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「パナソニックは今回発表した6カテゴリーと、先行して発売済みの炊飯器、電子レンジとを併せ、8カテゴリーのスマホ連携機能付き製品を「スマート家電」と名付けてシリーズ化する。14年度にかけて、対応カテゴリーを倍増させる方針だ。」
「まさにスマート!洗濯機や冷蔵庫といった生活家電。年を追うごとにどんどん高機能になってきていますが、ついにスマートフォンと連動する日がやってきました。」
「パナのスマホ家電の未来感がヤバイ! 外からスマホでエアコンオン」
まさにスマホ家電が日本の製造業を復活させるかのような記事のタイトルですが、果たしてスマホと家電製品との連携内容とはいったい、、、
例えば洗濯機では、利用者が普段使っている洗剤の商品名をスマホで選択し、洗濯機の読み取り部にスマホをタッチする。こうすると、次回以降の洗濯時に、その洗剤の投入量がより正確に表示される。従来は、一般的な洗剤を使用した場合の目安量を表示するのみで、利用者が個々の洗剤の説明書と照らし合わせて投入量を調整する必要があった。またエアコンは、外出時にスマホを使って運転状況を確認でき、必要に応じてオン/オフや温度調整といった操作が可能だ。 |
洗濯時に洗濯機に投入する洗剤の分量を、スマホに頼り細かな単位まで量って入れる必要がある人ってどれほどいるのでしょう。
同じ重量の洗濯物を洗うときでもその汚れ方や繊維の種類で、目分量でパッパと入れる人がほとんどではないでしょうか?汚れ方や洗濯の分量まで見分けてくれるはずもないスマホに頼る必要が本当にありますか?
また省エネや節電意識の高まりから外出時はエアコンを切って出掛けるべきで、不在時に運転状況を確認したり、温度調節をする必要がいったいどこにあるのでしょう?まさか赤ちゃんを一人で寝かしておいて自分だけ外出するための機能?だとしたらそれはそれでマズイでしょう。
節電には興味がなく、家に帰ったらすっかり涼しく(暖かく)なっていないと嫌だというのなら、それはどんな廉価版のエアコンにも標準で付いているタイマーでほとんどの場合は解決します。
また消し忘れを防止するならば、人感センサーを付ければ、一定時間人がいないと判断したら自動で停めてくれるほうがずっと役立ちそうです。
冷蔵庫では、読み取り部にスマホをタッチすると、省エネ運転していた時間やドアの開閉回数などをスマホの画面でグラフ表示できる。同様にエアコンや炊飯器、電子レンジでは電気代のチェックが可能だ。製品の故障時には、エラー情報を読み取って詳細な故障内容と復旧方法をスマホの画面で表示したり、簡単なボタン操作で同社のサポートセンターに電話したりできるという。 |
あきれかえってもうなにも言葉が出てきませんが、世の中の普通の人は、こういうドアの開閉回数や日常使用する家電品の電気代のチェック機能などを考えつく大メーカーの人ほど暇人だと思っているのでしょうか?
「故障時に簡単なボタン操作でサポートセンターにつながる」っていうけれど、壊れたら普通にサービスセンターか買った店に電話すればいいでしょう?それにいったいどれほどの手間と時間がかかるのでしょう?
「製品の故障時には、エラー情報を読み取って詳細な故障内容と復旧方法をスマホの画面で表示」も、家電製品が短期間でそう何度も故障されては困りますし、おそらくどこが故障したかはちょっと見てわからなければそれを自動検知でわかるとも思えず、多くの場合「サービスに連絡してください」と表示されることになるのでしょう。
PCや高級車に組み込まれる不具合の自動検知を見ても、正確な不具合箇所の検知率は決して高いとは言えません。
逆にこういう複雑な機構を組み込むことで新たに起きる故障や不具合のほうがずっと心配です。構造がシンプルなほど壊れにくいというのは工業製品の鉄則なのです。
これらの不要な機能を追加するために、メーカーはどれほどの無駄なコストと時間を使い、それがどのぐらい市販価格に転嫁されるのでしょうか?
韓国や中国、台湾の後発の家電メーカーに、世界中のマーケットを次々と食われている現状が、単に労働コストのせいにする日本の大メーカー様にはまだまったく理解できていないようです。
しかもこういうアホなことを自慢げにプレス発表するのが、隙間を狙ったベンチャー企業ならまだ理解もできますが、押しも押されぬ大メーカーのパナソニックだということが、日本の製造業の病巣の深さを感じてしまいます。
シャープもつい数年前までは地デジ化特需のおかげで勢いがあったのですが、それが収束すると一気にダメになってしまいました。
この話を聞いてふと思い出したのが、1990年代に経営危機に陥った日産自動車で、危機に陥る数年前に同じようなことが起きていました。
1980年に発売された日産の初代レパードはトヨタの元祖ハイソカーのソアラに対抗し高級志向が売り物でした。ちょうどその頃から日産の物作りが「基本性能技術」から「小手先だけの技術」へと変わってきていて、おかしくなり始めていました。
それを象徴するかのようにその初代レパードには数々の世界初、日本初、業界初の新機能を盛り込みながらも、肝心のエンジンやミッションは使い古された時代遅れのもので、当然販売成績はソアラには遠く及びませんでした。
さらに「世界初!ワイパー付きフェンダーミラー!」なんてものを誇らしげに宣伝していたのにはもう笑うしかありませんでした。
今ではタクシーぐらいでしか見ることがなくなった小さな小さなフェンダーミラーに、これまた玩具のような小さなワイパーがコキコキと動く姿を見て、多くの人が「もう『技術の日産』は死んでしまった」と感じたでしょう。
幸い日産はその後ルノーに救済され、送り込まれたポルシェが大好きな年収10億円のフランス人経営者の手によって見事に復活しましたが、すでに日本メーカーとは思えなくなっています。
なにか今回のスマート家電は、その時の「ワイパー付きフェンダーミラー」の臭いと同じような気がします。
もちろん今のスマート家電からもっと発展し、今後役に立つ素晴らしい機能が生まれるのかもしれませんが、少なくとも現在の利用法は完全に間違っています。
日産が救済されて復活したように、数年後、パナソニックを救済してくれる外国企業が現れるのでしょうか?こういうことをやっていたのでは、NECやシャープに続いて経営危機に陥るのではないかと心配です。
先行発売した電子レンジと炊飯器では、50~60歳代の利用者の比率が全体の2割に達した。当社の予想を上回る比率で、幅広い利用者にスマート家電を使ってもらえることが分かった(中島本部長) |
50代以上の人が小さな文字で見づらいスマホを有効に使っているとはとても思えません。タブレットなら多少は可能性あるでしょうけど、50代ならタブレットではなくまだPCが主体のハズです。スマホ家電が本来役立つのはおそらく20代30代の独身者で、50代以上をターゲットの中に含めるのは間違っています。
そして50~60歳代と言えば団塊世代を含む比較的富裕層で、しかも新しいモノ好きの人達ですから、新製品が出ればそれは買うでしょう。若者向きの比較的安い新型スポーツカーでもその層だけで3割以上を占めているのです。
日本全体の消費支出の44%は60歳以上(第一生命経済研究所調べ)なのです。それなのに50代60代がたった2割で予想を上回るとはどんなマーケティングをやっているのか不思議です。
それと売れたというのは「壊れたから買いに行った」けど、今まで使っていた「ナショナル(現パナソニック)製品なら安心」という50代以上にはまだ残っている松下神話と、少しでも高価なモノを売りたい家電量販店員に「売れ筋と勧められた」からに他なりません。
決して「スマート家電が気に入った!」と買った人は多くないと思いますよ。そんなことは調査せずともわかりそうなものですが、長く大メーカーの中でふんぞり返っている人にはわからないのかも知れません。
おそらくこのプレス発表を聞いた記者の多くは、内心では「大企業病もここまできたか」「日本の製造業がダメになるわけだよ」と思って話しを聞いていたのでしょう。
しかしこれらの大企業がマスメディアに使う広告宣伝費は、かつて原発の悪口を書かせぬよう広告費と接待費をマスコミにばらまいていた電力会社以上で、決して本心や疑問を正直に記事に書くようなことはできません。
私が過去に買った家電で高付加価値を認めたのは東芝のエアコンで、標準的なエアコンにプラスして吸排気空調機能付きのものを選んだことがあります。
これは外気と内気を吸排気することができ、普段閉めきっていた部屋でも、湿気防止や結露防止などに役立ちました。
取り付けに来た電気工事業者の人と雑談をした時「取り付けは少し面倒だけど、おたくさんはいい買い物したね」と言われました。
当時小型のエアコンで本格的に吸排気ができるエアコンはダイキンと東芝だけしかなく、「他のメーカーにも吸排気機能をオマケ的に付けた製品があるけど、容量が小さすぎて実際には使い物にはならない」と言ってました。
上記のエアコンは別として私が家電製品を選ぶときは、普及品の標準的な製品だけですが、それは本来生活家電製品に求められる一番重要なこと「壊れない」と「もし壊れてもすぐに交換部品が手に入り、特殊な専門家でなくてもどこにでもいる電気屋さんで修理が出来る」ことなのです。
引っ越しが好きな人でなければ、普通は1カ所に10年20年住み続けることは珍しくありません。また引っ越ししても家電製品の多くはそのまま使い続けることが多く、使い慣れた家電製品を長く使いたいと思うのが普通の感覚です。
冷蔵庫や洗濯機、エアコンなどは本来故障なしで最低でも10年、できれば15年(本当言えば20年)は使いたいものです。まだ登場して5年も経たないスマートフォンが10年後、20年後にどうなっているか想像ができるでしょうか?
そして家電の買い換えは、「壊れた」という理由ではなく「古いので電気消費量が大きくて」「古くて保守交換部品がなくなってしまい」「新居に取り付けるにはサイズや色が合わないので」という理由で買い換えたいものです。
「スマホを変えたので家電を買い換えよう」なんてのは本末転倒です。いまのスマホ家電はそうなる可能性も秘めています。
Panasonicとしては同社のスマホユーザーを増やしたいという考えがあるのかも知れませんが、それだって怪しいものです。移り変わりや流行廃りの激しいスマホ本体やそのOS、アプリが、10年20年と大きく変化せずにいられるでしょうか。
このようなメーカーだけが自己満足し、単なるおためごかしに終始する報道があるたびに、今後の日本製造業の将来は限りなく闇に閉ざされ暗澹とした気分に陥ってしまいます。
最後にボロクソに書いてしまいましたが私自身は昔は松下電器のファンで、以前は家電のほとんどを松下製で揃えていた時期がありました。
しかしこれを書いていてふと気がついたのですが、残念ながらここ十数年は旧松下電工製の電気シェーバーを除き、松下電器(Panasonic)製の製品を買った記憶がありません。
意図したわけではないのですが、冷蔵庫も洗濯機もテレビもDVDプレーヤー(旧VTRプレーヤー)も電子レンジもエアコンも炊飯器も掃除機もアイロンもFAX付き電話機もすべて松下電器製から他のメーカーの製品に変わってしまいました。
とはいえ日本で一番信頼ができる(と思っていた)ブランドPanasonicにはつまらない流行に左右されることなく、本来の家電メーカーの役目(シンプルかつ誰でも簡単で使いやすく壊れない)に立ち戻ってもらいその重要な責務を果たしてもらいたいものです。
それが松下幸之助氏の信条でもあったように思うのですが。
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おやじの主張(リストラ天国 日記INDEX)
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英語か、英語ね、そう英語なんですよ。いまや小学校から授業が始まり、子供が物怖じせず普通に話し始めているという噂の英語ですが、おおよそ50歳以上の人にとっては、ごく一部の人を除き、緊張もせず流ちょうな会話ができる人は稀でしょう。
「いやいやそうでもないですよ」というのはそれは外資系企業勤務や海外留学生、長期の海外勤務経験者、40年前にはまだ数少ない帰国子女など特種な環境下にいた人やそのグループのことで、決してその世代の多数派でないことは確かです。
[ビジネスメディア誠] 英語、話したいけど話せない……そのワケは?
もちろんグローバリゼーション、国際化と言われて30年ぐらいは経ちますので、仕事の都合上必要に迫られてマスターしたよという人の話しもよく聞きますし、通勤電車の中で英語を勉強している人もよく目にします。
また会社が外資系に買収されたり関係が深くなって嫌でも英語を使わざるを得なくなった人、ベンチャー企業のカリスマ経営者の元、多様な国籍の社員が参加する会議で必要とか、課長以上になるためにはTOEICが最低でも750点はないとダメとか、まぁいろいろと試行錯誤していることは理解してます。
言っておきますが私は自慢じゃないけど英語はからっきしです。何度か学ぶ絶好の機会はあったのですが、そりゃ、もう恥ずかしいぐらい身につかず喋ることができません。
なぜ英語というか外国語が苦手かと私なりに理解できたのは、語学というのはまず音感を素直に聞き取れることが肝心。それができないとうまく聞き分けられないし、微妙な発音など真似しようとしてもできません。つまり音感的な才能がまるでない私には、外国語をマスターするというのは苦手であり無理とあきらめました。
なので、英語が普通にできる人でそれを自慢したり鼻にかけない人であればそれは私にとっては尊敬に値します。でも大概は英語が達者だとすぐそれを自慢する系の人が多くて閉口です。
一応数ヶ月ですが海外(といっても東南アジア)勤務をしたことがありますが、相手が英語で喋ってくると日常の定型会話以外はほとんど理解ができず、ビジネスの上でたいへん苦労しました。嫌みな日本人は日本人相手でもわざわざ英語で話してきます。
ま、その時は現地日本人と話しをする仕事が多かったのと、昔のことなので東南アジアには日本語が理解できる現地の年配者もいたりと、どうにかなったのですが、もし自由に英語が操れると、もっと会社に貢献できたでしょうし、自分自身も違った経験ができたのではと至極残念でした。
ビジネス界から引退するまであと10年となった私のことなどどうでもいいのですが、これからのビジネスマンにとってはもう英語は切っても切れなくなってきています。すでに社会に出ていると、忙しい業務の合間で英語を学ばなくてはならないし、部下や上司、顧客が外国人ということは普通に起きてきます。
ただそれは私が勝手に「大変」と思っているだけで、現に英語が飛び交う中で働いている人にとっては、それが普通で別にたいへんだとは思っていないのかもしれません。どうなんでしょう。要は習慣というか慣れなのかな。
会議の前に読んでおくべき書類が英語だったり、英語の業務マニュアルだったり、複雑な話しの交渉相手が外国人だったりと、あらゆる局面で英語と関わらざるを得ません。多くの製造業やサービス業が外国へ進出し、今までは外国人との交渉は商社や貿易商のスペシャリストに任せておけばよかったものが、いまではそうもいきません。
これは今まで言語の違う異国に一度も支配されたことがないという長い日本の歴史の中で、初めて襲うカルチャーショックではないでしょうか。いや大げさではなく。普段の生活においても、例えば買った商品の取扱説明が、英語で書かれているものしかなかった、なんてことがすでに起きています。
邪馬台国へ中国から遣いがやってきても、オランダやポルトガルと通商条約を結んでも、ペルーが開国を迫ってきたときも、日清戦争後欧米列強国の仲間入りをしたときも、敗戦で大挙して進駐軍がやってきても、大部分の国民は外国語を覚えなくてもなにも支障はありませんでした。
つまり普通に国内で生活する上で、日本語以外の言葉を覚える必然性が日本の歴史上一度もなかったのです。日本人が外国語が苦手な理由に、そういった歴史的背景を言う人もいます。
それがここ数年のあいだにガラッと変わってきて、英語が使えないとまともな職につけないようになってきました。次に勤務先が海外に拠点を置いたり、外国の取引先が増えて、自然と社員に英語力が求められるようになってきました。ITやネットワークの世界では最新の情報を得るためも英語力は必須です。
もはやビジネスの場においては英語ができないというだけで、これからは様々な場面で疎外感を味わうことになりそうです。
いやはや私には無理だけど、今の若い人の多くは、それを苦痛とは感じないのでしょうか?もしそうであればいいのですけど。
【参考】
TOEIC(R)Testスコアを求める企業(1ランク上をめざそう!TOEIC(R)Test CLUB)
TOEICを導入している代表的な企業
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社会人になってから相当長い間営業の仕事に就いていました。そこでは様々な経験や努力をして、自分なりに営業を極めたと思っていますが、そうは言っても時代によって変化してきますし、いろいろと奥は深いものです。
一口に営業と言っても、B2B(企業向け)とB2C(一般ユーザー向け)の違い、製品を売るのと目に見えないソフトやサービスを売る違い、圧倒的に知名度がある人気商品を売るのと、まだ誰もが知らない新しい商品を売るのでは、その手段や方法は大きく違ってきます。
過去には何人かの研修コンサルタントによる営業ノウハウや理論なども学び、その中でも生かせそうなこともあれば、全然ダメなこともありました。結局自分に向いた営業スタイルは自分で作っていくしかないのだということです。
そしてある程度の実績ができると、今度は人に指導する立場になってきます。その時は自分がやってきたこと、考えてきたこと、失敗したことを中心に教え「最初のうちは物真似でいいから仕事を覚え、そのあと自分で考えて自分のスタイルを作るように」と指導してきました。
山本五十六の「やってみせ 言って聞かせて させてみて ほめてやらねば 人は動かじ」は人を動かすマネジメントの極意だと信じていますが、とにかく自分の背中を見せることが大事です。
しかしいつの頃か、世間一般でそうした実地研修やOJTよりも、やたらと理論や合理性を優先する風潮になってきて、自分もそれに流されてきたように思います。
私が新入社員の頃、先輩から「営業マンはいつでもどんなものにでもアンテナを張り巡らせておかなければならない」と言われ、それは今でも確かにその通りだと信じています。
つまり自分が売る商品の知識だけあればそれでモノが売れるわけではなく、誰とどんな話題にでも共通の話しができて、それをどうすれば自分の商品やサービスにつなげていくかを年中考えておく必要があるということです。
そのためには新聞や雑誌を読み、移動中も駅や電車内の広告、歩いている人のファッション、売れている本や商品など常に気に留めるよう心掛けてきました。
知識としては深くなくてもいいから、多くのことに興味や疑問を持って頭に入れておくことが大事なのです。
若い人には「そんな古くさい営業なんか」と一笑に付されてしまいそうですが、昨今の若者の「コミュニケーション能力低下」や「対人恐怖」「人間関係によるうつ病」などは、結局は年齢や性別に関係なく誰とでも共通の話題でうまく会話ができないので起きているのではないでしょうか。
「自分の好きなことや興味のあることには詳しいけれど、他のことには全然興味がない」というのは、その同好者同士であれば盛り上がれるのに、それ以外の話題にはついていけないということです。
しかし社会に出ると、同好の人に出会うことなどほぼ皆無で、若い人なら多くの場合は自分の父親や母親ぐらいの人と話をする機会が多く、そこではなかなか共通の話題が思い浮かばず、せっかくのチャンスを失ってしまうことが多いのです。
営業職であれば、お客様が自分の話しに合わしてくれるハズもなく、自分が相手に合わせるしかありません。自分には興味がなくても相手が年配者であれば、プロ野球のことや将棋、ゴルフの話題も多少なり知っておく必要があるのです。
最初のうちは、なかなかそれができなくて、ある年配のお客さんから「あなたは来るといつも仕事の話ししかしないね」と、笑いながら、しかしたぶん「それでは長いつきあいができないよ」と暗に教えられたことがありました。
いくら論理的な説明で立派なプレゼンテーションができても、会うたびに「買ってくれ」「買うべきだ」だけでは客はうんざりして失望するでしょう。
ところが、相手のネクタイの柄を見て「あれ?よくみるとネクタイの柄が将棋の駒のようですが、お好きなんですか?」と言うことができ、それで相手の顔がパッと明るくなり「いやぁこれでもアマチュアの大会に出場していてね」と話しが進み、そうなればもうビジネスの8~9割が終わったようなものです。
おそらく若い人はそんなの嘘だと思うでしょうけど、できる営業のノウハウっていうのはそういうものなんです。
ミッキーマウスのネクタイやスカーフなら多くの人が気づくことができるでしょうけど、それがもっとレアな盲導犬協会のマークだったり、Harvard大学のネクタイだったり、乗馬連盟のブレザーボタンだったとしても、その話題に飛びつけるのと、普通に見逃してしまうのとでは営業としての成功率は大幅に違ってきます。
次に、初級の営業・販売マニュアルには「相手の気持ちになって考えればモノは売れる」と書いてあるのを見て、私もずっとそのように思ってきました。しかしそれにはちょっと誤解がありました。
「相手の気持ちになった」だけでは「相手が断る理由」ばかりを頭に思い描いてしまい、営業手法も「断りにくい小手先の手法やテクニック」をメインに考えてしまいがちです。そうではなくて、肝心なことは「自分ならどう言われると買いたくなるか?」「双方が得する方法はないか?」なのです。
「それって当たり前のことじゃないか」って?
ところが断り続けられると、どうしても「相手が断る理由」を中心に対策を考えてしまうようになるのです。なにもしなくても10件中9件が成約する営業ならばそう考える必要はないのかも知れませんが、そんなのはあり得ません。
つまり自分なら「どう提案されると欲しくなるか」「どういうメリットがあれば買うか」を考えて商談する必要があります。これは理論や方程式で「こうだからこうで」と割り切れるものではありません。なぜなら相手の立場(決定権)、要求度、知識、資金力など人によって千差万別だからです。
だから最初にビジネス以外の情報交換や世間話をしながら、相手の周辺環境を調べてから、話しを切り出す必要があるのです。それには最初に出た「誰とでもうまく合わせられ、相手に気に入ってもらうことができるコミュニケーション能力」が必要だと言うことです。
最近は自動販売機やネットでものを買ったりして、相手と交渉する機会が減ってきました。コンビニでもレストランでもマニュアルに沿った会話だけで、心のこもった相手に響くような挨拶や礼儀は少なくなってきました。
そこで上記のような当たり前そうで、実はほとんどの人ができない技術を鍛えておくと、営業職だけでなく、様々なところでその能力は生かされること間違いありません。
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先般NHKのニュースウォッチ9で「職場バーは効果的?若手の離職をこう防ぐ」の特集がありました。番組の内容は、若者が次々と会社を辞めていく現状と、それに対する企業の取り組みが紹介されていました。
そしてその特集が終わった後、大越健介キャスターが「誤解を恐れず言うならば、若者にはもう少し辛抱強くなって欲しい」というコメントがありました。
その発言のすぐ後、番組でコンビを組んでいる井上あさひアナウンサーが少し慌てた様子で「でもこの問題は若者ではなく採用する側にあるのでは」とフォロー?をしていましたが、いずれにしても公平性、公共性を大事にするNHKの放送で、世間(=視聴者)を敵に回す可能性もある発言をニュースキャスター(NHK職員)が言ったことに驚きました。
51歳の大越キャスターと31歳の井上あさひアナウンサーでは、年代間による考え方の違いがハッキリわかるのやりとりでしたが、私は当然大越氏と年齢が近いこともあり、彼の言いたいことはたいへんよくわかります。
大越氏や私が新入社員だった頃の若い人に対する教育は、現在のそれとは大きく違っていますが、その中でも特に変わってきたのは「会社への忠誠心」や「転職の意識」なのでしょう。「忠誠心」というと大げさに聞こえますが、いわゆる終身雇用が当たり前だった時代には、例え会社が嫌いでも、そこに忠誠を尽くすしかなかったのです。
団塊世代を含みその後しばらくは「転職は悪」「転職は損」という観念がまだ強くありました。つまり「終身雇用が善で得」という価値観が支配していました。
企業側も終身雇用する代わりに、若いときは見習い感覚で、薄給で我慢させ、会社への忠誠心を養い、年功序列のピラミッド型の上意下達の組織運営を進めてきました。また将来の幹部候補者を中途採用で入れるような会社は見あたりませんでした。新卒で入ってその会社に一番馴染んだ人だけが将来の幹部となり、一度入った会社を途中で辞めて転職する人は信用ができないという考え方です。
つまり新入社員は大昔から続く丁稚奉公とと同じように、何を言われてもジッと我慢して、先輩の真似をするところから少しずつ覚えていき、10年以上かけて一人前になるというのが普通の考え方だったのです。
いま同じことをしても「なぜそれをやらなければいけないのですか?」「そんなの無理です、できません」「もっとちゃんと教えてくれないとわけわかりません」など無知と理屈と正論で反撃されてしまいます。
そして配属された部署の「仕事がつまらない」、「上司が気に入らない」、「今の仕事には将来性がない」と、スパッと会社を辞めて転職してしまいます。そういう1~3年で辞めて転職する人の受け皿として「第二新卒市場」がすでにできあがっているからです。
なので、上記の大越キャスターのボヤキなど50代の職業観は現代ではもう通用しないのは明らかで、言っても仕方がありません。
また辞めたい人を引き留めようとする企業も実は本音のところでは微妙で、一度「辞める」と言った人が会社の説得に応じ、配置転換などして一時的には踏みとどまったとしても、その後近いうちに結局は辞めてしまう確率は相当に高いのが現実です。
退職希望者にそのような努力をするぐらいなら「辞めたいならばお好きにどうぞ」としてしまうのが、冷たいようですがお互いに無駄な労力と時間を使わずに済みそうです。
唯一若者の離職を防ぐ効果的な方法は、30代の一番脂がのった社員を会社のトップや幹部に登用し、経営を任せることです。そして当然報酬や給料もその頃が一番高くなります。ベンチャー企業ならすでにやっていることです。
30代のリーダーなら20代の若者とも感性が近く、共感が得られ、すぐ近くに目標とすべき人ができ、若者の離職が防げることでしょう。そして40代、50代の社員は、30代の幹部の部下として配置をします。40代以上ならそうしたところで自ら率先して辞めていく人は少ないでしょうからその心配は不要です。
いずれにしても会社というのは大海に乗り出した船のようなもので、乗員それぞれには役割があります。遠くへ船出してしまってからチームワークを乱し、特別扱いをしでも残ってもらうより、まだ陸に近いところにいる間にさっさと降りてもらったほうが、お互いの利益になるのではないでしょうか。
だから、一定の比率(およそ4~5割)以内であれば、若手の離職をあらためて防ぐ必要などなく、逆に引き留めのコストと手間をかけず、戦力ダウンを防ぐため、通年採用をやっていくのがずっと前向きです。
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11月下旬の日経新聞(夕刊)に下記のような記事が掲載されました。
40代惑いの10年「自分がここまで無価値とは」、転職で想定外の苦戦 2011/11/28 日本経済新聞 |
この記事では、1980年代後半のバブル期に新卒入社した現在40代の人達が、業績悪化などにより会社を追われたり、退職を決意せざるを得なくなったりし、その後の厳しい雇用環境の中で転職に苦労をしているという内容の記事です。
そう、87年頃から91年まで続いたバブル景気は今から考えると異常な社会現象でしたが、その頃はこのまま日本経済は世界に君臨し続け不滅であるとほとんどの人は信じて疑いませんでした。名だたる経済評論家でさえ「株や土地を買わないのはバカだ」とまで言っていた時代です。
そのバブル時期に新卒が企業から内定をもらうと、内定者拘束と言って内定式の日の前後には他社へ行かせないため海外旅行へ連れていくところも数多くありました。内定してロサンゼルスへ拘束の豪遊旅行させてもらっておきながら、結局卒業できずに入社を辞退し、翌年別の企業へ入社した人も直接知っています。そう言うことがあっても学生、企業とも笑い話にできる異常さでもありました。
その頃入社した人は、一部の超人気企業を除き就職に苦労ということはなく、ある一定の大学出身者であれば、希望さえすればどこへでも就職が可能でした(もちろん大学によってランクは付きましたが)。
それから20年。いま40代になったバブル入社組の人達は、その頃大量に新卒採用されたということもあって、企業の中では先輩後輩達から冷ややかに見られてしまう立場になってしまったようです。
記事の中にも「業績が急速に悪化した会社が昨年、40歳以上の正社員を対象にリストラを断行し、自身も上司から退職を促された。」とあります。しかしリストラされるのは決して40代が多いというわけではなく、総務省の「労働力調査」では「会社倒産・事業所閉鎖」「人員整理・勧奨退職」によって離職した数は、30代16万人、40代18万人、50代18万人(2010年調査)と各年代層で大きくは違いません。
じゃぁなぜ40代が特に転職で苦戦をするのかと言うと記事には「この年代は同期生が多く管理職ポストの不足もあり経験が不足している」ということのようです。確かに一般的に40代の転職で企業から一番求められるのは、管理職としてのマネジメント能力と経験でしょう。
それに女性の場合、中小企業には女性管理職が少なく、受け入れに抵抗感のある中小零細企業がその年代での転職は非常に不利であると言うことです。日経の小見出しには「他世代に比べかすむ魅力」とまで書かれています。
さらに記事では英語が堪能な40歳代が、外資系企業ならどこかすぐ決まるだろうとタカをくくっていたら、3カ国語を使う30代の求職者も最近は珍しくはないと知り愕然としたという話しが出ています。絶えず厳しい競争にさらされてキャリアアップをしてきた30代と比較し、40代は今までぬるま湯につかってきたいうことのようです。
企業としては本当は若くて健康で将来有望な人が欲しいのですが、中小企業やベンチャー企業は長期間かけて社員を育てていくだけの余裕がないので、組織や事業を拡大していく際にはやむを得ず経験豊富な40代の人材を中途で採用する傾向があります。
そのため一般的に30半ばを過ぎてからの転職は、それまで勤めていた企業より小規模の企業へ行くことになります。ところが40代になっても管理職でなかったり、マネジメント経験が短かったりすると、書類の段階で除かれてしまいます。
また大手企業ではかなり女性活用と男女平等が進んだと言っても、中小零細ではまだ性差別は歴然と残っています。社内に女性管理職がいないのに、いくら有能であっても女性管理職を新たに外部から採用しようと思わないでしょう。それに単に補助的な事務やアシスタントであれば、なにも40代以上の人を採用はしません。
さらに、一般的な40代というのは子供が少し大きくなり、住宅の取得や、子供の教育費がかなりかかってくる時期と重なります。同時に健康的にも無理がきかなくなり、環境適応力や体力が落ちていくので、経験以外で20代30代と勝負しようとするのは無理があります。つまり本来ならば余程の特殊技能があるとか、自信がなければ軽々しく転職をする年代ではないのです。
でも実際にリストラや倒産に遭い、転職せざるを得なくなった場合どうすればいいんだ?
これは記事には書かれていませんが、私が言えるのは、とにかく見栄やプライドを捨て、できるだけ長く会社にしがみつき、会社に在籍したまま転職活動を始め、次の仕事が決まってから辞表を出すぐらいの厚かましさが絶対に必要です。
ましてしばらく雇用保険(最大なら300日給料の5~7割ほどがもらえますが、国民年金や健康保険料、転職活動の出費など予想以上に経費がかかり、それに1年以内に転職先が決まる保証はどこにもありません)をもらい、しばらくゆっくりしてから再就職活動しようなんてのんきな事を考えていると破滅しかねません。
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