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時のみぞ知る クリフトン年代記 第1部 (新潮文庫)(上)(下) ジェフリー アーチャー

書店で平積みされていた文庫新刊「死もまた我等なり クリフトン年代記 第2部」を見つけて手に取りましたが、その前に発刊されているこの前作を読まなければ途中からになってしまうので、先にこの作品を探して買ってきました。

外れがない著者の長編小説で、この第一部上下巻を読む限り、過去に読んだ同氏の作品「ケインとアベル」「チェルシー・テラスへの道」「運命の息子」を足して3で割ったような感じです。

副題になっているハリー・クリフトンという英国生まれの主人公が、そのたぐいまれな才能を開花させ、極貧の中からのし上がっていくという著者のいかにも好きそうなストーリーで、ロンドンから200kmほど離れた港町ブリストルが舞台です。

時はまだ第二次大戦勃発前のことで、造船所に勤めていた父を生まれたときに戦争(第一次大戦)で亡くし、母親とその兄、母親と暮らしているハリーは、ろくに学校にも行かず、造船所の中に置いてある客車を住まいにしているホームレスのような老人に興味を覚えます。

そこからハリーの目覚ましい奮闘と活躍が描かれますが、なぜ周囲の人達が、ハリーの頑張り以上に優しく接してくれて、また挫折を味わってもその後うまくリカバリーできるのか、そういった謎が次第に明らかになっていきます。

こうして1900年初頭の英国の姿を見ると、当時から先進国であったのは間違いないものの、貧乏人の子供は貧乏なまま一生を終え、金持ちは代々途方もなく金持ちで、その子供に引き継がれていくという、いわゆる世襲社会と貧富の格差が大きいことがわかります。

貧しい家で、しかも父親がいない主人公は、本来なら小学校を出た後は亡くなった父親の後を継いで地元の造船所で働き、油まみれでその一生を終えるはずでした。

しかし様々な幸運や才能に恵まれて、造船所のオーナーの孫が通う名門校へ入ることができ、しかもそのジャイルズと親友になり、やがては、その妹エマとも婚約することになります。

ここまででもある程度のネタバレしてしまいましたが、実はもっと恐ろしい罠が潜んでいて、エマとの婚約を破棄せざるを得なくなり、その失意を払拭するため、まもなく戦争になることを予想し、いずれは戦艦に乗って戦おうと、その前に単身でキューバ行きの船に乗り込み船乗りとしての訓練を自分に課すことになります。

波瀾万丈の人生ドラマと言っては陳腐な表現ですが、なにか勇気を与えてくれる小説です。この第一部では何度目かの危機一髪で突然終わってしまいますので、第二部を読まないわけにはいかないでしょう。

著者別読書感想(ジェフリー・アーチャー)

  ◇   ◇   ◇

湾岸リベンジャー 戸梶 圭太

いろんなジャンルの作品を多く描いている著者ですが、この作品はストーリー性と言うよりは、エンタテーメントを意識した娯楽作品となっています。2001年に発刊され、10年後の2011年にようやく文庫版が登場しました。

戸梶圭太氏の作品は、過去に映画にもなった「溺れる魚」を2001年に、そして今年「判決の誤差」(2008年初出、文庫版2011年)を読んだきりです。いまいち続けて読みたいと思わないのはなぜでしょう。ちょっと感性が合わないからかな。

タイトルに使われている湾岸といえば、楠みちはる氏のコミック&アニメ「湾岸ミッドナイト」を思い浮かべる人は相当なクルマ好きですが、この小説の舞台も同じく首都高湾岸線で、結婚したばかりの妻を事故で失った元ラリーストが、事故が起きるきっかけを作った暴走族を捜し復讐をしようというものです。

こういう設定、昔なにかで読んだなぁと思って調べてみると、1979年に田中光二氏の「白熱(デッドヒート)」という小説にありました。

「白熱」はその後映画にもなりましたが、妻ではなく後輩が挑んだ暴走レースで命を落とし、その時の相手を探すため全国の走り屋が集まる場所へと出掛けていくというものでした。

結婚したてで愛し愛されていたと思っていた流れが、途中で変わってしまうのは、妻の遺品の中に見つけたメモリーカードで、その中に結婚指輪をしたまま他のさえない男と嬉しそうに不倫をしている妻の姿を見つけてしまい愕然とします。

その部分がこの小説に必要だったのかはともかく、いまいち最後ははちゃめちゃで、タイトルの「湾岸リベンジャー」とはまったく関係しない理解しにくい終わり方をしてしまいます。

  ◇   ◇   ◇

新・世界の七不思議 (創元推理文庫) 鯨統一郎

邪馬台国はどこですか?」や「作家 六波羅一輝の推理シリーズ」など数多くの作品を出し続けている著者の2005年初出の作品です。著者の本名は源氏名で覆面作家さんです。

以前読んだ「邪馬台国はどこですか?」でちょっとした衝撃と感銘を受けて、その後著者の本を数冊読みましたが、どれもなかなかユニークな視点と発想で、他にはあまりみかけない意外性ある面白い作品が多いのが特徴です。

この作品は「早乙女静香シリーズ」の2作目で、すでに3作目の「新・日本の七不思議」も出ています。このシリーズは新宿にあるあまり流行っていない場末のバー「スリーバレー」の中で、歴史学者の早乙女静香や雑誌ライター宮田、バーのマスター松永などが、古代の謎を披露し、それを斬新な手法で解いていくという古代ミステリー小説なのですが、いずれも酒の席での軽目の話しとなっていて、あまり深掘りされることがないのが少し残念なところ。

「邪馬台国はどこですか?」についても従来の学者の説をすべて否定してしまう独自の論を展開しますが、やや納得するには材料が物足りない感じがあり、いつかまた続編が出てくるのでは?と勝手に期待しています。

しかしその名前や由来こそ知っていても、それにまつわる謎や背景を詳しく知らない一般の人にとっては、本文中で丁寧に解説をしてくれていますので、お酒のうんちく話しとともに、雑学的知識の勉強になります。

さて、一般的に世界の七不思議(古代)といえば、紀元前二世紀にビザンチウムのフィロンが記したという「7つの驚異的な建造物」が元になった

 1.ギザの大ピラミッド
 2.バビロンの空中庭園
 3.エフェソスのアルテミス神殿
 4.オリンピアのゼウス像
 5.ハリカルナッソスのマウソロス霊廟
 6.ロドス島の巨像
 7.アレクサンドリアの大灯台(フィロンが書いた時は「バビロンの城壁」)

が定番となったようです。

その他にも「中世の七不思議」や「コットレルによる世界七不思議」、「自然の七不思議」、「自然現象七不思議」など様々な人や団体、言い伝えなどがあります。

最近になってからは、スイスに本部を置く「新世界七不思議財団」が定めた「新・世界七不思議」ができ、

 1.チチェン・イッツァのピラミッド(メキシコ)
 2.イエス・キリスト像(ブラジル)
 3.万里の長城(中国)
 4.マチュ・ピチュ(ペルー)
 5.ペトラ(ヨルダン)
 6.コロッセオ(イタリア)
 7.タージ・マハル(インド)

が選ばれているそうです(wikipedia)が、この本で取り上げられる新・世界の七不思議は、
 
 1.アトランティス大陸
 2.ソールズベリのストーンヘンジ(英国)
 3.ギザのピラミッド(エジプト)
 4.ノアの方舟
 5.始皇帝(中国)
 6.ナスカの地上絵(ペルー)
 7.イースター島のモアイ(チリ)

が選ばれています。

これらの謎解きにずっとつき合わされた古代史の世界的権威、ペンシルベニア大学のハートマン教授は、念願だった早乙女静香との京都旅行が、延期に次ぐ延期となりますが、果たして来日中の間に京都へ行くことができたのか?は謎のままです。

ストーンヘンジと神社の鳥居、ピラミッドと盛り塩、ノアの箱船と桃太郎の童話、モアイ像と大仏など、意外な組み合わせ満載で、今回の謎解きもなかなか新鮮且つユニークで面白く読めました。まだ買っていないけど「新・日本の七不思議」も楽しみです。

著者別読書感想(鯨統一郎)


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