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2020年 令和2年 明けましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。

今年も昨年同様、読書ネタからのスタートです。
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12月後半の読書と感想、書評 
定年ですよ 退職前に読んでおきたいマネー教本 日経ヴェリタス編集部
ユートピア 湊かなえ
舞い降りた天皇 初代天皇「X」は、どこから来たのか(上)(下) 加治将一
堕落論 坂口安吾
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定年ですよ 退職前に読んでおきたいマネー教本 (集英社文庫)ですよ 日経ヴェリタス編集部

平均とは思えない大手企業を定年退職したばかりの男性世帯主を主人公として、老後の資金計画や年金、保険、高齢者雇用、各種制度の特例などについて解説を加えていくという、学びながら面白く?読める指南本です。

主人公は大手自動車会社で40年勤務し、ローンの支払いが済んだ一戸建て住宅、退職金3千万円、通常の2階建て厚生年金だけでなく、3階建ての企業年金もあり、65歳までは子会社で雇用延長で働ける、日本の労働者の中ではおよそ1%に満たないようなめちゃ恵まれた環境で、仙台にひとりで住む親の介護があるものの、その親には自宅と年金とさらに駐車場収入まである地主というこれまた超恵まれています。

さらに主人公の長男はこれまた大手製薬会社に就職、結婚して子供(主人公からは孫)にも恵まれています。長女は独身ですが、物語の進行中に結婚が決まり、無事挙式。

こんな恵まれた世帯はいったい日本にどれほどあるのか、さすが、エリート揃いで、高学歴・高収入ばかりが集う日本経済新聞社系列出版社の編集・出版です。

それにこの書籍を出版した日経ヴェリタスは、週刊の投資金融情報専門紙で、特にインテリで裕福な人向けのお金にまつわる雑誌ですから、このレベルに合わせているのでしょうけど、私含めて下々の人がこの本を読むと「ありえねぇー!」「こんちくしょー!」「羨ましい~!」の連続で、逆に腹が立ちますので、そういう方にはお勧めしません。私も読んでみるまでそういうことだとはつゆ知らず、、、

ちなみに私のところは、退職金はゼロ(15年ほどかけた確定拠出年金が少しばかり)、老いた親は義理の父がいますが、公営住宅に住み、時々お小遣いを送らなければならない状態、子供は就職はしたものの、給料は安くて結婚せず(できず)に実家にパラサイトしている状態。

この書籍とはなにもかも違っていて、本当にこういうモデルの人っているのか?と半信半疑です。

ま、そんなわけですから、感想と言われても「こんちくしょー」としか言いようがなく。

★☆☆

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ユートピア (集英社文庫) 湊かなえ

2008年刊の実質的なデビュー作品「告白」が大ブレークしてからすでに11年。それ以来、すっかり若手?売れっ子作家さんとして大活躍中の著者の2015年単行本、2018年文庫刊です。

その「告白」以降、計8作品を読んできましたが、その中ではまだ「告白」を上回る作品はありません(個人的感想です)。

今回小説の舞台は、海が綺麗なのどかな町で、唯一地元の産業と言える大手の水産加工会社があり、景気が良かった頃にはそこの多くの従業員などで栄えた場所。

そこへ陶芸家や絵描き、フラワーアート作家などが住み着くようになり、そこで地元民との微妙なバランスで保たれています。

町おこしの一環として、新しく来た住人達がアイデアを出して商店街フェスティバルを開催しますが、そこで新住民と旧住民との間に複雑な感情が表立ってきます。

町で過去に起きた殺人事件、女性同士の見栄の張り合い、芸術作品を有名にして世に出たいと思う欲望など、特に立場がそれぞれ違う3人の女性主人公達の感情のぶつかり合いなど、読んでいて気が重くなるばかりです。さすがイヤミスの女王様って感じ。

主人公はその3人の女性達ですが、その夫や同居人、隣人など、登場人物が結構多くて、誰が誰だったか?としょっちゅう思い出すのがたいへんでした。

そのうちドラマ化や映画化がされそうな気がしますが、その登場人物の多いことで、果たして実質1時間半の枠にその多くの登場人物をどうやって収めるのか?ってことが一番難しそうです。

最近では、リタイアした高齢者が、住宅や生活費の安い地方に移住することが増えていて、そこで起きる様々な都会から来た人と、ずっと地方に住み続けている人との感情のすれ違い、慣習や文化レベルの違いなどの話しを思い浮かべます。

なにかもっと奥深いものがあるのかと思っていたら、案外最後はパタパタと終わってしまい、ちょっと物足りない感じもしました。意外性はありましたけれど。

★★☆

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舞い降りた天皇 初代天皇「X」は、どこから来たのか (祥伝社文庫)(上)(下) 加治将一

歴史ミステリーものの小説でいろいろと物議を醸し出してきた著者の作品は、過去に「失われたミカドの秘紋」「アルトリ岬」を読んでいますが、2008年に単行本、2010年に文庫化されたこの作品が一番読みたかった作品で、天皇が変わった今年、令和元年の最後に読むのがこれです(年内に間に合ったので、もう1冊坂口安吾著「堕落論」を読みましたが)。

ずいぶんと昔になりますが、高木彬光著「古代天皇の秘密」を読んで、俄然古代天皇のことに興味がわきました。

タブーともされる古代天皇に関しては、古代史の研究論文とかあるのでしょうけど、読み物としては少なく、またフィクション小説としてでも書く以上は、様々なところから矢が飛んできても「自己責任」ということになりそうです。

本書でも触れられていますが、時の権力者は「過去の歴史を変えたがる」、正確に言えば、歴史は不変で変わらないけれど、権力者の都合が良いように事実をねじ曲げて改変し、その改変した歴史をなにかに記録しておけば、後世はそれが歴史として残っていくというもの。現代のように、ネットに長期間残っていくということもないので、書いて残した者勝ち!ってことです。

現在発見されている中では一番古い歴史書「古事記」と「日本書紀」(どちらも8世紀初頭頃)についても、その時の権力者が、過去はこうだったと事実を曲げて書かせることなど簡単なことだったでしょう。

例えば、日本に中国から文字が伝わってきたのが、諸説ありますが、1~3世紀頃だろうと言われています。

しかし初代の神武天皇が在位したのは、それより何百年も前、紀元前6世紀頃とされています。文字もない時代のまだ日本という国名も文字もなかった時に、神武天皇がいたと、上記の歴史書に残されています。

文字はなかったけど会話は当然ありその伝聞だと言っても、じゃ、その神武という文字は後世の人が勝手に名付けた後付?ってことになります。

そうやって考えると、過去の歴史書がどこまで真実が書かれているのか、すべてその時の権力者が想像して作った神話だと言っても良いかも知れません。

と、いうように、出雲、奈良、九州などを旅しながら、小説の主人公が推理をしていくというストーリーです。

ミステリーの詳細は読んでのお楽しみ、古代天皇というと難しそうですが、私のような素人にもわかりやすいように、書かれていて好感が持てます。

但し、こうした歴史ミステリー小説の常ですが、当然作者の思い込みや想像、創作なども混じり、どこまで根拠のあるlことなのかなどはわからず、読む人があれこれ想像たくましくして勝手に決めれば良いと思います。

★★☆

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堕落論 (角川文庫) 坂口安吾

終戦後間もない1946年に雑誌「新潮」に掲載され、その後、続編を経て単行本が1947年に刊行された評論及びエッセー集と言う体裁の書籍です。

意外だったのは、映画の仕事に就き、徴兵に応じず逃げ回り、戦後に多くの小説を残されていることから、もっと左翼系あるいはリベラルな作家さんだと思っていましたが、そうではなく、右にも左にも揺れ動く、現代人以上に思想的であり、感受性豊かな人だったんだなってこと。

例えば「特攻隊」に関しては、「アメリカに物量ではとうていかなわないのだから、最初から重爆など作らず特攻兵器だけ作って戦略的に投入していれば勝てたかも」と書いているかと思うと、「第40代の天武天皇以前は神話で作り話」とか、「純朴な農村」というイメージに対し「農村に文化や進歩などあるはずもなく、あるのは排他精神と疑り深い魂だけ」と言いたい放題な感じです。

古代天皇の話しでは、上記の「舞い降りた天皇 初代天皇「X」は、どこから来たのか」と並行して読んでいたので、内容に関連性があり、ちょっと混乱を引き起こしました。

しかし、どちらも、「古事記」、「日本書紀」、「三国志」の中の「魏志倭人伝」に書かれていることの信憑性の話しとなって、興味がそこの解釈に集中しています。

ただ、この「堕落論」が書かれたのは1947年以前で、「舞い降りた天皇・・」(2008年)と、同じようなテーマでも60年以上の開きがあり、その60年の間に新たに判明したり解明されたことなども数多くありますので、その違いは差し引かなければなりません。「舞い降りた天皇・・」も今から50年後に読むと、同様に事実誤認などが指摘されそうです。

残念ながら全般的には、現代人にとってはというか、私が生まれる10年以上も前に書かれた本書は、意味不明な内容も数多く出てきて、ざっくり読む派の読書ではかなり消化不良に終わってしまいました。できればリタイア後に、もう一度ゆっくりと読み返してみたい一冊です。

★★☆

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