リストラ天国 ~失業・解雇から身を守りましょう~
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午後二時の証言者たち(幻冬舎文庫) 天野節子
主人公がいないと言える珍しい小説で、視点が次々と変わっていきます。
内容は八歳の女児が交差点でクルマにはねられ死亡し、事故を起こしたドライバーと弁護士、事故を目撃した主婦、救急車の受け入れを断った医師とその愛人、断ったことをよく思わない病院の看護師、そして殺人事件を追う刑事が複雑に絡んでいきます。
8年前に起きた交通事故とはいえ、それと関係がある人間が続けて殺害されたことがわかれば、犯人は容易に想像がつきそうですが、すぐにアリバイなどを調べるために引っ張ることはせずに泳がすという手法はちょっと考えられず、そのせいで最悪の結果へつながっていきます。
子供を理不尽な事故で亡くした親というのは、果たして何年もかけてその復讐を果たそうとするのか、現実的なのかわかりませんが、小説の題材にはよく使われていそうです。
ミステリーと言うには謎はほとんどなく、なにか淡々と進んでいく小説でした。
★★☆
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囁き男(小学館文庫) アレックス・ノース
本作品は英国で2019年に発刊され、日本語翻訳版は2021年に文庫で出版されています。
ジャンルとしてはスリラーサスペンスで、主人公のシングルファーザーとその息子が引っ越し先で20年前に起きた子供の連続誘拐殺人事件を彷彿させる事件に巻き込まれていきます。
すでに20年前の事件の犯人は捕まり終身刑で収監されていますが、それと同様な事件が発生し、地元の人たちを震え上がらせています。
警察は若手で野心がある有能な女性警部補を責任者に指名され、20年前に事件の犯人を突き止め逮捕しながらも最後のひとりの被害者の遺体を発見することができず、また犯人から自白を得ようとしますが軽くあしらわれ、やがて酒浸りとなり家庭も壊してしまった警部補と一緒に犯人を追うことになります。
「20年前の事件」、「殺されたと思われる子供の被害者の遺体が発見できない」とくれば、もうこれはその殺されたと思っていた子供が大人になって過去のトラウマから・・・というイメージがすぐに浮かびましたがそれはなかったです。
それよりも、20年前に子供の連続誘拐殺人事件を捜査し解決に導いたものの、その後の人生が狂ってしまった中高年の警部補と、主人公のシングルファーザーの関係が意外で「そうきたか」という感じです。
ただ、主人公のシングルファーザーも中高年警部補も、くよくよ悩んでばかりいて、小説では珍しいぐらい弱い男性のオンパレードです。
最後は主人公の親子は救われますが、今回も犯人逮捕へ導きながら犯人の刃に倒れてしまうという半分だけハッピーエンドで終わります。ネタバレごめん
★★☆
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月の満ち欠け(岩波文庫的) 佐藤正午
2017年に単行本、2019年に文庫が出版されていますが、珍しいなと思ったのはその両方とも岩波書店からの出版です。
というのも、過去に読んだ岩波文庫では「論語」や「カンタベリー物語」「福翁自伝」「失楽園」「フィッツジェラルド短編集」「君たちはどう生きるか」「思い出袋」など、古典か教育的なお堅い文学ばかりで、こうしたミーハー(失礼!)小説は初めてです。岩波も変わったってことでしょうか?
さて、このファンタジー小説では、主人公と言える人物や視点が定まってなく、その都度登場人物や視点が変わっていきます。それだけにちょっと登場人物が多く、その関係もややこしいです。
タイトルは月が新月で消えてしまってもまた徐々にその姿を現していくという、仏教で言えば輪廻転生を家族愛と恋愛小説に置き換えたものと考えて良いでしょう。
ストーリーは、、、やや複雑なので読んでみてください。賞もとっていますから読んで損はない小説です。
しかし、雨宿りのために軒先を借りたレンタルDVD店のアルバイトに一目惚れで恋しちゃう人妻がいたりするのもあり得ねぇ-と思ってはしまいますが、そういう深い人間関係が続かないと物語は紡げませんからね。
2022年には廣木隆一監督、大泉洋、有村架純などの出演で映画が製作されていますが、小説よりは少し短縮されているそうです。
★★☆
◇著者別読書感想(佐藤正午)
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仕事がなくなる!(幻冬舎新書) 丹羽宇一郎
個人的には、70歳過ぎたらいい加減ビジネスの現場からは足を洗うべきというのが持論ですが、多様化、長寿命化の現在ではこうした85歳でもバリバリ現役で活躍されるのを否定するわけではありません。
しかし実質的に70歳過ぎたら周囲の声はあまり入ってこなくなり(聞こえなくなり)、自己満足と周囲に集まってくる可愛がっているYESマンが、チヤホヤしてくれて、「求められているんだから、引退なんかまだまだ」と、都合良く勝手な解釈をしている政治家や経営者のなんと多いことでしょう。
言うまでもなく著者は、元伊藤忠商事で叩き上げの社長や中国大使を歴任されてきたエリートで、数多くのビジネス書や指南本を書いておられます。
内容は、この著者は聖人君子か?と思うような良いことがあれこれ書かれていますが、競争の激しい総合商社で鍛えられた著者がそうそう清らか一辺倒で世の中を渡ってきたとはとても思えず、それらの汚れは歳をとると同時に薄まってしまい、記憶に残っているのは清らかな栄光ばかりなのかなとうがって見てしまいます。
しかし、人生の成功者?の話を、しかもジョークのようですが、85歳が考えるAIテクノロジーによる仕事への影響の話を聞く(読む)のは悪いことではなく、話半分ぐらいにして流しながら読むのが良いでしょう。
★☆☆
【関連リンク】
7月後半の読書 少年たちの四季、砂上、石を積む人.、世論調査の真実
7月前半の読書 メルカトルかく語りき、新聞という病、臨床真理、釧路湿原殺人事件
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少年たちの四季(集英社文庫) 我孫子武丸
収録作品は「ぼくの推理研究」、「凍てついた季節」、「死神になった少年」「少女たちの戦争」の4作で、1作目と3作目、2作目と4作目がそれぞれ主人公が同じです。
ミステリー作品ですが、同じマンションに住む少年と少女が主人公で、家庭での親との関係や学校での同級生との関係など、中高生などに向けたライトノベルというにふさわしい構成とストーリーです。
ま、還暦過ぎたオヤジが、自分の若い頃を思い出しつつ読むには、ちょっと苦しいかな。時代がすっかり違っているので。
しかし謎解きはリアリティのあるなしは別として、なかなか新鮮なもので、大人が読んでも十分に楽しめるものでした。
★★☆
◇著者別読書感想(我孫子武丸)
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砂上(角川文庫) 桜木紫乃
主人公の女性は、母親が20歳の時に生まれた父親が不明(最後で明らかになります)の私生児で、15歳の時に妊娠したため、産んで母親の子供として(つまり主人公からすると姉妹)届けるという複雑な家庭で育っています。
結婚後に夫の不倫が判明し、離婚を承諾し、慰謝料を受け取り、アルバイトをしながら実家の母の元で暮らしています。15歳で産んだ子供(表向きは姉妹)はしっかり者で、すでに正社員になり独立した生活を営んでいます。
そこに関わってくるのが、幼なじみでもあるアルバイト先の独身の店長とその母親や、毎月払いの慰謝料を値切ってくる元夫、そして札幌出張のついでに会いにやってくる大手出版社の女性編集者などです。
極めて限られた世界の中で、やや暗くなりがちな重い話もありながら、明るい母親や、サッパリした性格の妹などとともに、自主性に乏しい主人公がだんだんと変わっていく姿がまぶしくなっていきます。
人生は人によって固い岩盤の上に立っている人もいれば、主人公のようにサラサラとすぐに崩れていく砂上に立っている人もいます。そうした多種多様な生き方を感じられる面白い小説でした。
★★★
◇著者別読書感想(桜木紫乃)
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石を積む人(小学館文庫) エドワード・ムーニー・Jr.
この作品の舞台はロサンゼルスから北東へ200kmほど行った山間部の田舎町ですが、面白いのはこの作品を元にして、舞台を北海道に置き換えた映画「愛を積むひと」が、朝原雄三監督、佐藤浩市、樋口可南子などの出演で2015年に製作・公開されています。
ストーリーは、田舎で隠退生活をおくる老夫婦の物語ですが、妻のたっての希望で家の周囲に石造りの塀を作って欲しいと以前から頼まれています。妻の実家にあった素晴らしい石塀が忘れられず、そのためです。
しかし妻には心臓に病気があり、もう長くはないことがわかります。そこで老体にむち打って近くの川から石を運び、積んでいく作業をしていきますが、近所の人は「風変わりな石積み男」という名前を付けます。
老夫婦と近所に住む少女とは知り合いになりますが、そのボーイフレンドとその友人が問題児で、塀を壊したり倉庫に落書きをしたりと嫌がらせをし、さらには主人公の老人を突き飛ばして重傷を負わせます。
果たして石積みの塀は愛妻が存命中に完成するのか?という流れで佳境に入っていきます。
原題の真珠とは、まだ若くて稼ぎが少なかった頃に妻に買ってあげた不揃いの真珠を妻はいたって気に入っていて、亡くなる時にも身につけていたものです。
しかしその真珠も悪ガキに盗まれてしまいます。そちらの行方も気になりますが読んでからのお楽しみということで。
ちょっと夫婦間の愛情にしては度を超した粘着質過ぎて、特に日本人には受け入れられそうもないですが、欧米の仲の良い夫婦だとこういうこともあり得そうです。
そして、妻を亡くした後、生きる気力をなくした主人公の復活は?ということがラストへの感動を呼ぶことになります。
★★☆
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世論調査の真実(日経プレミアシリーズ) 鈴木督久
テレビ局はその系列の新聞社がおこなった世論調査を引き合いに出すことが多いですが、最近は各社の世論調査を並べて出す傾向にあるようです。
それぞれ世論調査の結果に違いが出るのは、調査対象者の選び方や、調査方法(固定電話や携帯電話、街頭インタビューなど)、調査の質問内容(仕方)、そしてその結果概要のまとめ方にそれぞれ差が出ると言うことがわかりました。
個人的には、一般紙は朝日新聞、仕事をしていたときにはプラスして日経新聞を購読していましたが、どうしても世の中の動きは、ネットがない時代にはテレビはあまりみないので、その狭い情報の中だけに長くとどまっていました。
しかしなにかで朝日新聞の調査と読売新聞の調査では大きな乖離があることに気がつき、同じ大新聞社でどうしてこんなに結果が違ってくるのだろう?と不思議でした。
そういう意味では、比較的中立的と思われる通信社(時事とか共同など)の調査はというと、それもあまり確かなものとも思えず、実際的に自分に調査の電話がかかってきたことはなく、本当にどこまでちゃんとやっているのかという疑惑もあります。
やっているほう(マスコミ)は真剣にやっていても回答者がいい加減に返答しているケースもあり、なかなかこの世論調査というものは昭和時代ならともかく現代では信用がおけないものへと変わってしまったなという感想です。
★★☆
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メルカトルかく語りき(講談社文庫) 麻耶雄嵩
短篇は「死人を起こす」「九州旅行」「収束」「答えのない絵本」「密室荘」の5作品が収録されていて、それぞれにつながりはなく、主人公の探偵とワトソン役の作家の男性だけすべての作品に登場します。
タイトルはニーチェの「ツァラトストラかく語りき」から来ているものと思われますが、思想や哲学的な内容ではなく、主人公の自称銘探偵、メルカトル鮎という人物が、トリックを見破り、ロジカルに事件を解説していくというスタイルです。
普通の探偵ものとは違い、事件の謎は解くものの、犯人はわからないまま終わったり、次に誰が殺されるかで犯人が特定できるとか、(私のような)事件解決でスッキリしたい人にはモヤモヤが残ります。でもこの本を読んでからはそういうトリックものもアリかなと思いました。
特に最後の「密室荘」は、主人公の別荘に忽然と現れた謎の死体についてあれこれ推理をするわけですが、夜中の密室状態で起きたことで、主人公と保養にきていた友人の男性の二人しか容疑者は考えられず、また、密室でなかったということにすれば、探偵として犯人を捕まえないと名声に傷が付くからできない、それならばいっそなかったことにしようと、セメントで地下に埋めてしまいます。
こんな探偵今までいました?って笑ってしまいます。
★★☆
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新聞という病(産経セレクト) 門田隆将
特に朝日を叩くには「慰安婦問題」や「吉田調書問題」など後で誤報とわかったことを微に入り詳細に語ればOKということで、繰り返し何度もそればかりが強調されています。
新聞や雑誌、ネットニュースなども含めてメディアの記事は誤報や作為の百貨店みたいなもので、現代の多くの人は話半分にしか思っていません。一言取り消せばなんでも許されてしまう政治家の発言と同じくらい軽いものです。
一方、著者が仕事をもらっている産経新聞は良識的な記事を書いていると思いっきりヨイショしています。そりゃ、お得意様の悪口は辛口ジャーナリストといえども書けないでしょう。
ちなみに、2022年下半期平均の販売部数は、朝日新聞が397万部で、著者が褒め称える産経新聞はたった99万部と朝日が4倍以上の大差を付けているというのが世の中のというか国民の常識的な判断であり、著者が存在自体を疑う朝日新聞の購読数が減少していると言っても、それは産経新聞含めすべての新聞に共通することであり、なにか著者の都合の良いデータや出来事だけをうまく使って著者の身勝手な主張をしています。
いずれにしても新聞の衰退はもう止めることはできそうもなく、大量の紙とインクを使う新聞紙はSDGsの観点からもいずれ問題化されるのは必至のことでしょう。
新聞の電子化で生き残ることはできますが、それは事業規模が1/100ぐらいに縮小するということと同義で果たしていまの巨大なメディアがそのまま生き残れるとは思いません。
そうだとすればメディアは自分たちの思想や信条を明確にし、その中でそれぞれが購読者を得ていく方策をとらざるを得なく、小さなパイで細々とやってきたフジサンケイグループと、昭和時代に大きな財産とファンを作ってきた朝日グループや読売グループを同じ土俵で比べるのもおこがましいとしか言いようがありません。
しかし巨大な権力、国会議員や大企業経営者、そしてメディアの報道姿勢などに(自己中心的ですが)堂々と噛みつける人は今や貴重な存在ですので、これからも頑張ってもらいたいものです。
★☆☆
∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟
臨床真理(角川文庫) 柚月裕子
内容的にツッコミどころはいくつもありましたが、ラスト近くで判明する意外などんでん返しとか、エンタメ性とともに、医者と看護師の間に入り、精神病など見えない敵に取り組む臨床心理士の苦労が偲ばれます。
主人公は、国立病院に勤務する新米の臨床心理士の女性で、ある福祉施設に入所していて傷害を起こした難しそうな青年のカウンセリングを受け持つことになります。
その青年と福祉施設で仲の良かった同じく入所している少女がある日腕を切り自殺を図ります。その自殺が信じられず、救急車の中で福祉施設の所長に斬りかかり、救急隊員などに怪我を負わせてしまいますが、精神錯乱の上の行為と言うことで医療病院へ収容されます。
その青年には、声に色が付いて見えるという不思議な能力があり、誰にも信用されず精神異常と判断されています。その声の色で相手が嘘をついているとか信じてくれているとかがわかります。
臨床心理士は、その青年に寄り添い、少女の自殺の真理を探し求めて奔走することになりますが、その方法が名刺も持たずに福祉雑誌の記者になりすまし、役所や企業の担当者に取材を申し入れ探りを入れるとか、高校時代の同級生で今は警察官になっている男性に非合法な協力を求めたりと、常識では考えられないリアリティのない場面も結構あってそういうところにまだ新人作家時代の甘さを感じさせられます。
★★☆
◇著者別読書感想(柚月裕子)
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釧路湿原殺人事件(講談社文庫) 内田康夫
主人公の一人娘が国立公園の釧路湿原で勤務している環境省(執筆当時は環境庁)に属するエリート官僚との結婚式を東京のホテルであげ、新婚旅行へ行く直前に釧路湿原で事件が発生し、夫は新婚旅行をとりやめて釧路へ急遽戻ることになります。
釧路湿原で行方不明になっていた男性は他殺と判明し、開発業者側であったために対立していた自然保護の官僚に疑惑が向けられます。
娘の夫、つまり義理の息子のために釧路へやってきた主人公が様々な関係者に会って複雑な人間関係や利権、そして義理の息子が隠している謎を推理していくという流れです。
浅見光彦シリーズなら、警察庁刑事局長の弟だとわかると警察は急に協力的になって事件捜査に全面協力してくれます。今回は北海道警の幹部が主人公の大学時代の教え子ということがわかり、それまでの被疑者の父親で共犯者という立場から一転し協力的になります。この警察の態度が急変するというのは著者の得意とするところです。
この作品は以前に橋爪功主演の「旅情サスペンス 釧路湿原殺人事件」(2001年)としてテレビでやっているのを見ています。小説の内容もそうですが、ドラマも20年以上前のロケなので現在とはだいぶんと違った風景になっている感じです。
★★☆
◇著者別読書感想(内田康夫)
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6月後半の読書 鍵のない夢を見る、悪しき正義をつかまえろ、ふなうた、大量廃棄社会
6月前半の読書 四つの署名、牛の首、残酷な進化論、盤上の夜
5月後半の読書 火の壁、追想の探偵、70歳の正解、囚われの山
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鍵のない夢を見る(文春文庫) 辻村深月 物語はそれぞれに独立した内容で、「仁志野町の泥棒」、「石蕗南地区の放火」、「美弥谷団地の逃亡者」、「芹葉大学の夢と殺人」、「君本家の誘拐」の5編からなり、それぞれ泥棒や放火、殺人(逃亡と自殺)、誘拐など、新聞の三面記事に取り上げられそうな犯罪がテーマとなっています。 日常的な風景と、同時にドキドキするミステリー的な要素もあり、なかなか楽しめます。ただ一般的に女性作家さんが書く男女間や女性間の会話が、私的にはストーリーと関係がない無意味なものが多いように感じられ、ざっくりすっ飛ばして読めるのは良いですが、なにかページ数だけが増えて無駄に感じてしまいます。 5編の中で「これが一番!」というのを取り上げようと思ったものの、実はどれもほどほどに面白く、かつ退屈でつまらなく、「これは!」というものがありませんでした。短篇集では「これが一番!」という、強く記憶に残る作品がいくつかあるのですが、それは残念に思いました。 ★★☆ ◇著者別読書感想(辻村深月) |
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悪しき正義をつかまえろ ロンドン警視庁内務監察特別捜査班(ハーパーBOOKS) ジェフリー・アーチャー 今回の作品は、「ロンドン警視庁美術骨董捜査班」シリーズの第3作目で、本国では2019年(日本語翻訳版は2020年刊)に出版されています。 そのシリーズ第1作目の「レンブラントをとり返せ-ロンドン警視庁美術骨董捜査班-」は2022年に読んでいて、第2作目の「まだ見ぬ敵はそこにいる-ロンドン警視庁麻薬取締独立捜査班-」はまだ未読です。 ◇2022年12月前半の読書と感想、書評(レンブラントをとり返せ) 内容的にはそれぞれ独自の展開なので、前作を読まないとまったく意味不明というわけではありませんが、物語の登場人物が連続しているので、順番に読んでいくのが正解です。しかし今回は2作目は飛ばして3作目を先に読むことになりました。 第1作目以来ずっと刑事の主人公を悩ます悪人は今回は脇役で、本作では麻薬の大物ディーラーと、主人公の刑事と同期で華々しい実績を上げている裏で私腹を肥やしている腐敗警官の二人との戦いがメインとなります。 主人公は日本では滅多に見られないおとり捜査を専門とする部署で、麻薬王を捕まえ、また腐敗警官の所業の証拠をつかみ二人とも裁判にかけられます。 しかし裁判では悪役に味方し、証拠をねつ造することもいとわない辣腕弁護士が今回も登場し、裁判所での法廷ドラマが物語の半分を占めます。 著者の小説の多くは、ミステリー的な要素はなく、善悪をハッキリと分けた上で、頭脳戦や偶然の運・不運により裁判の結果が二転三転して読者をドキドキさせるというスタイルを取っています。 そういう意味では、最後は黄門様が登場して解決する勧善懲悪ドラマと同じで、安心して読めますが、ちょっとその展開にも飽きてきたのが実感です。 そして一番の悪人は逃げ切って、次回作以降にも主人公を悩ますことになりそうです。引き続きこのシリーズを読むかどうかはちょっと微妙です。 ★★☆ ◇著者別読書感想(ジェフリー・アーチャー) |
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ふなうた 短篇集モザイクII(新潮文庫) 三浦哲郎 著者は元々短編小説やエッセイの名手ですが、文庫ベースで、1篇あたり10数ページという短篇の中でも短い作品の中で、それぞれが起承転結、ひとつの物語が情緒豊かに成り立っていることに驚きます。 最近の小説家には短篇が得意な人でも連作短篇という形式が多く、その場合は前に出てきた登場人物の性格や説明を省け、一種中編や長編小説的に物語が展開できます。 しかしこのモザイク集のように、ひとつひとつがまったく違った形状の物語をしっかりと読ませるテクニックは見事としか言いようがありません。短篇集なのに、なにか違った長編作品を一気に数本読んだような気分にさせられます。 収録されているのは、「ふなうた」、「こえ」「あわたけ」「たきび」「でんせつ」「やぶいり」「よなき」「さくらがい」「てざわり」「かえりのげた」「ブレックファ-スト」「はな・三しゅ」「ひばしら」「いれば」「ぜにまくら」「かお」「メダカ」「みのむし」の18篇で、初出はそれぞれ違いますが、文芸雑誌などに1991年(平成3年)から1994年(平成6年)に掲載された作品です。 あまりにも簡単にサクッと読めてしまうだけに、しっかりと余韻に浸る間もなく次の作品へと移ってしまい、もったいないですが、さらにまた次を読みたくなってきます。 ★★★ ◇著者別読書感想(三浦哲郎) |
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大量廃棄社会 アパレルとコンビニの不都合な真実(光文社新書) 仲村和代/藤田さつき 私自身、親の時代からずっと朝日新聞を購読して(学生時代に数年間他紙へ浮気したことはある)いますので、どちらかと言えば朝日新聞ファンでもありますが、どんな組織にも変テコなのが必ず混ざってきて、それが時に問題を起こしたりするので、敵も多いのが大手メディアの宿命でしょう。 先日読んだ、「朝日新聞の黙示録 歴史的大赤字の内幕(宝島社新書)」でも、散々な書き方がされていました。 それはさておき、本著ではアパレル業界と食品業界、特にコンビニなどの大量廃棄問題に注力した取材が行われています。 アパレルにしても食料品にしても割と国民はみな薄々とは知っていながらも、便利で安ければいいやとばかりに目をつぶってしまっているパターンではないかと思います。 私自身を振り返っても、衣料品を買ったりもらったりしても気に入らなければ簡単にゴミとして捨ててしまいますし、スーパーやコンビニで飲食品を購入するときには少しでも賞味期限の長いものを奥のほうから取り出します。 それらの陰で、本来は再利用できる衣料品や、賞味期限切れが近づいて捨てられる食料品が大量にあり、そうなってしまう仕組みの解説と、それに一石を投じる新しい仕組みや考え方が紹介されています。 ただ、高額所得のエリート社員とは違い、どうしてもお金のやりくりに苦心しながら日々の生活に汲々している庶民にとっては、安い衣料品がどこで誰の犠牲によって作られているとか、縁起物の恵方巻きや豪華なおせち料理が売れ残れば大量に廃棄されていることなどに関心がないのは当たり前のことで、それらは販売側や製造側の問題でしかありません。 高くて良いものより、安くて良いものを買うのは当たり前の心理で、賞味期限の近い食料品に関してはいくら勧められても余計なものまで買おうと思いません。 一般の人に訴求できるとしたら、値段が安くても海外製の安いEVに飛びつかず、高くても信頼が置ける国内メーカーのクルマを買ったり、安い外国製のタオルではなく、肌触りが良い国内生産のタオルが贈答用で大ヒットしたりする国内(生産)ブランド信仰をもっと浸透、普及させていくことで、食品も新鮮な地産地消が進められていくのではないでしょうか? 本文中に、衣料品が海外生産され「顔の見えない製造者」という言葉がよく出てきますが、元々消費する製品で製造者の顔が見えるものなど都会にあるはずもなく、なにか自分の言葉に酔っている?という感想も持ちました。すぐ手元にある赤鉛筆やボールペン、はさみ、パソコンなどの製造者の顔が見えますか? 本書の中には「広島のパン屋さんが、北海道の有機栽培の小麦農家から直接購入した小麦でパンを作って成功した」云々が書かれていましたが、その小口の小麦を遠く北海道から広島まで輸送する手間とエネルギー消費は相当なもので、「パンを破棄しないからそれですべてよし」というのはどうなのかなと思ってしまいました。 SDGsを言うなら、広島から世界へ輸出されている自動車の運搬船に、帰りの便ではそれぞれの地域の特産品をどっさり積み込み、広島やその周辺でそれらを使った料理や食品を作っているというのならわかりやすかったでしょう。 ★☆☆ |
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硝子の葦(新潮文庫) 桜木紫乃 主人公は、「ホテルローヤル」の経営者と結婚した女性で、その女性の母親と経営者は愛人関係にあり、また主人公はホテルの会計業務を請け負っている会計事務所の所長とずっと関係を持っているというややこしい関係があります。 言うまでもなく、著者の実家は釧路にあった「ホテルローヤル」に隣接する家で、ホテルの経営者の娘として生まれ育っていて、そうしたよく知っているラブホテルの経営などをモチーフとして使っているだけで、自伝的小説というわけではありません。 ジャンルとしてはミステリー小説と言えるもので、プロローグで主人公の女性が、厚岸(あっけし)の実家に自ら火を付け自殺したところから始まり、その主人公女性の周囲にいる様々な人とともに、なぜ女性がいきなり焼身自殺をしなければならなかったのか?どういう意味があったのか?などがクライマックスに向かって一気に露わになっていきます。 タイトルは、主人公女性が結婚後に通っていた短歌会で学んで創作した短歌をまとめ、自費出版で歌集を出すことになり、その自作の短歌に使われていたのが硝子の葦で、夫の意見でその言葉を歌集のタイトルにしたことから来ています。 同時期に読んだ辻村深月著「鍵のない夢を見る」の一部がそうでしたが、女性の暗くずる賢い計画的な犯罪が描かれていてゾッとしました。あまり現実的ではありませんが、あわれな周囲の男たちは、物語の中では単に刺身のツマに過ぎません。 ★★☆ ◇著者別読書感想(桜木紫乃) |
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四つの署名(角川文庫) コナン・ドイル ◇2013年9月前半の読書と感想、書評(緋色の研究) 今回の「四つの署名(The Sign of Four)」は、長編として上記「緋色の研究」に続く2作目で、初出は1890年頃と言われています。また日本語翻訳版では複数の出版社から出版されていてそのいずれもタイトルが少しずつ違っています。 ストーリーは、暇を持て余してコカインなどを吸引してぶらぶらしていたホームズの元へ、若い女性が「軍人でインドに駐在していた父親が所用で英国に帰ってきたらそのまま行方不明になったので探して欲しい」と相談を受けます。 しかも行方不明になって以降、不思議なことが次々と依頼人の身の回りで起き、「それらについて説明をするから来て欲しい」と、謎の相手から手紙が送られてきます。 そこで、ホームズと助手のワトソンが女性の付き添いとして出掛けていきますが、その先では不思議な殺人が起きているというストーリーです。 長編と言っても文庫本でわずか216ページという短さなのであっという間に事件は解決してしまいますが、1880年当時の東インド会社やセポイの反乱など、英国がインドなどを実効支配していた頃の話なども出てきて、歴史のお勉強にもなりそうです。 ★★☆ |
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牛の首 厳選恐怖小説集(角川ホラー文庫) 小松左京 短篇とそれより短いショートショートが計15編で構成されていて、それぞれのタイトルは 「ツウ・ペア」「安置所の碁打ち」「十一人」「怨霊の国」「飢えた宇宙」「白い部屋」「猫の首」「黒いクレジット・カード」「空飛ぶ窓」「牛の首」「ハイネックの女」「夢からの脱走」「沼」「葎生の宿」「生きている穴」です。 各作品の初出は、1964年(昭和39年)から、一番新しいものでも1978年(昭和53年)で、小説雑誌やスポーツ新聞などに掲載されていたものです。本著文庫本は2022年に発刊されています。 印象に残った作品として「飢えた宇宙」と「夢からの脱走」の2作を挙げておきます。 「飢えた宇宙」は太陽系を超え、あと10年はかかるアルファ・ケンタウリを目指している宇宙船の中で搭乗員がひとりずつ消えていなくなる事件が発生します。また積み込まれていたはずの食糧がほとんどないことも発覚し、残った搭乗員はこのままでは餓死すると絶望感に陥ります。 食糧がほとんど積み込まれなかったのは。実は人間だと寿命があり、さらに大量の食糧を積み込む必要があるので、それを一気に解決する策として、少しの血漿さえあれば不老不死のドラキュラを眠らせて密かに乗せておき、目覚めてからは搭乗員の血を吸って、、、 「夢からの脱走」は、2つのパラレルワールドを行ったり来たりする男の物語で、平和な世界で妻と子供がいるサラリーマンが、あるとき、最初は夢の中と思っていた現代の戦争に巻き込まれていて、戦闘員として戦っている自分が交互に現れてきます。それを夢と思っていたら、、、 と、まぁ、ユニークな発想が素晴らしいというか、今から50~60年ほど前に書かれた作品ですけど、十分に楽しめます。 ★★☆ ◇著者別読書感想(小松左京) |
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残酷な進化論 なぜ「私たち」は「不完全」なのか(NHK出版新書) 更科功 個人的にはあまり関心がない「進化論」や「人類史」「人体」の話ですが、常識と思っていたようなことが次々と覆される快感は捨てがたいです。 例えば、人の眼は生物の中ではもっとも進んだ視覚装置と思っている人が多いと思いますが、人が「鳥目」と夜盲症を揶揄しますが、実は鳥の中でも鷹や鷲の目は人間のそれよりも優れているとか、チンパンジーの手よりも人間の手の方が原始的で進化していない形状だったりします。 結果的にはそれが小さな物をつかむときなどでは有利で道具をうまく使いこなせたわけですが、比較的安全な森の中の木の上で生活するために類人猿の手からチンパンジーの手は進化してきたようです。 話は生物の進化だけではなく、原始的な細菌の話や、心臓や肺の進化の様子など面白く読めます。 数万年後には、どんな進化した生物(人間とは限らない)が地球上で繁栄しているのかをぼんやりと考え、創造力たくましくなります。 ★★☆ |
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盤上の夜(創元SF文庫) 宮内悠介 そして今回読んだ実質デビュー作が、直木賞候補(落選、その時受賞したのは辻村深月著『鍵のない夢を見る』)になり、日本SF大賞を受賞しました。 収録されている短篇のタイトルは、「盤上の夜」「人間の王」「清められた卓」「象を飛ばした王子」「千年の虚空」「原爆の局」の6篇で、最初の「盤上の夜」と最後の「原爆の局」の2作は連作で囲碁がテーマ、「人間の王」はチェッカー、「清められた卓」は麻雀、「象を飛ばした王子」は古代インド発祥で将棋やチェスの起源と言われているチャトランガ、「千年の虚空」は将棋をそれぞれテーマとしています。 盤上ゲームをテーマにした作品は数多くありますが、それは将棋なら将棋、麻雀なら麻雀だけで、この短篇集のように、時代や場所がそれぞれ違う中で、扱うテーマも違っているというのは珍しいです。 しかしなぜか盤上ゲームの中でも世界の競技人口が多いトップ3のトランプやチェス、オセロがこの中には入っていません。ま、どのゲームを入れるかは著者の自由ですけど。 個人的にはギャンブル性のあるゲームは苦手で、遊ぶことはあっても強くはないので、あまり詳しくもなければ興味もありません。 それだけになにか読んでいても、ゲーム独自の専門用語などがビシビシと出てきて、それらは意味不明で、読み飛ばすしかありません。なにか「わかるヤツだけわかればいいのさ」というような身勝手さが感じられます。 こうした盤上ゲームは元々が賭け事から発展していることから仕方がないですが、内容的にはアングラ的というか暗いものが多く、登場人物が熱くなっていくのと反比例して、読者(私個人のこと)は冷めていくような感じでした。 でもいろいろと知らなかった知識や雑学が得られたのは良かったです。 ★★☆ |
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