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1666
コロナ禍だったこともあり、最近は行く機会がめっきりと減ってしまった公衆浴場、いわば銭湯(日帰り温泉含む、以下同様)ですが、4年前にも一度書いています。

減り続ける銭湯と競争が激しくなる温泉 2018/2/10(土)

1968年にピークを迎えた銭湯は全国公衆浴場業生活衛生同業組合連合会調べでは、当時全国各地に1万7999軒ありましたが、その後減少していき、54年後の2022年は1865軒となんと90%近くの減少となっています。完全に衰退産業と言えるでしょう。

もちろん、減少の理由は自宅に浴室が完備されてきたことが一番ですが、それ以外にも人口減少や銭湯の設備の古さから常連さん以外に敬遠されてきたことも影響あると思います。

また不特定多数の人前で裸になるのを嫌がる人が増えていることがあるかも知れませんが、これは子供の頃から普通に銭湯に馴染んでいると、大人になっても気にしないと思うので、銭湯が中学生以下を無料にするとか、子供が楽しめるようなイベントをするとか、積極的に誘致する対策を怠ってきたのかも知れません。

あとは、銭湯は比較的大きな敷地を使っているので、価値が高い立地にあるならば、いわゆる地上げや相続対策でマンションを建設するとかで、あっさりと売却や転業してしまうことが多そうです。

上記の全国公衆浴場業生活衛生同業組合連合会のデータとは別ですが、厚生労働省 生活衛生関係の一般公衆浴場推移のデータをグラフと表にまとめました。

公衆浴場がピークだった頃から9年後の1977年(16,866軒)から、最新の2020年(3,231軒)までの推移グラフです。


出典:厚生労働省 生活衛生関係(公衆浴場数)年次データ

こちらのデータも43年間でおよそ80%ダウンという凄まじさです。比較の対象として適当ではありませんが、減少著しいと言われているスキー人口はここ30年間で75%減少したと言われていますがそれと同等の下がり方です。

個人的には、日帰り温泉施設などが新規オープンした案内をよく見たり聞いたりするので、古い昔ながらの銭湯が減る代わりにそうした新しい温浴施設が増えているのかなと思っていましたが、数的にはあまり影響してなさそうです。

次に都道府県別で一般公衆浴場の数を調べてみました。

都道府県別一般公衆浴場(多い順ベスト20、少ない順ワースト20)
 公衆浴場が多い順     公衆浴場が少ない順 
01 東京都 1,900 鳥取県 137
02 北海道 1,256 高知県 141
03 静岡県 1,178 福井県 146
04 長野県 1,119 徳島県 175
05 神奈川県 1,048 島根県 178
06 兵庫県 1,043 奈良県 199
07 大阪府 883 香川県 216
08 千葉県 854 宮崎県 229
09 福岡県 742 山形県 232
10 鹿児島県 712 岩手県 241
11 熊本県 694 和歌山県 249
12 愛知県 659 佐賀県 271
13 埼玉県 608 富山県 274
14 新潟県 598 沖縄県 282
15 大分県 543 滋賀県 289
16 愛媛県 538 長崎県 306
17 岐阜県 528 三県重 308
18 栃木県 481 岡山県 308
19 福島県 474 秋田県 315
20 茨城県 454 山梨県  318
出典:厚生労働省 生活衛生関係(公衆浴場数)2020年度 都道府県別

やはり人口が多い東京都に公衆浴場が一番多いですが、2番は大阪府や神奈川県ではなく、北海道、3位は静岡県、4位は長野県と、人口は大都会よりは少ないですが、比較的温泉が多い地域という感じがします。

そのため、一般的な銭湯というより、温泉地によくある公衆温泉施設や湯治施設などが影響しているように思われます。

しかし公衆浴場が少ない(ワースト)鳥取県や高知県、福井県も、温泉はそこそこありそうなので、ワースト3というのはちょっと解せません。公衆浴場以上に人口の減少が大きい県ということがあるかも知れませんが、他に理由があるのでしょうか。

そこで温泉地の公衆浴場が影響しているのかどうか、都道府県別の人口10万人あたりの公衆浴場数を調べてみました。

都道府県別一般公衆浴場(人口10万人当たり、多い順ベスト20、少ない順ワースト20)
人口10万人当たり公衆浴場多い順   人口10万人当たり公衆浴場少ない順
01 長野県 56 埼玉県 8
02 大分県 49 愛知県 9
03 鹿児島県 45 大阪府 10
04 愛媛県 41 神奈川県 12
05 熊本県 40 千葉県 14
06 山梨県 40 東京都 14
07 青森県 35 福岡県 15
08 佐賀県 34 奈良県 15
09 静岡県 33 広島県 16
10 秋田県 33 茨城県 16
11 石川県 31 岡山県 17
12 岐阜県 27 宮城県 17
13 新潟県 27 三県重 18
14 和歌山県 27 京都府 18
15 富山県 27 福井県 19
16 島根県 27 兵庫県 19
17 福島県 26 沖縄県 19
18 山口県 26 岩手県 20
19 栃木県 25 高知県 21
20 鳥取県 25 滋賀県
21
出典:同上

人口10万人あたりの公衆浴場数で見ると、やはり温泉地で有名な、長野県(野沢温泉、蓼科温泉など)、大分県(別府温泉、湯布院温泉など)、鹿児島県(指宿温泉、霧島温泉など)、愛媛県(道後温泉など)、熊本県(阿蘇温泉など)、山梨県(石和温泉など)が上位に並びました。

逆に人口10万人当たりで公衆浴場が少ないのは、埼玉県や愛知県、大阪府、神奈川県でやはり人口が多い大都市部の都府県が中心となります。

その中でも意外なのはワースト8位の奈良県ですが、そう言われると奈良県には古くからの温泉地が少なそうです。すぐ近くには和歌山の白浜温泉や南紀勝浦温泉、龍神温泉などがあり、そうしたところに押されている感じです。

現在、新型コロナの影響は落ち着いてきましたが、燃料費の高騰が続いていて銭湯など浴場の経営は楽ではないでしょう。

人口も減っていき、やがて銭湯が好きな高齢者もだんだんと通うのがたいへんになり、若い人はというと、サウナこそ人気ですが、昔ながらの銭湯へ通うことは期待できず、多人数でお風呂に入る経験がない今の子供達が、大人になってから銭湯へ通うとも思えず、決して未来は明るくなさそうです。

ドキュメンタリーなどで、後継者がいなくて廃業寸前の銭湯を若い人が買って再生するというストーリーは各地でありそうですが、いくら銭湯が好きな高齢者社会とはいえ、これから利用者を増やすというのは極めて難しそうです。

日本の良き伝統だった銭湯や湯治は、古くはテレビドラマの「寺内貫太郎一家」(1974年など)や、映画「テルマエ・ロマエ」(2012年)、「湯を沸かすほどの熱い愛」(2016年)などがあり、それぞれ楽しめましたが、見ていると失われつつある日本の文化という見方に変わってきました。

以前、山梨の日帰り天然温泉へ寄ったとき、来ていたのは地元の老人ホーム?から団体でマイクロバスに乗ってやってきた高齢者だけでした。都市部でも、そうした送迎付きの温浴施設ならば喜ばれるかも知れませんが、いずれにしてもターゲットが高齢者だけなら限度があります。

根本的な解決は若い人に銭湯や温浴施設にいかに足を運んで、常連になってもらうか?ですので、綺麗でプライベートな場所もあり、オシャレな健康設備(エステやジム)もあるというような転換を図らなければダメでしょう。

いずれにしても、まもなく日本から古い伝統的な銭湯がなくなるのも時間の問題かも知れません。

【関連リンク】
1199 減り続ける銭湯と競争が激しくなる温泉
1005 泉質による温泉健康法
565 冬はやっぱり温泉でしょう



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1665
新シリーズです。テーマは健康で長生きしたい高齢者には必須の「健康習慣」ですが、私は医者でも学者でもないので、それなりにメリットとデメリットについては調べていますが、あくまで素人が考え実践している健康法を不定期で書いていきます。

したがって誰にでも有効とか、お勧めするとかではなく、こういった人もいるんだ?ぐらいに思っていただければよろしいかと思います。

第1回目は、キシリトールとフッ素歯磨きです。

キシリトールは1970年代にフィンランドで研究が始まり、1975年にはキシリトール入りのガムが登場しました。その後1983年にはWHO(世界保健機関)とFAO(国際食料農業機関)が安全性を確認し、1997年には当時の厚生省が食品添加物として認可しました。

キシリデント国内では2000年以降、キシリトール入りのガムや歯磨きが次々に登場してきましたので、もっと昔からあったような気がしてましたが、比較的最近に作られた成分と言うことですね。

そのキシリトールは、長年の研究と臨床研究で、むし歯予防効果が最大80%の効果があると証明されています。

私も最初は半信半疑でしたが、20年ほど前からキシリトール入りの歯磨き粉(粉ではないですが)をずっと愛用しています。

そのおかげもあって、それまでは7~8年に1回ぐらいは虫歯ができて歯医者にお世話になっていたのが、この20年間では詰め物が取れたとき以外で歯医者に行くことがなくなり、ブラシーボ効果ではなく、虫歯とは縁が切れたように思います。

さらに、10年ほど前からは、歯磨き粉以外にチューインガムのボトルを購入しておき、寝る前(夕食後に歯磨きをしますが、それから寝るまでに4~5時間あるので)に1コ噛むことにしています。

キシリトールの効果と専門的な話は、日本歯科医師会の「キシリトールとは」が参考になります。

ただキシリトールについては人体に悪い影響があるのでは?という否定的な見方をする人もいるらしく、Googleで「キシリトール」と検索すると、下記のような検索アシスト(他のキーワード)が出てきます。

キシリトール検索

しかし今のところは、人体に害があるという信頼のおけるエビデンスは出てなく、気にすることはないでしょう。

   ◇   ◇   ◇

虫歯予防にはキシリトール以外にフッ素の効果も期待されています。

フッ素の効果としては、1)耐酸性・結晶性の向上、2)抗菌・抗酵素作用、3)再石灰化の促進の3つがよく知られています。

歯医者さんで、そのフッ素を歯に塗布してもらう治療というか予防が一番効果が高いそうですが、そこまでしなくとも、最近の歯磨き剤にはフッ素効果をウリにしている製品が多数あります。

フッ素といえば、フライパンの焦げ付き防止とかクルマのコーティング剤等でよく聞きますが、そういう工業製品に使われているものを口の中に入れても大丈夫なの?って気になります。

フッ素(フッ化物、フッ素化合物)はビタミンなどと同様、ミネラル成分のひとつで、多くの食品に含まれているものです。但し歯磨き粉の中に含まれるフッ素は食品ではないので、基本的に食用ではなく、もし間違えて食べても少量であればすぐに排泄されるそうです。

ただフッ素入り歯磨きの場合、注意する点として、磨いた後に何度も口をすすぐとせっかくのフッ素が流れ落ちてしまうということです。

この前、歯医者さんがテレビの情報番組の中で、フッ素入りの歯磨きのあとは、せっかくのフッ素が落ちてしまうので大さじスプーン1杯ぐらいの少ない水で軽くすすぐのが良いと話していました。思いっきり口の中をたっぷりと水ですすぎたいのを最近は我慢しています。

フッ素入りの歯磨き剤に関して専門家のエビデンスとして詳しいのは「フッ化物配合歯磨剤に関する日本口腔衛生学会の考え方」(日本口腔衛生学会)の資料(PDF)です。

私はここ10年ぐらいは花王の「クリアクリーンダブルプラス ライトミントST130」という、2種類のフッ素、「フッ化ナトリウム(NaF)」と「モノフルオロリン酸ナトリウム(MFP)」、さらにキシリトールまで入ったチューブの歯磨き剤を利用していました。

クリアクリーンダブル

しかし残念ながら1年ぐらい前に生産中止となったようで、買い溜めをしておいた分も使い果たして路頭に迷っているところです。Amazonを見るとまだ少しは出回っているようですが、値段はえらく高くなっています。

生産中止になったということは、なにか問題でもあったのか?とちょっと気になるところですが、花王の後継の似た製品「クリアクリーンNEXDENT ピュアミント」は、「フッ素がたっぷり吸着し、すすいでも長時間残る処方」が特徴で、その代わりにキシリトールの配合がなくなってしまいました。

キシリトール配合の歯磨き剤では老舗の「ライオン キシリデント」はフッ素も配合されていていますが、以前使っていたときには、上記の「クリアクリーンダブルプラス」より値段が高い割には口腔内のサッパリ感がイマイチ弱いなと思ってそれ以来使っていませんでした。しかし他にキシリトール+フッ素が手に入らなければまた戻ることになるかも知れません。

【関連リンク】
1542 退職後初の健康診断は残念な結果に
1509 年と共に健康は害されていく
1429 各年代で歯は何本残っている?



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1664
環境問題から先進国では一気に内燃機関エンジンからEV化が進むものと思われていましたが、ロシアのウクライナ侵攻によって原油や天然ガス不足からエネルギー危機が訪れ、そうした環境優先政策に暗雲が立ちこめてきました。

しかし、エンジンからモーターへの置き換えは大局的には変わらないですが、従来の内燃機関動力車の販売禁止の目標としていた期日には今後変更が生じていそうです。

個人的には、せいぜいあと10数年ぐらいしかクルマを運転しない準高齢者なので、エンジン車の新車販売禁止が10年先か20年先かはどうでもいいのですが、EV車が主流になってくることで、ガソリンスタンドが減ってしまって不便になることや、内燃機関エンジンや駆動系の整備に詳しい専門家が減ってしまうことで困るぐらいです。

なので、特に濃いEVアンチというわけではありませんが、国内で新車のEVが隅々まで普及するにはまだ無理があるのではないかな?と思っています。

テレビCMやEV試乗記事ではほとんど「EVはエコで便利」というテイストで取り上げられます。本当にエコで便利なの?という疑問があります。

その理由としては、従来から言われてきたことで、充電設備、充電時間、バッテリー性能などの問題です。

充電設備が都市部はともかく、全国的にまだ十分に設置されていないことはよく知られています。しかもメーカーによって使えない設備や、故障中で使えないものもあります。

もちろん、何年後かに充電設備事業が儲かるビジネスとなれば、どこのコンビニやコインパーキングでも充電ができるようになるでしょうけど、今のところは儲かるビジネスではなく、すぐに増える要素が見当たりません。

EVのテレビCMでは「スタンド行かないの楽ですよ~」と強調しますが、サンデードライバーの場合、2ヶ月に1度ぐらい、スタンドに行って給油と窓拭きと空気圧チェックをしてもらうのと、EVを使った後は毎回充電ケーブルを取り出して接続して何時間後に取り外して片づけるのと果たしてどっちが楽なのでしょう?

さらに、現在のマンションなど集合住宅では、敷地内に簡単に充電設備が作れない問題があります。自宅で簡単に充電できなければEVを購入するメリットはさらに減るでしょう。

充電時間は急速充電でも何十分もかかります。急いでいるときに限ってバッテリーが空になってしまうのがマーフィーの法則を出すまでもなく世の常です。それに元々充電設備すら少ないのに、急速充電器がいつもすぐに使える状態にあるとは限りません。

バッテリーの性能は、スマホの電池でもわかる通り、数年で一気に充電能力が低下します。つまり新車の時に「満充電で300km走行できる!」とカタログに書いてあっても、使い方や環境にもよりますが、3年ぐらい経つと満充電で走れる距離はその半分ぐらいと思っていても良いでしょう。

そして6~7年後には交換時期がやってきて、クルマの買い換えをするか、60~70万円かけてバッテリー交換をするか決断を迫られます。

それでもガソリン車に給油する総額より安くなるでしょうけど、毒性があり環境汚染の原因となる古いバッテリーの廃棄処理やリサイクルには多くのコストとエネルギー、大きな環境負荷がかかることも忘れてはいけません。すでにEV先進国の中国では土壌や水質汚染などが問題となっています。

さらに言うと、EVの動力源である電気はなにで作っているのか?ってこと。

現状ではまだ石炭や石油、天然ガスを燃やす火力発電がメインで、EVが増えれば増えた分だけ二酸化炭素排出が増えることになります。その点が大きく改善されない限り「エコです!」と果たして言っても良いものか、、、

あるエコ活動に熱心なVTuberのEV礼賛記事を読みました。

EVアンチの常套句「長距離運転に向かない」は本当? 実際に走ってみたら、給油より充電のが楽だった(2022.9.3 Merkmal)
この東京~大阪の旅では車両の航続距離である400kmを超える500kmを走行したが、充電のため「だけ」の時間はゼロだった。今回の旅では内燃機関より不便を感じる点はひとつもなく、騒音や振動が少なく疲れにくい上に走行性能に不満もない。今回の例では500kmの走行だったが、もちろん東京~四国や九州など1000kmを超える旅でも同様で、多くのEVオーナーが充電時間ゼロで運用できている。

この記事では触れられていませんが、長距離を走って怖いのは、予想しない渋滞や天候に遭うことです。

つまり予定では300kmの走行は楽勝!と思っていても、途中で暑かったり大雨に遭い結露対策でエアコンをフルにかけ、ワイパーを動かし、昼間でもヘッドライトやフォグライトを点けて走ることがあります。

そしてさらに事故渋滞で1時間ぐらいほとんど動かないこともあります。自然渋滞でも1時間ほどノロノロ運転をするのはよくあることです。そうした非常時には、現在のEVのバッテリーでは心許ないでしょう。

そして記事で触れられていますが、高速道路のSAで充電するにも、行楽シーズンなどでは順番待ちができていることがよく話題になります。

EV普及と同時にやらなければいけないこと…充電ステーション不足が長蛇の列を生む(BUSINESS INSIDER)
テスラのオーナーは通常自宅で充電を行うが、充電ステーションの需要が急増することがある。それは休日に旅行をするときだ。
ほかの電気自動車メーカーと同様に、テスラは充電ステーションを拡大しているが、休暇中の長い待ち時間を減らすことはできていない。

こうした試乗記事は、平日の混雑しない時期にメーカーから借りて乗りますから、ひどい渋滞に遭うことはありませんが、普通の人は混雑する連休中やお正月にこそ長距離で利用するのが普通です。

サービスエリアの駐車場が満車で、レストランやトイレに行列ができているような時に充電器だけ空いているとは思えません。

あと30分間充電すれば残りの距離は大丈夫と思っていても、その充電待ちのためプラス何時間もかかることがあるでしょう。おまけに充電待ちで並んでいる時には少なくともドライバーはレストランへ行き食事をしてというわけにはいきません。

今はまだ起きていませんが、今後充電を巡るトラブルが起きそうです。つまり、前のクルマが充電したまま何時間も放置したままで戻ってこない場合、待っている人が勝手に充電ケーブルを外して使うというようなことです。

もっと言えば、充電中のケーブルを、そのドライバーが不在であることをいいことに、勝手に外して自分のクルマに充電(盗電?)する輩や、長い順番待ちを無視して強引に割り込んでくる強面な下衆野郎も出てきそうです。

そして記事では「宿泊先にはちゃんと充電用のコンセントが設置してあるので、到着時にカチッと差し込めば翌朝には満充電まで回復」と、到着後に充電用ケーブルをつないで翌朝までつなぎっぱなしと書かれていますが、他に利用者がいないことがわかっているならともかく、本来なら他の人が利用できるよう一定時間か満充電したらケーブルを外して他の利用者に譲らなければならないはずです。

つまり、例え深夜であっても、満充電になれば降りていって、ケーブルを外して、クルマを駐車場まで移動するという面倒なことが旅先での充電利用のマナーとなります。

そうした面倒なことが多いので、例え長距離は年に数回でも、EVはいらないというのが私の感想です。

【関連リンク】
1617 2021年の車種名別販売ランキングとEV化
1505 日本のEVシフトは環境問題ではなく経済問題
1212 EVシフトと言いつつも当分需要はそれほどでもなさそう


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1663
メタボラ(上)(下)(朝日文庫) 桐野夏生

2005年から2006年にかけて朝日新聞に連載され、2007年に単行本、2010年に文庫化された沖縄が舞台の長編小説です。

主人公は、記憶喪失で何が起きたのかわからないものの、「ココニイテハイケナイ」という謎の声が浮かび、警察には頼らず、道で偶然出会った家出中の少年とともに自分探しの放浪の生活を始めます。

しかし現実的には、なにか大きなショックで記憶喪失になり、自分の名前もわからず、お金や持ち物がなにもなければ、怖くなって警察へ駆け込むというのが最低限の知恵ですが、なぜかそうしないことがリアリティのない小説です。

様々な職を転々としながら、ある日記憶がよみがえってきますが、主人公がここ沖縄へやってきた理由が衝撃的で、そうせざるを得なかった理由が明らかとなってきます。

上品に言えば、格差社会で下流に落ち、資本家に虐げられ絶望する若者と言えなくもありませんが、この小説の中に出てくる、さらに下流にいた外国人労働者達の国では、すでに日本よりも給与水準が高くなり、労働者の立場はやがて逆転することになりそうです。

つまり格差社会で下流なのは若者だけではなく、これからは経済縮小を続ける国内においては日本人全体ということが明らかです。

そしてもうひとつ、本書では舞台となる沖縄と、本土との様々な格差や差別、移住の問題なども露わにしています。そうしたなかなか表には現れない(知られていない)ことに触れられたことは良かったと思えます。しかし長かった、、、

★★☆

著者別読書感想(桐野夏生)

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

そこへ行くな(集英社文庫) 井上荒野

2011年に単行本、2014年に文庫化された短篇集で、2011年の中央公論文芸賞を受賞しています。収録されているのは「遊園地」「ガラスの学校」「ベルモンドハイツ401」「サークル」「団地」「野球場」「病院」の7篇です。

著者の作品は過去に直木賞受賞作の「切羽へ」を読んでいます。

2022年5月後半の読書と感想、書評(切羽へ)

「切羽へ」でも感じましたが、著者は非常に感受性が高いのか、人の心理描写が細やかに描かれています。それが高齢にかかってきたオッサン読者にとっては面倒臭いというか、いらつくというか、どうにも納得感が得られません。

それが純文学だとか文芸だとか言われればその通りかもしれませんが、個人的には長い間接してきたビジネスの現場で培った、テキパキとそしてハッキリした物言いや白と黒が明瞭な世界に慣れてきたので、こうした玉虫色の世界観は読みにくいです。

その中でも「遊園地」は、長く連れ添い子供も授かっている内縁の夫婦の話で、実はその夫には別に正式に結婚した妻も子もあり、双方の妻には隠したままで両方の家を行き来していたというトンデモなお話しで、強く印象にのこりました。

いくらなんでも月の半分以上を出張で家を空けているのはおかしいと気づくでしょ。事実は小説より奇なりで、世の中にはそうした無関心で猜疑心がない人もいるのでしょうかね。

騙して二つの家庭、妻子を長年に渡ってトラブルなく養い続けている男性を、ただただ凄い!と思うしかありませんでした。

★☆☆

著者別読書感想(井上荒野)

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

砂の街路図(小学館文庫) 佐々木譲

2015年に単行本、2018年に文庫版が発刊された北海道を舞台にした長編小説です。

小樽などいくつかの都市をモチーフとした架空の郡府という市内にある運河が四方に流れる明治時代に栄えた運河町という場所だけで話は進みます

主人公は東京に住む独身の高校国語教師の男性で、両親がこの郡府にある大学を卒業していて、父親が20年前に誰にも告げずこの郡府の運河町で事故で溺死となって発見されています。

父親がなぜ誰にも告げずに郡府へ来たのか、そこであまり強くない酒を大量に飲んで運河に転落する事故が起きたのか、など死に至る謎を調べるために運河町へやってきて、まるで探偵のように父親が死んだ理由を確かめていきます。

ま、小説ですから当たり前ですが、行く先々でそのヒントになることを知っている関係者に都合良く出会い、死の真相は20年前に突然起きたわけではなく、父親が学生だった40年以上前に起きた事件が元だったことがわかってきます。

そうした探偵もどきの事件と事故の謎解きで終始しますが、私も20年以上前に訪問したことがある小樽の町を思い浮かべる運河やガラス工房、古い歴史あるビルなどが次々と登場し、懐かしさが募りました。

そう言えば、以前読んでとても面白かった「地層捜査」(2012年)も、東京都新宿区の荒木町の一角だけで事件捜査が進む内容と似ている感じがします。

2019年7月前半の読書と感想、書評(地層捜査)
小説の舞台を歩く(佐々木譲著編その2)

本著にも地層捜査にも最初に舞台の地図が描かれていますが、著者と地図は切っても切れない関係になっているようです。

★★☆

著者別読書感想(佐々木譲)

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

ヒトラーの試写室(角川文庫) 松岡圭祐

本著は以前読んだ義和団事件を描いた「黄砂の籠城」から続く歴史時代小説の第5弾で、2017年に文庫書き下ろし小説です。

主人公は、まだミニチュアなどを使った特殊撮影がキワモノだった戦前に、後に特殊撮影のレジェンドとなる円谷英二に師事し特殊撮影技術を学ぶ青年です。

そして第二次世界大戦中に、日独合作映画「新しき土」(1936年)や「ハワイ・マレー沖海戦」(1942年)で使われた特殊撮影を見たドイツの宣伝省大臣ゲッベルスからの要請で、敵国の英国の不幸を描く「タイタニック」の沈没シーンを円谷の代理として指導監修するためドイツへ渡ることになります。

事実と想像を交えたこうした歴史小説は、実名で当時の有名人がいっぱい出てきますのでまるで実際に起きたことのように面白く読めます。例えば、主人公と年齢が近く、デビューまもなく一気に大人気俳優となった原節子との関係など、ワクワクします。

戦争中で日本とドイツの往復もままならない時代、ドイツに渡って映画先進国で果たして日本の特殊撮影技術が通用するのか?またドイツも連合国から激しい空襲を受け、やがてはソ連が首都ベルリンに肉薄している状態で、映画製作はできるのか?

また特殊撮影の技術を使って図らずも連合国が戦争犯罪を犯している証拠映像をねつ造する仕事に加担してしまったこと、それをバラそうとしてゲシュタポに捕まったり、東京に残してきた主人公の妻子や両親はドイツ領事館の計らいで空襲が激しい東京から長崎にある宿舎へ疎開していたことと原爆が投下されたという事実、、、

リアルな出来事とフィクションが織り混ざった見事な小説でした。

★★★

著者別読書感想(松岡圭祐)

【関連リンク】
 8月後半の読書 R帝国、レインツリーの国、冷蔵庫を抱きしめて、追撃の森
 8月前半の読書 ラプラスの魔女、幸福な王子(ワイルド童話全集)、忘れられた巨人、献灯使
 7月後半の読書 よもつひらさか、中庭の出来事、わらの女、P・O・Sキャメルマート京洛病院店の四季

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1662
正式なユダヤ教の教えでは「頭の角を丸めてはならず、あごひげの角を傷つけてはならない」とされていて、男性でもカミソリで髭を剃ることが禁止されています。

なので熱心な信者は長い髭を整える程度で伸ばし放題でしたが、さすがに日常的にそれは無理があるとみえて、現在は電気シェーバーで髭を剃ることは可能となっています。電気シェーバーならカミソリのように直接地肌を削るのではないという(苦しい)解釈からです。

その電気シェーバーの歴史は、オランダの電機メーカーのフィリップスが1939年に回転式電気シェーバーを発売したのが最初で、続いてドイツのブラウンが11年後の1950年に現在では主流となっている往復式シェーバーを発売し、その2社が世界の電気シェーバーをリードし一気に世界に拡がっていくことになります。

1950年と言うと、日本国内ではまだ社会は貧しく、冷蔵庫や洗濯機など白物家電ですら十分には普及していませんでした。

そんな中でも早くに電気シェーバーに目を付け、国内に普及させるべく当時の松下電器(現パナソニック)が国産初の電気シェーバーを1955年(昭和30年)に売り出します。当時は「電気カミソリ」と呼ばれていましたが高価なものでした。

その松下電器製の電気シェーバーの特徴は、ブラウンの往復式シェーバーのモノマネでしたが、やがて1980年代にはカミソリと同様に石鹸を顔にぬって剃ることができる完全防水タイプのドライ&ウエット、そして1990年代に高速モーターを利用したリニア駆動ラムダッシュを発売し、国内では先行していたブラウンやフィリップスのシェアを一気に追い抜き、現在では40%を超えるシェアを持っています。

私も1970年代後半頃、当時は安い電池駆動の回転型(メーカーは不明)から始まり、やがて松下製のドライ&ウェット、そしてラムダッシュへと着実にステップアップし、現在もラムダッシュの安い普及品(3枚刃)を何度か買い換えながら使っています。

しかし、いつも思うのが散髪屋さんで顔を剃ってもらったあとのツルツルの気持ちよい肌の感触が、電気シェーバーではどうしても得られません。

毎朝出勤のため忙しい朝には電気シェーバーは重宝しますが、現在のように引退した今は朝は忙しいわけではないので、電気シェーバーとカミソリを併用して使っています。

毎日カミソリを使うと、プロの理容師ではないのでどうしても深く剃ってしまい肌を傷めてしまいます。なので、カミソリは1週間に1~2度だけ使ってさっぱりするようにしています。

カミソリで有名なメーカーと言えば1903年に世界初のT字型の替え刃式カミソリを発売したジレットが有名ですが、この本体を安く(あるいは無料で)配り、消耗品の専用替え刃を繰り返して購入させることで儲けるビジネスは「ジレットモデル」と言われ、その後はコピー機やプリンターなど様々な分野で活用されています。

電気シェーバーも、替え刃(外刃と内刃)だけ購入しようとすると、新しい刃が付いた新品の本体とそう変わらないほど高額だったりすることがあります。

ラムダッシュで言えば、同じ刃を使ったラムダッシュではない安い電動シェーバー本体を買う方が、替え刃だけを買うより安いという変な現象が起きています。その場合は、安いモデル本体から刃だけ外して本体は廃棄するというSDGsに逆行し精神衛生に良くない行為がまかり通っています。

消耗品の替え刃の交換も大切ですが、長く使っているとどうしても充電池の能力が落ちてきて、すぐに電池切れが起きます。

その場合は、ちょっと面倒でも同じ充電池だけを購入して自分で交換すると電池の持ちが断然良くなります。

但し一度本体を分解すると、どうしても防水性能が落ちてしまいますので、自己責任と最終手段と考える方が良さそうです。

【関連リンク】
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