リストラ天国 ~失業・解雇から身を守りましょう~
HomePage https://restrer.sakura.ne.jp/
|
186
新訂 福翁自伝 (岩波文庫) 福沢諭吉
ネット上のお勧め本のリストを見て購入してはみたものの、約2年半ほど読まずに本棚の肥やしとなっていましたが、別のところで「この本はめちゃ面白い!諭吉ってファンキーで生き方がロックだ!」という絶賛?する評判を聞きおよび、暮れの忙しいときに読み始めました。
この本のことはWikipediaには「1898年(明治31年)7月1日から1899年(明治32年)2月16日まで計67回にわたって「時事新報」に掲載された。
単行本は1899年(明治32年)6月15日に刊行。今日でも慶應義塾大学では毎年、新入生に配布されている」と書いてあります。
福沢諭吉の幼少時から、長崎でオランダ語に出会い、洋書が読みたいけどお金がないので、人の洋書を借りて丸写しした話し、大阪で緒方洪庵に師事していた貧しい頃の話し、江戸へ出てから得意だった語学力を生かしてアメリカやヨーロッパ視察へ、幕府の公費でちゃっかり参加したり、その後も尊皇攘夷まっただ中の江戸幕府の中で通詞や翻訳の仕事をし、そして慶応義塾の創設へと話題は移っていきます。
彼が生きた時代は、江戸時代から明治時代へと変わる、まさに西郷隆盛や坂本龍馬など英雄が群雄割拠した時代ですが、彼自身は政治に関心がなく、進んだ西洋文化を取り入れて、世界に通用する日本人の教育にひたむきでまっしぐらに突き進んでいきます。
日本人は、毎日のように福沢諭吉のご尊顔を見るとはなしに見ていながらも、「慶応大学の創設者」「学問のすゝめ」ぐらいしか知りませんが、どうして彼が西洋文明に憧れ、周囲の反対や、ひとつ間違えば西洋かぶれと佐幕派から命を狙われても信念を曲げなかったかよくわかります。
また求められても政治からは一歩距離を置き、学問の道をひたすら進む姿は、その人の誠実さと頑固さがうかがえます。
後半には慶應義塾が現在の三田に本拠を置くことになった理由など、その時代の変化に応じ、うまく経営者として渡り歩いたことも自身の口述により明らかにしています。
私は慶応義塾とはなんの関係もない人間ですが、福沢諭吉という江戸末期から明治維新前後の日本人教育と西洋化に対して大きな役割をもった人なんだなということをあらためて知ることができました。
私が読んだのは「新訂 福翁自伝」の岩波文庫版ですが、旧仮名遣いなども残り、しばらく慣れるまでに苦労しました。しかも文字がちっちゃくて老眼の目にはこたえます。
岩波書店以外から現代語訳 福翁自伝なども出ていますので、とっつきやすいのはそちらかも知れません。
★★★
∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟
インフェルノ(上)(中)(下)(角川文庫) ダン・ブラウン
「天使と悪魔」(2000年)、「ダ・ヴィンチ・コード」(2003年)、「ロスト・シンボル」(2009年)と続いてきた「ラングドン・シリーズ」の第4作目で、2013年に単行本が発刊されています。日本の文庫版は2016年発刊です。
映画でもこの作品は2016年にトム・ハンクス主演で製作公開されています。
まず冒頭に「この小説に登場する芸術作品、文学、科学、歴史に関する記述は、すべて現実のものである。」と書かれているように、「ダ・ヴィンチ・コード」始め、実際に存在する様々な絵画や彫刻、古代遺跡や教会などをテーマにした謎解きと冒険譚が主題となります。
今回はある天才遺伝子工学者が、人口爆発による地球滅亡を防ぐため、ある特殊なウイルスを開発し、それを時限装置で広めようとしていることがわかり、それを阻止するために主人公の大学教授がWHO(世界保健機構)から緊急呼び出しされます。
誰が味方で誰が敵かわからないという中で、イタリア、トルコの有名観光地を走り回り、ウイルスが仕掛けられた場所を遺されたヒントを解きながら探し回ります。
展開が速く退屈はしないのですが、とにかくこの人の作品は芸術作品やその制作者のうんちくとか歴史的背景の説明などが加わり、長いのがネックです。勉強になり、もし今後観光に行くとしたら参考になると思うのですが、、、
でもこれを読むと、フィレンツェやヴェネチアなどへ一度は行ってみたくなります。観光客を呼び込みたい日本政府観光局は、著者にお金を積んででも頼みこみ、世界に通用する日本の古代史や作品のベストセラー小説を書いてもらうべきでしょうね。
★★☆
∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟
定年後 - 50歳からの生き方、終わり方 (中公新書) 楠木新
私と同世代(私より年齢は2つ上)の方が書いた2017年刊の定年本で、過去に読んだ数多くある団塊世代向けの定年本となにが違うかな?と買って読んでみました。
元大手生保会社勤務ということで、定年後の雇用延長制度の充実や退職金の額は日本の企業の中でもトップクラスだと思いますが、やはり文中に出てくる先輩の話しなどをみると、とても恵まれているなぁということがわかります。
ま、そういうところをうらやんでも仕方ないのですが、なかなかそうした一流大手企業出身者の話しというのは中小零細企業を渡り歩いてきた下々の人にとっては、あまり参考にならないことが多くあります。
ただこの本が救われるのは、そうした大手企業出身者の体験談だけではなく、様々な職業、勤務形態の人にヒアリングをしてまとめてあることでしょうか。
団塊世代サラリーマンのように60歳から年金が支給され、また退職金も規定通りに支払われるという恵まれた定年後ではなく、いままさに起きているのは、65歳からの年金支給まで、どうやって生活費をまかなっていくかというのが喫緊の課題です。
それ以上に著者は、自分がうまく物書きとして定年後充実した生活が送れている事を引き合いにし、定年後になにをすべきか?という課題をテーマに置いています。
定年後に働かずに家に引きこもるというのは、それこそ親の遺産や過大な退職金を得た場合など以外、通常できません。引きこもりたくたくてもできないのがいまの定年なのです。
そのあたりに、ちょっと恵まれている筆者との温度感は感じますが、少なくとも団塊世代に向けた定年後読本と比べると、より実態に近い感はありますので、参考になることもあります。
★★☆
【関連リンク】
12月前半の読書 鯛ノ記、ハードラック、下鴨アンティーク 回転木馬とレモンパイ/祖母の恋文、マンション格差
11月後半の読書 死都日本、天国旅行、湖水に消える、体を壊す10大食品添加物
11月前半の読書 ブラックボックス、老後に本当はいくら必要か、夢を売る男、ふくわらい
[PR] Amazon 書籍 売れ筋ランキング | ||||
ビジネス・経済 ビジネス実用本 新書 文庫 文学・評論 コミック ゲーム攻略・ゲームブック |
ハヤカワ・ミステリ 創元推理文庫 新潮文庫 講談社文庫 角川文庫 集英社文庫 岩波文庫 |
文芸作品 ノンフィクション ミステリー・サスペンス SF・ホラー・ファンタジー 歴史・時代小説 経済・社会小説 趣味・実用 |
リストラ天国TOP
おやじの主張(リストラ天国 日記INDEX)
著者別読書感想INDEX
PR
コメント
|
カレンダー
|
最新記事
|
(11/16)
(11/09)
(11/02)
(10/26)
(10/19)
(10/12)
(10/05)
(09/28)
(09/21)
(09/14)
カテゴリー
|
ブログ内検索
|
最新コメント
|
[06/28 area]
[06/28 U・M]
[01/03 area]
[01/03 Anonymous]
[10/09 area]
プロフィール
|
HN:
area@リストラ天国
HP:
性別:
男性
趣味:
ドライブ・日帰り温泉
自己紹介:
過去人気記事
|
ロバート・B・パーカー「スペンサーシリーズ」全巻まとめ
マイカーで東京から京都まで旅行する場合その1
ゴルフをプレイしている人の年代層割合に驚いた
プラッシーが静かに退場していた
2011年7月中旬時点のリストラと求人の各業界動向
窓ガラスの熱割れで火災保険は使えるか?
貯まった1円玉はどうする?
スペンサーシリーズの読み方(初級者編)
日本の農業はどこへ向かうか
米の生産量減少に歯止めはかかるか
客員教授と非常勤講師ってなんだ?
天然素材でも綿はよく燃えるらしいことがわかった
リタイア後の心配事
2021年版出版社不況
変形性股関節症の人工股関節全置換手術(1)
Amazon 売れ筋ランキング ドライブレコーダー レーダー探知機 空気清浄機 ペット用品 まくら・抱き枕 体脂肪計 スポーツウェア ランニングシューズ メンズスニーカー レディーススニーカー ゴルフクラブ ゴルフシューズ ミラーレス一眼カメラ ゲーム ノートパソコン プリンタ イヤホン・ヘッドホン スマートフォン スマートウォッチ microSDカード 防犯カメラ スペシャリティアパレル ラーメン レトルト・料理の素 シャンプー・コンディショナ スキンケア・ボディケア |