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コロナ禍だったこともあり、最近は行く機会がめっきりと減ってしまった公衆浴場、いわば銭湯(日帰り温泉含む、以下同様)ですが、4年前にも一度書いています。

減り続ける銭湯と競争が激しくなる温泉 2018/2/10(土)

1968年にピークを迎えた銭湯は全国公衆浴場業生活衛生同業組合連合会調べでは、当時全国各地に1万7999軒ありましたが、その後減少していき、54年後の2022年は1865軒となんと90%近くの減少となっています。完全に衰退産業と言えるでしょう。

もちろん、減少の理由は自宅に浴室が完備されてきたことが一番ですが、それ以外にも人口減少や銭湯の設備の古さから常連さん以外に敬遠されてきたことも影響あると思います。

また不特定多数の人前で裸になるのを嫌がる人が増えていることがあるかも知れませんが、これは子供の頃から普通に銭湯に馴染んでいると、大人になっても気にしないと思うので、銭湯が中学生以下を無料にするとか、子供が楽しめるようなイベントをするとか、積極的に誘致する対策を怠ってきたのかも知れません。

あとは、銭湯は比較的大きな敷地を使っているので、価値が高い立地にあるならば、いわゆる地上げや相続対策でマンションを建設するとかで、あっさりと売却や転業してしまうことが多そうです。

上記の全国公衆浴場業生活衛生同業組合連合会のデータとは別ですが、厚生労働省 生活衛生関係の一般公衆浴場推移のデータをグラフと表にまとめました。

公衆浴場がピークだった頃から9年後の1977年(16,866軒)から、最新の2020年(3,231軒)までの推移グラフです。


出典:厚生労働省 生活衛生関係(公衆浴場数)年次データ

こちらのデータも43年間でおよそ80%ダウンという凄まじさです。比較の対象として適当ではありませんが、減少著しいと言われているスキー人口はここ30年間で75%減少したと言われていますがそれと同等の下がり方です。

個人的には、日帰り温泉施設などが新規オープンした案内をよく見たり聞いたりするので、古い昔ながらの銭湯が減る代わりにそうした新しい温浴施設が増えているのかなと思っていましたが、数的にはあまり影響してなさそうです。

次に都道府県別で一般公衆浴場の数を調べてみました。

都道府県別一般公衆浴場(多い順ベスト20、少ない順ワースト20)
 公衆浴場が多い順     公衆浴場が少ない順 
01 東京都 1,900 鳥取県 137
02 北海道 1,256 高知県 141
03 静岡県 1,178 福井県 146
04 長野県 1,119 徳島県 175
05 神奈川県 1,048 島根県 178
06 兵庫県 1,043 奈良県 199
07 大阪府 883 香川県 216
08 千葉県 854 宮崎県 229
09 福岡県 742 山形県 232
10 鹿児島県 712 岩手県 241
11 熊本県 694 和歌山県 249
12 愛知県 659 佐賀県 271
13 埼玉県 608 富山県 274
14 新潟県 598 沖縄県 282
15 大分県 543 滋賀県 289
16 愛媛県 538 長崎県 306
17 岐阜県 528 三県重 308
18 栃木県 481 岡山県 308
19 福島県 474 秋田県 315
20 茨城県 454 山梨県  318
出典:厚生労働省 生活衛生関係(公衆浴場数)2020年度 都道府県別

やはり人口が多い東京都に公衆浴場が一番多いですが、2番は大阪府や神奈川県ではなく、北海道、3位は静岡県、4位は長野県と、人口は大都会よりは少ないですが、比較的温泉が多い地域という感じがします。

そのため、一般的な銭湯というより、温泉地によくある公衆温泉施設や湯治施設などが影響しているように思われます。

しかし公衆浴場が少ない(ワースト)鳥取県や高知県、福井県も、温泉はそこそこありそうなので、ワースト3というのはちょっと解せません。公衆浴場以上に人口の減少が大きい県ということがあるかも知れませんが、他に理由があるのでしょうか。

そこで温泉地の公衆浴場が影響しているのかどうか、都道府県別の人口10万人あたりの公衆浴場数を調べてみました。

都道府県別一般公衆浴場(人口10万人当たり、多い順ベスト20、少ない順ワースト20)
人口10万人当たり公衆浴場多い順   人口10万人当たり公衆浴場少ない順
01 長野県 56 埼玉県 8
02 大分県 49 愛知県 9
03 鹿児島県 45 大阪府 10
04 愛媛県 41 神奈川県 12
05 熊本県 40 千葉県 14
06 山梨県 40 東京都 14
07 青森県 35 福岡県 15
08 佐賀県 34 奈良県 15
09 静岡県 33 広島県 16
10 秋田県 33 茨城県 16
11 石川県 31 岡山県 17
12 岐阜県 27 宮城県 17
13 新潟県 27 三県重 18
14 和歌山県 27 京都府 18
15 富山県 27 福井県 19
16 島根県 27 兵庫県 19
17 福島県 26 沖縄県 19
18 山口県 26 岩手県 20
19 栃木県 25 高知県 21
20 鳥取県 25 滋賀県
21
出典:同上

人口10万人あたりの公衆浴場数で見ると、やはり温泉地で有名な、長野県(野沢温泉、蓼科温泉など)、大分県(別府温泉、湯布院温泉など)、鹿児島県(指宿温泉、霧島温泉など)、愛媛県(道後温泉など)、熊本県(阿蘇温泉など)、山梨県(石和温泉など)が上位に並びました。

逆に人口10万人当たりで公衆浴場が少ないのは、埼玉県や愛知県、大阪府、神奈川県でやはり人口が多い大都市部の都府県が中心となります。

その中でも意外なのはワースト8位の奈良県ですが、そう言われると奈良県には古くからの温泉地が少なそうです。すぐ近くには和歌山の白浜温泉や南紀勝浦温泉、龍神温泉などがあり、そうしたところに押されている感じです。

現在、新型コロナの影響は落ち着いてきましたが、燃料費の高騰が続いていて銭湯など浴場の経営は楽ではないでしょう。

人口も減っていき、やがて銭湯が好きな高齢者もだんだんと通うのがたいへんになり、若い人はというと、サウナこそ人気ですが、昔ながらの銭湯へ通うことは期待できず、多人数でお風呂に入る経験がない今の子供達が、大人になってから銭湯へ通うとも思えず、決して未来は明るくなさそうです。

ドキュメンタリーなどで、後継者がいなくて廃業寸前の銭湯を若い人が買って再生するというストーリーは各地でありそうですが、いくら銭湯が好きな高齢者社会とはいえ、これから利用者を増やすというのは極めて難しそうです。

日本の良き伝統だった銭湯や湯治は、古くはテレビドラマの「寺内貫太郎一家」(1974年など)や、映画「テルマエ・ロマエ」(2012年)、「湯を沸かすほどの熱い愛」(2016年)などがあり、それぞれ楽しめましたが、見ていると失われつつある日本の文化という見方に変わってきました。

以前、山梨の日帰り天然温泉へ寄ったとき、来ていたのは地元の老人ホーム?から団体でマイクロバスに乗ってやってきた高齢者だけでした。都市部でも、そうした送迎付きの温浴施設ならば喜ばれるかも知れませんが、いずれにしてもターゲットが高齢者だけなら限度があります。

根本的な解決は若い人に銭湯や温浴施設にいかに足を運んで、常連になってもらうか?ですので、綺麗でプライベートな場所もあり、オシャレな健康設備(エステやジム)もあるというような転換を図らなければダメでしょう。

いずれにしても、まもなく日本から古い伝統的な銭湯がなくなるのも時間の問題かも知れません。

【関連リンク】
1199 減り続ける銭湯と競争が激しくなる温泉
1005 泉質による温泉健康法
565 冬はやっぱり温泉でしょう



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