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ブラックボックス (講談社文庫)(上)(下) マイクル・コナリー

2012年に米国で発刊され、翻訳版文庫は2017年に出た、翻訳版としてはハリー・ボッシュシリーズの第16作目の邦訳最新刊です。ちなみに米国では現在シリーズ20作目までが刊行済みです。

タイトルのブラックボックスとは、航空機に搭載されていて事故が起きた場合にその原因となる情報が詰まっているブラックボックに例え、事件の捜査で不明なことが一気に解明できるブラックボックスのような存在がどこかにあるということを示唆しています。

すでに定年延長契約期間に入っているハリー・ボッシュは未解決事件捜査担当のままで、今回は1992年に起きたロサンゼルス暴動の際、デンマークから取材に来ていた女性記者がLA管内で何者かに射殺されていた事件についてスポットをあてます。

1992年は「ナイトホークス」で、ハリー・ボッシュシリーズが始まった年でもあり、当時ボッシュはLA警察の殺人課刑事で、まだ暴動が冷めない中、治安維持のため派遣されていた州兵に守られて、女性記者が殺害された現場へ行き、最初に現場検証をおこなっていましたが、その後の捜査は別の刑事に移っていました。

1992年のロサンゼルス暴動は、黒人のロドニー・キングがスピード違反で捕まった際、白人警官に度を超す暴行がなされ、その行為がビデオに撮られ、何度も繰り返して放映されました。ところが法廷では暴行を加えた警官が無罪となり、黒人達が怒りの声を上げ、やがて焼き討ちや強盗、殺人などへと発展していきます。

数少ない20年前の事件の証拠や関係者をたどり、何十年かぶりに表に現れた拳銃から、やがては1990年の湾岸戦争にまでたどり着きます。そして殺されたデンマークの女性記者もその湾岸戦争を取材しています。

しかし警察署の中では、白人女性の未解決事件だけが重点的に捜査されているという噂が出ては困ると配慮があり、それを捜査するボッシュに圧力がかかります。

その他、多感な年頃の娘や、恋人と強姦罪で刑務所にいるその恋人の息子など、プライベートな諸々も絡み合いながら、60過ぎのボッシュが精力的に動き回り、最後には死の一歩手前まで追い詰められていきます。

それだけにわかりやすい勧善懲悪ドラマですが、アメリカの暗部をこれでもかと引きずり出すスタイルはアメリカ人にとってはあまり心地よいものではないだろうなと心配してしまいます。

★★☆

著者別読書感想(マイクル・コナリー)

  ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

老後に本当はいくら必要か (祥伝社新書192) 津田倫男

著者は私と同年代の方で国立大学を卒業後にアメリカの大学でMBAを取得し、外資系企業を渡り歩き、その後独立して企業アドバイザーというよくわからない意味不明な仕事をされている方で、「意識高い系」の先駆者とも言える方です。

この著書は2009年に書かれたもので、ちょうど民主党政権が与党となって、世の中これから大きく変わるぞーと意味もなく、リーマンショックが世界を飲み込もうとしている中、すがるような思いで新政権に期待をしていた時代です。

なので社会保障や医療制度、雇用環境など当時から変わった話しなどもありますが、言わんとすることは今でも十分い通用するノウハウが書かれていて参考になります。

特に、ファイナンシャルや証券について、プロフェッショナルな会社員が勧めるものには素人は食いつかないことや、ハイリスク・ハイリターンではなく、ハイリスク・ローリターンな投資案件なども実際にあるということを、わかりやすく説明し書かれています。

つまり、通常のサラリーマンなら、現在なら63~65歳から年金が支給されるので、定年退職後からそれまで間食いつなげるだけのものがあれば、まずなんとかなるものだと。

次に夫婦で、平均寿命を考えて、年金だけでは不足する分をできるだけ早くから貯金するか、年収から考えて生活レベルを落とすか、あるいは持ち家があるならそれを担保にして借金をするなど、方法はいくらでもあると。

勧められるがまま、下手に投資をして、せっかくの貯金や退職金を減らしてしまわないよう、どういった投資がいいか、分散方法としてどういうのがいいかなど。

いつまでもお金のことで老後を不安がっても仕方ないぞ。せっかくだからお金のことは忘れて楽しい老後を送ろうといったところが著者の言いたいところでしょうか。

今の高齢者が老後の不安を感じるのは、いつ年金が減らされたり、医療費負担が増やされたり、消費税が拡大されたりするか?というのがまったく未知数で、真っ暗でしかも霧深い険しい道を手すりも道しるべもなく歩かされているようなものだからです。

政治家や学者が「年金財政破綻」「年代格差」「医療費の急増」などと高齢者をおびえさせる話しをしている限り、高齢者のタンス預金からお金が出てくることはなく、せいぜいオレオレ詐欺業界を潤すだけでしょう。

ま、この問題は、一言、いや1冊の新書ぐらいでは結論が出るわけもなく、毎年のようにこのテーマで新しい新書が出てきていますね。

★☆☆

  ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

夢を売る男 (幻冬舎文庫) 百田尚樹

2013年に単行本、2015年に文庫化された長編小説で、出版業界と自分の作品を出版したいと思う人達を皮肉ったブラックコメディ小説です。

なにかと作品以外で話題が多い著者ですが、そのせいで、読む前から毛嫌いされてしまうリスクがあり、お互いに不幸なことです。

それにしても出版業界というのは再販制度や取次店制度などに守られていて、なかなか一般人にとっては馴染みが薄く理解しがたい業界ですが、そうし
た内幕を容赦なく暴露しています。

出版業界は出版不況のまっただ中で、現在は過去の資産を食い潰していく事態に陥っていますが、確かに今の若者にはお金を出して本を買い、苦労しながら面倒な文字を追わなくても、テレビもあればネットもあり、いつでもどこでもスマホさえあればみたいものが見られ、動画であろうと調べ物であろうとなんだってできてしまいます。

そりゃ、若者が読書離れしても不思議ではありません。

それに今まで熱心な読者層を占めていた団塊世代以上の人達は、老いて年々その数は少なくなっていき、また仕事からも離れ、通勤中や出張中に本を読む機会も減っていきますから、新しい読者が増えない限り書籍の売り上げは下がり続けます。

一方ではこれほど出版不況の中でも、自分が書いた作品を世に問いたいとか、人に著書があることを自慢したいと願う人も後を絶たず、それらをうまく結びつけてみなハッピーになろう!というのが、この小説の主人公です。

主人公は元名門出版社で数多くの名作や著名作家の作品を世に出してきましたが、年々下降していく書籍売上に早く見切りを付けて、それまでの経験を生かし、口八丁手八丁で自分でお金を出してでも出版したいと思う人達に、その夢を売っていきます。このお手並みが見事言うか面白い。

新聞を読んでいると「自費出版」の広告がよく出ていますが、この小説では、おとりの「新人文学賞」に応募があった中から、無料で作品が出版される大賞に選ばれなかった人達に対して、出版社と折半で出版しないかと持ちかけるわけですが、実は出版にかかる経費は個人が負担する金額の何分の一で済ませるという一見すると阿漕な商売です。

相手の懐次第で、100万円~200万円を支払ってもらい(原価は30~40万円)、1千部を刷り、そのうちの何冊かはちゃんと書店に配本して、著者に対して「もしかするとベストセラーになって増刷に次ぐ増刷になるかも~」という夢を与える商売と考えると、確かにそれもアリかなと。

そうした出版社が生き残りを賭けた様々な仕掛けをこれからもやってくるぞという、業界内幕暴露小説でした。

★★☆

著者別読書感想(百田尚樹)

  ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

ふくわらい (朝日文庫) 西加奈子

2012年に単行本、2015年に文庫化されたなんとも不思議な小説です。

主人公は冒険作家でほとんど家にはいなかった父親と家政婦に育てられた女性で、早くに母親を亡くし、父親も一緒に旅をしていた南米でワニに襲われて亡くなり、親戚の家で育てられましたが、現在は出版社の作家担当として勤務し、自立した生活を送っています。

主人公は小さな頃から無表情、無感動な子供でしたが、ふくわらいで初めて大笑いし、その後もふくわらいの遊びを続けるようになります。

会話の中でゲシュタルト崩壊という言葉がよく出てきますが、ひとつの全体のまとまりに集中すると、それぞれのパーツひとつひとつが不思議と理解できなくなる現象のこと言いますが、ふくわらいにおいても、人の顔の全体がまずあって、その顔のパーツそれぞれが単独で動いてしまうとそのパーツが意味不明になってしまうという暗喩が秘められているように思います。

著者の小説は「通天閣」と「きいろいゾウ」と荒削りな初期の作品を読んでいましたが、16作目となるこの作品はいよいよ売れっ子作家として、また余裕が出てきたというかベテランの域に入りつつある作品で、とてもよいデキです。

そしてこの作品の2年後、2014年には「サラバ!」で、2回目のノミネートながら見事、直木賞を受賞しますので、その創作力、文章力はここ数年で格段にその才能が伸びてきているのでしょう。

★★★

著者別読書感想(西加奈子)

【関連リンク】
 10月後半の読書 黒書院の六兵衛、夢をかなえるゾウ、深川黄表紙掛取り帖、悪意のクイーン
 10月前半の読書 秘められた貌、ウルトラ・ダラー、創造力なき日本、海の見える街
 9月後半の読書 象の墓場、ナイト&シャドウ、美しい家、お別れの音、偽悪のすすめ

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