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年末で退職し、新年から就職活動を始めようとする方も多いのではないでしょうか。若い人や、稀少な特技、資格の持ち主であれば、仕事内容、業種、企業規模、地域を選ばなければ、非正規雇用を含む再就職にそれほど難しいことはないのでしょうけれど、中高年以上で、特段これといえる資格や特技、それを裏付ける経験がないと、これはもう半端なく再就職への道は険しいものがありそうです。

201201_001.jpg再就職活動において必ず必要となるのが履歴書と職務経歴書です。私も過去に採用業務に携わったことがありますが、意外とこの書類を軽く見ている求職者が多いのに驚きます。

その書き方については、ネットで探せばいくらでもサンプルや、書き方の注意点がありますので、それを参考にするのはいいのですが、そういった書き方や内容以外について、なにも偉そうに言うわけではありませんが、面接官としても、そして中年になってから求職者としてもどちらの経験もある私の持論を少しばかり書いてみます。

まず、ネットにある転職サイトや大手の人材紹介会社サイトでは、オンライン上で様々な履歴書や職務経歴書の基本情報を記入し保存しておけるコーナーがあり、ポンポンと情報を選んだり書いていくと一丁あがりで登録が完了できます。これはすごく便利で簡単なので、一度自分の職歴や経歴を整理する意味でも使わない手はありません。

登録したからといって「公開しない」「いますぐ転職しない」「スカウトを受けない」などを選んでおけば、サイト運営各社からのPRメールは送られてくるでしょうけど、余計な斡旋や面接がいきなりくることはありません。

しかし実際に転職活動をするならば、それだけではなく、ちゃんとした市販の履歴書や顔写真も必ず必要になってきます。つまり第一次の書類審査では転職サイトや紹介会社の登録情報を見ますが、実際に面接となれば、公式の履歴書や職務経歴書が必要となります。

履歴書に貼る写真は、できるだけ高級なダークスーツを着て、白い無地のシャツに派手ではない落ち着いたネクタイを締め、髪の毛も年齢と社会人にふさわしく整えてから写しておきます。できれば会社を退職する前、現役社員のあいだに写真屋さんで撮影しておくのがベターです。

それは現役と現役を離れてしばらく経過してからでは、顔つきやスーツの着こなしに微妙な変化が起きてしまい、当然前者の現役の目の輝き、緊張感、顔つきが書類審査での面接官受けします。この微妙な差はわかる人にはわかるもので、男女とも同様です。履歴書を提出した後、書類審査でいつも落ちてしまうという人には、この写真の影響が少なからずあるのかもしれません。

準備が悪く、面接にいく途中の駅にあるスピード写真で撮影し、その場で切って履歴書に貼り付けて提出するような人がいますが、面接官にしてみれば、目の前にいる人と、写真の服装やネクタイ、寝癖がではねた髪の毛まで同じで、「事前の準備もしないで、軽い気持ちで来たな」とすぐにわかってしまいます。オマケに履歴書に貼り付けた写真の切り方が雑だったりしたら「いい加減な仕事をしそう」「こいつ就職をなめてんのか?」とその時点でアウトです。

嘘みたいな話しですけど、本当に多いんです、履歴書の写真にいい加減な人が。実話ですが、履歴書に学生時代に取ったと思えるセーラー服を着た三つ編みの若い女性の写真が貼ってあり、しかし目の前の応募者はどうみても40歳過ぎたくたびれた中年のおばちゃんで、履歴書の年齢も実際にその通りだったりしたこともあります。あるいは前の履歴書からはがしてきたのか写真がヨレヨレになっていたりすることもよく見かけます。

あと、写真はできれば3分間スピード写真ではなく、少々高いですがパソコン用データとしてもらうことができる写真屋さんで撮影しておくことをお勧めします。そのデータさえあれば、普通の2万円もしないカラープリンターと写真用の高品質紙で印刷すれば何枚でもすぐに出せますので、非常に便利です。

次ぎに履歴書ですが、多くの指南書では手書きで書くのが基本とされていますが、私の場合は、氏名だけ自著し、あとはすべてパソコンで印刷していました。

字の綺麗な人はもちろん全部手書きすればいいのですが、決して字の上手くない人は、応募要領に「手書きの履歴書」と書いてなければ、パソコンで作った履歴書でいいのではないかと思っています。今までそれを相手に指摘したり、されたことは一度もありません。面接官だって忙しいのに、クネクネとした読みづらい手書き文字なんか読みたくはありません。

201201_002.jpg私がパソコンで履歴書を作ったのには2つの理由があります。

ひとつは上記にも書いたとおり、字が上手くないからです。そして、もうひとつの理由は、いくつもの会社へ履歴書を出す場合、いちいち手書きで書くのが面倒なのと、途中で間違えるとダメになります。中には修正液で直している人もいますが、それこそ絶対ダメです。

また一度提出した履歴書が、不採用で返却されてくることがあります。その戻ってきた履歴書を再度次の応募先へ提出する人もいますが、それでは「志望の動機」にキチンとした内容を書けません。「志望動機」にどこの会社でも使えるような内容、例えば「貴社の業種に興味があるため」などが書かれていると面接官としてはそれだけで「ああ、使い回しね」「要はどこでいいんだ」と判断します。志望動機は相手の会社のことをちゃんと事前に調べて、それに沿った内容を書くべきです。

使い回しをしないという点では、職務経歴書にも同じ事が言えます。

応募先の業種や募集職種、募集内容によって、相手の気を惹くよう職務経歴書を柔軟に変えるのはぜひともやるべきことです。そのためにも、一度パソコンで作っておけば、あとは相手先に応じて簡単に変更できます。

履歴書も職務経歴書も、その折り目や用紙の新しさをみると、それが今回初めて使われたものか、それとも使い回しされてきたものかは、毎日そのたぐいの書類を見て触っている面接官にはわかります。「履歴書は新しいのに、職務経歴書は何度も繰り返し折られているな。」「この人何社も受けてきて、全部ダメだったようだな」と履歴書や経歴書を見ただけでわかるのです。そういうちょっとしたことでも、面接官の心証を悪くしてしまいます。

したがって履歴書も職務経歴書も、直前に一緒に印刷し、写真も綺麗に貼り、綺麗に折って封筒に入れるなりします。私の場合は、面接の時に直接渡すようになっていたので、折らずに綺麗なA4の透明クリアケースに入れて、そのまま渡しました。郵便で事前に送付するならともかく、直接手渡しするのにわざわざ折る必要がないのと、面接官が折られた履歴書を開くムダを省いたのです。ちなみに採用が決まり人事部が保管するときも、A4サイズなら折りたたんで保管はしません。

整然と書かれた(印刷された)履歴書や職務経歴書を渡され、手に取ると、インクの香りがほのかにたつというのは、いかにも新鮮であり、なによりも応募者の真剣さが伝わります。

そして面接の際に見られる履歴書や経歴書ですが、強調すべき点は応募先によって変えることを上記で書きましたが、当然ながら事実だけを書いて、質問されたときに自信をもって応えられることが必要です。

趣味に読書と書いておいて、最近読んでいる本はなに?と聞かれて「えーーと」と長考してしまうようだと「信用がおけない」と思われますし、最初に頭に思い浮かんだ漫画のタイトルをあげたりすれば、苦笑されてそれでお終いでしょう。

また面接にいく会社のWebサイトを事前にしっかり見て、業種や事業内容、規模、主な拠点、社員数等は知っておくべきです。さらにはその会社のライバルや業界での位置(業界第何位とか)まで調べておくことです。

私の場合は、再就職活動中の何社か目で、ようやくこの会社に入りたいと強く思ったので、会社概要と業務内容の項を印刷して面接の直前まで眺めていました。ついでに、その会社の採用ページでリンク切れを発見していたので、その点も面接の終わりに伝えました。その会社には結果採用されましたので「生意気な応募者」とは思われず、逆に毎日何名も面接をする中で、相手の印象に残ったことは確かでしょう。

それなのに、面接官からなにか質問は?と聞かれ、会社概要に書かれているのに「社員さんは全部で何名ぐらいいるのですか?」とか、業界ではトップから大きく離された2位なのに「業界のリーディングカンパニーの貴社は・・・」とか平気で聞く人がいます。いかにもなにも調べていないし、やる気も感じられないと思われてしまいます。

あと履歴書のテンプレートですが、ネットで探せばいくらでもありますが、会員登録しなければならなかったりするのもありますので自分にあったものを探してください。

例えば、私は関係者でもなんでもありませんが、ネット系コンサルティング会社の株式会社DYMが運営している「履歴書の書き方と履歴書のダウンロード講座」というサイトでは、登録せずともWordの履歴書や職経歴書テンプレートがダウンロードできます(2012年1月現在確認済み ダウンロードおよび利用は自己責任で)。

まだまだ雇用状況は厳しさが続くものと予想されています。例えば希望する業界や職種以外に活路を求めるなど、思い切った発想の転換も必要かも知れません。私自身、今も決して安住の地にいるわけでもなく、特に年齢を重ねるたびに働くことの厳しさを肌で感じています。

少しでも多くの方が、努力と工夫により、自分が気に入った仕事に就き、そして賃金が得られますよう、心より願っています。



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