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日本にはほとんどの人が知らないというのを含めて多くの出版社がありますが、零細規模だったり資本的に不安定なところも多く、今までに数多くの出版社が倒産、廃業、休止を余儀なくされています。

しかし調べてみてわかったのですが、意外に出版社の倒産、特に大型倒産というのは少なく、他の業界、例えば建設業や不動産業、金融業、製造業、飲食サービス業などと比べてみるとこの長引く不景気の中でも不思議と大手出版社はつぶれていません。

理由をいくつか考えてみると、大手出版社は自社でビルなど不動産を持っているところが多く、人件費以外の経費はあまりかかず逆に出版以外の収入が得られていること、出版は昔のやりかたとは違い、発行部数が少なくても出しやすく、大きなリスクを背負うことがないこと、若い人が活字離れしても、その代わりにコミックやライトノベルはよく売れ、一方電子書籍の伸びは緩慢で、一気に書籍と置き換わりそうもないこと、比較的裕福な書籍好きな団塊世代がリタイアし、暇になって書籍をよく買ってくれるなどなど。

10年前なら倒産した出版社から発行されていた書物は廃刊となり、手に入れるのが難しかったのですが、Amazonのおかげで全国の古書店やリサイクル店からたいていの本は出品されており、簡単に手に入りやすくなったのは素晴らしいことです。

「ネットのせいで紙情報が主体の出版社が次々と倒産」と思いがちですが、意外とそうでもなく、2000年以前と2005年以降と比較しても年間の倒産、廃業件数はさほど変わりません。

ネットが流行すれば出版社もいち早く体制を変化させたり、多様化することで生き延びていたり、逆に売れるコミックにシフトをしたり電子書籍などをいち早く手掛け、売上を伸ばしている会社もあります。

新聞の発行部数のピークは1997年でそれ以降はずっとダウントレンドですが、雑誌や書籍などを扱う出版社も影響がもっとも大きいのは「若者の活字離れ」ではないでしょうか。書店数も同様に1990年代後半以降ずっと減少しています。

出版社というのは一種読書や書籍の趣味が高じ、会社を作った、あるいは大手出版社に勤務していたが、大手では扱わない自分の好きな本だけを扱ってみたいという編集者が独立してみたいな個人商店規模のところも多く存在し、スポンサーが撤退、あるいは死去すると、そこで終わりということもありそうです。

また倒産や経営悪化後に、有志達や新たなスポンサーの元で新会社を設立して前の会社の事業を引き継ぐというケースもあります。河出書房が河出書房新社に、中央公論が中央公論新社へと「新社」と名が付く出版社はそういう所以があります。

下記は2000年~2013年上半期までに業務委譲、活動休止、倒産、廃業して実質活動を終えた出版社の一覧です。

2000年
釣りの友社 自己破産
ペヨトル工房 解散
アクセラ 事業停止
青年書館 倒産
小沢書店 自己破産
博品社 廃業
柏樹社 廃業
マインド出版 廃業
葉文館出版 倒産
あゆみ出版 休業
飛天出版 自己破産
駸々堂出版 自己破産
2001年
同文書院 民事再生法の適用を申請。出版事業は継続中
梧桐書院 民事再生法申請
十月社 倒産
長崎文献社 倒産
経営実務出版出版 業務停止
ティーツー出版 民事再生法申請
都市文化社 倒産
銀河書房 倒産
成星出版 倒産
2002年
柴田書店 民事再生法の適用を申請。出版事業は継続中
勁文社 倒産
同朋舎 倒産
社会思想社 倒産
ワラヂヤ出版 破産
梧桐書院 民事再生法の適用を申請。出版事業は継続中
あゆみ出版 破産
創樹社自己 破産
一粒社 廃業
さくら出版 破産
2003年
婦人生活社 破産
日刊工業新聞社 産業活力再生特別措置法適用申請。出版事業は継続
デジキューブ 自己破産
光芒社(旧・丸山学芸図書) 廃業
ノースランド出版 自己破産
アップフロントブックス 事業停止、解散
アミューズブックス 事業停止、解散
シュベール出版 倒産
2004年
デル・プラド・ジャパン 自己破産
アルプス社 民事再生法適用申請。翌月ヤフーの子会社化、吸収合併
美術公論社 廃業
大明堂 廃業
ギャップ出版 自己破産申請
東京布井出版 破産
2005年
ソフトマジック 破産
平和出版 任意整理
文献出版 解散
メタローグ 倒産
岩崎美術社 廃業
ぺんぎん書房 倒産
2006年
ビブロス 自己破産
ナウカ 倒産
アポロコミュニケーションなど3社 民事再生法申請、2007年にぶんか社の子会社化
続群書類従完成会 不渡り倒産
史輝出版 消息不明
アクタスソリューション 自己破産
経林書房 破産
碧天舎自己 破産
2007年
リーフ出版・雄飛 破産
英知出版連鎖 倒産
あおば出版 破産
桃園書房・司書房 自己破産
朝日ソノラマ 廃業朝日新聞社へ版権譲渡
エクスメディア 自己破産
山海堂 自己破産
アートン 会社整理
白鳳社 廃業
チクマ秀版社 解散
夏目書房 業務停止
英知出版 破産手続き開始
生活情報センター 破産手続き開始
嶋中書店会社 解散手続き開始
東京法経学院出版 民事再生法の適用を申請
司書房 破産
2008年
新風舎 破産手続き。事業は文芸社へ譲渡
草思社 民事再生法適用申請。出版事業は継続。のち文芸社の子会社化
はまの出版 自己破産申請
アスコム 民事再生法適用申請。出版事業は継続
大阪書籍 民事再生法適用申請。出版事業は継続。日本文教出版に教科書版権譲渡
九天社 自己破産
日本洋書販売 自己破産
詩学社 倒産
マガジンファイブ 解散
雁書館 廃業
彌生書房 営業休止
歴史春秋出版 民事再生法の適用を申請
アーカイブス出版 民事再生法の適用を申請
スタジオ・セロ 破産
2009年
メディア・クライス(旧・バウハウス) 自己破産を申請
ユーリーグ 民事再生法の適用を申請。中心事業はいきいき株式会社に譲渡
雄鶏社 自己破産を申請
一橋出版 自己破産を申請
社会保険新報社 自己破産
エム・ピー・シー 自己破産
ゴマブックス 民事再生法の適用を申請
デプロ 自己破産を申請
草の根出版会 自己破産申請
ナイタイ出版 破産
日本聖書刊行会 解散
2010年
日本スポーツ出版社 破産申請
CCRE 民事再生法の適用を申請
一草舎 任意整理解散
工業調査会 事業停止
東京三世社 事業停止、廃業
理論社 民事再生法の適用を申請
KI&Company 倒産
コンシャスプレス 破産
民事法情報センター 解散
2011年
短歌新聞社 廃業
パロル舎 倒産
ブレーン出版 破産手続き開始
編書房 解散・廃業
講談社インターナショナル 解散
中央書院 破産
2012年
レッスンの友社 事業停止
武田ランダムハウスジャパン 倒産
どうぶつ社 廃業
オルディ 破産手続き開始
アメーバブックス新社 解散
エフ企画 業務停止
霞ヶ関出版社 廃業
学会出版センター 廃業
教学研究社 破産
工業調査会 破産
2013年
明文図書 自主廃業

その多くは一般の人にはあまり馴染みのない出版社ですが、個人的には2007年の「山海堂」、2009年の「ゴマブックス」が気になります。「山海堂」はクルマ関連の雑誌や書籍をよく購読していましたし、「ゴマブックス」は新書などで何冊か読んだことがあります。

「ゴマブックス」と「ごま書房(新社VM)」はよく間違われるようですが、元々はまったく関係のない会社で、一時期は事業の一部の譲渡を受けて「ごま書房」でゴマブックスを傘下に入れていましたが、経営悪化のため手放しました。

いずれにしても、書籍や新聞など紙媒体の電子化は、エコ(環境)や輸送配達コストの増加など長い眼で見ると避けられないわけですが、それには3年5年という短期中期レベルではなく、10年20年というゆっくりした長期的な変革となるでしょう。

だって今の老眼の入った中高年者が、今さら小さなスマホやタブレットの画面で新聞や書籍を読むなんて考えられません。その人達が新聞も書籍も読めなくなり需要がなくなるまでは、あと20~30年はかかりそうです。


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