リストラ天国 ~失業・解雇から身を守りましょう~
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先月亡くなられた高倉健さんと言えば、団塊世代にとってはあこがれのヒーローで、自分たちの兄貴分として映画全盛時代の1960年代に颯爽と現れた英雄、つまり訳あってのヤクザ者だが、心意気はまっすぐで無口で格好いい男の代表というイメージでした。
団塊世代より10年遅れて生まれた私の年代では、高倉健は着流しのヤクザ者からすっかりイメチェンした「新幹線大爆破
私が最初に高倉健主演映画を街の映画館で観たのは大学生の頃で、1977年の「八甲田山」、そして1978年の「野生の証明」でしたが、考えたら小中学生で任侠ヤクザ映画ってまず見ませんものね。
1978年に公開された「野生の証明」にはちょっとした思い出があります。
大学生だった頃、バイト先の先輩に誘われて、この映画のエキストラ役に応募し、書類審査は通過して、実技テスト(運動能力テスト)と角川春樹社長(当時)との面談に臨みました。
募集していた役というのは、寒村で起きた大量殺人事件の秘密を握る健さん扮する元自衛官と、一緒に逃げる唯一生き残った住人役の薬師丸ひろ子(当時14歳)を亡き者とするために追い詰める自衛隊員の役で、アメリカでロケがおこなわれ、戦車やヘリを使った大規模なクライマックスシーンに登場します。
しかし恥ずかしながら一緒に行った先輩は見事合格し、私は落ちてしまいました。実技テストの中に私がもっとも苦手とする持久走があり、真夏の炎天下で気力を振り絞ったものの、中位に低迷したことが敗因でした。先輩は持久走で上位5人(50人ぐらい参加)に入っていました。もし受かっていたら健さんや薬師丸ひろ子と一緒に記念撮影ができたのに無念です。
閑話休題、私が観た映画の中で好きなものは、
新幹線大爆破
八甲田山
動乱
海峡
南極物語
ブラック・レイン
あ・うん
あなたへ
その中でもブラック・レインは主役ではなく脇役的な立場で、しかも当時末期の癌と闘病中だった松田優作の怪演に押され気味でしたが、はちゃめちゃなアメリカ人から見た変な日本と大阪の描写をピリッと引き締めていたのが健さんだったなぁと。
「新幹線大爆破」は当時の国鉄(現JR)がまだお役所でしたので、融通が利かず、「世界一安全な新幹線を転覆させるような映画に協力できるか!」ということで、国鉄の協力なしに撮影されました。
もちろん実物大の模型も作られましたが、実際の走行シーンはともかく、実物の車内映像は隠し撮りをしたそうです。そんな映画に出ていた根暗な犯人役の健さんは信じられないぐらいに若いです。40年近く前ですから当たり前です。
二・二六事件がクライマックスの「動乱」でも、竜飛岬で遠くを眺める「海峡」でも、函館が舞台の「居酒屋兆治
その「寒い場所=高倉健」のイメージは、もしかすると、デビュー時代から長く馴染んでいた「網走番外地
逆に同年代の俳優だった石原裕次郎は「太陽の季節
よく考えたら二人ともこれほど多くの映画作品に出演しながら、結局共演することはありませんでした。
「陽の裕次郎、陰の健さん」、「夏の裕次郎、冬の健さん」、「ホットな裕ちゃん、クールな健さん」「動の裕次郎、静の健さん」と、二人が対照的な主役を演じれば面白そうな映画が作れたでしょうに残念ですね。
当時の映画会社には力があり、自社が発掘して売り出した俳優を他社の作品には出さなかったという理由もあるのでしょう。健さんは東映で、裕次郎は日活です。
遺作となった映画は「あなたへ
主人公の健さんは富山の刑務官として勤務していた時に、慰問によく来ていた女性と知り合って結婚していました。
定年後も嘱託の教官として働いていましたが、長年連れ添った妻が病気で亡くなってしまいます。
亡くなった後、健さんの元に妻からの感謝の手紙が届けられます。そしてその手紙には生まれ故郷の海に散骨をしてほしいと書かれていました。
それまで知らなかった妻の故郷へ行くため、キャンピングカーを自分で作り、それに乗って長崎平戸までを旅するいわゆるロードムービーです。
途中で詐欺師の国語教師(北野武)や、熱烈な阪神タイガースファン(岡村隆史)、移動物産店員(草なぎ剛)などと知り合いながら、長崎にたどり着きます。
途中映画には各地の観光名所がいくつか出てきますが、その中でも特に光ったのが、兵庫県朝来市和田山町にある天空の城と呼ばれる竹田城。
ストーリーとは関係ありませんが、竹田城跡を見学するシーンが長く挿入されていました。この映画をきっかけにこの城は全国的に有名となり、今では入場が規制されるほどの人気です。
またこの映画では老け役で名役者だった大滝秀治さんも出演していましたが、映画が完成した直後の2012年に亡くなりました。つまりこの作品は健さんとともに大滝秀治さん、二人の名優の遺作となってしまいました。
お正月には、健さんを偲び「網走番外地
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録画しておいた古い映画「浮草
この映画は1959年に制作され上映された小津安二郎監督の作品ですが、元々は同じ小津安二郎が戦前の1934年に監督した「浮草物語
小津監督はずっと長くモノクロ映画を撮ってきましたが、この作品はカラー作品(カラーになって3作目)で、ちょうどこの頃からモノクロからカラーへ切り替わっていった時代です。
小津作品ではもっとも評判が高い1953年制作の「東京物語」も先日見ましたが、こちらはモノクロでした。
出演は中村鴈治郎、京マチ子、川口浩、若尾文子(当時26歳)、杉村春子、笠智衆などで、その中の多くの俳優さんはすでに鬼籍入りされています。
小津監督といえば「東京物語
ストーリーは、旅芸人一家(劇団)が地方の町にやってきますが、その座長が昔馴染みとしていた飲み屋の女将との間にできた子供が立派に成長し、町の郵便局で働いています。
当時は郵便局勤めといえば公務員でもあり、地方においてはもっとも信頼が置けるいい働き口とされていました。
公演中に座長がいつもこの女将の店に入り浸りしているのを若い妻が怪しみ、嫉妬が高じてその子供を誘惑するように劇団の若い子にお金を渡して頼みます。
すると誘惑するだけのはずが、二人は恋仲となってしまい、仕事も放り出して駆け落ちすることになってしまいます。それと同時に劇団の経営も落ち込み、とうとう一座は解散することになります。
座長と妻の関係は元に戻ったものの、郵便局勤めの男と踊り子だった女の仲は深まり、新たな旅立ちをすることとなり、大きななにかを失ってしまったという喪失感を感じるような終わり方です。
こうした旅回り芸人の大衆演劇は、今ではなかなか見られない特殊なものですが、この映画が作られた1950年代頃までは、レジャーが少ない地方の楽しみのひとつがこうした旅回り劇団の公演でした。演目は「忠臣蔵」「国定忠治」「清水次郎長」が鉄板です。
映画がモノクロからカラーへと変わり、こうした大衆演劇も映画や新しく普及し始めたテレビに取って代わられていく時代の象徴的な物語なのかも知れません。
個人的にはいい子ちゃん役の原節子と、どこにでもありそうな冷ややかな現代の核家族の絆を描いた「東京物語」よりも、廃れていく大衆演劇と、嫉妬や愛に目覚めた男と女を描いたこちらの「浮草」のほうが、楽しめました。
あと映画の場面で、団扇であおぐシーンが繰り返し登場します。男が外から帰ってきて汗を拭き拭きバタバタとあおぐこともあれば、杉村春子演じる女将が、久しぶりに戻ってきた座長にお酒を勧めながら静かにあおぐシーンまで、効果的に使われます。
現代の社会ではどこでもエアコンがあり、こうした団扇であおぐシーンは皆無になってきているので、なおさらそうした小道具的に使われるシーンが印象的に映ります。
座長の若妻を演じるちょっと怖そうな現代的美人の京マチ子が、苛立ちを表現するためかタバコを何度もプカプカとふかすシーンもこの時代ならではで、今同じ事をやるといろんなところから苦情がいっぱい来そうです。
映画といえば、派手なアクションとCGを使った動きが激しく、正義と悪がハッキリしていて、見る人に考える暇を与えないものばかりとなってきましたが、「東京物語」もそうでしたが、普通の人の普通の生活が登場し、些細なことをきっかけに物事が少し動くという、見ながらあれこれ考えさせられる映画をジックリとみるのもいいなぁっていうのが感想です。
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ゴールデンウィークも近いので、私が過去に観た映画でお勧めのもの10本を書いておきます。
人それぞれ価値観や人生観は違いますので、私がよかったと思ったからと言って誰もにいいとは限りませんが、似たような感性の持ち主であれば同意してもらえるのではないかと自信を持ってお勧めします。
それにこれらの古いレンタルDVDなら1週間借りても1本100円(私がよく行くTSUTAYAの場合)ですから失敗してもいいじゃないですか!hahaha
今回紹介するほとんどの作品は有名な映画ばかりなので、何度もテレビで放送されていますし、ビデオやDVDを借りてもう見たよという人も多いのではないでしょうか。
ただ、テレビでやっていたので、途中から見たとか、なにか用事をしながらで眺めていたというのと、最初から最後まで集中してしっかり見たというのでは受ける感動は全然違うものです。
映画館ではそれしか見るものがなく、意識をそれだけに集中できますが、テレビだと視聴中に電話やCMで中断されたりしてながら的にみてしまうことがよくあります。
あとレンタルDVDや録画した映画の場合、夜に少し部屋を暗くして他の雑音を避けて集中して見れば映画館と同様の印象を味わうことが可能です。
また今回選んだのは人間ドラマが中心で、楽しみながら感動できるものです。アクションや、シリアス、ミステリー、ホラー、SF、コメディ等のジャンルに入る作品からは選んでいませんので、これらが私の映画ベスト10ではありません。またアメリカ映画が10作中9作を占めてしまいましたが特に他意はありません。
◆素晴らしき哉、人生!
◆3人のゴースト
◆ショーシャンクの空に
◆キャスト・アウェイ
◆最高の人生の見つけ方
◆プライベート・ライアン
◆生きてこそ
◆ニューシネマパラダイス
◆スティング
◆グラン・トリノ
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
◆素晴らしき哉、人生!
太平洋戦争終戦直後の1946年のちょっと古いアメリカ映画で、モノクロ映画です。監督は「或る夜の出来事」「スミス都へ行く」のフランク・キャプラ、主演は数多くの作品を残す名優ジェームズ・ステュアートです。この時代(太平洋戦争終結の翌年)の映画にしてはとてもよくできているのがただただ感心します。
そしてこの映画は、全米映画協会(AFI:American Film Institute)が、映画製作100年を記念して実施した「感動の映画ベスト100」で堂々の1位を獲得しています。
つまり映画の歴史100年を代表する作品と言えますが、クリスマス映画だけあって、内容は家族愛と正義は勝つという世界共通の道徳と宗教観を、仕事の挫折や悪徳業者との戦い、すべてお見通しの(意外にも天使がオヤジの)天使などを通して描かれ、最後は大逆転のハッピーエンドとなる心温まる映画です。
二匹目のドジョウを狙ったのか知れませんが、クリスマス映画として翌年の1947年に製作された「三十四丁目の奇蹟
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
◆3人のゴースト
1988年のアメリカ映画でチャールズ・ディケンズの小説「クリスマス・キャロル」を現代風にアレンジした作品です。監督は「スーパーマン」や「グーニーズ」「リーサル・ウェポン」などのリチャード・ドナー。主演は「ゴーストバスターズ」「ロスト・イン・トランスレーション」などに出演したビル・マーレイ。幽霊が出てくるのならこれはホラーのジャンルじゃないのか?と言われそうですが、怖い幽霊ではなく一種ひねくれ曲がった主人公を正そうとする神様仏様のような幽霊なので善としましょう。
上記の「素晴らしき哉、人生!」や「三十四丁目の奇跡」などと同じく、家族で楽しむアメリカ冬の定番のクリスマス映画ですが、見所が満載で、楽しく、面白く、そして最後にはホッと心が温められること確実です。
日本では来客者が多くなる夏休み映画と正月映画に力を入れる傾向にありますが、アメリカではクリスマス映画にもっとも力が入っているというのはお国柄と言えるでしょう。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
◆ショーシャンクの空に
私の中では好きな映画ベスト3の中に位置づけられる作品で、映画館で観たのは1回ですが、録画したテレビですでに3回は見ている映画です。
1994年のアメリカ映画で、監督は「グリーンマイル」などのフランク・ダラボン、主演は「トップ・ガン」や「ザ・プレイヤー」などに出演していたティム・ロビンスです。この映画の原作はスティーヴン・キング著の「刑務所のリタ・ヘイワース」です。
物語の前半部分は妻を殺したと無実の罪に問われて凶暴な囚人が多い刑務所に収監されるひ弱な銀行員の運命やいかに!というドキドキハラハラの連続で心が痛みますが、それを補っても余りあるどんでん返しが中盤以降に待っていますので、ジッと我慢して最後まで注意して見なければなりません。
この映画を見ると自分や会社の中では知っていて当たり前、できて当たり前と思っている業務知識や専門職能でも、例えば刑務所の中のようにまったく違う世界へいけば、その特技が思わぬ利用法があり、「芸は身を助く」ではないですが、普段から専門知識や技能を磨いておくのは生きていく上で重要なことだなぁと感心するばかりです。
ジェフリー・アーチャーが収監されたときには、著名な作家ということから比較的楽な図書委員をまかされたようですが、ホリエモンさんは刑務所の中で、果たして自分の知識や技能を発揮することができたのかしらん?と考えてしまいました。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
◆キャスト・アウェイ
2000年のアメリカ映画で、監督は「バック・トゥ・ザ・フューチャー」や「フォレスト・ガンプ/一期一会」で有名なロバート・ゼメキス、主演はトム・ハンクスというゴールデンコンビの作品です。このコンビの作品では「フォレスト・ガンプ/一期一会
簡単に言えば過去にも数多く作られてきた無人島映画ですが、他の無人島映画では、恋愛やSF、ミステリー的な要素が含まれることが多いのですが、これほど現実的で洗練され、しかも無人島に流された孤独と絶望感、そして生きるのだという人間の強い本性が真に迫ってくるものはありません。孤島映画としては間違いなく最優秀作品だと思います。
例えば主人公役のトム・ハンクス。最初に登場するときはお腹の周りの脂肪がかなりだぶついているどこにでもいる中年ビジネスマンの姿ですが、無人島でサバイバル生活をして数年後には、男なら誰でもうらやむようなムキムキの筋肉質で、引き締まった野生の肉体に変わっています。この主人公の役者魂を見るだけでも大いに価値があるというものです。
そしてなにげなく身近に存在する宅配のFedEx(フェデックス)や、スポーツ用品のウイルソン(Wilson)のボールなど、文明的なものと、絶海の孤島での原始的な生活との対比がとてもうまく表現されています。
◆最高の人生の見つけ方
2007年のアメリカ映画で、監督は「スタンド・バイ・ミー」「ミザリー」などのロブ・ライナー、主演は円熟した演技を見せるジャック・ニコルソンとモーガン・フリーマンの両雄です。
原題の「The Bucket List」は直訳すれば「棺桶リスト」で、死ぬまでにやっておきたいことをリストにして紙に書いたものの意です。
その内容が若くて元気な人ならばそれほど夢でもないことでしょうが、死を目前にした高齢者にはとうてい不可能と思われる、例えば「スカイダイビングをする」とか「ピラミッドの頂上に登る」「アフリカで狩りをする」など世界遺産を巡る旅の数々がユニークです。
とにかく主役の二人の掛け合いが面白い。金儲けしか興味がなく仕事一筋で裕福で傲慢で人種差別主義者の白人(これ以上ニコルソンに相応しい役があるでしょうか)と、家族思いで裕福とは言えないが真面目な黒人の自動車修理工(これ以上フリーマンに相応しい役があるでしょうか)が同じ病室で同じ病で死期も同じぐらいという設定があまりにも出来すぎのところはご愛敬でしょう。
死期を知らされたときの日本人とアメリカ人の感覚の違いがよくわかります。お祭り好きのアメリカ人の感覚は、この映画の主人公達と同様に、死期が知らされると最後に思いっきりバカ騒ぎをしたいと考える人が結構多そうです。
それに対して日本人だと、ガックリきてグジグジと無為な日々をおくるか、せいぜい古い友人を訪ねるとか、家族と一緒に過ごすことしか思い浮かびません。
そして、ラストシーンでは、二人とも亡くなった後の宴の後の静けさ、祭りの後の静寂の中でのワンシーンがとても印象的で感動させられます。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
◆プライベート・ライアン
1998年のアメリカ映画で、監督はスティーヴン・スピルバーグ、主演はトム・ハンクスです。戦争映画は残虐だし、またアメリカが常に正義で勝利するというストーリーばかりで好きじゃないという人にも、この映画は別格として見てもらえると思います。
私はこの原作本を先に読んでいたので、ロードショーを観に行って映画の冒頭で兵士の墓が映し出されたときにウルウルきてしまいました。
いえ、決して泣かせようという映画ではないのですが、結末まで知っていたのと、なぜ冒頭に兵士の墓が出てきたのかがわかっていただけに感涙してしまったわけです。それほど原作に忠実に映画は作られていました。
いわばこの映画はスピルバーグが心酔していた黒澤監督の「七人の侍
もちろん「七人の侍」や「七人の侍」をウエスタン映画にリメークした「荒野の七人
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
◆生きてこそ
1993年のアメリカ映画で、監督は「アラクノフォビア」「コンゴ」などのフランク・マーシャル、主演は「恋人までの距離」「ガタカ」などに出演したイーサン・ホークです。
決して心温まるという映画ではありませんが、実際に起きた航空機事故とその後苦難を乗り越えて救助されるまでの事実を元に製作された感動ものの映画です。
私がこの映画を見たのはある夏の日の二本立て上映の名画座でしたが、決して効き過ぎたクーラーのせいではなくずっと背筋が凍った状態でした。
航空機事故で生存者がいるというのは珍しいことではありませんが、それが見渡す限り、険しい山々が連なる南米アンデス山脈の山中で、エンジンの故障で不時着した後、頼みの捜索隊にも発見されず、自力で生き延びるしかないという極限状態の人間の本能が垣間見ることができます。
そして食べられるものがまったくない荒れ野の山中で、生存者が生き延びるために決断したこととは?っていう重いテーマと、このまま待っていても救助される見込みはないと判断した主人公達がとった行動とは!?という死を覚悟して未来に向かっていく強い意志に勇気づけられます。
上記の「キャスト・アウェイ」のように食べ物はあるけれど、無人島にひとり残されるのと、誰にも発見されない場所で食べ物はないものの多くの仲間が周りにいるのとではどっちがいいか?って究極の選択でちょっと真剣に考えてみました。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
◆ニュー・シネマ・パラダイス
1988年のイタリア映画で、監督は「海の上のピアニスト」などのジュゼッペ・トルナトーレ、主演は「エスピオナージ」「追想」などに出演したフィリップ・ノワレです。かなり有名な映画ですから映画ファンなら必ず一度は見ていると思われます。
第二次大戦中、イタリアのシチリア島にある村の教会と兼用の映画館で働いている映写技師と、映画に興味をもった少年とのふれあいと別れを情緒豊かに描いた映画で、バックに流れるエンニオ・モリコーネの音楽も一躍有名になりました。
教会に場所を借りて映画を上映している関係から、映画の中に出てくるラブシーンについては、時代背景を考えるとやむを得ないのでしょうが、教会の牧師たちの猛反対もあり、映写技師はやむなくそのシーンをカットをして上映をしています(ここ大事)。もちろん映画を見に来た村民からは、カットされた場面で大ブーイングがわき起こります。
やがて少年は成長して映画に関わる仕事をするようになり、映写技師の勧めでローマに出て、やがては映画監督として成功します。その間、映写技師との約束で一度も故郷には戻らずに必死で仕事を頑張ります。
そしてある日、映写技師が亡くなったことを知らされ、葬儀に参列するため何十年かぶりの故郷に帰ります。そこで映写技師の遺品として渡されたものは、、、と、映画好きなら二度三度とセリフを覚えるぐらいに見ておいて損はない映画なのです。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
◆スティング
1973年のアメリカ映画で、監督は「明日に向って撃て!」や「ガープの世界」のジョージ・ロイ・ヒル、主演はポール・ニューマンとロバート・レッドフォードのコンビです。
この映画は私が高校生の時にロードショーを見ましたが、映画の中に登場した、なぜか印象に残る古くて由緒がありそうなメリーゴーランドを、それから10数年後にアメリカのサンタモニカの桟橋で見るとは思いもしませんでした(今もあるかは不明)。
「古い映画はちょっと」と敬遠している人も、この映画をみると、この時代の映画を見直すきっかけになるのではないでしょうか。
若い頃のポール・ニューマン(当時48歳)とロバート・レッドフォード(当時36歳)が、格好良くてほれぼれします。
いま日本ではジャニーズ系アイドルが主演する映画ばかりですが、これも見方によれば当時のアメリカの人気アイドル二人(ちょっと歳はいっていますが)のための映画だったのかも知れません。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
◆グラン・トリノ
2008年のアメリカ映画で、監督、主演はクリント・イーストウッドです。クリント・イーストウッドが監督や主演する映画は初期の頃のウェスタンものから警察、恋愛、戦争ものまで概ね好意的にとらえていますが、中でもこの映画がグサッときました。
タイトルのグラン・トリノとはフォード製の1970年代の名車のことですが、日本車で例えると、箱スカGTR(PCG10)ってところでしょうか。マニアックで高価で、しかも乗る人を選ぶ伝説のクルマです。
しかしクルマのマニアが見て楽しめるという映画ではなく、仕事を引退して、時代に取り残され、家族にも敬遠される偏屈で頑固なジジイが主人公です。
この古いクルマだけには愛情を注ぎ込み、アメリカのクルマ産業が世界一華やかだった時代に青春を過ごした主人公が、廃れていく町や、近所の住人が東洋人や南米人に変貌していく状態を苦々しく思う日々を過ごしています。
そして高齢の白人アメリカ人としてはごく一般的な白人優位の人種差別主義で、周囲に増えつつある有色人種を忌み嫌う主人公も、ある事件をきっかけとして、そうした白人以外の人間としてのつながりの大切さに気づいていくというシンプルなストーリーです。
でもそれってあと10年もすれば、日本の全国各地どこにでも見られる風景かも知れませんね。そこの住人には、この映画の主人公ほどの許容力や正義感はないとしても。
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791
年末年始以降休日が結構多かったため、録画しておいた映画やドラマをゆっくりと鑑賞することができました。
その中でも特に強く印象に残ったのが「素晴らしき哉、人生!
クリスマスをテーマにした映画の中には、戦前戦後を通して名作と言われるものが数々あります。例えば「三十四丁目の奇蹟
この映画、ところどころで既視感を感じる場面がありましたので、私が子供の頃(小学生?)にテレビで見たことがたぶんあるのでしょう。小・中学生の頃はほぼ毎晩テレビで古い映画をやっていて、いつも見ていました。
ストーリーは、父親は堅物で真面目な住宅建設資金を貸し出す会社の経営者、長男はヨーロッパで戦火の足音が近づくなかで軍隊に入隊しています。そんな中で大学を卒業したら自分の夢だった世界を旅して回ろうと考えている能天気な次男坊がこの映画の主人公です。
いろいろあって、その次男が父親の急逝により、自分の夢をあきらめ、やむを得ず事業の後を継ぐことになりますが、街の顔役で借家業を営んでいる富豪の実業家と対立してしまい、さらに自分のミスから事業資金を一瞬にして失い、貧しい住民を助ける住宅建設用金融会社は倒産寸前に追い込まれてしまいます。
そのことで、主人公は絶望してしまい、クリスマスの夜に橋の上から凍てつく川に飛び込み自殺を図りますが、その時、まだ翼がもらえない二級天使(オヤジです)が突然現れ川の中から救い出されます。
その天使に対し「どうして止めるのだ?こんなことになるなら生まれてこなければよかった」と告げて激しく迫ると、天使は「それならあなたが生まれてこなかった世界を見せてあげよう」と、主人公を街に送り返します。すると住宅資金の貸付事業がないがため、住民達は自分の家を持つことができず、活気や明るさがなく、腹黒い富豪が支配する古びた借家住まいで、搾取され続け、街の荒廃した姿を見ることになります。
と、まぁ、文科省推薦の映画やドラマによくありそうな正義と悪役がはっきりしたパターンですが、長く続いた厳しい戦争に勝ち、アメリカ人がそのまま世界征服もできるのではという戦後間もない頃の思い上がった時代ながら、一転してこのような道徳心や愛情、そしてなによりも困難に立ち向かう勇気の重要性を描いたところに深く共感を覚えてしまいます。
もちろんクリスマスが描かれる欧米の映画には子供の頃から親しんできたキリスト教の教えと、困ったときには神様が奇跡を起こしてくれるという唯一絶対の信仰が根底にあります。
当初はこうした宗教色の強い映画、例えば「エクソシスト」や「オーメン」などキリスト教が関係するオカルトものを含め、もっぱら仏教や無神論者が多い日本人にはその理屈や宗教観がないとわからないだろうと思っていましたが、いやいやどうしてすっかりツボにハマってしまいました。
この映画はすでに著作権は切れているので、様々なところから格安でDVDが販売されているようです。モノクロ映画ということと、少し長め(132分)なので、鮮やかな配色で動きの速いアニメに慣れ親しんでる今の子供達に見せてもたぶんすぐ退屈してしまいそうですが、大人しかも夫婦や恋人同士でゆっくり楽しめそうな映画です。
この年になっても、こうした映画を見ると心が洗われます。
いや~映画ってホントにいいものですね。
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732
「ソウル・キッチン
2009年のドイツ映画でヴェネツィア国際映画祭で審査員特別賞を受賞しました。監督は「愛より強く」(2004年作品)でベルリン国際映画祭で金熊賞受賞しているファティ・アキン。
主演はアダム・ブースドゥーコス。いずれもあまり日本ではお馴染みのない人ばかりの映画ですが、たまにはいいね、こういうの。
ここでいうソウルは韓国の首都のことではなく、ドイツのハンブルグにある気楽に騒げるレストランの店名です。ハンブルグといえばブレーメンなどと同様、中世からの伝統が残る自由ハンザ都市で、芸術や経済などが盛んで、ハンバーグの語源にもなったところです。
ベルリンに次いでドイツ第二の都市で、日本で言えば大阪と言ったところでしょうか。
監督はトルコ系移民二世、主演のアダム・ブースドゥーコスはギリシア系移民二世で、そのせいか、ドイツ映画でありながら、ドイツ映画らしくはなく、様々な人種や職業の人が出入りする雑多なレストランが舞台です。
主人公のジノスは苦労してソウル・キッチンをオープンしたものの、あまり品のいい場所ではなく苦労しています。そして恋人には別れを告げられ、おまけに椎間板ヘルニアを患ってしまうは、さらには税務署から滞納している税金の督促をされたりと不幸が連続して起きます。
そんな中、自分の代わりに雇ったシェフが素晴らしい天才料理人だったことや、刑務所に入って疎遠になっていた兄の手助けなどもあり、店を騙し取ろうとしていた投資家をやっつけて、最後には成功するという軽いノリのコメディ映画です。
作者は何が言いたかったのか、監督は何を描きたかったのかは、結局よくわかりませんでしたが、貧しい移民達が必死にとけ込もうともがき苦しんでいるドイツの世相や、古いハンブルグという伝統のある街の雰囲気がよく伝わってくる映画です。
古くから多くの移民を受け入れてきたドイツ在住の外国人とドイツ人との問題についても、表向きは人種差別はないとされていても、職業や収入などにおいてはまだ色濃く残っています。これから日本でも起きてくるはずの外国人問題についてサラッと考えさせられるものでもありました。
日本も将来移民達を多く受け入れるようになると、こうした「貧しい移民たちvs.金満日本人(悪役)」という関係を描いた日本映画が、作られるようになるかも知れません。それが世界的にヒットすれば、ようやく日本の国際化も果たせたということなのかも知れません。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「ニューヨークの王様
チャールズ・チャップリンが右傾化するアメリカから追放された後、1957年にイギリスで制作した作品で、ちょうど私の生まれた年のことです。監督、脚本、制作、音楽、主演までがチャップリンで、ニューヨークを舞台とする作品ですが、撮影はすべてロンドンのスタジオでおこなわれました。
第二次世界大戦が終結した後、1950年頃からアメリカでは敵対する反ソ、反共思想が強くなり、それまでチャップリンが作ってきた反ファシズムの「独裁者
そしてついに名作と名高い「ライムライト」を発表した1952年には国外追放令を受け、スイスへ渡り映画の仕事からは身を引くことになります。
最後にアメリカで撮影を行った「ライムライト
そういう事情もあり、アメリカで上映されたのは1970年代に入ってからといういわくつきの作品です。
内容は、社会主義革命で国を追われた王様(チャップリン)が、アメリカへ亡命してきてからの顛末をユーモアたっぷりに描いたモノクロのトーキー映画です。チャップリンの山高帽にステッキのいつもの格好ではなく、普通のスーツ姿が印象的です。
なんとなく似た設定で、エディ・マーフィー主演の映画に「星の王子ニューヨークへ行く
その作品のように単なるエンタテーメントに終わらず、政治的なメッセージが強いのがチャップリン映画の特徴です。
そして「ニューヨークの王様」では、チャップリン自身がアメリカを追放された恨み神髄、アメリカ社会の軽薄さと騒々しさ、政治信条の非寛容さ、マスコミの横暴さ、商業主義を思い切り皮肉って茶化してしまい、それを世界中の笑いものに変えてしまうところがさすがです。
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