この作品は2011年単行本刊、2014年文庫化された小説で、主人公は高校の同級生の男性に惚れてしまった同性愛者の男性です。
その主人公が惚れ込んでしまう男性ですが、高校時代から外面がよく文武両道で誰からも好かれていましたが、実は裏ではとんでもなくエゴイストで残酷な犯罪も平気でおこなっていることを知っています。
そうした倒錯した世界がこれでもか!ってぐらい出てきますので、私のように免疫がないと、読んでいると途中で吐き気を催しそうになってきます。あー気持ち悪い。
それでも男が男を愛する世界に興味があるって人は読めばいいのではないでしょうか。正常な人は、そういう世界のことは無駄なだけで知識として知っておく必要もないと思われます。
結局、期待したようには作風は変わってなく、こうした一部のマニアックな人には好評?だろう倒錯小説は、私のような凡人には無理だったようです。いずれにしても好みが別れるところです。
★☆☆
◇著者別読書感想(山田詠美)
【関連リンク】
7月前半の読書 神様が降りてくる、ギフト、巡礼、働かないオジサンの給料はなぜ高いのか
6月後半の読書 精霊の守り人、国家の闇、ミッキーマウスの憂鬱、きみはポラリス
6月前半の読書 とせい、アルケミスト―夢を旅した少年、銀二貫、ふがいない僕は空を見た
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神様が降りてくる
今年4月に69歳で亡くなった著者の最後の作品(2015年3月刊)です。他にも書きかけ、または未発表の作品があるのかも知れませんが、筆が遅かったことで有名な作家さんでしたから、たぶんこれより後に完成した作品はないのでは。
著者の作品は少々荒削りで、やたらと細かなところにこだわり、詳しくいちいち説明を書くようなところがあるものの、どこか惹かれるものがあり、デビュー作「流星たちの宴
特に私小説風の「病葉流れて
そのシリーズ含め、まだ文庫になっていない作品もいくつかありますので、今後はそれらを待ちたいと思います。
「病葉流れてシリーズ」に関しては「最後の無頼派作家白川道氏逝く」に書いてます。
本書では経済犯で刑務所に収監されていた小説家が主人公ですが、自身が経済犯で2年半服役した経験から、主人公をイメージしてふくらませていった内容となっています。
この小説では戦後の沖縄の歴史とも深く関わっていて、ちょうどいま普天間基地の辺野古移転で揺れる沖縄の現状と少しかぶるところもあり、タイムリーな内容となっています。
あらすじは、主人公で現在は作家の男の元に、収監中の刑務所で一緒だったアメリカ軍人の娘だという女性が現れます。
主人公は出所する直前にそのアメリカ人から沖縄に住んでいる恋人への伝言を頼まれたものの、刑務所時代のことは早く忘れたくてずっと無視を決めていました。しかしその女性に恋心を持ってしまい、女性とともに沖縄へと渡り、その伝言に秘められた謎について調べ始めることになります。
次々と登場してくる人物の会話から、その想像や思い込み、伝言、噂が頻繁に出てきて、読んでる側も話しがとっ散らかって混乱してきますが、沖縄が持ち合わせる過去の負の遺産はじめ裏側の部分、闇の世界に近づいていきます。
やがては主人公達の身に危険が迫るというハードボイルドらしい緊迫した空気も感じられ、映像化をしても面白そうな出来となっています。
最後のクライマックスでは、もう少しひねりや衝撃の展開があるのかとワクワクしていましたが、結果としてそうしたものは特になく、普通に終わってしまったのは最後の作品としてちょっと残念です。
◇著者別読書感想(白川道)
∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟
ギフト (双葉文庫)
「鎮火報 Fire's Out
主人公はある事件がきっかけとなり警察官の職を辞した須賀原という独身の男性で、退官後は世間から隠れるようにひっそりと生きています。
その主人公が勤めるレンタルDVDショップで、たびたびホラー映画の前で涙を流す少年を見つけます。
そしてある日交差点で突然道路へ飛び出しそうになった少年をとっさの判断で助け、事情を聞くとなんと映画の「シックス・センス
そういえばアメリカのサスペンスホラー映画で「ギフト
小説は連作形式の短編となっていて、交差点で交通事故に遭って死亡した老女、人間に虐待されて死んでしまった犬、自宅の庭の池で溺死した幼い少女、恥をかかされて自殺した虚言癖のある中年女性など、それぞれ理由があって地上に彷徨っている幽霊たち?の願いを、死者が見える少年とともにかなえていきます。
ま、今までの公務員が活躍する現実的な?お仕事本とはうってかわり、あまりにもリアリティのない内容で、世の果てまで見てきたような中高年男が読むには少し戸惑いがありますが、こうしたティーンエージャー向きのほんわかするような小説もあっていいのだろうと自分を納得させました。
この小説も「シックス・センス」や「ギフト」同様、大人から子供まで楽しめる映像化に向いた作品かも知れません。悩める主人公で元警察官の須賀原役には妻夫木聡あたりが向いているのでしょうか。
◇著者別読書感想(日明恩)
∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟
巡礼 (新潮文庫)
著者は昭和23年生まれの67歳、いわゆる団塊世代に属する作家さんで、1977年にデビュー作とも言える「桃尻娘
テーマはいま大きな社会問題となっている「ゴミ屋敷」とそこの住人で、住人の親や家族はもとより、迷惑がる周囲の住人達やゴミ屋敷がある新興住宅街が出来上がってきた歴史などもおりまぜた壮大なスケール?の小説となっています。
ちょっと話しはずれますが、ゴミ屋敷の問題は、そこの住人の健康問題、つまりゴミをゴミと認識できず、ただ集めて捨てられず、臭いや不衛生にも無頓着になってくるという住人の精神的疾患が絡んできますので、行政側もマスコミ側もうかつに手を出せないタブーな領域となっています。
それに個人の土地内であれば、持ち主の了解なしでは不衛生や臭いがするという理由だけで勝手に掃除したり処分をすることはできません。そこの住人にとってはゴミも自分の資産だと言い張るので、行政も簡単には動けないわけです。
どうしてそうした精神構造に陥ってしまったのか、周囲の住人達はどう考え行動するのか、などあくまでフィクションですが、深層心理にまで踏み込んだ、追い詰められていく人物描写がうまく描かれています。
ただ視点というか語る主役が様々な登場人物に置き換わり、途中になかだるみを感じます。ゴミ屋敷の住人と弟だけにに限定した視点だともっとわかりやすくなったかなと。
結構暗くて気の重い話しですが、小説の最後の2行「修次は、暗い闇の中にいた自分の兄が、金色の仏と夜の中で出会ったのだと思った。そのように思いたかった・・・」で少し救われた気持ちになります。
◇著者別読書感想(橋本治)
∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟
働かないオジサンの給料はなぜ高いのか: 人事評価の真実 (新潮新書)
「サラリーマンは、二度会社を辞める。」「会社が嫌いになったら読む本」など会社と仕事に関する独特の感性と考え方をもつ著者は、私と年齢が近いですが、社会人のスタートは私のように3流大学から3流零細企業へ入ったのではなく、京大から生命保険会社へというエリートでした。
そして働き盛りの40代にうつ病に罹ってしまい休職することになり、その後はご自身の経験などを生かして「こころの定年」評論家として活躍されています。
本書は新書ですから毎度のことで、ほとんどの場合著者には責任がないのですが、タイトルに下世話で刺激的な言葉を使って、「売れればなんでもOK!」と中身以上の興味を引くようになっていて、ネットのニュースと同じ臭気が漂います。出版社などメディアにいる人独特の感性でしょう。
さて、本題は著者が30年近く経験してきた雇用問題や企業の採用慣習などをまとめたものですが、いかんせん、著者自身がエリートで、新卒時は悠々と大企業への入社組だけに、おそらく多くの人には無縁の世界の話しかも知れません。
例として出てくる企業も、銀行や証券会社、総合商社、大手製造業、大手流通業、市役所、中央官庁など数千名~数万名規模の会社や組織が中心で、そうした大企業や大手官公庁で働く人の割合は勤労者全体の約20%(大企業数の割合は全体の0.3%)ぐらいですから、他の80%の人には縁遠い世界のことです。
私も若い頃に高杉良や城山三郎のビジネス小説をよく読みましたが、「どうも自分の働いている会社の環境と話しが違い過ぎてるな、小説だから盛っているのか?」という違和感が常にありましたが、それは小説に出てくる大企業内部と、自分が勤める零細企業との差だということが、あとになってからわかりました(鈍すぎます)。
もちろん新卒の学生が能力やスキルを評価してもらえると勘違いをして必死にそれを人事部へ訴えかける無駄を説くあたりは納得いく箇所ではありますが、それも大企業と中小零細とでは大きな差があり、特に零細ベンチャー企業なんかでは今や「一緒に働きたい仲間募集」などしち面倒なことはせずに、「能力スキル重視」で採用していることは当然知ってのことだろうと思います。
結局「働かないオジサン」ができるわけは、新卒一括採用と終身雇用という日本独自の雇用慣習が純然とあるからという結論ですが、今でもそれが残っているのは、官公庁や大企業だけで、もう余裕などない中小企業や零細企業にはそんなのはほとんどないのですけどね。
私が経験した数社の中小企業では、新卒も数名は採用してましたが、それ以上に中途キャリア採用が多いし、定年まで勤め上げるような人はいない(辞めていくか辞めさされる)、そういうのとまったく無縁のところばかりでした。
しかし働かないオジサンがクビになる前にやっておくべき事など、身に覚えがある人は読んでおいたほうが気休めになるかも知れません。
【関連リンク】
6月後半の読書 精霊の守り人、国家の闇、ミッキーマウスの憂鬱、きみはポラリス
6月前半の読書 とせい、アルケミスト―夢を旅した少年、銀二貫、ふがいない僕は空を見た
5月後半の読書 慈悲深い死、港町食堂、グランド・フィナーレ、知の逆転
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精霊の守り人 (新潮文庫)
1996年に発表されたファンタジー小説で、その後「闇の守り人
考えてみると直木賞や芥川賞というのは年2回選考会があり、しかも複数名の同時受賞もあります(受賞者なしもある)ので、平均すれば年に2~3名ずつが受賞していることになりますが、本屋大賞は原則年に1名だけなので、こちらのほうが受賞するのが難しい賞となっています。
それだけに価値も高いかな。でもそのうち本屋大賞も、より商業的になってくれば、年2回の開催とになったりするのかも。
さて本題に戻ると、この作品を原作として過去にはラジオドラマやアニメとして放送がされましたが、来年2016年から3年に渡って『放送90年 大河ファンタジー 「精霊の守り人」』として実写ドラマが放送される予定です。
主演となる女用心棒バルサ役は綾瀬はるかです。どうしてもあの鉄砲を構える勇ましい八重の姿がダブってしまいそうです。
ストーリーについてはネタバレするとアレなので、こうした小説の場合あまり触れない方がいいのでしょうけど、大ざっぱに書くと、架空の国の物語で、精霊の卵が身体に宿ったのため、国王から抹殺されそうになった第二王子を守るために、女用心棒の主人公が王妃に雇われて、卵を食べる魔物や王子を取り戻そうとする追っ手と戦って100年に一度現れるという精霊の卵の真実を明らかにしていくというもの。
ま、話の展開的には児童小説とも言えるけれど、主人公が30歳になる成熟した女性ということで、大人が読むことを想定して書かれているというのがわかります。児童文学なら主人公は子供だったり子供の面倒を見る先生だったりしますので。
いずれにしても、本を読むことで「ファンタジーに思いを寄せたい」、直接的に言えば「現実から逃避をしたい」って思う人には、ル=グウィン著「ゲド戦記
∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟
国家の闇 日本人と犯罪<蠢動する巨悪> (角川oneテーマ21)
「闇に消えた怪人―グリコ・森永事件の真相
この本ではオウム真理教事件、収賄汚職、大疑獄事件、ロッキード事件、グリコ・森永事件、赤報隊事件などの犯罪を通して見えてくる犯罪者の心理、犯罪者や悪徳政治家の行動、それに対する警察や検察、骨抜きにされてきたマスコミ、そして洗脳される人達など過去の犯罪と謎の総まとめといったところでしょうか。
また、新書らしく、著者の単行本や文庫のPRがあちこちに登場し、それらの紹介とPRのために書かれたって感じもします。「この事件については詳しくは拙書○○に」っていう、ちょっと嫌らしい感じですが最近の新書ではそれが当たり前なのかも。
ザッと目次を書いておくと、
序章 巨悪は永遠に眠らない(金丸事件など政治家と金の問題)
第1章 カルトに群がる亡者たち(国際武器商人とオーム真理教)
第2章 国際謀略組織の犯罪(金大中事件、下山事件、三鷹事件など)
第3章 ジジババ喰いのマニュアル(豊田商事事件~ライブドア事件~振り込め詐欺)
第4章 劇場型企業テロの源流―グリコと赤報隊・悪の連鎖(闇社会のヒットマン)
※( )内は主な概要
古い話が多いものの、また内容がどこまで信用できるかはさておき、かなり深い闇の話しがこれでもかって書かれていて、著者の身を案じます。
例えば、自殺とされた下山事件は決して自殺ではないとか、ライブドア事件で取締役だった野口英昭が沖縄のカプセルホテルで不審死を遂げ、すぐに自殺とされた件も口封じだったとか、警察庁長官狙撃事件やオーム真理教の村井秀夫幹部が刺し殺された事件、また赤報隊事件など未解決事件には闇のヒットマンの存在など。
だからということではないのでしょうけど、一応著者名は本名ではなくペンネームですが、最近では特に本名を隠しているわけではなさそうですね。
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ミッキーマウスの憂鬱 (新潮文庫)
「千里眼シリーズ」などで有名になった作家さんで、「催眠―Hypnosis
この小説はそうしたサイコティックや心理学テーマを扱ったものではなく、東京ディズニーランド(TDL)で働く派遣バイトを主人公とする青春ドラマって言うか、ディズニーの舞台裏と雑学を楽しめる小説です。
TDLはキャラクター管理や名称使用にやたらと決まりが厳しくてうるさいところなのですが、こうしたキャラクターの名称をタイトルにした小説が出るとはちょっと驚きでした。
また話しの中身も、架空の運営会社ということになっているにしろ、TDLの仕事の裏側や、権力を持って威張り散らす制服組の正社員と、バイトや準社員という非正規社員との関係や心の葛藤などを描いているのも、よくクレームつけられなかったな?って思います。
当然、小説ですから、架空の話しとして読まなくてはいけませんが、しかしところどころに事実も含まれていそうで、ディープでない普通のディズニーファンからすれば、楽しいTDLの裏側ではこんなに厳しい管理やゲストのためにキャストが努力をしてくれているのだってことがわかり、キャストやキャラクターを見る目がもっと優しくなりそうです。
私はと言えば、TDLが開設されたのが1983年、すでに社会人になってからで、特にデートとかで利用したことはなく、結婚して子供ができてから、数回連れて行ったぐらいで、さして興味も関心もありません。
とは言え、行くとそれなりに現実から離れられて、夢があって、気持ちが高ぶるのはやはりそうしたキャストの面々が来場者を楽しませるために努力奮闘しているのだなぁって思わずにはいられません。
◇著者別読書感想(松岡圭祐)
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きみはポラリス (新潮文庫)
2007年に単行本、2011年に文庫化された短編小説集です。まったく事前の情報なく読みましたが、どうも片想い、純愛、裏切り、禁断の愛、同性愛、偏愛など様々な愛の形を短編にまとめたものでした。
著者の作品では「まほろ駅前多田便利軒
あとタイトルの「ポラリス」っていう響きがなんとなく好きで、意味はこぐま座にあるいわゆる北極星ということですが、不動の愛とその周辺を回る様々な人間模様ということを表しているのかなとちょっと感じた次第。
その短編作品は「永遠に完成しない二通の手紙」「裏切らないこと」「私たちがしたこと」「夜にあふれるもの」「骨片」「ペーパークラフト」「森を歩く」「優雅な生活」「春太の毎日」「冬の一等星」「永遠につづく手紙の最後の一文」の11編からなっています。
ま、個人的な感想で言えば、この作家さんは短編よりも前述の中・長編小説のほうがいい感じです。雑誌などの依頼でこうした一話完結スタイルの短編を求められることが多いのでしょうけど、長編がうまい人の作品は、やはり長編をちゃんと選んで読むべきだったかも。
◇著者別読書感想(三浦しをん)
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イニシエーション・ラブ (文春文庫)
著者は1998年にデビューし、比較的軽く若い人に人気の恋愛やミステリーをテーマとした繊細な小説を多く書いている作家さんで、ペンネームからすると女性だとばかり思っていたら、なんと!ひげ面の堂々とした体格の男性なんですね。
この小説は「塔の断章
内容は昭和のバブル景気の中、静岡に住む理系の大学生の主人公をキーとして、合コンで知り合った女性との恋愛小説として進んでいきます。
大学生が合コンで知り合った女性との恋愛がテーマの小説と言えば、少し前に読んだ吉田修一著「横道世之介 (文春文庫)
この小説、しっかりと読んでいると、最後の一言で、「え?」って、再び前に戻って再読せずにはいられないという仕掛けがありますので、ストーリーは書きませんが、この不思議な仕掛け?を映画ではどのように表現したのかちょっと興味があるところです。
こうした普通の小説の中に、ミステリー的というか、仕掛けをするっていうのが、流行なのかそうかわかりませんが、真梨幸子著の「殺人鬼フジコの衝動
小説を読むって言うのは言わば頭をリラックスさせたい時なので、個人的にはこのような凝ったややこしい小説はあまり好きではありません。
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5月前半の読書 大人の流儀、その時は彼によろし、長生きすりゃいいってもんじゃない、カラフル
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少し前に「お薦めの面白い小説(国内本) 」を書きましたが、その続きで今回は翻訳小説をあげておきます。
細かくカウントしたわけではありませんが、蔵書3000冊の内、およそ8割が小説で、その小説の中の1/4ぐらいが翻訳小説です。つまりその数600冊の中から選んだ48冊(作品)です。順番は著者名の50音順です。
国内の小説の時にも書きましたが、決して他の評判が高いとかで選んだのではなく、自分が読んでみた中で、面白かった、感動した、長く記憶に残ったというのが選択理由で、個人的な感覚ですので異論・反論は受け付けておりません。
・ロシア皇帝の密約 ジェフリー・アーチャー
・チェルシー・テラスへの道 ジェフリー・アーチャー
・警察署長 スチュアート・ウッズ
・ブラック・ダリア ジェイムズ・エルロイ
・変身 カフカ
・冷血 トルーマン・カポーティ
・異邦人 カミュ
・ナイロビの蜂 ジョン・ル・カレ
・アルジャーノンに花束を ダニエル・キイス
・デカローグ クシシュトフ・キェシロフスキ/クシシュトフ・ピェシェヴィチ
・アトランティスのこころ スティーヴン・キング
・スタンド・バイ・ミー スティーヴン・キング
・夏草の記憶 トマス・H・クック
・緋色の記憶 トマス・H・クック
・過ぎ去りし日々の光 アーサー・C・クラーク
・グランド・バンクスの幻影 アーサー・C・クラーク
・ライトニング ディーン・R・クーンツ
・ウォッチャーズ ディーン・R・クーンツ
・パイレーツ マイクル・クライトン
・愛国者のゲーム トム・クランシー
・フランチェスコの暗号 イアン・コールドウェル/ダスティン・トマスン
・蒼穹のかなたへ ロバート・ゴダード
・ナイトホークス マイクル・コナリー
・ある微笑 サガン
・シンプル・プラン スコット・スミス
・チャイルド44 トム・ロブ・スミス
・大いなる眠り レイモンド・チャンドラー
・カンタベリー物語 チョーサー
・罪と罰 ドストエフスキー
・復活 トルストイ
・夏への扉 ロバート・A・ハインライン
・マルタの鷹 ダシール・ハメット
・狩りのとき スティーヴン・ハンター
・初秋 ロバート・B・パーカー
・雨の朝パリに死す F・スコット・フィッツジェラルド
・THE DECEIVER1騙し屋 フレディック・フォーサイス
・アフガンの男 フレディック・フォーサイス
・鷲の翼に乗って ケン・フォレット
・007/カジノ・ロワイヤル イアン・フレミング
・八百万の死にざま ローレンス・ブロック
・車輪の下 ヘルマン・ヘッセ
・O・ヘンリ短編集 O・ヘンリ
・卵をめぐる祖父の戦争 デイヴィッド・ベニオフ
・海流の中の島々 ヘミングウェイ
・さむけ ロス・マクドナルド
・失楽園 ミルトン
・メービウスの環 ロバート・ラドラム
・ミスティック・リバー デニス・レヘイン
和書と同様、古いものが多く、すでに絶版本もあるかも知れませんが、逆に最新版ではないだけに、うまくすればブックオフなどで100円で購入することもできますので、お手軽でしょう。
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話は変わりますが、このまま蔵書を保管しておくか、あるいはどこかへ売っぱらうか、それとも寄付するかボチボチと考えています。
子供達が独立してくれて部屋が空くか、それとも今よりもっと広い部屋に住めると、そのまま置いておけるのですが、いずれもすぐにかないそうにないので、本がそろそろ生活の場にまであふれ出して邪魔になってきました。
なんでも多くの公立図書館では古書の寄付が多く集まりすぎて、闇雲に寄付されるのは嬉しくないようなことをニュースでやっていたので、ここは面倒がない古書屋さんに来てもらって一気に引き取ってもらうのがいいのかも知れません。
色が変色してしまって値段が付かないような古い本も多いのですが、それはそれで無料で引き取ってもらえるならヨシとせねばなりません。
ミカン箱ぐらいの段ボール箱1箱に詰めると文庫本で100冊ぐらい、単行本だと40冊ぐらい入りますので、平均して70冊詰められると仮定すると、3000冊(約1.2トン)全部を段ボール箱に詰めると43箱(1箱28kg)となります。
一度に売っぱらうのが半分だとしても、買取業者さんはトラックで来ないと一度では運べなさそうですね。
23年前に今の家に引っ越ししてきた時、やはり本だけで段ボール箱20箱ぐらいあり、引っ越し業者のアルバイトのお兄さんが「いったいどれだけあるの、このクソ重たい箱」とうんざりしながら愚痴ってました。そうなんですよねぇ、まったく迷惑な重さと量です。
【関連リンク】
920 お薦めの面白い小説(国内本)
886 リス天管理人が選ぶ2014年に読んだベスト書籍
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784 リス天管理人が選ぶ2013年に読んだベスト書籍
676 2012年に読んだ本のベストを発表
509 本屋大賞ノミネート作品について
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931
とせい (中公文庫)
著者は大学在学中の1978年に作家デビュー、その後はサラリーマン生活を送るもすぐに辞めて作家と、大学時代から始めた空手に専念というちょっと変わった経歴の持ち主です。著書の多くは警察事件ものですが、サイキックやSF的な小説もあります。
著者の作品で私が過去に読んだ4冊「隠蔽捜査
今回のこの小説は警察モノではなく、タイトルからもわかるようにヤクザ稼業を描いたもので、ストーリーはひょんなことからつぶれかかっている総合出版社の経営をすることになった弱小ヤクザ組織が、獅子奮迅の働きで出版社を蘇らせていくという、ま、ありきたりと言えばそのような内容です。
ヤクザが介護ヘルパーとして老人ホームで働いたり、ヤクザのイメージアップのために広告代理店が関わったりするコメディタッチのこの手の小説がすでにあり、こうした内容はもはや珍しくもありませんが、確かに出版社とヤクザ稼業とは案外相性がよいのかも知れません。
つまり週刊誌グラビアに使う元有名アイドルの「脱がせ屋」、関西のヤクザ同士の抗争裏話、ブラックな芸能プロ所属のタレントへのインタビューなど、出版社が望むものをヤクザがコネと脅しを使って紹介することで、うまく手に入れられそうです。素人っぽいちょっと安易な考えではありますが。
小説では、他に出版社の再生と並行して、本来のヤクザ稼業である技術力はあるけど需要が減少して運転資金を闇金から借りていた倒産間際の町工場の高利貸しトラブル解決や、同業者がフロント企業を通じて合法的なしのぎ稼業の販売ノルマに汲々している姿など、コミカルに書かれています。
なお、この「とせい」の続編?と言える「阿岐本組任侠シリーズ」として「任侠学園
◇著者別読書感想(今野敏)
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
アルケミスト―夢を旅した少年 (角川文庫―角川文庫ソフィア)
著者はブラジルの作家で、この本は1988年に発表され、世界中に拡がった有名な小説です。原題はポルトガル語で「O Alquimista」。アルケミストとは直訳すれば錬金術師という意味です。
特になにも事前情報なしにしばらく読むと、主人公は少年で、これは「星の王子さま
ストーリーは、牧師になるため神学校に通っていたスペインはアンダルシア地方の少年が、「旅をしてもっといろんなところをみてみたい」と親の反対を押し切り、あちこちを旅する羊飼いになります。
そしてある廃れた教会で野宿していると、二日続けて同じ夢を見ます。その夢のことをジプシーの老女に夢診断してもらうと、ピラミッドの近くで宝物を発見すると予言され、飼っていた羊を売って渡航費を作り、単身海を渡りアフリカへ向かいます。
しかしピラミッドのある街へ行くにはサハラ砂漠を横断して行かねばならず(上陸したのは西海岸モロッコ付近?)、その旅のガイド役を探していたところ、地元の少年に有り金全部を奪われてしまうことに。
お金をなくしたために、商売で身を立て、その他いろいろなことがありつつ、お金を作り、当初の予定通りにピラミッドへ向かう途中の砂漠のオアシスで、タイトルにもある錬金術師と出会い、そこでまた様々な試練を乗り越えピラミッドへたどり着くという物語。
「大切なのはお金ではない」とか「希望を持ち努力することは成功につながる」や、「前兆を知りそれをを逃すな」など教訓めいた話しが盛りだくさんあって、道理で世界中でベストセラーになった訳です。
◇著者別読書感想(パウロ・コエーリョ)
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
銀二貫 (幻冬舎時代小説文庫)
私とは年齢で2歳違いの著者が時代小説家としてデビューしたのは2008年の短編集「出世花
この小説は2009年に単行本、2010年に文庫化された小説で、江戸時代に大坂にあった寒天問屋の商人の話しです。知りませんでしたが、昨年2014年にはNHK総合テレビの木曜時代劇枠でドラマが放送されたそうです。
脱藩して流浪中の侍の父とその子(主人公)が大坂の街を歩いていたとき、子供の目の前で父親が敵討ちに遭って斬られてしまい、そこを通りがかった寒天問屋の主に銀二貫で救われます。
父親は亡くなり、他に身寄りがなかったため、救った大坂商人の主が面倒を見ることとなり、商人(あきんど)魂を叩き込まれ、様々な辛苦を乗り越えて成長していく姿を描いています。
タイトルの銀二貫とは、父親が斬られた際に、寒天問屋の主人が焼けた天満宮へ寄進するために持っていたお金で、機転を利かせてそれを父親を斬った侍に渡すことで、子供を救うために使いました。
その父親を斬った侍に渡った銀二貫が終盤でなにに使われることになったのか判明することになりますが、それはこの本を読んだ人だけのお楽しみと言うことで。
なにか、2002年の直木賞に輝いた山本一力著「あかね空
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
ふがいない僕は空を見た (新潮文庫)
本作品は2010年に発刊され、第24回山本周五郎賞を受賞し、2011年の第8回本屋大賞では第2位に輝いた作品です。また2012年にはタナダユキ監督、永山絢斗、田畑智子らの主演で映画化もされています、見てませんが。
内容はそれぞれに主人公が変わる連作短編集となっていて、「ミクマリ」、「世界ヲ覆フ蜘蛛ノ糸」、「2035年のオーガズム」、「セイタカアワダチソウの空」、「花粉・受粉」の5編からなっています。
テーマは恋愛と不倫というか、ちょっとややこしい関係になっていて、短編だから読み進めると徐々にそれがほぐれていくって感じ。
ま、コスプレにはまる主婦とか、ネットで噂が広まるとかの現代的なテーマと、主人公の母親が昔ながらの自宅で助産師の仕事をしているという設定など、話し的には登場人物が面白く割り振られているなぁって感じ。
でもなにか淡々としすぎていて、ちょっと物足りないと感じてしまうのは、他の多くの小説の余計なまでに強い刺激に慣れてしまったからかも。
◇著者別読書感想(窪美澄)
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
ゲイルズバーグの春を愛す (ハヤカワ文庫 FT 26)
この小説は短編として発表されたものを集め、1960年に発刊された作品で、収録作品は「ゲイルズバーグの春を愛す」(I Love Galesburg in the Spring-Time)、「悪の魔力」(Love, Your Magic Spell is Everwhere)、「クルーエット夫妻の家」(Where the Cluetts Are)、「おい、こっちをむけ!」(Hey, Look At Me!)、「もう一人の大統領候補」(A Possible Candidate for the Presidency)、「独房ファンタジア」(Prison Legend)、「時に境界なし」(Time Has No Boundaries)、「大胆不敵な気球乗り」(The Intrepid Aeronaut)、「コイン・コレクション」(The Coin Collector)、「愛の手紙」(The Love Letter)の10編です。
選んでそうなっているわけではなく、短編を読むと、なぜかその後も続いてしまいます。短編はあまり好きではないのですけどね。
好きではない理由は、雑誌や週刊誌の誌面の都合上、決められた文字数で短編の1話完結型にしたいがためってケースが多く、それだと似たようなストーリー展開になり、週刊誌のコラムと変わらないじゃん、って思うようなものが多いから。
こちらの古い作品は特にそういう週刊誌の連載という事情があってのことではなさそうで、ボリュームもそれぞれに違っていますが、でもやっぱり著者が昔住んでいた場所が舞台となっていて、コラムにしても良さそうな雰囲気は漂っています。
タイトルにもなっている最初の作品の「ゲイルズバーグ」はアメリカ合衆国の中西部に位置するイリノイ州の北西部ノックス郡に実在する人口3万人ほどの街で起きた出来事の物語です。
最初は南北戦争の激戦地で、リンカーンがおこなった演説でも有名な「ゲティスバーグ」と勘違いしてました。
そうしたタイトル名だったので、最初は南北戦争にまつわるような話かなぁって思っていましたが、全然違いました。この街は、著者が昔住んだことがある街のようです。
「O・ヘンリ
◇著者別読書感想(ジャック・フィニイ)
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