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空白を満たしなさい(講談社文庫)(上)(下) 平野啓一郎

2012年に単行本、2015年に文庫化された長編小説です。著者の作品は2011年に単行本で「ドーン」を読んでいます。それ以来なんと9年ぶりです。

2011年3月後半の読書(ドーン)

この小説はSFというか、いやちょっと違うか、死んだ人間が次々と生き返るという小説には良くある「IF物語」のようです。映画にもなった梶尾真治著の「黄泉がえり」をチラッと思い出しました。

著者独特の発想で、対人関係ごとにそれぞれの人格が存在するという「分人主義」を絡めた、大枠ではそのシリーズ作品のひとつだそうです。

生き返る理由や原因は特に明示されてなく、ご都合的ではありますが、結婚して子供を授かり、マイホームも購入したばかりで夫婦仲も良好、仕事はちょっとつまずいたけれど、異動先では新規事業で大成功を収めつつある時に、主人公の男性は会社の屋上から突然謎の飛び降り自殺をしたということになっています。

そしてその3年後に主人公はフラッと自宅へ帰ってきますが、本人にはその3年間の記憶はなく、しかも「幸福の絶頂の中で、自分が自殺などするわけはない」と真相を調べ始めます。

特にその自殺の原因(本人は行動を注意されて逆恨みしている警備員に突き落とされたと主張)追求の行動がこの小説で重要なところと思わないけど、その真相探しが長くてちょっと主題がよくわからなくなってしまっています。ページを増やす理由でもあったのかな。

死者が生き返る現象が、世界中で認められるようになり、そうした事が想定されていない様々な法律や制度に問題が起き、そして差別などが起き始めます。

果たして自殺の真相は?自殺した原因で家族や両親のあいだに大きな亀裂が入ってしまったその修復は?生き返った人達はその後どうなるのか?などは読んでからのお楽しみということで。

う~ん、上下巻の長い小説ですが、あまり変化や抑揚がない、淡々とした流れで、ちょっと退屈な感じがしました。哲学的ともいえますので、読んでいて眠たくなるのは仕方がないのかも知れません。

★☆☆

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ブラック オア ホワイト (新潮文庫) 浅田次郎

2013年に週刊新潮で連載され、2015年に単行本、2017年に文庫化された、長編小説です。

西洋の人種問題?ぐらいに思って、内容はまったく知らないまま読み始めましたが、全然違いました。なんと、このタイトルで、夢の話しです。

60過ぎた元エリート商社マンだった裕福な男性が、亡くなった学生時代の友人のお通夜で久しぶりに会った同級生に語る夢の話しですが、その不思議な夢を見た場所が、総合商社員らしくスイス、パラオ、インド、中国、日本(京都)で、そこに白い枕と黒い枕が登場してきます。

白い枕で寝ると、ハッピーな夢に、黒い枕で寝ると不幸な夢をみることになり、夢を見ているときは、それは夢だと言うことがわかっています。

いずれの夢にも、満州鉄道の理事を務め、戦後は総合商社に入社した祖父や、誰かわからない謎の恋人の女性が出てきます。

世界中で活躍する商社員としての仕事の他は、そうした夢の話しが淡々と続くだけの話しですが、なにか仕事を引退した後、昔の輝いていた頃を懐かしんで、誰かに聞いてもらいたいだけ?とも思えて、その真意がイマイチよくわかりませんでした。

★☆☆

著者別読書感想(浅田次郎)

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人生を「半分」降りる―哲学的生き方のすすめ (ちくま文庫) 中島義道

1997年に初版が出た後、新潮と筑摩から文庫版が出ましたが私が購入したのは2008年刊の筑摩書房版文庫です。これが書かれたのはまだ20世紀の1996年頃で、当時は電気通信大学電気通信学部人間コミュニケーション学科教授という肩書きでした(2009年に退任)。

サブタイトルにあるように、哲学の考えを元にした中高年以降の生き方について著者の考え、過去の哲学者などが残した言葉などを紹介した新書っぽい内容の文庫です。

したがって、本文にもありますが、この本の想定対象年齢は40代から50代前半ぐらいで、もうガツガツと野心を持って出世競争をしたくない中高年者という感じで、すでにそこから大きく超えてしまった私にはちょっと遅かった?とも思いますが、ようやく手に入れたので、しっかり読みました。

著者の書籍は「人生に生きる価値はない」(2009年)、「「人間嫌い」のルール」(2007年)、「私の嫌いな10の人びと」(2006年)、「どうせ死んでしまうのに、なぜいま死んではいけないのか?」(2000年)、「<対話>のない社会―思いやりと優しさが圧殺するもの」(1997年)の5作を読んできましたが、本書が一番著者の専門の哲学に寄った作品です。

2020年3月後半の読書と感想、書評(人生に生きる価値はない)

2015年3月後半の読書と感想、書評(「人間嫌い」のルール)

2014年8月後半の読書と感想、書評(私の嫌いな10の言葉)

内容は、、、、、えぇ、哲学的というか、哲学です。

哲学の本の感想を簡潔に書けと?そ、それは、丁重にお断りしますデス。

著者の専門でもあるカントはもちろん、セネカ、スピノザ、ルソー、ヴァレリー、陶淵明、永井荷風、兼好法師など多くの先達が残した文章や生き方から「半隠遁生活のススメ」を引用しています。

閑職に左遷されてガックリしている方、ライバルに先を越され投げやりになっている人、そしてちょっと変わった知的好奇心を満たしたい方にはうってつけの本です。

★★☆

著者別読書感想(中島義道)

【関連リンク】
 8月後半の読書 螺旋の手術室、中高年シングルが日本を動かす、スケアクロウ、さよならの手口
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