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1357
彼女のいない飛行機 (集英社文庫) ミシェル・ビュッシ

2015年に文庫が発刊された、フランス人著者の長編ミステリー小説です。この作品が大ヒットし、その後「黒い睡蓮」(2017年)も各種の賞を得るなど活躍されています。

650ページを超える大作ですが、ストーリーは、1980年に飛行機事故で唯一生き残った赤ちゃんはいったい誰の子か?という、DNA検査が発達している現代ではなしえないミステリーとなっています。

トルコ発の旅客機に偶然乗り合わせた二人の乳児がいて、「奇跡の赤ちゃん」と言われた旅客機事故機のそばで見つかった乳児はどちらの子(遺児)ということで、双方の遺族の祖父母が激しく対立します。

その双方の祖父母は対称的で、一方は大金持ち、一方は古いワゴンを改造して食べ物を売り歩く貧しい家庭。

裁判になって、勝ったのは貧しい祖父母の孫だと決まり、その乳児がフランスの成年となる18歳となり、それまでの期間、金持ち夫婦に依頼された私立探偵が、DNA検査までおこなっても結果が判明しないということで、とうとう自殺を決意していたところ、その理由に気がつくことになります。

主人公は、その乳児の兄とされる男性で、妹でありながら、恋愛感情を持ってしまい、本当に妹なのか?ということに悩みます。

結果は書きませんが、途中でなんとなくわかりました。もちろんそのような偶然や、行動ができるはずもなく、現実的ではないという前提ですが。

とにかく長い小説ですが、ミステリーなのでどこに謎が隠されていないかと、しっかりと読み込むより、サラッと読み進めていくのをお勧めします。

謎がどこかに隠されているというようなものではなく、調べていく内に、新たな発見が、、、ってことですので、過去の発言や行動にこだわらなくてもよく、淡々と読めば良いです。

★★☆

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

残された者たち (集英社文庫) 小野正嗣

2015年に「九年前の祈り」(2014年刊)で芥川賞を受賞された著者の、受賞後すぐの2015年に文庫で刊行された小説です。初出は2011年の雑誌「すばる」です。

なにかタイトルにひかれた面がありますが、思っていたような内容ではなく、かつては漁村だった限界集落に住む家族と、そこに住むひとりの小学生と教員とのふれあい、家族模様、隣の集落から通ってくるようになったアジア系外国人の子供など、現在進行中とも思える日本の寒村を抽象的に描いた作品です。

すでに人口の2%を超えるようになった外国人ですが、すでに北海道のニセコ町や東京都新宿区は住人の外国人比率が12%を超えていて、ここはどこの国?と思える環境になりつつありますが、今後は仕事は豊富だけど住みにくく生活費も高い都会より、若い人が不足している地方へ流れていく外国人が多そうな気がします。

そうした環境をこの小説では描いていますが、もうすでに外国人というレッテルはもう地方においてもなきに等しい感じがします。

そのうち、日本人が誰もいなくなった村や町に、外国人が集まってきて外国人だけの村や町を作るっていうことが起きるのかもしれません。

その場合、この小説にも出てくるように、まるで治外法権のような、「無免許当たり前、誰に迷惑をかけているわけでもない」というようなことになるのでしょうか。

★☆☆

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

国境(上・下) (文春文庫)  黒川博行

2001年に単行本が発刊され、その後2003年に講談社から文庫版発刊、さらに2014年に文藝文春からも文庫版が発刊されています。この著者の作品は、過去に「暗礁」(2005年)を2008年に読んでいます。

この長編小説は、1997年からスタートしている「疫病神シリーズ」の第2弾の作品で、ヤクザの桑原と建設コンサルタントの二宮が主人公です。

このシリーズは不定期に続いていて、最新では昨年2018年に第7作目の「泥濘」が発刊されていることからすると、なかなかの人気シリーズなんですね。知りませんでした。

この小説で出てくる北朝鮮は、2001年当時の状況ですが、現在2019年と比べてもほとんど変わりはなさそうで、そのことが、日朝間の関係と北朝鮮の国内情勢を表している感じがします。

日本国内で詐欺に遭った暴力団や、仲介した中古建設機器販売会社から脅され、詐欺師を追って北朝鮮に侵入しますが、様々なアクシデントもあり、その緊張感が半端なく伝わってきます。なんにしろ、密航で捕まったら処刑されそうな国ですからね。

強面で古い時代のヤクザらしいヤクザのイケイケ桑原と、喧嘩にはめっぽう弱そうな自営の建設コンサルタントの二ノ宮のコンビは、映像化にも向きそうで、2015年にBSの連続ドラマとしてシリーズ1作目「疫病神」と第5作目の「破門」が、2017年には「破門 ふたりのヤクビョーガミ」というタイトルで映画化されています。

こうした、性格などが違った、動と静、または陰と陽のふたりの男性を主人公としたドラマは多いですね。古くは、「傷だらけの天使」「俺たちの勲章」「あぶない刑事」、最近では「まほろ駅前多田便利軒」「相棒」などなど。

但し、この「国境」に関しては、話しの半分が北朝鮮国内の設定だけに、ドラマや映画化にはロケ地などモロモロとお金もかかりそうで、政治的にもトラブルが起きそうで厳しいでしょう。

ストーリーもよく考えられていて、北朝鮮の国内状況、密航方法などもどこっまで創作かはわかりませんが、よくできていて、スリル満点です。

久しぶりに、ドキドキするハードボイルド小説?を読んだって気がします。

★★★

著者別読書感想(黒川博行)

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

残念な人のお金の習慣 (青春新書プレイブックス) 山崎将志

2011年12月に発刊された新書です。著者はアクセンチュア出身のビジネスコンサルという、掃いて捨てるほどいそうな経歴の方です(失礼)。

情けないことに、2016年にも買って読んでいました。が、最後までそれに気がつきませんでした。

2016年7月後半の読書と感想、書評「残念な人のお金の習慣」

この著者の本では、その他に「残念な人の思考法」を読んでいます。

2010年9月前半の読書「残念な人の思考法」

感想は上記を読んでいただくとして、[お金の習慣」という点では、もうなにをするにしても手遅れな年齢になってしまいましたが、過去を振り返って客観的に自己分析すると、稼ぐ力は100点満点中80点を取れたと思いますが、使い方については40点ぐらいだったかなと最近考えるようになりました。

そのうちダメダメだった「残念な使い方」の話しをブログに書いておこうと思いますが、こうした経験は、その時代、そのタイミング、健康状態や気持ちの余裕、家族や家庭の事情など多くのことが複雑に絡み合っておこなわれるもので、それが反面教師になるかというと、たぶんなりません。

つまり、お金の習慣というのは、その時代やライフスタイル、彼女や配偶者、親兄弟など様々な要因で一人一人変わってくるものじゃないかなというのが実感です。

そして、例え外から見れば「バカな使い方している」と思っても、使っている本人は案外ハッピーなのかも知れません。それは外からはまずわかりません。

★★☆

【関連リンク】
 7月後半の読書 占星術殺人事件、ソクラテスの妻、我が家の問題、「日本の四季」がなくなる日 連鎖する異常気象
 7月前半の読書 俘虜記、地層捜査、定年後7年目のリアル、私の家では何も起こらない、社会を変えるには
 6月後半 湿地、偶然のチカラ、よるのふくらみ、転々、遠くの声に耳を澄ませて



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1353
小説の舞台を歩く(佐々木譲著編その1)の続編です。

今回は「地層捜査」(2012年)の舞台となった東京都新宿区荒木町です。

え?読んだことがない?それは残念。面白かったですよ~

7月前半の読書と感想、書評 2019/7/17(水)「地層捜査」
 
2015年には「警視庁特命刑事☆二人」というタイトルでテレビドラマが放送されました。
  
小説の舞台となっているのが、東京都新宿区の四谷三丁目にある荒木町という実在するエリアです。

このエリアは、江戸時代には美濃国高須藩藩主松平義行の屋敷があった場所で、明治維新以降は花街として賑わい、近くに大本営(市ヶ谷)があった関係から、羽振りの良い軍部の幹部達が夜な夜な集まってきたりしていたそうです(地元の人の話)。

そういう場所で15年前に起きた未解決の殺人事件を再捜査するよう命ぜられた主人公の刑事が、15年前にその捜査をおこなっていて未解決のまま定年退職をした元刑事とパートナーを組み、事件の真相に迫っていくというストーリーで、このエリアが忠実に描かれています。

このエリアは戦災に遭わなかったのか、道路が区画整理されてなく、明治時代の面影を残したままで、都心にありながらクルマ1台がやっと通れるほど狭い上に、行き止まりの路地があったり、変に屈曲していたりします。

荒木町の全体図です。最寄り駅は地下鉄丸ノ内線四谷三丁目。


新宿通りから、車力門通り(上)入り口と、杉大門通り(下)の入り口です。通り名からも花街があったことが忍ばれます。戦後の都市計画から免れたのか、都心の真ん中とは思えないほど狭い道路です。



そして特徴的なのが、崖と言える大きな段差が周囲にあり、狭いエリアながら地形的にすり鉢型をした地形となっています。

津の守坂通りから、一歩入ると一気に高低差がある崖となります。


崖には道路ではなく石段が作られていて、現在はコンクリ製がほとんどでしたが、一部には、1903年(明治36年)に開業し1970年(昭和45年)に撤去された都電の軌道に敷き詰められていた敷石をそのまま使い敷かれています。また狭い路地にも同じ敷石が敷き詰められている場所がありました。

小説の中で15年前に殺人事件が起きた場所(崖)と、その下の石が敷き詰められた小道


そのすぐ近くには、荒木町随一と言われた有名な割烹「奈る駒」があった場所


その事件現場近くには、すり鉢状の底辺の位置に、津の守弁財天と小説の中では「かっぱ池」こと「策の池 (むちのいけ)」があります。昔はここに滝があって、その見物客で賑わい、やがて周辺に茶屋や料亭などができたということです。





車力門通り沿いにある金丸稲荷神社の玉垣(神社の柵の石柱)には、当時の寄進者名として、上記の料亭や芸妓の名前が刻まれていました(左)。地内の中心部にありながら、珍しく戦前から幅が変わらない狭い車力門通り(右)



車力通りから策の池へ下っていく石段を撮影していたとき、地元の人らしい男性が歩いてきて、不審者を見るような目でにらまれたので、「読んだ小説にこの付近のことが出ていて、見学してます」と言うと、態度がガラッと変わり、逆にどういう小説か教えて欲しいと頼まれたので、持っていた文庫本の最初に描かれていた地図のコピーを差し上げました。

まだまだ歩きたいところはあったのですが、お昼休み時間に抜けてきていたので、急ぎ足でサクッと撮影しながら歩きましたが、もう一度来てゆっくりと歩きたい場所でした。

その他にも、この次は「警官の血」(2007年)で出てきた谷中公園近くにあった五重塔跡地などへも行きたいと思っています。

小説の舞台を歩く(佐々木譲著編その1)

【関連リンク 佐々木譲著小説】
1348 7月前半の読書(地層捜査)
332 1月下旬の読書(警官の血)
250 7月後半の読書(天下城)
237 4月後半の読書(飛ぶ想い)
235 3月の読書後半(犬どもの栄光)
232 3月の読書前半(制服捜査)
230 2009年2月の読書(北辰群盗録)



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1352
占星術殺人事件 改訂完全版 (講談社文庫) 島田荘司

数多くの小説やエッセイなどを書いている売れっ子作家さんの小説デビュー作品(1981年単行本刊)です。

その後、文庫やノベルスなど多くの形態で出版されてきましたが、今回読んだのは、2013年刊の改訂完全版と銘打った文庫版です。

著者の作品を読むのはこれが3作目で、過去には「眩暈」(1992年刊)と「写楽 閉じた国の幻」(2010年刊)を読んでいます。

708 2013年4月後半の読書(写楽 閉じた国の幻)
426 2010年8月後半の読書(眩暈)

主人公は「眩暈」にも登場していましたが、著者のシリーズ作品として根幹をなす「御手洗潔シリーズ」の記念すべき初登場小説となります。

うつ病ながらも自宅で占星術占いなどをして生計をたてている御手洗のところに、ある犯罪に関係する手記が持ち込まれます。

そこで友人でワトソン役の石岡が、その事件のことを説明をするために御手洗の家に訪ねてきます。

その事件は、戦前の1936年2月26日(2.26事件と同じ日)に、裕福な芸術家が自分のアトリエで殺され、その後、残された手記になぞって、その芸術家の一族が殺されます。

しかもその遺体は手記に書かれた通り、遺体の一部が切り取られて発見されます。ちょっとホラーじみています。

その事件の犯人について、警察はもちろん、多くのミステリーファンが謎に挑戦したものの、結局解決することが出来ず迷宮入りとなっていました。

なるほど、かなりの大作ですが、様々なところに謎を解くためのヒントが散りばめられています(あとでわかる)。

最後に御手洗が謎を解く前に、著者から読者に対して挑戦文が書かれていました。「これで謎は解けるはず」と。でも私には、難しすぎました。

ミステリーですから、ヒントを書くのも躊躇われますが、2012年に読んだ蘇部健一著の「六枚のとんかつ」(1997年)と同じ構造です。同書にも、「占星術殺人事件を先に読むように」と書かれていました。すっかり忘れてました。

なかなか読み応えのある、面白い本格的なミステリー小説でした。

★★★

著者別読書感想(島田荘司)

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ソクラテスの妻 (文春文庫) 柳広司

2010年に「最初の哲学者」として単行本が発刊、その後タイトルを変更して2014年に文庫版が発刊されたギリシア神話をなぞった短編作品です。

収録作品は「オイディプス」「異邦の王子」「恋」「亡牛嘆」「ダイダロスの息子」「神統記」「狂いの巫女」「アイギナの悲劇」「最初の哲学者」「オリンポスの醜聞」「ソクラテスの妻」「王女メデイア」「ヒストリエ」の13編です。

神話好きにはよく知られている人物(神)などが登場してきて、身近に感じられるのでしょうけど、そういう話しに無知だと話しがよく理解ができず、消化不良のまま次々と流れていってしまいそうな感じです。

私?

えぇ、6年前に著者の「パルテノン」を読んだことがある程度で、ほとんどギリシア神話について知らないので、流されていったクチです。

695 2013年3月前半の読書「パルテノン」

わからないので、オチとかも理解できず(あるのならば)、歴史ミステリーを得意とする著者の作品に大きく期待して読んだだけに、ちょっと残念な結果に。

★☆☆

著者別読書感想(柳広司)

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

我が家の問題 (集英社文庫) 奥田英朗

2011年単行本刊、2014年に文庫化された短編小説集で、「甘い生活?」「ハズバンド」「絵里のエイプリル」「里帰り」「夫とUFO」「妻とマラソン」の6編が収録されています。

この「家シリーズ」とも言える短編集では、過去に「家日和」(2007年刊)を2010年に文庫版を読んでいます。

主に主婦からの視点で、日常の淡々としたくだらない話しが淡々と書かれていますが、気になったのは、「専業主婦」「寿退社」などというパターンが多く、どうも現代の話しとは思えず、昭和の高度成長期の話し?って思ってしまいますが、発表されたのは2009年から2010年とのことで、なにか一般世間とずれている感じです。

その中では、夫婦が共働きで、お盆休みを合わせ、それぞれの実家へ里帰りする「里帰り」は、なるほど夫婦がともにずっと離れた地方出身だと、せっかくの連休も海外旅行ではなく、里帰りのはしごをすることになり、そういうこともあるなとは思います。

かなり女性読者を意識した内容になっていると思われますが、ちょっと著者が得意としている緻密でウイットに富んだ作品とはかけ離れた作品となってしまっているような気がします。

「家シリーズ」の続編「我が家のヒミツ」(2015年)も読みたかったのですが、ちょっと考え直さなければなりません。

★☆☆

著者別読書感想(奥田英朗)

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

「日本の四季」がなくなる日 連鎖する異常気象(小学館新書) 中村尚

テレビや新聞などでよく見かけるようになった「異常気象」という刺激的な言葉にいつも違和感を感じていて、一応専門家が書いた同書を読んでみようと思い立ったわけです。

2015年に発刊された新書で、著者は東京大学 先端科学技術研究センター 気候変動科学の教授です。

高校生でもわかるレベルと書かれていましたが、専門用語や気象用語が頻発し、なかなか理解するのには集中力と理解力、読解力が必要で、一応、一級小型船舶免許を取得するため、最低限の気象の勉強はした私でも、寝る前に寝転びつつあくびをこらえて読むのには不向きでした。

気象の話しでは良く出てくるエルニーニョやラニーニャ現象のことはわかるものの、テレコネクション(遠隔影響)、コリオリの力、ブロッキング高気圧、PJパターン、シルクロードパターン、亜寒帯ジェット気流、アゾレス高気圧、マルチモデルアンサンブル、CMIP5モデル、温暖化のハイエイタス、ロスビー波と発展していくともうダメ、それでなくともカタカナにアレルギーが出始めてきたので、とにかく集中出来ません。

でもなんとなく、なぜ異常気象と言われる豪雨や猛暑、冷夏、巨大台風などが起きるのかなどはわかりました。

特に何度も繰り返して書かれていますが、気象の変化と変動はまったく別物で、それを一緒にして「異常だ」というのは間違っていると言うこと。

つまり、「今年は台風が多かった」というのは一時的か短期的な変化であって、「海洋温度が年々上昇していて、台風の発生が年々上昇し、その規模も大きくなってきた」というのは変動と言えます。

一時的な変化については、対応策も限られますが、今後起きるであろう変動による災害や気象の変動にはまだ十分に対策の余地があるということです。

わかりやすい例で言えば、高潮対策の堤防の高さも、50年前の予測と、今の予測では大きく変わってきています。

じゃーどうすれば?というのは、個人レベルでできることはほとんどありませんが、二酸化炭素排出を控えるべきとして、もはや江戸時代の生活に戻ることはできず、また気象は地球レベルでの変動なので、一国の対応でどうにかなるものでもなく、今後起こりうる自然災害に対して、どうやって対処していくかということになりそうです。

★★☆

【関連リンク】
 7月前半の読書 俘虜記、地層捜査、定年後7年目のリアル、私の家では何も起こらない、社会を変えるには
 6月後半 湿地、偶然のチカラ、よるのふくらみ、転々、遠くの声に耳を澄ませて
 6月前半の読書 不死身の特攻兵、友情、あなたにもできる悪いこと、山女日記、アルトリ岬

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1351
直木賞作家の佐々木譲氏の書く小説は好きで、過去に文庫化されたものはほとんど読んでいますが、最初に出会った本は、1994年に「エトロフ発緊急電」(1989年)と「ベルリン飛行指令」(1988年)という太平洋戦争に絡んだ小説でした。

佐々木氏が書くジャンルは、ミステリー小説もあれば、警察小説、ハードボイルド、太平洋戦争小説、歴史小説など多彩で、これと決められませんが、その卓越した創作力とともに、欠かせないのが、小説の舞台に実在する場所が実名のままで登場し、また架空名称であっても、なんとなくわかるモデルがあったりし、フィクションと言いつつも、作品にリアリティというか、近親感を覚えます。

2009年に読んだ歴史小説「天下城」(2004年)は滋賀県にあった魔王織田信長の最後の居城「安土城」と、石積み職人の穴太衆(あのうしゅう)がモデルです。

安土城を取り上げた小説はいくつかありますが、佐々木譲氏以外に、映画にもなった山本兼一著の「火天の城」(2004年刊)が有名です。

安土城は、信長が本能寺で討たれた後まもなく炎上し、現在は天主など構造物はありませんが、見事な石垣や礎石だけが残っています。そこへは約10年前に訪問してきました。





穴太衆の本拠地(大津市穴太)があった、そのすぐ近くの坂本(大津市坂本)周辺にも寄ってきましたが、町中あちこちに見事な穴太積みの石垣が見られました。

3

今では若い人の中にも城好きが多いようですから、滋賀県や大津市も、この穴太積みをもっとPRして、坂本あたりに穴太積み観光コースを設定したり(周辺の古いお寺等の石垣に、穴太積みが至るところで見られます)、体験型「穴太積み講座」、佐々木譲氏やなど穴太積みLOVEな方を集めて講演会などを開けば、観光客誘致になって良いかと思うのですけどね。

ちょうど来年の大河ドラマ「麒麟がくる」は明智光秀が主人公ですから、その本拠地は坂本で、西教寺(大津市坂本)には墓地がありますので、穴太積みと合わせてPRできそうです。

 ◇   ◇   ◇   ◇   ◇

2013年に読んだ「北帰行」(2010年)は東京と新潟、小樽が舞台となり、妹を暴力団に殺された復讐のためにロシアからやって来た女殺し屋のアテンドを引き受けた主人公が、目的を果たした後ロシアに帰国させようとしますが、成田は見張りが厳しく、考えたのが新潟からロシア航路での逃避行です。

厳しい暴力団の追跡をかわしながら戦うハードボイルド小説で、その中にこの朱鷺メッセ周辺が登場しました。



なんてことはない、ランドマーク的な超高層ビル(メインテナントはホテル)と、広くて細長い展示場ですね。

朱鷺メッセと言うと、絶滅寸前の朱鷺の名前を冠した新しいコンベンションセンターとの組み合わせが妙に印象に残っていて、調べると日本海側では最も高い超高層ビルが中核となっていて、海側の沖合には佐渡島が、陸側には日本一の長さを誇る信濃川が流れています。

そこに興味が湧いて、5年ほど前に行ってきました。



最上階?には無料の展望室があり、天気が良いと佐渡島が見えるらしいのですが、あいにくかすんでいて見えませんでした。

小説の舞台を歩く(佐々木譲著編その2)へ続く

【関連リンク 佐々木譲著小説】
793 2月前半の読書(北帰行)
576 1月後半の読書(廃墟に乞う)
472 2月前半の読書(巡査の休日)
347 2月後半の読書(夜を急ぐ者よ)



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1348

俘虜記 (新潮文庫) 大岡昇平

著者は外国語に堪能だったことから太平洋戦争中、フィリピンで暗号手として配属されていたものの、米軍の捕虜となり、その後終戦で帰国します。

そしてその実体験を元にして1948年にこの「俘虜記」の前半(捉まるまで)を発表します。最終的に第4章までが完成したのは1949年で、基本は著者自身の体験談と、その時に思った心理的な描写や考察が書かれていて、私を主人公としたほぼノンフィクションに近い小説というスタイルとなっています。

著者の作品では同じくフィリピンの悲惨な激戦と飢餓による人食を描いた「野火」(1952年)を24年前の1995年に読み、その後映画も見ましたが、その時は衝撃を受けたことを思い出します。

ところで、俘虜と捕虜の違いって何だっけ?って調べてみると、第二次大戦までは公式文書には「俘虜」、それ以降は「捕虜」となっていて、意味はまったく同じと言うことです。

太平洋戦争末期にフィリピンでは、35万人の日本兵が戦い、そのうち33万人が亡くなるという激戦地でしたが、生き残った人も無傷というわけではなく、多くは高熱が出るマラリアに罹り、また銃創で動けず捕虜となったおかげで、皮肉にも生還できた人もいます。戦場での生死は無慈悲なもので、偶然が大きく左右するものなのでしょう。

一度は死にかけた著者も、収容所の生活では、英会話ができると言うことから優遇されます。その時は生き延びるために誰もが必死で、捕虜同士の妬みやひがみ、収容所内の仕事による役得権利、軍隊の階級と収容所内での序列など、中にいた者でないとわからない詳細が綴られています。

「我々は社会において、常に自分より下に誰かを見出すものである。(292ページ)」と書かれているとおり、捕虜となり、または敗戦により敵軍へ投降し、恥辱は感じつつも、死から1歩後退して、安堵しているはずの俘虜の生活においても、やはりこうした人間の本能というか嫌な行為が蔓延しいます。

そういうことを考えれば、安寧なところに身を置き、匿名で他人を非難し、バカにし、中傷する人がネット社会において後を絶たないのも、そうした人間の基本的な本能なのかも知れません。

本文中は概ね客観性をもって書かれていますが、そこは1捕虜が直接見聞きできる範囲は限られ、人からの伝聞や想像なども多く、また著者の自身の考え方や、人の好き嫌い、評価なども加わり、また帰国してから数年経過後の執筆で、記録としては必ずしも公平で正確であるとは言い切れません。

但し、捕虜となるのは最大の恥と教育されてきた日本軍兵士の、実体験者としての貴重な記録であることは間違いなさそうです。

★★★

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

地層捜査 (文春文庫) 佐々木譲

多くの警察小説を書いてきた著者ですが、2012年に単行本、2014年に文庫化されたこの作品は、警視庁の特命捜査対策室シリーズの第1作目と位置づけられています。第二作目は「代官山コールドケース」(2013年)が既刊です。

このシリーズ2作は、松重豊と山本未來を主演とし、「警視庁特命刑事☆二人」というテレビドラマが2015年と2017年に作られています。

著者の作品は、「エトロフ発緊急電」や「警官の血」、「制服警官」「道警シリーズ」など、映画ではなく、テレビドラマ化されるケースが多いようです。これは原作者の著者の志向が映画よりもテレビということがあるのでしょうかね?よくわかりません。

テレビドラマの場合、小説の原作とは違い、演じる役者に合わせてぱっと見の派手さ、面白さや、ながらで見てもそれなりに理解できるストーリーの単純化が優先され、そして限られた時間内に収めるため、設定が大きく変わっていたりすることが多く、それは仕方がないことでしょう。

どちらかというと、映画の方が原作に割と忠実に作られているような気がします。

さて、この小説は、警視庁の中で、捜査を指揮する若手のエリート管理官にたてつき、謹慎処分を受けていた主人公が、15年前に起きて迷宮入りしたままの殺人事件の再捜査を命ぜられ、それの真実を暴き出していくという警察もの小説ではよくあるパターンです。

マイクル・コナリー著の「刑事ハリー・ボッシュシリーズ」でも「未解決事件捜査課(コールド・ケース)」に所属して解決していく「エコー・パーク」や「終決者たち」などの作品が多くあります。

アメリカでは元々重犯罪に時効という概念がなく、こうした未解決事件を取り上げることはしばしばありましたが、日本では2010年になり、それまで15年で時効が成立していた殺人など重犯罪に対し法改正がおこなわれ公訴時効が無効化されました。

以前ならできなかったDNA検査など、捜査技法の進歩により、古い事件においても新しい技術を使うことで、犯人の特定などが容易になってきたことからです。

この小説の舞台は新宿区の四谷三丁目の戦前までは花街として賑わっていたエリアで、バブルが弾けた頃に、元置屋の女将が土地売買に絡んで地上げ屋の暴力団員に殺されたのではと思われた未解決事件に、主人公と、四谷署で定年を迎えた元刑事の二人がパートナーを組んで挑むというストーリーです。

小説の事件現場となった四谷三丁目界隈については、新宿と四谷に挟まれたエリアで、私も知らなかったのですが、深い谷のような地形があり、なかなか興味深い地域です。

実在の地域を舞台とした小説で、しかも職場からはそう遠くないので、近々周辺を少し歩いてみて、その模様を書きたいと思っています。

★★★

著者別読書感想(佐々木譲)

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文庫 定年後7年目のリアル (草思社文庫) 勢古浩爾

大ベストセラーになった「定年後のリアル」(2010年)に続き、2014年に発刊された二匹目のドジョウで、さらに三匹目として「さらなる定年後のリアル」(2015年)もすでに発刊されています。

その1作目は、リス天管理人が2018年に読んだベスト書籍(新書、エッセイ、ノンフィクション、ビジネス部門)で堂々大賞に輝いています。

つまり面白かったし、ちょうど自分が定年を迎える年代になって、身につまされたり、勉強になったり、身近に感じたということが大きく影響しました。

その続編も、期待しつつ買ってきました。

ところが、前回読んだ1作目と同じ内容がダラダラ繰り返されているのと、あとは定年や人生感に関して書かれた本からの引用と紹介ばかりで、ちょっと残念でした。

さらに、また個人的な素人レベルの趣味とか感想にまったく興味はわきません。

そりゃ、仕事を完全にリタイアし、目立たなく、地味にお金も使わず、毎日公園と図書館と喫茶店(あるいはカフェ)だけをうろついていて、交友関係もできるだけ絞り、そういう生活を日々淡々と繰り返していれば、なにか新しい斬新な発想がひらめくわけもなく、創造的な話しが書けるわけもありません。またそういうことを期待してもいけなかったのです。

結局は「定年後7年目の劣化」ということになってしまった感があります。

小説やエッセイ、映画などでよくある「二匹目のドジョウ」って難しいものです。1作目が思わずよくできた場合、読者や鑑賞者の期待値は当然に上がり、評価も厳しくなります。

1作目がなかなか刺激的で面白かっただけに、今回の2作目にも期待をしすぎたようです。3作目は私的には「ない」です。

★☆☆

著者別読書感想(勢古浩爾)

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私の家では何も起こらない (角川文庫) 恩田陸

2017年に「蜜蜂と遠雷」で直木賞を受賞した押しも押されぬ超人気作家さんの2010年発表(文庫化は2013年)の連作短編のホラー小説です。ホラーと言っても少しファンタジーも混ざっている感じですが、根はやっぱりホラーです。

そういうものがあったとは知らなかったのですが、怪談専門誌『幽』(角川書店)に連載されたのが初出とのことです。

ホラーは小説も映画も苦手なので、あまり積極的には読んだり見たりはしないのですが、こういうのに目がない人も多いようで、日本も平和です。

もっと言えば、現実の社会では、ホラーよりももっと不可解で怖そうな事件や事故が起きていたりして、作家や監督の創造力、演出力が試されている気もします。

さて、この小説ですが、ある丘の上に建つ古い一軒家にまつわる話しがメインで、そこで起きた悲惨な事故や不思議な現象などが次々と露わになっていきます。

設定はどこか外国のようで、その幽霊屋敷が建つ丘が、古代になにか宗教儀式に使われていた人工の場所らしいということで、そこに住む人達や、いたずらをする子供に災いが降りかかってきます。

場面があっちこっちと飛びまくるので、通勤中に少しずつ読む方法では、なかなか前後がつながらずちょっと苦心しました。物覚えも悪くなってきているせいでもあります。

これぐらいの分量なら、まとめて一気に読んじゃわなければダメですね。深夜、どうも胸騒ぎがして寝付きが悪いとき、一気に読むと、きっと朝まで目が冴えたままということになりそうです。

★★☆

著者別読書感想(恩田陸)

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社会を変えるには (講談社現代新書) 小熊英二

2012年に発刊された新書で、著者はよくわからない(Wikipediaでは著者自身かそれに近い人が一生懸命に書いたとしか思えない評価がいっぱい書かれていますが意味不明)社会学者さんです。

2013年新書大賞を受賞したと言うことで読んでみましたが、ダラダラと長いだけで、何が言いたいのか書きたいのか、やっぱり意味不明でした。

変に頭が良いのは認めますが、頭が良いのと、人に理解してもらえるのとはまったく別物だということに理解をされていないことは残念です。どうせなら、そのご自慢の才能を使って、もっとわかりやすい説明もできたでしょうけど。

結論的なまとめでは「自分はないがしろにされている」という意識が社会を変える原動力になるということだけど、どうもそうは思えません。

今の若者で強く感じるのは、仲間の中の自分の位置ではなく、人は人、自分は自分という割り切りがよくできていて、ないがしろにされていても気にしないというタイプが多いように感じます。

そうした若者が仲間を求めるのは、単に孤独だということを人には知られたくないという自身の見栄からで、その見栄さえなくなれば、ひとりで仮想空間で遊んだり、恋愛にも興味を抱かず、自己中心的な世界にいるのが安楽という感じです。

結局、社会を動かすには、代議員制である限り、自分の主張に近い人を応援し、議員になってもらうしかありません。そして風を起こすしかないのです。

そういう時の流れを作らない限り、デモやストを起こしても、この日本においてはなにも変わらないというのは歴史をみるまでもないでしょう。

★☆☆

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