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世間では毎月のように乗用車の販売台数が増えただの減っただのが景気指標としてよく使われるのでニュースなどにもよく登場しますが、二輪についての販売台数は業界の人ぐらいしかあまり関心がなく、表面には出てくることもほとんどありません。
私は16歳の時に、原付すらほとんど乗ったことがない状態で、いきなり運転免許試験所へ行き、(当時の)小型二輪(125ccまでの原付二種)の試験を受けにいき、学科は一発合格したものの、その後の実技は2回落ちて、3回目でようやく合格。その後初めて買った中古のダックスから、ずっと原付二輪に乗り続けてきました。
学生時代に自動車教習所でアルバイトをしていた頃、400ccの中型二輪(当時)を(教習所の中で)自由に乗り回していましたので、中型二輪や大型二輪免許を取ろうかと思ったこともありましたが、なかなかチャンスがなく、現在にいたるです。
今までに原付一種を2台、二種を2台(内1台は中古)の計4台を自分で購入しました。原付免許を取得してから今までおよそ40年が経ちますので、単純平均して1台あたり10年ずつ乗ってきたことになります。
学生の頃は学校まで、社会人になってからは最寄り駅までがメインの利用で、過去に2度盗難に遭いましたが、いずれもすぐに無事に発見され、意外と長持ちさせてきました。
さて、昨今の国内の二輪市場はどうなっているのか?ということをちょっと調べてみました。出典は「一般社団法人日本自動車工業会」のデータや調査からです。
まず、統計資料を見る前は、自分の想像だけで言うと、「普通自動車免許で乗れ、若者から年配者まで利用者が多い原付一種は横ばいの推移が続き、中型バイク以上(126cc以上)は不景気ということもあって減少している」のかなと思っていました。ところがところがです。
原付一種と原付二種以上の二輪車 販売・出荷台数推移グラフ(1993年~2013年)
なんと原付一種の販売台数は約20年前の1993年には85万台あったものが、2013年には24万台へと、20年でわずか28%まで落ち込んでいます。
原付二種以上のバイクはと言えばこちらも40万台から18万台へと約半減しています。こちらのデータは販売・集荷ですので、最近急増している海外生産されて国内販売されているバイクの数も含まれていると思われます。
まったく知りませんでしたが、バイクはこれほどまでに需要が減っていたのですね。
もう少し細かく分けてみました。
二輪車の販売・出荷台数推移グラフ(1993年~2013年)
こちらは251cc以上の二輪車、126cc~250ccの軽二輪車、51cc~125ccの原付二種、50cc以下の原付一種の4つの区分で分けています。いずれも販売・出荷データなので海外生産分も含みます。
台数的にはまだ50cc以下の原付一種(折れ線青、右目盛り)の数が一番多く、2013年でまだ24万台ありますが、この20年間の落ち込み角度はもっとも激しいものとなってます。
原付二種(棒グラフ紺色、左目盛り)は2005年以降は、2009年を除いてほぼ10万台ペースで横ばいですから、このままいくと近い将来、原付一種と販売数で逆転する可能性もあります。信じられないですが、、、
いや、このような状況になっているとは驚きました。確かに毎日バイクで駅まで快走していると、前後を走るバイクが、10年以上前と比べ、ピンク色のナンバーの原付二種が多いなとは感じていました。そういう状況だったんですね。
2013年のメーカー別生産台数のシェアを比較してみました。国内販売台数ではないので、実感とは少し違っているかも知れません。
メーカー別国内生産台数グラフ(2013年)
実感としては若い頃のイメージで、まだまだホンダ製のバイクが一番多いと思っていましたが、スズキやヤマハに総台数で負けています。これもまた意外な感じです。
日本自動車工業会では二輪ユーザーへのアンケート調査もおこなっていて、そこから一部を抜粋してみます。
【二輪車離れについて】
二輪離れの要因としては、排気量別で見ると、原付第一種(50cc以下)は「利用用途がなくなった(通勤・通学など)」「退職した・仕事をやめた」「就職・転職した」、原付第二種(51~125cc)は「出先の駐車場で困った」「自宅の駐車場で困った」「二輪車が盗難にあった」、軽二輪車(126~250cc)は「自宅の駐車場で困った」「体力に自信がなくなった」「一緒に出かける友人や仲間が少なくなった」、小型二輪車(251~400cc)は「仕事が忙しく二輪車に乗る時間がなくなった」「生活が忙しく二輪車に乗る時間がなくなった」、小型二輪車(401cc~)は「子どもができた」「二輪車の維持費」「仕事が忙しく二輪車に乗る時間がなくなった」とあります。
通勤などで使う人が多い原付など小排気量車は「利用用途がなくなった」、「駐輪場がない」、趣味で乗る人が多い中排気量車以上は「趣味としての興味を失った」、「仕事や家庭に追われて」というのが多そうです。
確かに出掛けても駐輪場がなくて苦労する時が最近ままあります。そこらの道ばたに停めておくと交通監視員がシメシメとばかりにすぐにやってきて小銭稼ぎをしてくれます。ま、道に停める方が悪いのですが、それならもっとちゃんと駐輪場を作れって言うの。
年齢別に見ると10代・20代は「就職・転職した」「自動車の購入」「軽自動車の購入」「旅行費」「AV機器の購入」、30代「結婚した」「引っ越しをした」「不動産の購入」「二輪車の維持費」「家賃・地代」、40代は「仕事が忙しく二輪車に乗る時間がなくなった」「生活が忙しく二輪車に乗る時間がなくなった」「二輪車の維持費」、50代以上「体力に自信がなくなった」「電動アシスト自転車の購入」「退職した・仕事をやめた」となっていて、それぞれの年代で二輪離れのの違いがよく現れています。
若い人は他の趣味ができたので節約するためか、あるいは4輪のクルマを買ったためにバイクを手放す傾向があり、30代は結婚や引っ越しなどで費用がかさみその節約、40代は仕事や生活で手一杯で趣味の時間がない、50代は体力や仕事の有無との関係など、ここで言うところの二輪離れは、二輪を趣味の対象としていた人が多そうです。
私のように毎日通勤で使っていると、他の趣味とバッティングしたり、仕事や生活が忙しいからという理由で手放すことはないので、「二輪離れの理由」を回答する人は、趣味として使っていた人や、退職して通勤が不要になった人に限定されるのでしょう。
【二輪車の使用年数】
直前に使用していたバイクの使用年数をみると「平均6.1年」となっています。タイプ・排気量別にみると、平均使用年数が最も長いのは、ビジネス50cc以下の「平均7.1年」で、最も短いのはオンロード251~400ccの「平均3.4年」となっていますが、ちょっと違和感があります。
これは統計の取り方に問題があるのかも知れません。調査グラフを見ると原付一種の場合「10年以上使用」という回答が最も多く、10年以上の実際の使用年数をすべて把握できているのか疑問です。
しかし通勤ではなく趣味のバイクを対象と考えると、買い換えや売却のタイミングは早いかも知れません。趣味でなく実用であれば動作不良が多くなる8~10年ぐらいは普通に使っていそうです。
【二輪車の用途】
主な用途をタイプ別にみると、スクーターは「通勤・通学」「買い物・用足し」、ビジネスは「通勤・通学」「買い物・用足し」 「商用・仕事」、オンロードおよびオフロードは「通勤・通学」「ツーリング」が主な用途となります。これは実感と齟齬がありません。
排気量別にみると、125cc以下は「通勤・通学」「買い物・用足し」で8割を占め、251cc以上では「ツーリング」が5~7割となります。
特に751cc以上では「ツーリング」が73%を占めます。確かにナナハンで通勤・通学というのは、公共交通が不便な場所にある工場や大学の駐輪場ではよく見かけますが、それを主目的で使うというのはレアな部類でしょう。また原付で日本一周をする強者もいてなかなか興味深いです。
この記録はとてもよくできていて面白いです。
原付で日本一周してきたから写真とかうpしてく その1
都市部の駅に備わっているバイクの駐輪場は、有料無料ともたいていが125cc以内に限定されていて、それ以上の排気量のバイクは、数少ないそれ用に特設されているところ以外には置けなかったり、あっても駐輪料金がクルマ並みに高額だったりして、駅まで毎日利用する通勤用途には向きません。それに高価なバイクを1日中外に置いておくと盗難やいたずらも気になりますしね。
私がバイクの最大の利点と考えるのは、2011年の震災が起きた時のように、ガソリンスタンドが軒並み休業し、給油ができないときでも、わずかなガソリンがあれば遠くの店へ買い物にいけるエコさと、渋滞した混雑した道でもスイスイ走れる機動性能です。
最近の新しいバイクには携帯電話などの充電プラグが最初から装備されていたりオプション設定されているので、そうした非常時には大いに役立つでしょう。震災被災地においても、バイクの機動性は山崩れでクルマが通れない道なき道を走って救援に駆けつけたり、食料や水、医薬品を運んだり活躍したと聞きます。
万が一のためにバイクを買えと言うのではなく、バイクが1台あると、四輪車よりもずっとエコなうえ、車庫証明も不要、税金も安く、自転車より圧倒的に行動半径が拡がり、私のような足の悪い人でも気軽に遠出することができ、メリットは多いと思うのです。
しかし長期的な統計を見る限り、国内ではバイクの需要はずっと減り続け、さらに今後の少子化+高齢化ゆえに、この流れが回復することはなさそうです。
そうした二輪離れの歯止め策というか販売振興策を業界は考えていないわけではなく、
・125ccまでの原付二種を一種と同様に普通車免許で許可する
・普通免許で運転可能な国産三輪バイク(トライク)の登場
・エコで静かな電動バイクの普及
などに期待を寄せています。
中でもトライクはすでに外国製のいくつかが輸入され、走っているのを時々見かけますが、軽自動車よりも安くなり、そして取り付け取り外しが容易な屋根とフロントシールドがつくようになれば、雨の日や冬の寒い日も走れ、趣味と言うよりは仕事や買い物など近距離の移動手段などに重宝しそうです。
しかし冬でも暖かく夏は涼しく雨や雪でも安心して乗れる究極のミニカー、日本が誇る軽自動車とどのような差別化を図るのか?という悩ましい問題もあり、トライクならではの新しい便利な使い方の提案が必要でしょうけど。
とにかく高品質な量産バイクメーカーを4社も擁する世界唯一の国として、国を挙げてもっと二輪文化を手厚く、そして積極的に育てていってもらいたいものです。
【関連リンク】
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神様のカルテ 3 (小学館文庫) 夏川草介
松本市に実在している365日24時間オープンの地域基幹病院をモデルとし、そこの病院に勤務する若い内科医が主人公の小説です。
前作「神様のカルテ」(2009年)、「神様のカルテ2」(2010年)ともかなりハイレベルで満足度が高く、今回の3作目(2011年)も2014年2月に文庫化されたと同時に買ってきて読みました。ちなみに著者は現役の内科医です。
この小説のいいところは、人間関係や医療の話しだけでなく、実在する美しい信州の名所旧跡がところどころに登場し、紀行もの小説としても読めることにあります。それと今回は長野産のリンゴの品種もいろいろと出てきたりします。そのうち著者は長野県から表彰されるかも知れません。
原作は映画化もされ第1作目は櫻井翔、宮崎あおい主演で2011年に公開、第2作目は今月21日から公開されますが、上記の美しい自然や名所がうまく物語のアクセントになっていることを期待しています。
ただこの3作目はまだ映画化されるかどうかわかりませんが、もしされるとなると心配なことがひとつあります。
主人公の妻役でプロ写真家という設定の宮崎あおい。彼女はオリンパスのカメラのCMに出ていて映画の中でも1作目ではオリンパスの(当時の)最高峰モデルカメラOM-4を使っていましたが、この原作3作目では主人公が妻にドイツ製の高級カメラ「ライカM9-P」をプレゼントされ、大喜びするというシーンがあります。
果たしてそのスポンサー(映画にスポンサードしているかは不明)に背を向ける場面は使えるのでしょうか?しかしM9-Pってすでに生産終了していますが、当時定価81万9千円ですって、めちゃ高なんですねぇ。
宮崎あおいを全面的にイメージガールとして使っているオリンパスとしては困るでしょうねぇ。ここでスポンサーや映画監督の太っ腹なところを見せられるか、著者がオリンパスと脚本家、映画監督に放った意地悪な矢のような気もします。
物語はさすがに3作目となるとちょっとマンネリ気味になってきましたが、地域医療に尽くす医者や看護師達、松本に暮らす人々、前編で亡くなった内科医の代わりにやってきた風変わりなベテラン女医、同期で仲のいい外科医が大学病院へ異動、主人公が住む昔は旅館だったシェアハウス「御嶽荘」の面々との変わらぬやりとりなど、主人公の周りで起きる日々の出来事が綴られています。
今回の3では、真夏の7月におこなわれる「深志神社の天神祭」、12月下旬から2月にかけておこなわれる松本市の隣の上田市鹿教湯温泉の「氷灯ろう夢祈願」、同じく寒い冬におこなわれる「国宝松本城 氷彫フェスティバル」、風光明媚な場所にあり由緒のある長野県大町市の「国宝 仁科神明宮」などが登場します。どこも一度は実際に足を運んで見に行きたいなと思わせるものです。
そして第1作目で悲しい別れをした「御嶽荘」に住む通称「学士殿」がこの3作目で、本当の学士殿となって再び御嶽荘に戻ってきたのは、唐突でもあり、最後に心が温まるという設定です。
◇著者別読書感想(夏川草介)
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
卵をめぐる祖父の戦争 (ハヤカワ文庫NV) デイヴィッド ベニオフ
2010年に単行本、2011年に文庫化され、Twitterで評判の高かった作品として名前が挙がっていた作品です。この著者はデビュー作「25時」という小説が2002年に映画化され有名になりましたが、これもたいへんユニークな作品でいずれ読みたいと思っています。
物語は風変わりなタイトル通りの内容で、主人公の祖父がソ連に住んでいた時に、ドイツ人を二人殺したことがあると知り、その時の話しを聞かせてくれと頼み、祖父が今まで決して明かさなかった過去を孫に聞かせるというものです。
主人公の祖父はソ連の第二の都市レニングラード(現サンクトペテルブルク)出身で、少年時代に第二次世界大戦が始まり、街はドイツ軍から攻撃を受けて包囲されました。
これが後に有名となる「レニングラード包囲戦」で、およそ900日(2年4ヶ月)の間、食料など支援物資が届かない窮乏の中、餓死者など100万人とも言われる多くの犠牲を払いながらも堪え忍びました。
そこで来襲するドイツの爆撃機などの監視をしていた少年時代の祖父は、同じ少年少女の仲間達とパラシュートで降下してくるすでに事切れたドイツ兵を見つけ、そのドイツ兵が持っていた装備を略奪していたところ、運悪く警備中の兵士に見つかり、少年だけが逃げ遅れて捕まり、残忍非道で有名なソビエトの秘密警察へ連行されます。
そこで少年は所属している連隊から離れ、女の家に遊びに行っていたところを捕まり、少年と同じように秘密警察へ連行された若いソ連兵と出会います。
略奪行為と軍からの脱走ですので、通常ならばすぐに銃殺されてもおかしくないところ、二人とも秘密警察の大佐から呼び出され「来週、娘の結婚式に豪華なケーキを作りたいのだが卵がないのでそれを調達してくれば許してやる」という話しになり、独ソが互いににらみ合っているさなか二人は卵探しの旅に出るというストーリーです。
前述のように街はドイツ軍に包囲されていて、まともな食料がない中で、二人の卵探しは難航します。食料は配給制となっていて、闇でなんの肉かわからないようなものが売られている状態です。人肉喰いはいても卵などはどこにもなく、二人は仕方なく戦前までは養鶏場があったドイツ軍の占領地域へと入っていきます。
そしてドイツ軍が接収した農家に若い女性が囲われる売春宿があり、そこで起きた脱走を試みた女性の無惨な最期の話しを聞いて、怒りに燃えた二人は無謀にも拳銃一丁でドイツ兵と戦おうと待ちかまえていたところ、ドイツ軍に抵抗するパルチザンの狙撃兵が売春宿にやってきたドイツ兵を先に射殺します。
そのパルチザンと一緒にドイツ軍の追っ手から逃げようとしますが、やがて追い詰められ、ドイツ軍の捕虜となり、さらに卵は無事に手にはいるのか!?っていうのが最大の見せ場で、まぁ祖父は生き延びているわけですから、結果は見えているものの、その過程を十分に楽しめる話しです。
そして物語の最初からつながっている一番最後のオチにグッときます。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
シューカツ! (文春文庫) 石田衣良
2008年に単行本、2011年に文庫化されたタイトル通り大学生の就職活動にまつわる真面目なライトノベルです。
早稲田大学と思われる大学の3年生6人が、人気が高く競争率の高いマスコミ企業へ入社するため就活チームを組んで、様々なノウハウを提供しながら取り組む姿を描いています。
大学生がこれを読んだからといって、就職活動がうまくいくというものではないでしょうけど、おそらくこれはもう就職活動が終わった人に対しては、「現在の就職活動ってこんな感じになっているんだ」と学生の苦悩を伝え、これから就職活動をする人には、「みんなが不安に押しつぶされそうになりながら必死にもがいている。
あなただけが苦しんでいるわけではないよ」と気持ちを楽にさせる意味合いがあるのかなぁと。
ただこの小説に登場してくるのは、私立でも一流といわれる大学で、しかも友人達にも恵まれ、部活やアルバイトなど青春を明るく謳歌している人達ばかりで、目指す目標も一段と高く、そうではない多くの一般の人には、読んでいると頭に来たり、あきらめが先に立ったりしてあまり参考にはならないかなぁと。
しかしこれに出てくる優秀な学生達が目指すのが、今や凋落激しいマスコミ業界(テレビ局や出版社、新聞社)っていうのは、なんだか違和感がありありなのですが、それでもなぜか学生には今(書かれた2008年当時)も大人気なんですね。
入社できたとしても、一番自由に本領が発揮できる二十年後に、それらの業界がどうなっているかを考えたことがあるのか?ってマスコミを目指す人に聞いてみたい気がします。
もちろん卒業後最初に就職するのは大企業に越したことはありませんが、この小説を二十年後にブックオフで見つけて読んだ若い人から、「へぇ、あの頃の学生って出版社やテレビ局にあこがれていたんだ。笑えるね」って言われている可能性が高いように思います。
いまから30年ぐらい前には就職人気企業で常にトップクラスだった航空会社や家電メーカーが、やがて倒産したり、何度も繰り返して社員を退職させる大リストラをおこなっているように、企業は栄枯盛衰していくものです。
せめてひとりぐらいは、現在の不人気業界ながら、自分が一番活躍できる30年後のことを考えると、この業界に入っておくのがベストという気骨のあるギャンブラーキャラがいてもよさそうに思いながら読んでいたら、最後の最後で、就活メンバーの中で一番有能な男性が大手新聞社の内定を蹴って、いきなりフリーで仕事をしていこうと決断するのは、いかにも早稲田の学生らしいなぁとちょっと見直しました。やっぱそうでなくっちゃね。
◇著者別読書感想(石田衣良)
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
迷惑メールやって良いこと悪いこと 須藤慎一
パソコンやスマホでは欠かせない電子メールですが、その送られてくるメールには数多くのスパム(迷惑メール)が含まれています。そしてそれにはいくつもの罠や仕掛けが施されているというごく当たり前のリテラシー教育本です。
ネットの初心者にとっては決して当たり前ではないのかもしれませんのでこういう解説書も必要なのでしょう。とは言え、本の中身はネット中級者以上向けの言葉で書かれていますので、内容と文章表現がちょっとアンバランスな気もします。
騙されちゃいけないと頭ではわかっていながらも、それでも騙される人が後を絶たないオレオレ詐欺の例を見るまでもなく、「怪しいメールに返事を出さない」ということがわかっていても、知人の名前や有名芸能人の名前でメールが送られてくると、すっかり信用してしまうような人がいるわけで、騙す方と騙されないようにする側との知恵比べはいたちごっこで、今後も永遠に続いていくのでしょう。
ある程度のIT知識を持っている人ならあえて読む必要はないぐらいの話しですが、現在よくある騙しのテクニックがいくつも書かれているので、どういう人が騙されやすいのか、自分の親や子供にどう注意をしておけばいいのかなど参考にはなります。
迷惑メールがなくならないのは、それに引っかかる人が確実にいるからで、あとはその引っかけ率を高めていくというのがオレオレ詐欺が巧妙化していくのと同様、迷惑メール送信者が知恵を絞って考えることです。それをもっと善良なことで社会のためになることに使ってくれるといいのですが。
その内容には、なにかに当選したというような「美味しい話し」だけでなく、「生まれたばかりの子供に心臓移植が必要で助けて欲しい」というような人の同情や社会貢献につけ込むようなものまであるようです。
あとメールアドレスだけでなく、趣味や年齢、性別などの個人情報を入手すれば、より適確なスパムを送ることが出来、そのためには、豪華賞品が当たる懸賞などを利用して、そこに様々な個人情報を入力をさせるケースが多いと言うことです。
まるで大手企業が新商品紹介のためにやっているかのように見せかけたプレゼントやモニター企画にはこの不況時にはつい引っかかってしまいそうです。
有名企業が運営する懸賞だと安心していたら、そこに入力した個人情報は、別の企業へ提供することが小さく書かれていたなど、よくあるパターンです。そして賞品が当たらないというのも、先日懸賞品の水増しが明らかになった有名中堅出版社の例があるように決して珍しくはありません。
とにかく、怪しいメールは開かない、知らないサイトには登録しない、必要に応じてメールアドレスを使い分ける(フリーのメールアドレスを取っておき、重要なところ以外はそれを使い、迷惑メールが増えたらメールごと削除してしまうとか)など、初心者向けのポイントがわかりやすく書かれていました。
【関連リンク】
2月前半の読書 北帰行、天地明察(上)(下)、微笑む人、ジェノサイド(上)(下)
1月後半の読書 二人静、ザビエルの首、真夜中の男、殺し屋 最後の仕事
1月前半の読書 冷血、クリフトン年代記 第2部(上)(下)、八つ花ごよみ
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貧困率やワーキングプアという社会問題があちこちで取り上げられるようになりましたが、実はこの貧困率にしてもワーキングプアにしても、その統計数値の根拠がまちまちだったり、定義が曖昧なままでの数値だったりしていてどうもすっきりしません。
とにかくイメージ先行のやはり言葉で「年越し派遣村」のように根拠がないものとなってきています。
というのも、貧困率の根拠となる貧困層とは、一般的に収入が全国民平均の半分以下の層、または各地の最低生活費を下回る収入しかない層を指しますが、前者の場合だと、同じ地域の中でも賃貸住宅費用に倍以上の差があることも珍しくなく、それぞれの地域で必要とされる生活費に大きく差があるわけで、全国あるいは地域一律では比べられないということがあります。
同じ東京都でも千代田区と小笠原村に住むのでは最低生活費って大きく違いますよね。
例えば巨額の貯金と投資用の不動産など資産をいくつも持っていながら、節税対策でそこから得られる収入は発生する経費と相殺し、ほとんど収入を得ていないようにすれば、その人は貧困層とカウントされるケースも出てきますが、保有資産が数億円という人が本当に貧困層か?と思ってしまいます。
また農家で、自分で作った米や作物を市場に出荷すれば1千万円の年収になるところを、自家消費したり、近所の牧畜業や水産業を営む家と物々交換で食品を得て収入は少ないとみなされば、毎日ステーキや伊勢エビ、新鮮取れたて自家栽培の無農薬野菜に新米コシヒカリを食べていても統計上は貧困層となります。同様に個人事業主の場合、本当の収入はなかなか捕捉しづらいですよね。
私の近所に住む年金生活の大地主さんは、所有している広い土地にでっかいマンションを建て、息子(小さな不動産会社を経営)に管理してもらっているという名目でタダ同然で貸し与え、そこであがる収益は息子の会社が丸々得るという親子で節税&相続対策をおこなっていますが、その大地主さんはもしかすると統計上は貧困層にカウントされているのかも知れません。
正規社員と同様にフルタイムで働いているにかかわらず、その収入が貧困層に該当する生活最低限以下の場合、ワーキングプアということになります。勤務は正規・非正規は問いませんが、時間が短いパート労働者は該当しません。
しかし上記のワーキングプアに当てはまる人でも、同居する親がいて、本来支出の中で多くを占める家賃、食費、光熱費、通信費などは親が負担してくれているならば、生活最低限の収入しかなくてもそれが全部自分の小遣いとして使えるならば貧困とは言えないケースもあるでしょう。
本来のワーキングプアと言えるのは、単独で生計を立てている単身世帯か、または働き手にはならない小さな子供や資産のない高齢者を抱えた世帯主で、親や兄弟などからの仕送りなど支援がない場合に限られるでしょう。
もちろん家庭が複雑だったり事情があって、希望しても親や兄弟と同居ができずに単身で生活をせざるを得ない人もいるでしょう。でもテレビの取材などに登場してくるワーキングプアを見ていると、その辺りの事情が見えてこず、単に自分のわがままで両親の家を出て、仕事がうまくいかずに転職を繰り返し、非正規でしか働けなくなりワーキングプアに陥っているのではないかと思われるケースが多いように見えます。
なぜそこまで貧しい思いをして、都会の真ん中で単身生活をする必要があるのか?って思わなくもありません。
そうした統計上の問題があることを承知した上で、貧困率やワーキングプアの実態を見ていきましょう。
まず、貧困率ですが、全国平均で見ると、1992年9.2%、1997年10.1%、2002年14.6%、2007年14.4%となっていて、特に1997年から2002年の5年間で一気に高まりました。
なにが原因かと聞かれると、推測ですが、1997年を象徴する漢字が「倒」という世相が象徴するように、大企業の破綻(日産生命、三洋証券、北海道拓殖銀行、山一証券)などがあり、この年の前後から経済的に行き詰まっていく企業や個人が特に増えてきたのと、もうひとつは高齢化が進み、仕事を引退した人が増えてきたためでしょう。
高齢化が進み仕事に就けなくなると収入は年金だけという人や、年金がもらえない(現役時代に払っていなかった)人が浮上してきます。
国民年金しかないと地域にもよりますが生活保護費よりも少ないという人が出てくるのです。年金生活でも十分な貯蓄があれば楽な生活ができますが、貧困率にカウントされるのは収入においてですから、前述のように資産家が貧困層に入ることもあります。
次にこの貧困率は前述の通り地域によって違ってきます。
貧困率の都道府県別格差上位下位10位(2007年)をみると、もっとも貧困率の高い沖縄は29.3%、対してもっとも低い静岡は9.4%とおよそ率で3倍の開きがあります。
それにしても沖縄県ではおよそ3世帯に1世帯が貧困層というのは衝撃をうけました。もっとも家賃や食料費など生活関連費に本州の都市部とではかなり差があるということでもあるでしょう。
次に貧困層世帯は生活保護で支給される最低限度の金額に収入が満たない場合、生活保護を受給するという選択肢があります。
もちろん生活保護の場合は資産状況もチェックされますから、いま収入がないというだけでは受給できません。貧困層にはそうした一部の富裕層も含みますが、生活保護受給世帯数は時々発覚する不正受給がないとすれば本当の意味での貧困層=生活困窮世帯ということになります。
生活保護を受けている世帯の率が高いのは大阪、高知、北海道、青森、福岡の順です。逆に少ないのは、山梨、岐阜、長野、福井、富山で、大阪と富山を比べると、受給率で6倍以上もの開きがあります。
貧困率が一番高い沖縄は、生活保護受給率では全国で7番目で、次に貧困層の割合が多い高知は生活保護受給率でも2番目とこちらはほぼ一致していますが、貧困率3番目の鹿児島、5番目の宮崎は生活保護では13位と20位と中位にあり、必ずしも貧困率と生活保護受給率とが一致しないようです。
しかし一般的に貧困率が高いと、生活保護を受けている率も高いのではないかと言うことで、貧困世帯に占める生活保護世帯の割合を地域別で上位と下位をみたのが下記のグラフです。これは貧困世帯がちゃんと生活保護を受けられているか?という貧困補足率として見ることができます。
貧困世帯の中で生活保護を受けている率が高い上位は北海道、大阪、東京、神奈川、福岡の順となっています。しかしもっとも高い北海道でも生活保護が受けられているのは貧困世帯の21%程度です。
逆に貧困世帯でも生活保護を受給している割合が少ない地域は、福井、富山、山梨、長野、群馬の順となっています。最低の福井県は貧困世帯のわずか5%しか生活保護を受けていないという少なさです。これはどう考えればいいのでしょうか。
地域によって福祉事務所の生活保護相談窓口の対応に差があるとか、前述の通り、収入は少ないけれども資産家が多いとか、農家や個人事業主などをやっていて、収入は少なくても親と同居していれば食っていけるという人が多いとか。
最後にワーキングプアの統計です。前述の通りワーキングプアとは「生活に最低限必要とされる収入が得られていない(概ね)フルタイム勤労労働者」のことを指しますが、全勤労者数の中で占める割合がどのようになっているかを見ました。
参考にしたのは山形大学戸村準教授のレポート「年における都道府県別貧困率の推移について ワーキングプアを中心に」からです。
まず全国平均で見ると1992年に全勤労者の中でワーキングプア率は4.0%だったのが1997年4.2%、2002年には6.9%と急増、2007年には6.7%と少し落ち着きました※。
この6%という数字が一般的に見て高いのか、低いのか?という問題はありますが、フルタイムで働いても最低限の生活さえできないということは、先進国としてはあってはならないことでしょう。
※Wikipediaではワーキングプア率は1997年12.8%、2002年18.7%、2007年19.0%と上記と大きく開きがあります。これはどちらも「就業構造基本調査」を元に試算していますが、「世帯の収入の種類」の選択範囲の違いによるものと思われます。それだけ定義が曖昧と言うことです。
ワーキングプア率が最も高いのは、貧困率でも高かった沖縄で20.5%。その次が大阪、高知、京都、長崎となっていて、これは貧困率の高い地域とほぼ重なっています。逆に低いのは静岡、福井、富山で、福井以外は貧困率の低いところです。
概ね、その地域の貧困率とワーキングプア率は一致することがわかります。
ただ貧困世帯が多いからと言って、必ずしも生活保護受給率が高いかというと、前述したように、農業や水産業のようにある程度食料品に自家消費ができる環境にいるとか、あるいは生活保護が受給しやすい環境にあるかなども地域差があるようです。
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570 資産家も貧困者?統計で見る貧困率
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最近は個人情報の登録や有料版に移行するネットメディアが多く、無料でしかも登録なしに読める良質なコンテンツが少なくなってきたのは残念なことです。
ビジネスでやっている側からすれば「無料で良質な記事をなんてふざけるな!」ってことでしょうが、有料にしたからといってその中身は混交玉石のはずで、自分にとって社会にとって有益なものばかりとは限りませんので悩ましいところです。
そうした愚痴はともかく、ほとんどの記事が無料で、しかも登録しなくても(今のところ)読めるPRESIDENT Onlineの記事二つから雑感を。
「安心して老後をおくるには貯金が●千万円が必要だ!」という趣旨の記事をよく見かけますが、現在56歳の私には、4年後にやってくる定年の際に、わずかばかりの退職慰労金を合わせても、その必要額とされる1/10があるかどうかも怪しい限りです。
そんな中、『老後の備えは300万の定期預金で十分」のワケ』という記事というかコラムを発見。
多少釣りのようなタイトルだけど「おぉ!年金だけで慎ましく楽しく暮らしていける方法があったのか!」と思いきや、そうではなくて「働き続けることを前提にすれば、多額の老後資金は必要ありません」だと。ガッカリです。働きたくても高齢になると、まともな仕事がなかったり、健康を害して働けないということもあるでしょうにね。
こうした釣り的な内容の話しは得てして「家族含めみんなが健康で、親の介護の必要もなく、自由な生活がおくれる人の話し」ということが前提での話しが多いです。それが今の一般的な高齢者の姿なんでしょうかね。
その中で私が特に注目したのは『老後の資金は、とりあえずは300万円程度で十分。もちろん貯金はあればあるほどいい。しかしそれは「いざというときの備え」。間違っても「お金に働いてもらう」といった考え方はやめましょう。』と書いてあります。
なるほど、「貧乏人は死ぬまで身体が動くあいだは働き続けよ!」と。そして「但し緊急事態に備えて300万円ほどは残しておけ」ということか。さらに気に入ったのは「金持ち父さん貧乏父さん」などに書かれているように「お金に働いてもらう」つまり不動産などへの投資は今の日本では危ないからやめておけと。なんとなくわかります。
ちょうどダイヤモンドオンラインの記事でも『荻原博子直伝! 消費増税に負けない生活防衛術(中) 「まだデフレなのに、なぜ投資に手を出すのか?」』があり、そこに「(マンション投資について)自分で実際にやってみて、「儲かる理論がない」ということがわかったので、人には絶対に勧めない。むしろ、やめなさいとアドバイスしています。」と書かれていました。
ま、いずれにしても投資ができるまとまった資金はあいにく持ち合わせがないので無縁ですが、それよりも「とりあえずの300万円」ですら持ち合わせがないのが自分でも笑えてきます。
総務省調査によると65歳以上世帯の平均貯蓄額は2200万円以上あるということですが、我々今50代の人達も、あと数年でやってくる定年後には、それ相応の預金があるのでしょうか?自分や同世代の友人に当てはめてみると、それがどうも腑に落ちません。
子供を作らず夫婦で正社員として働いてガッチリ貯め込んでいる人や、運良く働いている会社が上場し、その恩恵にあずかれたような人は十分その資格はもっているでしょうけど。
私の場合、20数年前に購入した自宅のローンと、子供3人(二人は高校から私学、ひとりは公立校)の学費等の支払いで、まとまった貯金はほとんどない状態。この十年間は貯金残高の総額は6桁(●十万円)という、まるで綱渡り状態の日々をおくっています。
ようやく子供のうち上の二人が社会に出て、お金はそれほどかからなくなりましたが、まだ住宅ローンが6年ほど残っていて、定年時に多少の退職金が出たとしても、それと貯金を合わせて残債を消して終わりってところです。貯金はまったく残りそうもありません。
結局、複数の子供の学費や、重い住宅ローンを抱えた人は、少なくとも年金がフルにもらえる65歳までは、例え健康を害していてもなにかしら働かないといけないのでしょうね。
もうひとつの記事は、「一生賃貸で暮らすにはどのくらい蓄えが必要か」です。
私の場合は先に書いたように多額のローンを抱えて自宅は購入しましたが、もし買わずに賃貸住宅で暮らしていたとしたら、収入が途絶えてしまう定年頃までに、貯金はいくら必要だったのだろうかと考えました。
つまり今の家を売っぱらって現金化したとすれば手元にいくらあればその後安心して賃貸に住み続けられるかを知りたかったわけです。
そのシュミレーションは、60~90歳(女性の平均寿命は86.4歳)の30年間にかかる賃貸住居費用の大雑把な計算です。
家賃は月額平均10万円(子供が出ていって老夫婦2名)として3600万円、2年に一回の更新料が15回で150万円、10年に一度の引っ越し費用が3回で敷金・礼金・手数料など120万円で総額3870万円になるということです。
もし都市部郊外地域でクルマを持っていて駐車場を借りているとすると、1ヶ月1.5万円とするとプラス540万円です。
賃貸住宅の場合、利用者のニーズやライフスタイルにあった物件(例えば定年で通勤の必要がなければ家賃が安い地域へ移るとか、子供部屋が不要になれば小さな部屋でよくなるとか)をその都度選べるという大きな利点があります。
なのでもし物価が上がって家賃が高騰しても安いところへ引っ越せば負担が増えると言うことはなくなります。それが持ち家派と比べると大きな優位点でしょう。
この住宅関連費用(駐車場代込み)の総額を30年で割ると年間147万円、月間12万2500円ということになります。
均してみると家賃10万円以外にプラス毎月22,500円の負担が発生するということですね。
年金生活に入り他に収入がないと、年金だけでは毎月12万2500円の負担をするのはとうてい無理でしょうから、実質的には貯金を取り崩しながら支払うことになります。
すでに夫婦とも働いていないとすると、この家賃は大家族でない場合、貯金と年金から夫婦二人ともが死ぬまで支払続けることになります。印象的には結構重い気がします。
配偶者が亡くなり、単身の場合ならもっと安いマンションかアパートに移ることができますが、同時にもらえる年金も減るでしょうから負担感は余計に感じるでしょう。
都市部ならクルマは不要な場合も多いでしょうが、病院や店舗、公共機関へのアクセスが悪いと買い物や通院のためクルマが必要な人もいるでしょう。
自宅を持っていて60歳の時点でローンが終わっていれば、年間6~8万円の固定資産税、小規模な修繕費が平均して年間12万円平均発生すると仮定すれば年間総額18~20万円、月に均すと1.5万円~1.7万円ってところです。これなら年金の中から支払うこともできそうです。賃貸との差は毎月8~9万円です。
ただ持ち家の場合、問題は60歳時点では自宅購入後2~30年が経っているケースが多いので、その後30年間使おうとすると、大規模な修繕をするか建て直しをする必要があるということ。
子供が親孝行で、親のためにその費用を負担してくれならなにも問題はありませんが、決して世の中そう甘くありません。
その費用は、30坪程度の一戸建てで、大規模修繕(屋根・外壁修理と塗装、キッチンや浴槽、トイレなど水回り交換、床の張り替え、階段や玄関のバリアフリー化等)で約1千万円、建て直しだと2千万円は必要でしょうから、それを30年で割ると、修繕の場合で年間で33万円、建て替えの場合年間で67万円、月あたりに換算すると修繕で3万円、建て替えで5~6万円が実質的に上乗せされる計算になります。
そしてそれをおこなおうとすると、60歳以上の場合、長期のローンは組めませんので、虎の子の貯蓄をくずすか、それがなければ子供にローンを組んでもらって、月々子供に利子を含めて返済するって形になるでしょう。
それでも修繕の場合の住宅関連費用月額(1.5万+3万円=4.5万円)だと、賃貸派が月々負担する住宅費(12.25万円)の半分以下の負担で済みますから、「やっぱり若いときに無理して買っておいて正解!」と自分を納得させているのですが、さて実際のところはどうなのでしょう。
それに私の場合はずっとマイカーを持っているので、駐車場付きの一戸建ては、マンションや賃貸アパートと違いその費用負担がなくなるだけも大きなメリットを感じています。
あとこの記事の最後に「シニアが借りる賃貸の場合、お金以外の問題として、保証人を確保できるかどうかという問題が大きなネックになります。」「シニアでもOKな物件を見つけて保証人も確保することは非常に切実な問題」と書かれています。
つまり賃貸の場合、ここに住みたくてもお金だけでは済まないケースもあるということで、特に少子化の今は身寄りのない老夫婦や独居老人となると、孤独死や認知症による事故などを怖れ、大家が貸したがらない実態があるようです。
そうなると今後ますます競争率が高まりそうな公的住宅しか選択がないという可能性があります。
【関連リンク】
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まだまだ寒い日が続きますが、プロ野球のオープン戦も各地で始まり、確実にMLBやプロ野球の開幕が近づいてきているようです。
今年のメジャーは昨年同様にダルビッシュや上原、黒田、岩隈が好投できるか?とともに、新たに日本代表エースの田中将大投手のヤンキース移籍によりその活躍が注目されています。
しかし多くの人が言っているように、日本人最高の破格の契約金を手にし、ニューヨークヤンキースという名門チームの中で、果たしてそのプレッシャーに押しつぶされることなく、メジャーの野球にうまく適合し、日本プロ野球時代と同様に勝利を積み重ねていけるのか?と心配する向きもあります。
過去にはメジャーでも通用すると期待されながら、ほとんど成績が残せなかった選手が何人もいます。
日本人投手の多くは公式ボール、ストライクゾーン、気候(気温、湿度)、マウンドの堅さ、傾斜角度、トレーニングなど調整法、キャッチャーとの相性、言葉、試合数、試合の移動距離、食事や生活環境などの違いで、うまくそれらに順応できず、ストレスをためたり、果ては肩や足腰を傷めてしまった選手も多くいます。
しかしそうは言ってもダルビッシュと肩を並べる日本の大エース。きっとやってくれるに違いないと思いますが、田中が日本で経験してきた過去7年間のデータと他の選手のそれと比較し、どの程度期待をもてるのか勝手に推測してみました。
比較の対象としてあげたのは、ダルビッシュ有(レンジャーズ)、松坂大輔(メッツ)、前田健太(広島カープ)で、プロ野球時代の成績を単純比較してみました。
※松坂大輔は西武に8年間、前田健太は広島に6年間1軍に在籍していますので、公平を期すため率以外は田中、ダルビッシュと同じ7年に換算しています
表の中でピンク色に色づけしているのは、4人の中でもっともいい成績で、田中は、完封、無四球試合数、勝利数、敗戦数、勝率、投球回数、1試合平均与四球、与四球数、与死球数、ボーク数の10部門でトップです。さすがですね。
なにかと対比されることが多い2年先輩のダルビッシュは、完封。被安打数、被本塁打数、敬遠数、奪三振数、1試合平均奪三振数、暴投、失点、自責点、防御率、WHIP(投球回当たりの与四球・被安打数)の11部門でトップです。
なんと昨年24勝0敗という目覚ましい活躍を見せた田中をも上回っています。そりゃ日本の打者との対戦に愛想を尽かしてしまうのも無理ないですね。
次に怪物と称されWBCに日本代表で2度出場し、その2度ともMVPを獲得した松坂は、西武時代の8年間(7年に換算)で2部門(完投数と暴投数)でトップ、もうひとり現在広島カープに所属し、やはり将来メジャー移籍が濃厚と言われている前田は5部門(登板数、先発数、与四球数、1試合平均与四球数、ボーク数)でトップです。
意外だったのは、松坂はメジャーへ移籍したときには日本最高の投手としてもてはやされましたが、記録だけを見ると、そうでもないということがわかります。
現在とは違い、よく飛ぶボールの時代で、投手に不利な時の記録ですから公平とは言えませんが、現在はそのほとんどが塗り替えられています。しかしもちろん日本でトップクラスの選手だったことに疑いの余地はありません。
この結果から推定すれば、田中は松坂よりも上で、ダルビッシュと同程度には活躍できそうと言えます。
もうひとつ黄色でマーキングしているのは、映画マネーボールでも有名になりましたが、オークランド・アスレチックスのビリー・ビーンが、投手の成績評価を従来の防御率や勝利数などではなく、セイバーメトリクスという独自理論で判断する時に使ったとされる被本塁打数、与四球数、1試合平均与四球数、奪三振数、1試合平均奪三振数だけを見た場合、どうなるかを見ました。
これは被安打数や失点、勝利数などは、味方チームの守備力や攻撃力などにも影響され、投手の評価に使うのは適当ではなく、その代わりに本塁打や与四球は他に責任を転嫁できない投手の責任、三振は投手の手柄と割り切った見方です。
その5つの基準だけで見ると田中は1試合平均与四球数だけでトップ。ダルビッシュは被本塁打数、奪三振数、1試合平均奪三振数の3つでトップ、松坂はなし、前田は与四球数と1試合平均与四球数の2つでトップとなりました(1試合平均与四球は田中と前田と同数)。
この数値で見ると、ダルビッシュの優位は明かで、次が前田、田中という順の評価になります。
もちろん先にも書いたとおり、日本での実績とメジャーで活躍できるかどうかは必ずしも同一ではありません。
ただ期待値としては、初年度はまだライバルチームに研究しつくされないということもあり、うまく環境に慣れさえすればダルビッシュの初年度と同等かそれより少し低めの13~15勝(ダルビッシュは初年度16勝、2年目13勝)程度と考えておくのが無難なのではないでしょうか。
おそらく先発として年間約30試合に登板すると思われますので、そうすると勝利投手になるのは2回に1回ということで、あの破格の契約金を考慮するとちょっと物足りなさを感じてしまいます。
しかし初年度からそれ以上(日米の公式ゲームでの連勝記録とか)を求めるのは、実力以上に期待をされ、余計なプレッシャーを与えかねないことになります。
最後に田中、ダルビッシュの初年度の年俸を比較すると、田中が7年契約で1年あたり約23億円、ダルビッシュは6年契約で1年あたり約9億7千万円と2倍以上の大きな開きがあります。
契約金(年俸)の違いは、今年から変わったポスティング制度の影響が最大要因で、ダルビッシュの時にはポスティングシステムへの入札金が高騰し日本ハム球団に大きな利益をもたらしましたが、田中の時には入札金は一定額に収まり、その分本人への契約金が高騰する結果になりました。
さらに金満球団ヤンキースが、2011年オフのダルビッシュのポスティングではいまいち積極的でなく入札に失敗しましたが、その反省もあってか、今回の田中の獲得に積極的に乗り出したことで、契約金高騰に拍車がかかり、結果的に田中はもの凄く恵まれた絶妙のタイミングでの移籍となりました。
ヤンキースとしては1996年オフの伊良部、そして2006年オフの井川と続けて日本の高額獲得投手の見込み違いがあり(伊良部はそこそこの成績を残したもののわずか3年でトレード)、そのトラウマがまだ残っていた2011年オフのダルビッシュを逃しました。
その逃したダルビッシュがレンジャーズで素晴らしい活躍をしているのを目の当たりにしてヤンキースのファンやスカウト陣は地団駄を踏むことになります。
ま、野球の楽しみ方は人それぞれで、例え負けが込んでも一生懸命に投げる姿が見られればそれでいいと思う人もいるわけで、成績だけにこだわらず、これぞ日本野球の実力という接戦をものにする好ゲームを期待したいものです。
【関連リンク】
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735 遠い夏の記憶
696 五輪競技除外候補とスポーツ競技人口
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