忍者ブログ
リストラ天国 ~失業・解雇から身を守りましょう~ HomePage https://restrer.sakura.ne.jp/
Calendar
<< 2025/12 >>
SMTWTFS
123 45
78910 111213
14151617 181920
21222324 252627
28293031
Recent Entry
Recent Comment
Category
87   88   89   90   91   92   93   94   95   96   97  

[PR]

Amazonタイムセール

ホーム&キッチンの売れ筋ランキング 

枕・抱き枕の売れ筋ランキング

旅行用品の売れ筋ランキング


ミラーレス一眼の売れ筋ランキング 

空気清浄機 タイムセール

掃除機の売れ筋ランキング

ペット用品の売れ筋ランキング


1412
華竜の宮 (ハヤカワ文庫JA)(上)(下) 上田早夕里

2010年に単行本、2012年に文庫化された、長編SF小説です。著者は女性としては珍しい、本格的なSF小説やホラー小説などを書かれています。私がこの著者の作品を読むのは初めてです。

最初購入したときは、宮部みゆきの「ブレイブ・ストーリーや上橋菜穂子の「精霊の守り人」のような、女性作家さんに多そうな甘ったるいファンタジー小説かな?と思っていましたが、違いました。ついタイトルにそのような甘ったるさを感じてしまったもので。

プロローグでは、現代の社会で地球上のプレートなどに異変を感じ取った科学者が、将来起きるかも知れない最悪の事態について憂慮を表明してます。

そこで物語は一変し、遠い未来の地球は、海面が260m上がり、今まで内陸部だったところはすべて水没してしまい、標高の高い山の部分だけが残ります。

環境が大きく変わり、人類の数も大きく減り、残された陸上で生活する陸上民と、水の中でも生きられるように遺伝子操作で作られた海上民が棲み分けています。

この小説の場面設定で、すぐに思い出したのは、ケビン・コスナー主演の1995年の映画「ウォーターワールド」です。

この映画はまさに、地球上のほとんどが海水に覆われてしまった未来、海の中でも生きられるように進化した主人公が、海上に人工的に作られた構造物で悪党と死闘を繰り広げる物語でした。ある程度はそこからインスピレーションを得ているのだろうと思われます。

主人公は、日本の外交官で交渉のスペシャリストということになっていますが、このSF小説とは別に、ネゴシエーターの役割とテクニックなどを取り上げて、現代でも通用しそうなハウツー書とも言えるかも知れません。

最初のうちは想像を絶する世界に変わってしまった中に入り込むことができず、なかなかページが進みませんでしたが、上巻が終わる頃には、早く次が読みたくなるほどワクワクしてきます。

二酸化炭素排出の環境問題や、エネルギー問題、その他地震や火山噴火、台風など、地球上には諸問題がありますが、それらよりもっと大きく、人類にはとうてい対応ができない地球内部の異常現象という問題がテーマだけに話しは壮大なものとなっています。

★★★

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

その時までサヨナラ (文芸社文庫) 山田悠介

最初は自費出版だった「リアル鬼ごっこ」(2001年)で大ブレークを果たしたユニークな作家さんの、2008年単行本、2012年に文庫化された長編小説です。

主人公は出版社の新刊書籍の編集員で、まだ売れない時代の作家と二人三脚で作品を磨き、今では売れっ子作家とその才能を見いだした編集者という輝かしいキャリアを誇っています。

一方では、仕事に没頭しすぎ、家庭を顧みず、妻とは喧嘩ばかり、まだ幼い子供とも疎遠状態が続き、妻は子供を連れて実家へ帰り、別居状態となってしまいます。

そこに試練が待ち受けていて、その人気作家から預かった新作短編小説を同行していた部下で愛人の女性がなくしてしまい、今まで仲が良かった作家から絶縁状を突きつけられます。

同時に、実家に帰っている妻が、福島へ出掛けている時に東日本大震災に遭い、列車事故で亡くなってしまいます。

ここまでがやっと前半部分で、これから思いもよらない展開が主人公に待ち受けているという、なかなか読ませる切ないような心温まるような小説です。

ま、小説ではよくある、しかし現実ではありえねぇー!っていう話しですが、現実だけをドラマにしてもたいして面白い展開にはなりませんからね。

タイトルは、それを説明すると、オチまでわかってしまいそうなので、あえて書きません。

私は別に出版業界には縁はありませんが、同じく家庭を顧みずに働いてきた社会人として、久々に、主人公に思いっきり感情移入してしまいました。たまにはそうした小説も、たまったモヤモヤを吐き出せて良いものです。

★★☆

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

定年前後の「やってはいけない」 (青春新書インテリジェンス) 郡山史郎

2018年発刊の新書です。著者は、ソニーや米国シンガー社などに勤めた後、自ら人材紹介業を起業された方で、現在80代半ばという元気な高齢者です。

とにかく、よほど、ソニーで役員経験をしたことがご自慢と見えて、書籍の中でも何度も繰り返してその話しが出てきます。そうした過去の経歴を自慢する人って、「雀百まで踊りを忘れず」なのでしょうか?ちょっと意味が違うかな。

ま、著者は一橋大卒で、違いますが、例えば東大卒の人は、例えホームレスになっても「東大卒」を主張しますから、輝かしい時代の自分は忘れ得ず仕方ないことでしょう。

そういう年代の方ですから、著者は「仕事第一」「死ぬまで働け」「健康の秘訣は仕事」「45歳が折り返し」的な考えの持ち主さんで、残念ながら団塊世代より10年若い私には、それらの主張にはまったく共感も同意もできないものばかりでした。

したがって、反面教師にはなるものの、今の普通の中高年に参考になる話しはほとんどありません。

確かに昨今では、老後は年金以外に2000万円不足だの、年金はやがて破綻するとか、様々危機感をあおられていますが、人の幸せや価値って、なにも身体が動かなくなるまで仕事をすることや、老後資金をたっぷり貯めるだけではないということをこの年代の人には理解できないのでしょう。

個人的には、「老兵は死なず、去りゆくのみ」で、高齢者は第一線からとっとと引退し、健康で元気であれば、仕事以外に自分がやりたかったことをしたり、今までできなかった家族サービスをしたり、国民誰から尊敬される尾畠春夫氏じゃないけど、人知れずボランティアでもしているのが良いかと。

いつまでもビジネス界で金儲けをするのは辞めて、これから結婚や子育てで、いっぱいお金がかかる後進にお金が回るよう任せて譲るのが、私が理想とする高齢者の本道です。

政治でも、プロスポーツでも、芸術の世界でも、もちろんビジネスでも、高齢者が妙に幅を利かせ、「まだまだ若い者には負けん」とか大言壮語し、若者の成長の邪魔をしているシーンをよく見かけます。だからいつからか、若者から尊敬されるご老人ではなく、老害と非難されるのです。

本書の感想ではなく、私の思いを書いてみましたが、読んでみてそのようなことを感じました。

★☆☆

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

悪童日記 (ハヤカワepi文庫) アゴタ・クリストフ

著者はハンガリー出身ですが、21歳の時にハンガリー動乱が起こり、スイスへ移住した方です。この小説は、1986年に発刊され、著者の実質的なデビュー作です。日本語の翻訳版は、1991年に単行本、2001年に文庫版が出ています。

また2013年にはドイツとハンガリー合作で映画が作られていて、日本では2014年に公開されています。

物語の主人公は小学生ぐらいの年齢の双子の兄弟で、著者の子供の頃の実体験をベースにしているのだろうと思っていたら、この著者は女性で、まったくの創作のようです。

小説の舞台は、第二次世界大戦中のハンガリーで、ブダペストと思われる「大きな町」から、他国と国境を接する「小さな町」へ双子の子供達が疎開してきたところから始まります。

知りませんでしたが、ハンガリーは、大戦中、隣国のドイツに特に抵抗もせず、実質的に国を乗っ取られるという状態で、ドイツ軍が駐留していたのですね。

そうした不安定な国内事情と厳しい環境の中で、頼りにできない大人達をあてにせず、自分たちでなんとか生きていくために才能を発揮していきます。

こうした賢い子供達を主人公にした小説やドラマは、平和な日本製のものは、もういい加減飽き飽きしてますが、戦時中の外国という全然違った環境で読むと思わず「頑張れ!」と応援したくなります。

但し、子供が主人公だからと言っても、文科省推薦にはなりそうもないので、お子さんに読ませるのはやめておいた方が良さそうです。

最後に、双子の子供達は、迎えにやって来た母親や、死線を乗り越えてやってきた父親とも再開しますが、「えぇ~!」という意外な展開が待っています。いや~面白かった~

★★★


【関連リンク】
 2月前半の読書 家霊、転生、人口と日本経済、カエルの楽園、ベストセラー小説の書き方
 1月後半の読書 新編 銀河鉄道の夜、この世でいちばん大事な「カネ」の話、蒼猫のいる家、教養としてのテクノロジー
 1月前半の読書 光圀伝、たんぽぽ団地のひみつ、涙香迷宮、高熱隧道



リストラ天国TOP
おやじの主張(リストラ天国 日記INDEX)
著者別読書感想INDEX
PR

[PR]

Amazonタイムセール

ホーム&キッチンの売れ筋ランキング 

枕・抱き枕の売れ筋ランキング

旅行用品の売れ筋ランキング


ミラーレス一眼の売れ筋ランキング 

空気清浄機 タイムセール

掃除機の売れ筋ランキング

ペット用品の売れ筋ランキング


1411
新型コロナの話題で真っ盛りの中、まったく関係のない話しをするのが、このブログです。

日本の水道設備は世界トップという話しを何年か前に聞いて以来ずっとそれを維持しているのか?と思いきや、世界の水道事情もどんどんと良くなってきていて、もう日本だけが素晴らしいというわけではなくなってきたようです。

2004年の国交省の資料では世界で水道水が飲める国は日本を含めて15カ国と言われていましたが、現在では35カ国ぐらいに増えています。(出典:米国疾病管理予防センター)

逆に日本の水道インフラは老朽化し、そのために水質の悪化や、漏水などで無駄なコストを国民が負担することになってきています。

日本の近代水道は今から遡ること122年前、明治31年(1898年)に、江戸時代に多摩川から玉川上水を通して引いた水を淀橋浄水場で濾過し、東京・神田と日本橋に通水させたのが最初と言われています。

そして何十年も前から水道管にシームレス管を使い、細菌が混じりにくい水道設備を全国に張り巡らし、蛇口からそのまま飲める水道水があり、その飲める綺麗な水道水をトイレで汚物を流す時や、泥だらけの自家用車を洗うときにも使っているという贅沢さというか無駄使いというか、それが当たり前の社会になっています。

環境や資源問題を考えた、より先進の水道システムでは、上下水道+中水道の二本立てで、飲むには適さないけどトイレの洗浄水や庭にまく水、洗車の時の水としては問題なく使える中水道を加えたものが今後は主流となるでしょう。

一方では、日本の水道事業は、人口減少や過疎化による収入減少、水道管の老朽化により、その保守メンテナンス費用が増大していくことが目の前に迫った大きな課題となっています。

水道の供給量は、1997年をピークにしてすでに下がってきているとのこと。これは人口減少(人口は2006年頃がピークでその後減少)というより、水道水を大量に使ってきた製造業が、工場を海外移転したり、高価な水道水以外の水を使うようになったりしたことの影響が大きいそうです。水洗トイレの節水型が増えてきたこともあるでしょう。

水道事業者は各地域(多くは市町村単位)に独立して存在し、日本では大小規模は違いますが、1377の事業所があります。

独立しているということは、当然、水道料金もその事業者ごとに違います。特に給水対象が5千人以上の場合は、水道事業に独立採算制が求められるので、その事業の状況によって、価格が高いところと安いところが出てきます。

道路の反対側に引っ越しただけで、「水道料金が半分(二倍)になった」ということもあり得るわけです。

生きていく上で毎月、嫌でも支払わないといけないだけに(以前、水道料金を長期間滞納した世帯の水道供給を止めたらそこの住人が衰退死したという事件?がありました)、この水道料金の格差は、住まいを選ぶ際にもっと気にしても良いのかも知れません。

では、水道料金の高低は、なにが影響するのか?というと、あまりよくわからないというのが実感です。

つまり過疎化した地域が、利用者減少で高くつきそうなのはなんとなくわかりますが、だからと言って利用者が集中していて水道の供給に効率が良いはずの都市部が安いかというとそうでもありません。

2016年度の水道料金表の高い10地域と安い10地域をあげておきます。水道料金は家庭用20m3(立方メートル)あたりの使用料金の月額を基準としています。データ出典は「ダイヤモンド社、DIAMOND online」です。



高い地域ベスト(ワースト)5は、埼玉県寄居町 7,695円、北海道江差町 6,965円、北海道夕張市 6,852円、宮城県大郷町 6,804円、宮城県桶谷町 6,660円となっています。

首都圏の一角でもある埼玉県の寄居町が、秩父のまだその先とは言え、ワースト1位というのは驚きです。同じく東北の中でもっとも大きな都市仙台市を抱える、その宮城県内の町がワースト5に二つも入っています。

安い地域ベスト5は、兵庫県赤穂市 961円、和歌山県白浜町 1,070円、山梨県富士河口湖町 1,195円、静岡県小山町 1,250円、群馬県草津町 1,418円です。平均的な水道料金からするとおよそ半額ですから羨ましいです。

ベスト1の赤穂市の人口は約4万6千名、ワースト1位の寄居町は3万2千名、人口も近く、それぞれ県の隅っこに位置する地域ですが、水道料金にいたってはなんと8倍も差があります。

そして上位10地域にも下位10地域にも、いわゆる大都市は出てきません。大都市はいくらぐらいなの?って気になります。



意外と大都市は中団ぐらいに位置していますが、水道の供給に関しては都市部の場合、住宅が集中しているのでとても効率が良いはずなのに、どうして安くならないのでしょうかね?なにか裏の事情がありそうですが、藪をつついて火傷するといけないので、そこまでは踏み込まないことにします。

全国にある水道事業者1377のうち、1ヶ月の水道料金が1000円以下のところがあれば、6000円を超えているところもあります。その分布を見るためのグラフが下記です。データの出典は日本水道協会で、上記の表と違い2015年度のものです。



また水道料金は、インフラ老朽化対策のためなどで、ある日突然大きく跳ね上がるところがあります。注意が必要ですって言っても注意のしようがないのですけどね。

かと言って、公共的な水道インフラ補修にもっと税金をつぎ込むとなれば、これまた医療や福祉を削れ、年金下げろという議論に発展しそうです。

いっそ、自給自足で、近くに工場など地下水の汚染原因がない場所に土地を買い、そこに井戸を掘って水質調査してもらった上で使うというのが一番お得で安全なのかもしれません。昭和の中頃まで、地方の農家ではそれが当たり前だったんですけどね。今でも山里の地域では、そうした自前の簡易水道を使っているところもあります。

自分の住んでいる地域の水道料金などあまり気にしないと思いますが、既に「タダみたいなもの」とは言えないので、これからも注視していきたいと思います。

【関連リンク】
1394 あと半年に迫ったリタイア準備
1124 国内自動車販売台数や耐用年数推移など
840 空気清浄機のメリット
303 交通事故を減らすための公共事業



リストラ天国TOP
おやじの主張(リストラ天国 日記INDEX)
著者別読書感想INDEX



1410
ノーベル賞は、言うまでもなくダイナマイトなどの発明で巨万の富を築いたスウェーデン人、アルフレッド・ノーベルの命日12月10日に、「物理学」、「化学」、「生理学・ 医学」、「文学」、「平和」、「経済学」の各分野で大きな功績のあった人達に毎年贈られる賞です。

昨年2019年は日本人の吉野彰氏がリチウムイオン電池の開発で化学賞を受賞されたのは記憶に新しいでしょう。

2019年時点で、各部門ごとに、日本人(受賞当時)受賞者数は、「物理学賞9名」、「化学賞8名」、「生理学・ 医学賞5名」、「文学賞2名」、「平和賞1名」の合計25名です。その他、生まれは日本ですが、受賞時は外国籍だった方が3名います。

国別の受賞者数は、アメリカがダントツの多さで373名、イギリス124名、ドイツ82名、フランス60名、スウェーデン32名などです(団体は除く)。日本はスウェーデンに続き6番目につけています。

そうした中で、なぜか「経済学賞」は日本人に縁がありません。

この「経済学賞」はノーベル賞の中でもちょっと異色の存在で、他の賞から遅れること67年後に新しく加わりましたが、ノーベルの遺言にはこの分野は入ってなく、ノーベル財団はこれはノーベル賞ではないと言っているそうです。なのでこの経済学賞、正式には「アルフレッド・ノーベル記念経済学スウェーデン国立銀行賞」となっています。

そんな「経済学賞」ですが、過去に受賞した国別人数(受賞時の国籍別、2019年まで)は、

アメリカ  64人
イギリス 7人
ノルウェー 3人
フランス 3人
イスラエル 2人
スウェーデン  2人
旧ソ連 1人
ドイツ 1人
カナダ 1人
インド 1人
オランダ 1人
オーストリア 1人
フィンランド 1人

となっていて、ご想像の通りアメリカ人が多くを占めています。受賞時の国籍がアジアなのはインド人の1名だけです。

なぜ日本人のノーベル経済学受賞者はゼロなのか 世界第3位の経済大国なのに(SankeiBiz)
「日本は経済学を現実の政策に活用する姿勢に欠ける。それが根本問題だ」。日本人の受賞者が出ない理由について、東京大大学院経済学研究科の松島斉教授は、こう指摘する。

経済学者が政権の中枢で活躍することは日本では少なく、自分の理論を実際に試したり、活用することができず、一見素晴らしく見える理論も、絵に描いた餅状態で実現性に乏しいと感じられるのでしょう。

また同時に海外の有名大学で教鞭をとり、英文で論文を出し続けるなど、日本の中に収まっているだけの学者は他の賞と違い経済学賞は難しそうです。

個人的には経済学者と言うと、「金儲けの指南役」みたいな、なにか怪しげな予想屋といった雰囲気があります。

有名な経済学者の講演会と言うと、テーマは、金儲けのノウハウ、例えば「これからこうなるから、こうしておけば儲かるよ」的なものが多そうで、それは学問ではなく、怪しい予言者です。

80年代後半のバブルの頃には、著名な経済学者がこぞって「株や不動産に投資をしない人や企業はバカだ」ぐらいの勢いでバブル崩壊の直前まで講演していたのを思い出します。

結局、まともな学者さんは、そうした下世話な話しをしたいわけでなくても、そういうテーマでないと客が集まらないし、またスポンサーが強くそういうテーマを求めるから仕方なくやっているという気もします。

そして経済学者はみなお金持ちか?っていうとそうでもなさそうです。経営学者が経営する事業の多くがうまくいかずに破綻するのと同じです。

あと、日本の大学で教える経済学者の中には1960年代の「マルクス経済学」の信奉者が多く、そのお弟子さんも含め、そこから先へなかなか進められない経済学者さんが多いようです。グローバル的にみると、「今さらマルクス理論もないでしょ~」ってところです。

しかしいずれにせよ、そのうち過去の亡霊のようなしがらみから抜け出た若い日本人経済学者が、そう遠くない日に受賞するでしょう。

もっともその時(海外の大学や研究所で活躍しているとき)に、その人が日本の国籍を持っているかどうかはわかりませんが。

【関連リンク】
976 金で買える?グッドデザイン賞
746 直木賞作家の前職は?
509 本屋大賞ノミネート作品について
296 年末恒例の流行語大賞

[PR]

Amazonタイムセール

ホーム&キッチンの売れ筋ランキング 

枕・抱き枕の売れ筋ランキング

旅行用品の売れ筋ランキング


ミラーレス一眼の売れ筋ランキング 

空気清浄機 タイムセール

掃除機の売れ筋ランキング

ペット用品の売れ筋ランキング


リストラ天国TOP
おやじの主張(リストラ天国 日記INDEX)
著者別読書感想INDEX

[PR]

Amazonタイムセール

ホーム&キッチンの売れ筋ランキング 

枕・抱き枕の売れ筋ランキング

旅行用品の売れ筋ランキング


ミラーレス一眼の売れ筋ランキング 

空気清浄機 タイムセール

掃除機の売れ筋ランキング

ペット用品の売れ筋ランキング


1409
たまには右上がりの気持ちのよいグラフを見てみたなぁ~と思ったのと、あまり比較することがない、GDP(日本の一人あたり名目上GDP)と平均寿命をひとつのグラフにしてなにかが見えてこないかなと作ってみました。

右上がりのグラフって、ビジネスマンにとっては条件反射的にワクワクしますし、できればいつでもこうありたいものです。

さて、そのグラフは、

日本の平均寿命推移(折れ線)と国民ひとりあたりGDP(棒)推移比較


少し解説すると、国の総合力を示すGDP(国内総生産)は、2019年時点で、アメリカ、中国に続いて日本は3位で、国民一人当たりGDPは以前から26位辺りをウロウロしています。つまり、ひとりあたりの労働生産性はあまり良くないって事です。

国単位のGDPは、やはり人口が多いところが有利ですので、予想では8年後の2028年にはインドに抜かれ世界4位に後退することが確実視されています。

一人当たりのGDPは、そこそこに産業があり、国民の数が少ないほうが有利で、1位はルクセンブルグ、2位はスイス、3位はマカオ(2018年)です。マカオは中国にカウントされていないのですね。

これから日本の人口はどんどん減っていきますので、トータルのGDPは良くて横ばいか、下がっていく傾向にありますが、一人当たりGDPは、これから上がっていく可能性があります。

それには、労働者の生産効率を上げ、労働人口が減っても、トータルのGDPを下げないことが肝心です。

折れ線グラフの男女ともに平均寿命が前年より下がったのは、この40年間で1995年の阪神淡路大地震や、2011年の東日本大震災の時を含め計6回あります。40年で6回ですから残りの34回(85%)は上がるか横ばいと言うことです。

一人当たりのGDPは、この同じ40年間で、2001年~2003年頃のITバブル崩壊の時や、リーマンショックの2008年~2009年など、8回前年から下がっていますが、残り32回(80%)は前年を上回っています。

失われた20年とか30年とか言われていますけど、一人当たりGDPの結果だけみると、全般的に右肩上がりで景気がよさそうです。意外な感じです。

このグラフを作ろうとしたのは、もしかしてGDPと平均寿命になにか関連性があるか?と思いましたが、前年割れが一致したのは世紀末不況?の1999年と、2011年の東日本大震災の時の2回しかなく、どうも関連性はなさそうです。

以前、作った、失業者数と自殺者数には相関関係が見られましたが、今回は単に、右肩上がりっぽいデータを集めて作ったという感じだけで終わりました。

575 自殺者数と失業者数の相関関係

そうこうしていると、ちょっと景気について気になる記事を発見。

日本が圧倒的に「低賃金の暮らしにくい国」に堕ちた真相 訪れる“最悪の未来”とは(ITmedia)
たくさんのモノやサービスが取引されればGDPは増えていくが、売買には貨幣を仲介させる必要があるので、物価という概念が出てくる。もし取引が活発で、次々と商品が売れる状況になった場合、一部の事業主はさらにもうけようと価格を上げる。
(中略)
こうした現象が続くと、賃金が上がって物価が上昇し、それがさらに賃金を押し上げるという循環が発生する。取引が活発になると、まずは人員が必要となるので、どちらかというと賃金が先に上がり、その後に物価がついてくることが多い。これが好景気に伴うインフレ(物価上昇)であり、日本以外の諸外国は過去20年、そのような状況が続いてきた。この逆の循環がデフレであり、商品が売れないので、人が余り、賃金が下がるという悪循環になる。

つまり、日本以外の先進国や準先進国は、賃金上昇、物価上昇のサイクルで、GDPも上がってきたのに対し、日本は「(一人当たりのGDPは上げてきたのに、)賃金は下降、物価もデフレがなかなか脱却できないでいる」ということがわかりやすく書かれています。

時の政府は、「なんちゃらミクスで今年もベアが上がった!」とほざいてますが、その賃金統計に出てくる数字のほとんどは大企業の場合で、その大企業のデータを元にして公務員の昇給に当てはめているだけです。

そして例え大企業や公務員だけのベアが上がっても、全労働者数6700万人中、大企業の従業員と国家・地方公務員の数を全部足しても270万人程度、わずか4%だけの特権階級?の話しに過ぎません。

だからいくらそうした特権階級の人の給料が上がっても、労働者全体では所得が伸びず、逆に非正規社員が増えていることもあり、下がっていっているのです。

その流れで、政府が無理くりGDPを上げようとして、所得は下がっていくのに物価だけが上がってしまうという、恐ろしい未来「不況下のインフレ」という事態を恐れているとこの記事では締めています。

【関連リンク】
1193 引退後は健康年齢までの期間が重要
1098 自分の寿命を選べるかという重い話し
1013 5年生存率と余命宣告
498 失業率推移ではなく失業者数推移でみると
245 寿命と余命について



リストラ天国TOP
おやじの主張(リストラ天国 日記INDEX)
著者別読書感想INDEX




1408
家霊 (角川文庫) 岡本かの子

著者は、かの日本を代表するアーティスト岡本太郎氏(1996年逝去)の母親で、そのやんちゃな頃の太郎を柱に縛り付けておいて小説を書いていたという逸話が残っています。

またその生き方もぶっ飛んでいて、放蕩家だった漫画家の夫とは別に、愛人として自分の作品のファンという若い学生を自宅に住まわせるという、実質三人婚という奇妙な関係だったそうな。

時代は太平洋戦争前の昭和初期のことですから、そうした女性の生き方は様々言われたことでしょうけど、そうした突き抜けた精神は、ちゃんと息子の太郎に引き継がれていました。

普段よく通る川崎市内の多摩川沿いには、岡本太郎氏作の「岡本かの子文学碑」が建っていて、著者の名前は知っていたのですが、本を読むのは今回が初めてです。

本作品は短編集で、「老妓抄」「鮨」「家霊」「娘」の4編が収録されています。すでに著作権が切れて青空文庫でも読めますが、今回は2011年に発刊された文庫本で読みました。作品の初出はいずれも1930年代のものです。

軽い話しが多いのですが、当時(昭和初期)の社会がよくわかる興味深いものでした。

別に凄い人が出てくるわけでもなければ、ハッピーエンドでもないですが、庶民が日々の暮らしを淡々と過ごしていく中で、少しの波風が立って、、、という感じでしょうか。

なにか背筋に1本心棒が入っているかのような格調高い文章から、人の考えを類推するなど、学校の教材として使用されたりするのもなんとなく理解できます。

★★★

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

転生 (角川文庫) 鏑木蓮

2014年に「殺意の産声」というタイトルで単行本が発刊された長編警察小説で、2015年に「転生」と改題されて文庫化されています。

京都(著者の出身地)府警に異動となってやってきた元警視庁の女性準キャリア警部(刑事)が、20年前にレイプ被害者としての過去を持つ40代の女性が、何者かに絞殺された事件に関わります。

なかなか、話しはこみ入っていて(でも登場人物が少なく、ややこしくはありません)、20年前の事件のことや、パラレルで語られる、もうひとり(二人?)の別のストーリーがあり、その平行線が最後で交差していくという、ミステリー小説に多く使われているパターンです。

謎解きというミステリーではなく、人が背負った運命というか宿命というか、そうしたことをひとりの刑事が、ひとつひとつはがしていき、露わにしていくという、読み進めると段々胸が重苦しくなっていく内容です。

ところで、調べても不明なのですが、著者(ペンネーム鏑木蓮)は男性?女性?よくわかりません。

過去には「白砂」「エンドロール」の2作品を読んでいますが、女性を主人公とする小説が多そうで、今回も男性はすべて脇役か悪人というイメージ。しかも女性の心理描写が細かくて丁寧です。

そうしたことから推測すると、女性作家さんという特徴を示しているのですが、ペンネームからすればどちらでも取れそうな名前ですね。

★★☆

著者別読書感想(鏑木蓮)

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

人口と日本経済 - 長寿、イノベーション、経済成長 (中公新書) 吉川洋

著者は東大名誉教授の経済学者さんで、この新書は2016年に発刊されたものです。

実はこうしたタイトルから、もう言い古されてきた「少子高齢化により人口減少が続き、日本経済は確実に縮小していく」という話しだと思っていました。

それがまるで違っていて、「過去の歴史からみても人口減少と経済縮小とは関係がない」「先進国の経済成長は、人の数で決まるものではなく、イノベーションによって引き起こされる」という話しがメインで、目からうろこ状態でした。

ここで言うイノベーションというのは、要約すれば、労働生産性を格段に向上さえすれば、GDPは上がるということです。

もっとわかりやすく言えば、人力でツルハシとスコップで道路を作っていたのを、ブルドーザーやショベルカーを使えば労働生産性は間違いなく大きく向上します。そのブルドーザーやショベルカーが(過去に起きた)イノベーションです。

そうしたイノベーションをこれからの日本で起こすことができれば、人口や労働人口が大きく減ってもGDPを上げることは十分に可能だということ。ただそれが一番難しく、世界中のビジネスがそれを狙っているのですけどね。

また、人口減少について、ある引用文が書かれています。

「現在では子供のない者が多く、また総じて人口減少がみられる。そのため都市は荒廃し、土地の生産も減退した。しかも我々の間で長期の戦争や疫病があったということでもないのである。・・人口減少のわけは人間が見栄を張り、貪欲と怠慢に陥った結果、結婚を欲せず、結婚しても生まれた子供を育てようとせず、子供を裕福にして残し、また放縦に育てるために、一般にせいぜいひとりか二人きり育てぬことにあり、この弊害は知らぬ間に増大したのである」

さて、これっていつのどこの国のことと思いますか?

この文章は、紀元前2世紀半ば頃、古代ギリシアの歴史家ポリビオスがギリシアのことを書いた文章なのです。

その古代ギリシアは、紀元前2世紀頃にローマに征服されるまでは、世界の一等国で、軍事、経済、文化、芸能、スポーツなど世界の中心地でした。オリンピックもその時から始まりました。

残念ながら、ギリシアはその後イノベーションを起こすことができず、またローマ帝国に支配され、衰退していきますが、日本は、こうした歴史を繰り返すことになるのか、それとも救世主や優れたリーダーが現れ、産業革命やインターネット以上のイノベーションを起こすことができるのか、考えさせられる本でした。

★★★

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

カエルの楽園 (新潮文庫) 百田尚樹

2016年に単行本、2017年に文庫本が発刊された小説です。著者は、ジョージ・オーウェル著「一九八四年」をモチーフとした作品のような感じですが、著者の政治的スタンスを強く取り入れた、日本と憲法9条、日米同盟、自衛隊、朝日新聞などを寓話で揶揄した物語となっていて、従来の名著「永遠の0」のような感動小説を期待していては大きく裏切られます。

アマガエルはカエルの中でも小さく弱いので、周囲には様々な敵が多く、ある日、二匹のアマガエルが地域を跳びだし楽園の地を探しに旅に出ます。

そして、様々な辛苦を乗り越え、楽園と思われる地域にたどり着いたのですが、そこは昔激しく戦ったことがある鷲と協定を結び、他の外敵から守ってもらっている住民全部が平和ボケした地域でした。

しかし、鷲は年老いてしまい、「今までのように1羽だけで外敵から守ってやることはできない、もし守って欲しいのなら一緒に外的と戦え」と求めてきます。

その地域では、不戦の誓いがあり、戦うことが禁じられているので、鷲の提案を断り、やがては、近くの池から大きなウシガエルが、天敵の鷲がいなくなった地域へと迫ってきます。

ま、読者がどういう感想を持つかは、それぞれの立ち位置や考え方、思想によって違うでしょうが、少し極端とも思いますが、こうしたところから議論が始まるのも悪くはないかなと思います。

ここで特に強調されていることは、ポピュリズムというか、「不幸なことなど決して起きない」という、根拠のない自信を民衆に植え付けると、それがやがては民衆の中で熱狂となり、冷静な正しい判断など置き忘れ、もう引き返すことが容易でなくなるということ。

過去の歴史を見てもそういうことは何度も起きているだけに、今後そうはならないと言い切れません。

読んでいて、この小説は感動もなければ、決して気持ちよくはなれませんが、平和社会の中においても、心の片隅にこうした悲劇を持っておくことは無意味ではないでしょう。

★★☆

著者別読書感想(百田尚樹)

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

ベストセラー小説の書き方 (朝日文庫) ディーン・R.・クーンツ

1983年に単行本として、1996年に文庫本がそれぞれ邦訳版が出版されています。

いえ、別に私が小説を書いて、「夢の印税生活!」とか無謀なプランを立てているわけではなく、最近読んだ新書で、この書籍が「文章を書くのに役立つ」と評価されており、このブログを含め、文章を書くことが多いので、参考書代わりと思って買ってきました。

まずこの著者が書いた小説は、古くからの付き合いで、最初に出会ったのが、29年前、1991年に「ライトニング」を読んだのが最初です。SFミステリー小説でしたが衝撃的でした。

それ以来、すっかりはまってしまい、1990年代から2000年代にかけて22作品(32冊)を読んできましたが、ここ10年ぐらいは、飽きてきたのと、読む本の著者があまり片寄ってはいけないと思い、ご無沙汰していました。

そうした中で、上記のように突然新書で懐かしい名前が出てきたので、これは読まなくっちゃと古い本ですが探してきたわけです。

なるほど、小説を書いているけど、いまいち売れない、あるいは作品コンテストに応募しても入選できない、出版社へ持ち込んでも相手にされないという作家の卵たちに向けて書かれた指南書という体です。

具体的なテクニックや、テーマの選び方、プロットの作り方など、かなり細かく分けて書かれているのと、参考にすべき小説も紹介されていますので、その筋の真面目で素直な人には役立ちそうです(作家を目指す人に真面目で素直な人がいるかどうかはともかく)。

著者が特に力説しているのは、プロットの大切さと緻密さ、背景描写、登場人物の性格描写などに注意すべきという点や、書き出し部分で一気にワクワクさせる方法とか。

また作家になりたい人は、特定のジャンル小説ではなく一般大衆小説を書くべきと言っていますが、SF小説に特に偏って紹介がされているのが、なにか著者らしいところです。著者は1読者としてはSF小説が好きなんでしょう。

で、小説など書く才能もないし、もちろん書く気もない私にとってこの本は、役に立つか?と聞かれたら、それはほとんど役立ちません。

しかし一読者として様々な小説を読む上で、この著者はおそらくこういう考えでこのシーンを描いているのだろうな~とか、小悦の中で会話と説明のバランスがうまく配分されているな~とか、作家が苦労しながら創造していくバックヤードの一面が見られてそれはそれで良かったかな。

ただ、1983年刊の書籍だけに、ここで紹介されている「参考にすべき小説」は、当然にそれ以前のものばかりで、普遍的な良い作品が多いとは言え、すでに廃刊になっているものも多く、また40年近く前と今では読者の好みも変わっているでしょうから、実質的にどこまで役に立つものかはわかりません。

★★☆

著者別読書感想(ディーン・R・クーンツ)

【関連リンク】
 1月後半の読書 新編 銀河鉄道の夜、この世でいちばん大事な「カネ」の話、蒼猫のいる家、教養としてのテクノロジー
 1月前半の読書 光圀伝、たんぽぽ団地のひみつ、涙香迷宮、高熱隧道
 12月後半の読書 定年ですよ、ユートピア、舞い降りた天皇 初代天皇「X」は、どこから来たのか、堕落論

[PR] Amazon 書籍 売れ筋ランキング

ビジネス・経済

ビジネス実用本

新書

文庫

文学・評論

コミック

ゲーム攻略・ゲームブック


ハヤカワ・ミステリ  

創元推理文庫

新潮文庫

講談社文庫

角川文庫

集英社文庫

岩波文庫


文芸作品

ノンフィクション

ミステリー・サスペンス

SF・ホラー・ファンタジー

歴史・時代小説

経済・社会小説

趣味・実用


リストラ天国TOP
おやじの主張(リストラ天国 日記INDEX)
著者別読書感想INDEX
ブログ内検索
プロフィール
HN:
area@リストラ天国
HP:
性別:
男性
趣味:
ドライブ・日帰り温泉
自己紹介:
紆余曲折の人生を歩む、しがないオヤヂです。
============
プライバシーポリシー及び利用規約
Template & Icon by kura07 / Photo by Abundant Shine

Powered by [PR]


忍者ブログ