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郵便配達は二度ベルを鳴らす (新潮文庫)(原題:The Postman Always Rings Twice) ジェームズ・M・ケイン

有名な小説で、映画化もされています。初出は1934年ということで第二次大戦の前という古い小説ですが、今読んでも細部はともかくストーリーの骨格に古くささは感じません。

著者のジェームズ・M・ケインは、1892年生まれのジャーナリストで作家。この著書が実質的なデビュー作品で、その後「殺人保険」などの作品もあります。

小説の内容と、この風変わりなタイトルとはなんの関係もありません。

ストーリーは、アメリカの地方でレストランとガソリンスタンドを経営するギリシア人とその妻の元に流れ者の男がやってきて、たまたま空きのあったガソリンスタンドの仕事を任され雇われます。

そしてすぐに欲求不満の妻と雇われた男と関係ができ、夫を殺して財産を得ようと目論みます。

1回目の犯行は失敗しますが、2回目に自動車事故を装っての犯行は成功したかと思ったら、有能な検事の追及で、犯行がバレてしまいます。

しかしその検事のライバルである有能な弁護士が、保険会社を組み、保険会社の損失を減らすことで犯行はなかったことにしてしまいます。

結果的に犯行は成功したかに思えたところ、、、というストーリーです。

小説では控えめでしたが、映画ではエロと暴力が強調されているそうで、そうした話題が先行していました。映画も1946年の制作と言うことで、太平洋戦争が終戦直後という時代から、奔放な人妻と、保険金殺人というのは大きなセンセーショナルだったでしょう。

この事件は実際に起きた事件が下敷きになっているそうですから、なおさら世間の関心を呼ぶことになりました。

★★☆

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

衆愚の果て (幻冬舎文庫) 高嶋哲夫

理工系の作家さんで、人災、天災問わずにパニック系小説が多く、比較的私の好きなジャンルです。

過去には、「イントゥルーダー」(1999年)、「ミッドナイトイーグル」(2000年)、「ペトロバグ」(2001年)、「M8」(2004年)、「FIREFLY ファイアー・フライ」(2008年)、「首都崩壊」(2014年)の6作品を読んでいます。

988 2016年12月後半の読書(首都崩壊)
588 2012年3月前半の読書(イントゥルーダー)
469 2011年1月後半の読書(ファイアー・フライ)

また、2011年の東日本大震災と原発事故をまるで予言したかのように、「メルトダウン」(2003年)、「M8」(2004年)、「TSUNAMI 津波」(2005年)を上梓されています。それだけにかなり内容においては信憑性があり、説得力もあります。

今回のテーマは選挙制度と国会議員で、今までのようにパニック系とはガラリと違うものです。

主人公は26歳の若さで、仕事を退職後にプータローしていたときに、候補者公募に応募し、比例代表の候補者名簿の下から2番目に載せてもらったところ、政権交代で風が吹く中、アレよと当選を果たします。

「料亭へ行きたい」「BMWを買いたい」と言い放った某若手小泉チルドレンを思い浮かべますが、大物政治家に長く寄り添っていながら芽が出ずコンプレックスをもつ有能な秘書とともに、日本の問題をひとつ解決するため奔走することになります。

小説では、比例代表制や、議員定数、立法や政策よりも次の選挙のことしか考えない地盤などのない政治家、国会議員ながら、選挙区大事で地元の幼稚園の運動会に参加し挨拶することが審議よりも重要とか様々な問題が提起されています。

また議員報酬などお金の話しもたびたび出てきて、著者の怒りは相当なものがありそうです。すっかり慣らされてしまい、怒りを覚えない国民のほうがどうかしているのでしょうけど。

確かに読んでいながら、ムカムカしてくること請け負いですが、そうした政治を望んでいるのが今の国民なのですから仕方がありません。それがこの本のタイトルになっています。

★★☆

著者別読書感想(高嶋哲夫)

 ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

日本軍兵士―アジア・太平洋戦争の現実 (中公新書) 吉田裕

2018年に「アジア・太平洋賞特別賞」や、2019年の「新書大賞」1位の本書は、2017年に発刊された硬派な新書です。

新書というと、著者の自己満足的な自慢話しと事業の宣伝に終始しているものが多く、うんざりしているのですが、最近読んだ「バッタを倒しにアフリカへ」(前野ウルド浩太郎著)、「人口と日本経済 - 長寿、イノベーション、経済成長」(吉川洋著)、「それでも、日本人は「戦争」を選んだ」(加藤陽子著、新書ではなく文庫版)など、良いものも時々混じっているので、欠かせません。

その玉石混淆の玉のひとつが本書で、著者は主として昭和時代に焦点をあてた近・現代史の歴史学者さんです。

この新書では、よくある太平洋戦争を分析した歴史書ではなく、戦場に送り込まれた日本軍兵士の目線で凄惨な現場、戦場の生活などを様々な日記や記録から読み取っています。

その他、戦場での自殺や、障害者(特に精神)へのイジメ、軍服や軍靴の劣化、栄養不足、マラリアなどの戦病死、無理な作戦などによる消耗など、悲惨な光景がてんこ盛りです。

日中戦争以降、終戦までに亡くなった民間人を含む日本人は310万人と言われています。軍人や軍属の死者数は230万人で、その中でマラリアでの病死を含む餓死者が140万人(61%)に達するという話しには驚かされます。

勇ましい武勇伝を語る物語よりも、金属不足から竹の水筒を持たされ、訓練も受けず武器を持たない補充兵が最前線にやってくる現場の姿が真実なんだろうなぁと気持ちが暗くなってしまいます。

もう太平洋戦争終結から75年が経ち、体験者はいなくなりつつありますが、こうした現場の実態を記録し、まとめておくことで、日本人の遺伝子の中に組み込んでおくことが今後の日本の平和と安全のためには重要なことなのだろうと思います。

★★★

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奇跡の人 The Miracle Worker (双葉文庫) 原田マハ

2014年に単行本、2018年に文庫化された長編小説で、元祖「奇跡の人」である三重苦の障害を克服したヘレンケラーと家庭教師のアニー・サリバンの二人の関係をモチーフにしています。

著者の作品は割と最近に「本日は、お日柄もよく」と、「楽園のカンヴァス」を読んでいます。どちらも良い小説でした。まだ多くの未読作品があるので、これから少しずつ読んでいきたいと思っています。

本書はヘレンケラーと同様、病気のために見えない、聞こえない、喋れないの三重苦で、家族からも隔離されていた少女の元に、弱視ながらアメリカに留学して様々な知識を身につけた家庭教師となる女性、そして東北の津軽で生まれたときから目が見えず、三味線と歌で生活をする少女が主要な登場人物です。

その三味線弾きの少女には、後に初の重要無形文化財(人間国宝)に指定される狼野キワの若い頃の姿として登場させています。

詳しくは読んでもらうとして、東北の津軽の重苦しい雰囲気の中で、家庭教師の下で1歩1歩、手の付けられない野獣と同じ少女が、ひとりの人間として成長していく姿にうたれます。

5年前に東北へ旅行したとき「津軽藩ねぷた村」で津軽三味線を初めて生で聞くことができました。その演奏の善し悪しがわかるほどの能力はないのですが、激しい三味線の音には感動したことを思い出します。

小説としての出来ですが、これはおそらくなにかの雑誌で連載されていたのでしょうか、よくわかりませんが、同じ話しが何度も繰り返され、起きた事象があとで再度説明され、ちょっとしつこいかなと。

連載小説なら、途中から読む人のために、前に起きたことを繰り返すのもわかりますが、その場合は、単行本化する際に、繰り返される部分はカットするなど編集すべきです。

そうした重なる部分を編集して省略すれば、おそらく全体のページ数は全420ページの3/4ぐらいで済みそうです。

長い小説の場合、そうした無駄に思える部分があちこちにあるのは、ちょっと残念な気持ちになります。

★★☆

著者別読書感想(原田マハ)

【関連リンク】
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