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にじいろガーデン (集英社文庫) 小川糸

2014年に単行本、2017年に文庫化された長編小説です。以前NHKで、著者の原作「つるかめ助産院~南の島から~」が放送され、それを時々見ていたので、すっかり原作の小説も読んだ気になっていましたが、この著者の作品を読むのはこれが初めてです。

「つるかめ助産院」のように、癒やし系のほのぼのとした物語かな?と思っていたら、そういう要素もありますが、これはLGBT家族の奮闘と、社会からの差別など様々な問題提起の小説でした。

2020年の今でこそ、先進的な一部の自治体では、パートナーシップ制度など、LGBTにも寛容な社会システムを作り、浸透しつつありますが、この小説が書かれた2014年時点ではまだまだ差別や偏見、それに理解してもらえない家族との絶縁など険しい状況だったでしょう。

もちろん今でもそうした差別や問題は変わらず残っているでしょうけど。

主人公の二人は年齢も育ちもまったく異なりますが、自殺しようとホームに立っていた女子高生の前に、もうひとりの子育て中で夫と別居中の中年女性が心配して声をかけます。

それがきっかけで、二人の女性は仲良くなり、行動的な女子高生の強い希望で、別居中の夫とは離婚し、子連れで知り合いが誰もいない遠くへ駆け落ちをすることになります。

タイトルの「にじいろ」は、1970年頃から使用されるようになったという、レインボーフラッグというLGBTの社会運動を象徴する虹色の旗からきていて、二人が東北?の寒村で住居用として借りた、元小学校だった建物にその旗を立てたことからきています。

当然、そうした保守的な寒村ということもあり、なかなか理解を得るどころか、嫌がらせなども続きますが、二人とその子供達の成長が清々しくたいへん面白く読めました。

最後は残念ながら、ハッピーエンドではなく、そのことに様々な意見はあるでしょうけど、無理矢理、予定調和的な円満、万事解決で終わるより、LGBTの厳しい現実などを象徴するかのように自然で良いのかも知れません。

★★★

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僕は人生についてこんなふうに考えている (新潮文庫) 浅田次郎

2003年に単行本、2006年に文庫化された、著者の多くの作品の中からテーマ毎に一部を抜き出したアンソロジー的な内容です。

読むまでは知らなかったのですが、著者がこの本のために書いたのは「あとがき」だけで、想像ですが、出版社の熱烈な浅田ファンの編集者が「私が過去の著書から抜き出しますから、それで1冊作らせて!」と頼んだのではないかなぁーと。

なので、著者の作品だと思って読むと、正直ちょっとガックリです。

と言うのも、ごく一部だけ小説の登場人物が発する言葉や、著者のエッセイのひと言を抜き出し、それらを寄せ集めただけのものですから、感動もなければ、わくわく感もありません。

せめて、エッセイだけから抜き出しているのなら「僕は・・考えている」もわかりますが、小説の登場人物の言葉を抜き出して、それを「著者の考え」というのはあまりにも乱暴すぎます。

これじゃーこの本の著者名は浅田次郎氏ではなく、○○編集部編ってするのが正しそうですが、それじゃー売れませんものね、、、

そんなわけで、著者にはなんの不満も恨みもありませんが、Amazonに1円で並ぶぐらいの評価するに値しないつまらないものでした。

☆☆☆

著者別読書感想(浅田次郎)

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健康格差 あなたの寿命は社会が決める (講談社現代新書) NHKスペシャル取材班

2016年にNHKで放送された「NHKスペシャル 私たちのこれから#健康格差~あなたに忍び寄る危機~」のために2年半も取材した内容を、番組だけでは放送しきれない部分を含め再構成された2017年に発刊された濃い内容の新書です。

私自身、先月末でリタイアし、これからは健康年齢を高める努力をしつつ、残りの人生を思いっきり楽しみたいので、この健康問題についてはいま一番興味あるテーマです。

本書では、「世代間の健康格差」「都市部と地方の健康格差」「地域コミュニティーの健康格差」をデータや実例をあげてわかりやすく解説されています。

さらに健康格差の解消に向けた提案などもあり、公共放送局のNHK取材班らしく、危機感を大げさにあおるのではなく、悲観的でもなく、無難にサラッとまとめてありますが、その代わりに、読み終わってもさして印象に残らないのは残念なところです。

★★☆

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幻夏 (角川文庫) 太田愛

著者はドラマや映画、特撮ものなどの脚本家として有名な作家さんで、小説も4作ありますが、著者の作品を読むのは今回が初めてです。この著書は2013年に単行本、2017年に文庫化された長編小説です。

まず読んでみて思ったのは、脚本家らしく、情景描写が細かく丁寧で、自然とその場面の映像が目に浮かぶような書き方です。

例えば、

「繁藤修司が雑居ビルの階段を駆け上がる軽快なスニーカーの歩調に合わせて、紙袋の中のオニオンリングがカサカサと美味しい音をたてた。しかし、軽快な歩調に反して修司の心は重かった。(18ページ)」

は、ストーリーにはなにも関係がない描写ですが、すべてに渡ってこのような視覚に変換しやすい、さらに言えばこれを演じる役者が、自分がこの役をどう演じれば良いのかが理解出来る書き方です。

ストーリーは、調査会社(探偵)をやっている男が、23年前に起きた男児失踪事件にまつわる調査依頼をその行方不明になった男児の母親から受けますが、調べて行くうちに謎が謎を呼んでいきます。

それと同時に元検察官だった男の孫の女児が誘拐され、容疑者として元裁判官の息子が別件逮捕されます。

そして23年前に行方不明となった男児と幼馴染みだった男が現在刑事になっていて、女児が誘拐された事件に関わりますが、23年前男児が行方不明になった場所に刻まれていた同じマークが、今回の女児が誘拐された場所にもあることを発見し、事件が23年前の失踪とつながっていることを確信します。

新たな証言や発見から物語は二転三転していき、ちょっとややこしいのですが、たいへんよく考えられたストーリーで、映像化が頭の隅にあったのでしょうか、そのまま実写ドラマ化が十分可能な内容です。まだドラマや映画化はされていませんが、そのうち実現するのではないでしょうか。

ただ、小学生に刑事などを騙す凶悪犯罪の隠蔽がとっさの判断でできるのか?襲われて大きな怪我をしたホームレスだった身元不明の少年を警察や役所がなにも調査せずに里親に引き渡すか?って考えるとどうもそのあたりのリアリティがなく詰めも甘い感じがします。

★★☆

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