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939
神様が降りてくる 白川道

今年4月に69歳で亡くなった著者の最後の作品(2015年3月刊)です。他にも書きかけ、または未発表の作品があるのかも知れませんが、筆が遅かったことで有名な作家さんでしたから、たぶんこれより後に完成した作品はないのでは。

著者の作品は少々荒削りで、やたらと細かなところにこだわり、詳しくいちいち説明を書くようなところがあるものの、どこか惹かれるものがあり、デビュー作「流星たちの宴」からほとんどの作品(文庫のみ)を読んできました。この遺作だけは単行本で購入しました。

特に私小説風の「病葉流れて」に始まるシリーズは、昭和の高度成長期からバブル期へと向かう日本中が狂ってしまったような経済状況が描かれていて、私もその時代の隅っこのほうにわずかながら存在していたという実感と懐かしさを感じながら面白く読みました。

そのシリーズ含め、まだ文庫になっていない作品もいくつかありますので、今後はそれらを待ちたいと思います。

「病葉流れてシリーズ」に関しては「最後の無頼派作家白川道氏逝く」に書いてます。

本書では経済犯で刑務所に収監されていた小説家が主人公ですが、自身が経済犯で2年半服役した経験から、主人公をイメージしてふくらませていった内容となっています。

この小説では戦後の沖縄の歴史とも深く関わっていて、ちょうどいま普天間基地の辺野古移転で揺れる沖縄の現状と少しかぶるところもあり、タイムリーな内容となっています。

あらすじは、主人公で現在は作家の男の元に、収監中の刑務所で一緒だったアメリカ軍人の娘だという女性が現れます。

主人公は出所する直前にそのアメリカ人から沖縄に住んでいる恋人への伝言を頼まれたものの、刑務所時代のことは早く忘れたくてずっと無視を決めていました。しかしその女性に恋心を持ってしまい、女性とともに沖縄へと渡り、その伝言に秘められた謎について調べ始めることになります。

次々と登場してくる人物の会話から、その想像や思い込み、伝言、噂が頻繁に出てきて、読んでる側も話しがとっ散らかって混乱してきますが、沖縄が持ち合わせる過去の負の遺産はじめ裏側の部分、闇の世界に近づいていきます。

やがては主人公達の身に危険が迫るというハードボイルドらしい緊迫した空気も感じられ、映像化をしても面白そうな出来となっています。

最後のクライマックスでは、もう少しひねりや衝撃の展開があるのかとワクワクしていましたが、結果としてそうしたものは特になく、普通に終わってしまったのは最後の作品としてちょっと残念です。

著者別読書感想(白川道)

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

ギフト (双葉文庫) 日明 恩

鎮火報 Fire's Out」や「それでも、警官は微笑う」がたいへん面白かった著者の2008年(文庫は2011年刊)作品です。

主人公はある事件がきっかけとなり警察官の職を辞した須賀原という独身の男性で、退官後は世間から隠れるようにひっそりと生きています。

その主人公が勤めるレンタルDVDショップで、たびたびホラー映画の前で涙を流す少年を見つけます。

そしてある日交差点で突然道路へ飛び出しそうになった少年をとっさの判断で助け、事情を聞くとなんと映画の「シックス・センス」に出てくる少年と同様、死者が見えるってことがわかり、、、

そういえばアメリカのサスペンスホラー映画で「ギフト」っていうのもありましたね。特殊な予知能力のことを神から与えられた「ギフト」と呼んでいたような。そこからこのタイトルもきているのでしょうか。

小説は連作形式の短編となっていて、交差点で交通事故に遭って死亡した老女、人間に虐待されて死んでしまった犬、自宅の庭の池で溺死した幼い少女、恥をかかされて自殺した虚言癖のある中年女性など、それぞれ理由があって地上に彷徨っている幽霊たち?の願いを、死者が見える少年とともにかなえていきます。

ま、今までの公務員が活躍する現実的な?お仕事本とはうってかわり、あまりにもリアリティのない内容で、世の果てまで見てきたような中高年男が読むには少し戸惑いがありますが、こうしたティーンエージャー向きのほんわかするような小説もあっていいのだろうと自分を納得させました。

この小説も「シックス・センス」や「ギフト」同様、大人から子供まで楽しめる映像化に向いた作品かも知れません。悩める主人公で元警察官の須賀原役には妻夫木聡あたりが向いているのでしょうか。

著者別読書感想(日明恩)

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

巡礼 (新潮文庫) 橋本治

著者は昭和23年生まれの67歳、いわゆる団塊世代に属する作家さんで、1977年にデビュー作とも言える「桃尻娘」など、それぞれの時代を反映したユニークな作品を多数書かれています。また評論やエッセイなどでも有名な方です。この巡礼は2009年に発刊され、2012年に文庫化されています。

テーマはいま大きな社会問題となっている「ゴミ屋敷」とそこの住人で、住人の親や家族はもとより、迷惑がる周囲の住人達やゴミ屋敷がある新興住宅街が出来上がってきた歴史などもおりまぜた壮大なスケール?の小説となっています。

ちょっと話しはずれますが、ゴミ屋敷の問題は、そこの住人の健康問題、つまりゴミをゴミと認識できず、ただ集めて捨てられず、臭いや不衛生にも無頓着になってくるという住人の精神的疾患が絡んできますので、行政側もマスコミ側もうかつに手を出せないタブーな領域となっています。

それに個人の土地内であれば、持ち主の了解なしでは不衛生や臭いがするという理由だけで勝手に掃除したり処分をすることはできません。そこの住人にとってはゴミも自分の資産だと言い張るので、行政も簡単には動けないわけです。

どうしてそうした精神構造に陥ってしまったのか、周囲の住人達はどう考え行動するのか、などあくまでフィクションですが、深層心理にまで踏み込んだ、追い詰められていく人物描写がうまく描かれています。

ただ視点というか語る主役が様々な登場人物に置き換わり、途中になかだるみを感じます。ゴミ屋敷の住人と弟だけにに限定した視点だともっとわかりやすくなったかなと。

結構暗くて気の重い話しですが、小説の最後の2行「修次は、暗い闇の中にいた自分の兄が、金色の仏と夜の中で出会ったのだと思った。そのように思いたかった・・・」で少し救われた気持ちになります。

著者別読書感想(橋本治)

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

働かないオジサンの給料はなぜ高いのか: 人事評価の真実 (新潮新書) 楠木新

サラリーマンは、二度会社を辞める。」「会社が嫌いになったら読む本」など会社と仕事に関する独特の感性と考え方をもつ著者は、私と年齢が近いですが、社会人のスタートは私のように3流大学から3流零細企業へ入ったのではなく、京大から生命保険会社へというエリートでした。

そして働き盛りの40代にうつ病に罹ってしまい休職することになり、その後はご自身の経験などを生かして「こころの定年」評論家として活躍されています。

本書は新書ですから毎度のことで、ほとんどの場合著者には責任がないのですが、タイトルに下世話で刺激的な言葉を使って、「売れればなんでもOK!」と中身以上の興味を引くようになっていて、ネットのニュースと同じ臭気が漂います。出版社などメディアにいる人独特の感性でしょう。

さて、本題は著者が30年近く経験してきた雇用問題や企業の採用慣習などをまとめたものですが、いかんせん、著者自身がエリートで、新卒時は悠々と大企業への入社組だけに、おそらく多くの人には無縁の世界の話しかも知れません。

例として出てくる企業も、銀行や証券会社、総合商社、大手製造業、大手流通業、市役所、中央官庁など数千名~数万名規模の会社や組織が中心で、そうした大企業や大手官公庁で働く人の割合は勤労者全体の約20%(大企業数の割合は全体の0.3%)ぐらいですから、他の80%の人には縁遠い世界のことです。

私も若い頃に高杉良や城山三郎のビジネス小説をよく読みましたが、「どうも自分の働いている会社の環境と話しが違い過ぎてるな、小説だから盛っているのか?」という違和感が常にありましたが、それは小説に出てくる大企業内部と、自分が勤める零細企業との差だということが、あとになってからわかりました(鈍すぎます)。

もちろん新卒の学生が能力やスキルを評価してもらえると勘違いをして必死にそれを人事部へ訴えかける無駄を説くあたりは納得いく箇所ではありますが、それも大企業と中小零細とでは大きな差があり、特に零細ベンチャー企業なんかでは今や「一緒に働きたい仲間募集」などしち面倒なことはせずに、「能力スキル重視」で採用していることは当然知ってのことだろうと思います。

結局「働かないオジサン」ができるわけは、新卒一括採用と終身雇用という日本独自の雇用慣習が純然とあるからという結論ですが、今でもそれが残っているのは、官公庁や大企業だけで、もう余裕などない中小企業や零細企業にはそんなのはほとんどないのですけどね。

私が経験した数社の中小企業では、新卒も数名は採用してましたが、それ以上に中途キャリア採用が多いし、定年まで勤め上げるような人はいない(辞めていくか辞めさされる)、そういうのとまったく無縁のところばかりでした。

しかし働かないオジサンがクビになる前にやっておくべき事など、身に覚えがある人は読んでおいたほうが気休めになるかも知れません。


【関連リンク】
 6月後半の読書 精霊の守り人、国家の闇、ミッキーマウスの憂鬱、きみはポラリス
 6月前半の読書 とせい、アルケミスト―夢を旅した少年、銀二貫、ふがいない僕は空を見た
 5月後半の読書 慈悲深い死、港町食堂、グランド・フィナーレ、知の逆転



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938
実感としても勤労者の中に占める高齢者の割合が高まっていると感じますが、コンビニ、スーパー、居酒屋、レストラン、ファストフード店、ホームセンター、パチンコ店、宅配便の運転手、コールセンターなど、従来なら主婦のパートや学生アルバイト、若いフリーターが圧倒的多数を占めていた職場への60歳以上と思われる中・高齢者の進出が目立っています。

感覚だけでなく、実数としても急増していることが数値で出ています。

働く年金世代が急増、60代後半の5人に2人、流通・介護…、人手不足補う(日本経済新聞)
年金をもらいながら働く人が増えている。60代後半のうち、働く人の割合を示す就業率は2014年度に40・7%と前年度を1・8ポイント上回った。5人に2人が働いている計算で39年ぶりの高さとなる。かつては働く高齢者といえば自営業主が大半だったが、今は流通・介護・製造など人手不足の業界で雇われる人が多い。働き手が増えれば、消費の押し上げや年金制度の安定にもつながりそうだ。
(中略)
働く60代後半は男女合わせて374万人と前年度より10%増えており、10年間で5割伸びた計算だ。


60代後半と言えばまさに団塊世代ど真ん中で、とにかく人数が多いため、単純に同世代で割合が増えたってことにはなりませんが、元気な団塊世代は高齢者になっても現役を引退しないで世の中をリードしているって感じです。

どういう職種で特に顕著化と言えば、

65歳以上で働く人を産業別にみると、前年度に比べて最も大きく伸びたのは流通業で、8万人増えた。そのほかに伸びているのも医療・介護(7万人増)、製造業(6万人増)、宿泊・飲食(5万人増)、建設業(4万人増)と人手が足りない業種に集中している。

ということです。

昔の言葉で言うと3K職種ってことになるのでしょうか。本当は若い元気な人が欲しいけど、若い人の数が減り、仕事のイメージがよくなくて若い人が採用できず、また給料も高くなく、仕方なしに高齢者へ枠を拡げてみたところ、案外みんなまじめによく働いてくれて、いいじゃん!ってところでしょうか。もちろん高齢者ゆえの問題も種々あるでしょうけど、それを差し引いても効果ありというところです。

そしてこうした年金がもらえる世代が働くことで、年金の支給額を減らすことができ(あるいは遅らせることができ)、さらに70歳までは働いて所得があれば逆に税金や厚生年金も収めてもらえるので、国としても一石二鳥です。

こうした流れと風潮を国策としてうまく作って、骨抜きで言いなりのマスコミに強く発信してもらうことが厚労省としてはいま最大のミッションなのだと思われます。

ただね、私が思うのは、高齢者がいつまでも頑張って現役で働き続けるのは、不足する働き手の確保や年金破綻を少し先延ばしするといったメリットもあるけれど、デメリットも間違いなくあるってことです。

そのひとつには、もう十分に資産を作り、働かなくても優雅な生活がおくれそうな高齢者ほど、今もまだ、割のいい仕事にしがみついているってこと。

つまり官僚であれば、官僚のトップである事務次官まで上り詰めた人は、定年後の天下り先でも高給で優遇されます。民間でも役員になり、年収何千万円をもらっていた人が役員定年で退任したあと、さらにいい条件で会社の顧問になったり、関連会社に横滑りで再就職をしたりして高給を蝕んでいるっていうのが実態としてあります。

それは本来老後の備えが十分でない人達に割のいい仕事が与えられず、シルバー人材センターで時間給数百円の仕事しかなく、そして本来一番苦労してよく働いている若い人の分け前の上っぱねをしているってことなのです。

国と関係の深い社団法人や財団法人の理事長や理事などって、未だにそうした天下り官僚の巣窟で、補助金という名の税金を食い物にしていますし、企業においても名誉会長やら特別顧問など名誉職で無駄に禄を食んでいる優雅な高齢者の多いこと。

これが高齢者間、または、若い人と高齢者間の収入(資産)格差につながっています。

だから、私が言いたいのは単純明快で、もう十分に稼いだ人は、早々に仕事から引退し、あとは消費するだけの人生か、せいぜい無給でボランティアや社会貢献、慈善事業でもしてくれたらいいのにって思うのです。

例えば50代で資産が3億円以上、60代で1億円以上ある人は、自動的に仕事からリタイアしてもらうって構図です。資産ですから自宅や投資用マンションなども含めての額です。たぶん50代で30人に一人ぐらい、60代で10人に一人ぐらいは出てきそうです。

そうすれば、資産家に死に金としてため込まれ、やがては親の資産に頼り切ってろくに働きもしなくなる子供や孫に引き継がれたり、オレオレ詐欺や霊感商法、水商売の人にだまし取られたりするお金が、早めのリタイアで投資やレジャー、高級品やサービスの購入に回り、お金が循環し、景気も多少はよくなります。なんと言ってもやる気のある若い人や、本当に日々の生活費を稼がないとならない人達の邪魔をしなくて済みます。

ところが現実は欲の皮が突っ張った人ほど、何歳になっても他人を差し置いて、仕事や権力にしがみつき、際限なくお金をため込むことをやめないですね。

桁違いの大金持ちではありますが、ビル・ゲイツのように50代はじめにスパッと事業からは引退し、慈善事業や発展途上国での教育や医療活動に手を貸すというような、「早期引退をして慈善活動に携わることが成功者の美徳」とされるアメリカの慣習は、残念ながら日本ではどうも受け入れられないようです。


【関連リンク】
889 公的な高齢者移住計画は成功するか?
824 高齢者向けビジネス(第3部 仕事編)
687 旺盛な高齢者の労働意欲は善か悪か
574 仕事を引退する時、貯蓄はいくら必要か
325 元気な高齢者はいつまでも働くべきなのか

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937
今更なのですが、最近、内田康夫氏原作の「浅見光彦シリーズ」のテレビドラマにはまっていて、BSで再放送されるたびに録画をして楽しんでいます。

このシリーズは、現代版水戸黄門っていう趣きで、国内の名所各所で不可解な殺人事件が起き、たまたま居合わせたり、知人が関わっていたりする旅行雑誌のルポライターの主人公が事件を調べ、最後には見事解決をするっていうたわいもないものです。

たわいもないって言うと原作者に失礼ですが、流れ的には見事なワンパターンで、当初は事件に首を突っ込んでくる胡散臭いルポライターという感じで登場し、殺人事件を捜査する横柄な刑事に邪険に扱われますが、その主人公が警察庁刑事局長の弟というのが判明するやいなや刑事の態度が急変するワンパターンが秀逸です。

警察庁刑事局長と言えば、警視総監に次ぐ警察官僚2番目の超エリートで、国会答弁などにも時々出てきたりする役人です。

「浅見?ふん、ルポライターなんてどこの馬の骨だか、叩けばほこりが出るんじゃねぇか?」と言っていたのが、身元が判明したとたん手のひらを返して、「いや~浅見刑事局長の弟君でいらっしゃるとは、浅見先生もお人が悪い~」となるわけです。

事件はさすがミステリー界の巨人内田康夫氏の原作だけに、日本各地の観光名所を押さえつつ、また各地域の歴史や文化を絡めた動機や殺人法で物語が展開されますが、必ず1話の事件に絡む1人の若き美しいヒロインも登場し、彩りを添えてくれるのも楽しいところです。

ドラマ制作は日本テレビ版、TBS版、フジテレビ版と複数の局にまたがり、各局で同じタイトルの作品が作られていて、当然ながら主人公や周囲を固める脇役陣はそれぞれに違っています。それらを見比べるのもなかなか面白いのです。

もっとも古くに制作していた日本テレビ版は、1987年から1990年に放送され、放送順に「平家伝説殺人事件」、「天城峠殺人事件」、「佐渡伝説殺人事件」、「美濃路殺人事件」、「越後路殺人事件(原作は「漂泊の楽人」)」、「唐津佐用姫伝説殺人事件(原作は「佐用姫伝説殺人事件」)」、備後路殺人事件(原作は「後鳥羽伝説殺人事件」)」、「琵琶湖周航殺人歌」の8作品で、主人公の浅見光彦は水谷豊が演じています。

但し、あまり小説の浅見光彦のイメージと水谷豊が合わなかったため、著者の希望もあってか8作品で打ち切られたということです(wikipedia)。

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

TBS版は1994年から2014年にかけて制作放送され、「高千穂伝説殺人事件」、「天城峠殺人事件」、「隅田川殺人事件」、「佐渡伝説殺人事件」、「城崎殺人事件」、「小樽殺人事件」、「風葬の城」、「鳥取雛送り殺人事件」、「天河伝説殺人事件」、「隠岐伝説殺人事件」、「蜃気楼」、「札幌殺人事件」、「「須磨明石」殺人事件」、「後鳥羽伝説殺人事件」、「志摩半島殺人事件」、「坊っちゃん殺人事件」、「鬼首殺人事件」、「華の下にて」、「長崎殺人事件」、「崇徳伝説殺人事件」、「平家伝説殺人事件」、「佐用姫伝説殺人事件」、「藍色回廊殺人事件」、「漂泊の楽人」、「姫島殺人事件」、「津和野殺人事件」、「斎王の葬列」、「高千穂伝説殺人事件-歌わない笛-」、「菊池伝説殺人事件」、「化生の海」、「箸墓幻想」、「天河伝説殺人事件」、「蜃気楼」、「壺霊」の34作品があります。

「天河伝説殺人事件」など同じタイトルのものがダブってありますが、監督や主人公役を変えてリメイクされたものです。

このTBS版の主人公浅見光彦役は第1作目から13作目までが辰巳琢郎、14作目から31作目までが沢村一樹、32作目以降は速水もこみちとなっています。

さらにTBS版には「浅見光彦~最終章~」として2009年10月~12月に連続ドラマとして放映され、「恐山・十和田湖・弘前編(恐山殺人事件)」、「伊豆天城・松島編(天城峠殺人事件)」、「岩手遠野編(鄙の記憶)」、「金沢編(伊香保殺人事件)」、「京都・近江編(須磨明石殺人事件)」、」、「浅見家の悲劇(前編・後編)木曽編(後鳥羽伝説殺人事件)、「エキゾチック横浜編(横浜殺人事件)」、「草津・軽井沢編」(首の女(ひと)殺人事件)」の9作品があり、こちらの主人公は沢村一樹です。

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

フジテレビ版は上記のTBS版と時期がかぶりますが、1995年以降に制作・放送されています。

フジテレビ版はシリーズの中ではもっとも作品数が多くて「伊香保殺人事件」、「横浜殺人事件」、「唐津佐用姫伝説殺人事件」、「津和野殺人事件」、「別府・姫島殺人事件」、「漂泊の楽人 越後・沼津殺人事件」、「恐山殺人事件」、「平家伝説殺人事件」、「斎王の葬列」、「イーハトーブの幽霊」、「皇女の霊柩」、「三州吉良殺人事件」、「津軽殺人事件」、「黄金の石橋」、「金沢殺人事件」、「日蓮伝説殺人事件」、「秋田殺人事件」、「しまなみ幻想 -愛媛・今治殺人事件-」、「ユタが愛した探偵」、「化生の海 -北前船殺人事件-」、「熊本・菊池伝説殺人事件」、「「首の女」殺人事件」、「日光殺人事件」、「鯨の哭く海」、「箸墓幻想」、「「紅藍の女」殺人事件」、「竹人形殺人事件」、「耳なし芳一からの手紙」、「熊野古道殺人事件」、「天河伝説殺人事件」、「喪われた道」、「箱庭」、「後鳥羽伝説殺人事件」、「美濃路殺人事件」、「歌枕殺人事件」、「鐘」、「長崎殺人事件」、「十三の冥府」、「遺骨」、「棄霊島」、「佐渡伝説殺人事件」、「悪魔の種子」、「還らざる道」、「砂冥宮」、「志摩半島殺人事件」、「はちまん」、「平城山を越えた女」、「幻香」、「不等辺三角形」、「貴賓室の怪人」、「中央構造帯」の51作品が2014年までに制作されています。

フジテレビ版の浅見光彦役は第1作から14作までが榎木孝明、第15作目以降は中村俊介となっています。途中で主役の座を降りた榎木孝明は17作目からは主人公の兄の刑事局長役で復活して出演しています。

その他にもこのシリーズは単発でドラマが作られていて、そこでは国広富之、篠田三郎、高嶋政伸などが浅見光彦役を演じています。唯一映画になった作品は「天河伝説殺人事件」(1991年)で、監督はあの市川崑、主役は榎木孝明です。

今までに見た中では卑弥呼と邪馬台国論争に焦点をあてた奈良県桜井市が舞台の「箸墓幻想」(TBS版)、天海=明智光秀説を絡めた「日光殺人事件」(フジテレビ版)、死を覚悟して出帆する補陀落渡海を知らしめた「熊野古道殺人事件」(フジテレビ版)、10年前に事故で亡くなった妹の死の真相に迫る「後鳥羽伝説殺人事件」(フジテレビ版)などがよかったかな。

浅見光彦を演じる役者としては、著者は榎木孝明を一押しだったようですが、私は沢村一樹がお気に入りです。フリーのルポライターという社会の荒波にもまれる厳しい職業の役柄からすると、辰巳琢郎や中村俊介はお上品過ぎでひ弱そうに思えます。

映画やドラマを見るときに、先に原作本を読んでから見る場合と、あとで読む場合がありますが、このシリーズに関しては、観光名所のロケが行われていますので、読む前に先に見ておいて、そのイメージを知っておくのが楽しめそうです。

ちなみにこの浅見光彦シリーズは小説では120作品もありますので、今後も機会があれば新しく作られるかも知れません。主役にはできれば若手のホープを使い、俳優の登竜門になるといいですね。

著者別読書感想(内田康夫

【関連リンク】
910 テレビ番組はタイムシフト視聴が当たり前
900 テレビ・ラジオの長寿番組について
843 8月前半の読書(秋田殺人事件)
701 3月後半の読書(十三の冥府)
684 1月後半の読書(鄙の記憶)
536 9月前半の読書(はちまん)

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休日はなにをしていますか?って聞かれると、独身だと「彼女(彼氏)とデート」だったり、「友達とテニスやゴルフ」など、既婚者だったら「買い物」とか「家族サービスで公園や遊園地」「家庭菜園で汗を流して」っていう回答が返ってくるのが一般的かなと思います。

DODAの調査では、1位買い物、2位が家族・子供と過ごす、3位は家でのんびりするがベスト3になっています。


また厚労省の平成26年の「健康意識に関する調査」では、「休みが取れたらどのように過ごしたいか」という希望を聞いた質問では「ドライブや小旅行に出かける」45.1%が最も多く、次いで「運動・スポーツ・散歩などをする」33.7%、「何もせずにゴロ寝で過ごす」24.7%、「インターネットをして過ごす」24.6%などとなっています。やはり希望はアクティブ系が8割近くを占めています。

しかし実際の休暇・休日の過ごし方としては「インターネットをして過ごす」の41.5%が最も多く、次いで「テレビを見たり、ラジオを聴いたりして過ごす」31.4%、「何もせずにゴロ寝で過ごす」25.0%、「ショッピング」19.7%、「スポーツ」19.1%などとなっていますから、実態としては自宅でゴロゴロして過ごしている人が多いようです。

しかし「インターネットをして過ごす」の41.5%ってなにか不思議な感じです。休日にネットでそんなにすることあるんだ?って気がするのはやはりアナログ世代のゆえでしょうか。ま、ブログを書いたりしている自分が言うのもまた変ですけど。

「1日中家の中でゴロゴロして過ごす」(25%)というのは最近でこそ認知されつつありますが、世の中的には決して誉めてはくれない休日の過ごし方とされてきました。

まじめで律儀な人ほど、休日には買い物に出掛けたり、スポーツをしたり、旅行へ行ったり、家族を喜ばせるため公園や遊園地へお出掛けして遊んだり、なにかアクティブに行動しなければと強迫観念に迫られ、張り切ってしまうことがあります。

特に同居人がいると、家族からも「いつまでもゴロゴロしてないで、早く起きて!」と言われたり、寝ていると子供に「遊びに行こう!」と邪魔されたりして、いつまでもごろ寝していると罪悪感する覚えるようになってしまいます。

体力が有り余っているときは、気分転換のため、激しいスポーツなどして発散するのもいいのですが、てきめんに体力が落ちてくる30代後半以降は、仕事で疲れた身体と心を休めるには、一番気が休まる場所でごろ寝をしているのが一番いいということです。

これはある研修会で登壇した心療内科のカウンセラーの話しですが、土・日曜日の休みの日に「なにかをしないといけない」「どこかへ行かなければ」「1日中家でゴロゴロしていたら健康に悪い」と考えて、気持ちが焦るのが一番心の健康によくないらしく、それならいっそなにもしないで、1日ボーとして、ごろ寝しているのが一番健康にいいですとのこと。私じゃなくカウンセラーがそう言ったのですからね。

「休むという字は木の傍に人がいる」っていうセキスイハウスのテレビCMじゃないですが、上記のカウンセラー曰く「「休日」って、心身を休めることが目的の日で、なにかをするための日ではない」って言葉には頷けます。

多くのビジネス書を出している山崎武也氏の「本物の生き方―人間の価値を決める「心がけ」」には、「休日の過ごし方としては、格好が悪いという人もいるが、いわゆるゴロ寝が最も適しているかもしれない。時代のはやりの遊びに惑わされたりしないで自己のペースを守るべきである。十分なとまではいかなくても、できるだけの睡眠をとる重要性を忘れてはいけない。」と書かれています。

精神医学的には「休日を家でゴロゴロしていると頭がリラックスできず、疲労がたまって逆効果」みたいなことを言われます。なので休日には外へ出掛けて気分転換を図り、運動をしたり変化をつけるように言われます。

確かに適度な運動をすることで、身体を鍛え、体調を整えたり、家族との絆が深まって精神的に充実したり、様々な効用はありますが、休日に「~しなければ」という強迫観念は捨ててもいいように思います。同居する家族がそれを理解してくれるかどうかは微妙ですけど。

私の場合、40代後半以降、足というか股関節を痛めたため、外出する機会が大きく減りました。子供ともっと遊んでやりたい、遠出してあちこち連れ出したいという気持ちもありましたが、なかなか思うようにできません。

現在では子供も大きくなり、親と一緒に行動するのは好まなくなってきたので、一緒に出掛けることは少なくなりました。

そうしたら困ったことに元気が余っているはずの子供達まで出不精になってしまって、休日は家族全員が家の中でゴロゴロしているっていう変な家族になっています。

アルバイトもせず、学校が休みの日にはまったく外に出ない時も多く、私の若い頃には考えられないようなことです。

それもちょっと困ったものです。

若いあいだはは、アルバイトをして社会勉強をしたり、旅行へ出掛けて見聞を広めたり、スポーツをしてアウトドアの健康的な生活を送ってもらいたいものですが、親があまりそういう習慣づけをしてこなかったせいでしょうか、困ったことに出無精になってしまっています。

引きこもりにさえならなければいいと思っていますが、ヤレヤレです。積極的に面倒なことはしたがらないという流行にのっかている感じで、若者の草食系というのもそういうところから出ているのでしょうか。

そこでせめての罪滅ぼし?と思って、毎週土曜日の夕方に、子供を連れ出してキャッチボールをしています。

最初は子供は嫌々だったのが、やってみると意外と楽しいらしく、これがうまくはまって、今ではもう1年以上この習慣を継続しています。

ただ都会においてはキャッチボールができる場所が極めて限られていて、普通の公園では小さな子供がいるのでまずダメ、学校のグランドも一般には解放してくれないのでダメ、もちろん広いからと言っても駐車場とかはダメです。

遠投もしたいので少なくても30~40mぐらいの距離が取れる場所で、暴投しても人や器物に影響がない場所となると限られます。

そこで少し遠いけど、少年野球や少年サッカー、平日の午前中にはゲートボールなどで使っている無料の市営多目的広場があり、そこで日が沈む少し前の、野球やサッカーの試合や練習がおこなわれていない時間帯を見計らって使っています。

そして、最近はそのキャッチボールに加え、子供ももうすぐ社会人になるので、そのたしなみとして、ゴルフ練習場にも連れ出しました。

私は股関節の故障もあり、もう10年以上クラブを握っていませんが、まだ使えそうなフルセット一式(20年ぐらい前に購入した旧式)があり、そこそこの経験もあるので、ずぶの素人に教えてやるぐらいのことはできます。

ただ親と一緒ならば仕方がないので行くけど、1人で進んで練習場に通うまでは好きになれないようで、キャッチボールを含め、いつまで私が一緒について行ってやれるかってところが悩みの種です。


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精霊の守り人 (新潮文庫) 上橋菜穂子

1996年に発表されたファンタジー小説で、その後「闇の守り人」「夢の守り人」など「守り人シリーズ」として拡がっていく元になる小説です。また今年2015年の本屋大賞に輝いた「鹿の王<鹿の王> (角川書店単行本)」の著者でもあります。

考えてみると直木賞や芥川賞というのは年2回選考会があり、しかも複数名の同時受賞もあります(受賞者なしもある)ので、平均すれば年に2~3名ずつが受賞していることになりますが、本屋大賞は原則年に1名だけなので、こちらのほうが受賞するのが難しい賞となっています。

それだけに価値も高いかな。でもそのうち本屋大賞も、より商業的になってくれば、年2回の開催とになったりするのかも。

さて本題に戻ると、この作品を原作として過去にはラジオドラマやアニメとして放送がされましたが、来年2016年から3年に渡って『放送90年 大河ファンタジー 「精霊の守り人」』として実写ドラマが放送される予定です。

主演となる女用心棒バルサ役は綾瀬はるかです。どうしてもあの鉄砲を構える勇ましい八重の姿がダブってしまいそうです。

ストーリーについてはネタバレするとアレなので、こうした小説の場合あまり触れない方がいいのでしょうけど、大ざっぱに書くと、架空の国の物語で、精霊の卵が身体に宿ったのため、国王から抹殺されそうになった第二王子を守るために、女用心棒の主人公が王妃に雇われて、卵を食べる魔物や王子を取り戻そうとする追っ手と戦って100年に一度現れるという精霊の卵の真実を明らかにしていくというもの。

ま、話の展開的には児童小説とも言えるけれど、主人公が30歳になる成熟した女性ということで、大人が読むことを想定して書かれているというのがわかります。児童文学なら主人公は子供だったり子供の面倒を見る先生だったりしますので。

いずれにしても、本を読むことで「ファンタジーに思いを寄せたい」、直接的に言えば「現実から逃避をしたい」って思う人には、ル=グウィン著「ゲド戦記」、J.R.R.トールキン著「指輪物語」、C.S.ルイス著「ナルニア国物語」などの超大作にはちょっと尻込みする人でも、この1冊なら十分に楽しむことができるでしょう。

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国家の闇 日本人と犯罪<蠢動する巨悪> (角川oneテーマ21) 一橋 文哉

闇に消えた怪人―グリコ・森永事件の真相」や「宮崎勤事件―塗り潰されたシナリオ」など社会を騒がせた重大事件などを深掘りしていったジャーナリストが書いた作品で、2012年に発刊されています。

この本ではオウム真理教事件、収賄汚職、大疑獄事件、ロッキード事件、グリコ・森永事件、赤報隊事件などの犯罪を通して見えてくる犯罪者の心理、犯罪者や悪徳政治家の行動、それに対する警察や検察、骨抜きにされてきたマスコミ、そして洗脳される人達など過去の犯罪と謎の総まとめといったところでしょうか。

また、新書らしく、著者の単行本や文庫のPRがあちこちに登場し、それらの紹介とPRのために書かれたって感じもします。「この事件については詳しくは拙書○○に」っていう、ちょっと嫌らしい感じですが最近の新書ではそれが当たり前なのかも。

ザッと目次を書いておくと、
 序章 巨悪は永遠に眠らない(金丸事件など政治家と金の問題)
 第1章 カルトに群がる亡者たち(国際武器商人とオーム真理教)
 第2章 国際謀略組織の犯罪(金大中事件、下山事件、三鷹事件など)
 第3章 ジジババ喰いのマニュアル(豊田商事事件~ライブドア事件~振り込め詐欺)
 第4章 劇場型企業テロの源流―グリコと赤報隊・悪の連鎖(闇社会のヒットマン)
 ※( )内は主な概要

古い話が多いものの、また内容がどこまで信用できるかはさておき、かなり深い闇の話しがこれでもかって書かれていて、著者の身を案じます。

例えば、自殺とされた下山事件は決して自殺ではないとか、ライブドア事件で取締役だった野口英昭が沖縄のカプセルホテルで不審死を遂げ、すぐに自殺とされた件も口封じだったとか、警察庁長官狙撃事件やオーム真理教の村井秀夫幹部が刺し殺された事件、また赤報隊事件など未解決事件には闇のヒットマンの存在など。

だからということではないのでしょうけど、一応著者名は本名ではなくペンネームですが、最近では特に本名を隠しているわけではなさそうですね。

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ミッキーマウスの憂鬱 (新潮文庫) 松岡圭祐

「千里眼シリーズ」などで有名になった作家さんで、「催眠―Hypnosis」や「千里眼」「万能鑑定士Qの事件簿」などは、テレビドラマや映画にもなっています。

この小説はそうしたサイコティックや心理学テーマを扱ったものではなく、東京ディズニーランド(TDL)で働く派遣バイトを主人公とする青春ドラマって言うか、ディズニーの舞台裏と雑学を楽しめる小説です。

TDLはキャラクター管理や名称使用にやたらと決まりが厳しくてうるさいところなのですが、こうしたキャラクターの名称をタイトルにした小説が出るとはちょっと驚きでした。

また話しの中身も、架空の運営会社ということになっているにしろ、TDLの仕事の裏側や、権力を持って威張り散らす制服組の正社員と、バイトや準社員という非正規社員との関係や心の葛藤などを描いているのも、よくクレームつけられなかったな?って思います。

当然、小説ですから、架空の話しとして読まなくてはいけませんが、しかしところどころに事実も含まれていそうで、ディープでない普通のディズニーファンからすれば、楽しいTDLの裏側ではこんなに厳しい管理やゲストのためにキャストが努力をしてくれているのだってことがわかり、キャストやキャラクターを見る目がもっと優しくなりそうです。

私はと言えば、TDLが開設されたのが1983年、すでに社会人になってからで、特にデートとかで利用したことはなく、結婚して子供ができてから、数回連れて行ったぐらいで、さして興味も関心もありません。

とは言え、行くとそれなりに現実から離れられて、夢があって、気持ちが高ぶるのはやはりそうしたキャストの面々が来場者を楽しませるために努力奮闘しているのだなぁって思わずにはいられません。

著者別読書感想(松岡圭祐)

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きみはポラリス (新潮文庫) 三浦しをん

2007年に単行本、2011年に文庫化された短編小説集です。まったく事前の情報なく読みましたが、どうも片想い、純愛、裏切り、禁断の愛、同性愛、偏愛など様々な愛の形を短編にまとめたものでした。

著者の作品では「まほろ駅前多田便利軒」「神去なあなあ日常」「風が強く吹いている」「舟を編む」などいくつか読んでいて、あまり外れのない、面白い作品が多いので、特に考えず手に取りました。

あとタイトルの「ポラリス」っていう響きがなんとなく好きで、意味はこぐま座にあるいわゆる北極星ということですが、不動の愛とその周辺を回る様々な人間模様ということを表しているのかなとちょっと感じた次第。

その短編作品は「永遠に完成しない二通の手紙」「裏切らないこと」「私たちがしたこと」「夜にあふれるもの」「骨片」「ペーパークラフト」「森を歩く」「優雅な生活」「春太の毎日」「冬の一等星」「永遠につづく手紙の最後の一文」の11編からなっています。

ま、個人的な感想で言えば、この作家さんは短編よりも前述の中・長編小説のほうがいい感じです。雑誌などの依頼でこうした一話完結スタイルの短編を求められることが多いのでしょうけど、長編がうまい人の作品は、やはり長編をちゃんと選んで読むべきだったかも。

著者別読書感想(三浦しをん)

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イニシエーション・ラブ (文春文庫) 乾くるみ

著者は1998年にデビューし、比較的軽く若い人に人気の恋愛やミステリーをテーマとした繊細な小説を多く書いている作家さんで、ペンネームからすると女性だとばかり思っていたら、なんと!ひげ面の堂々とした体格の男性なんですね。

この小説は「塔の断章」に続く「タロット・シリーズ」として、2004年に刊行され、この作品を原作として、今年2015年には堤幸彦監督、松田翔太、前田敦子らが出演する映画にもなっています。

内容は昭和のバブル景気の中、静岡に住む理系の大学生の主人公をキーとして、合コンで知り合った女性との恋愛小説として進んでいきます。

大学生が合コンで知り合った女性との恋愛がテーマの小説と言えば、少し前に読んだ吉田修一著「横道世之介 (文春文庫)」を思い出しましたが、双方ともにハッピーエンドではないという共通項があるものの、その本質は大いに違っています。

この小説、しっかりと読んでいると、最後の一言で、「え?」って、再び前に戻って再読せずにはいられないという仕掛けがありますので、ストーリーは書きませんが、この不思議な仕掛け?を映画ではどのように表現したのかちょっと興味があるところです。

こうした普通の小説の中に、ミステリー的というか、仕掛けをするっていうのが、流行なのかそうかわかりませんが、真梨幸子著の「殺人鬼フジコの衝動」でもそうでしたが、深い洞察力と想像力を働かせないとちゃんと著者の思惑を理解できない作品は、読む側としてもしっかりと読んでいないと気がつかないこともありそうです。

小説を読むって言うのは言わば頭をリラックスさせたい時なので、個人的にはこのような凝ったややこしい小説はあまり好きではありません。


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