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ザ・チーム 日本の一番大きな問題を解く 齋藤ウィリアム浩幸

1971年にロサンジェルスで生まれた日系2世で、アントレプレナーの著者が、閉塞感で停滞する日本の企業人に様々な提言をするという体のビジネス書で、2012年に発刊されています。

日本の企業や役所には、グループはあっても、目的を達成するためのチームがないというのが著者がもっとも言いたいことです。

「そんなことない!チームFUKUSIMAや、ラグビーのワンチームなどいくらでもあるぞ!」って反論も聞こえてきそうですが、確かにいくつかの企業に勤めた経験からすると、チームを大事に育てようとする企業もあれば、個人主義に徹する企業、柔軟性がある緩やかなグループで関わり合っていく企業など様々です。

ただ、日本人の特性として、「お上の言うとおりにしておけば間違いない」という洗脳に近い教育や社会制度、慣習が何百年と長く続いてきた歴史があるので、なかなかその都度、目標を一にする合理的で強力なチームが作られることがなく、またそのチームを率いるリーダーが育っていないという事情もあります。

官僚組織なんて、縦割り行政のもっとも最たるもので、それぞれの省庁や担当分野で利権を守ることが最大の功績で、それを崩して担当分野を横串に貫いたチームを作るなんてもっともやりたくないでしょう。

なーんて言い訳ばかり考えてしまうのが、劣化したオヤジの悪い癖でもあるわけです。

ただこの本は、経営や組織に関係する話しですから、実力のある管理職レベル以上の人が読んで、納得し、動かないと、なんの権限もない若い人が読んで「そうだ!そうだ!」と盛り上がるだけではきっとなにも変わらないでしょう。

あと、この著者は、講演で語っていたことや、本書の中で書いている自分の経歴について、一部の経歴がよく見えるように盛り盛りで詐称していたことが2017年に発覚し、多くの信用を失っています。

ま、アントレプレナーなんて、元々口八丁手八丁が普通なので、別に経歴詐称なんか特に不思議でもありませんが、それにすっかり騙されて内閣府や経済産業省で参与を務め、果ては文化勲章まで授与されているというところに、日本人の人の良さというか、ハッキリと物事を主張するエリート(っぽい)外国人に弱い役人や政治家というのが露呈しました。

★★☆

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緋色の記憶 (文春文庫) トマス・H・クック

死の記憶」「夏草の記憶」「緋色の記憶」「夜の記憶」「沼地の記憶」と続くミステリー「記憶シリーズ」の3作目で、作品オリジナルは1996年に発刊、日本語翻訳版は1998年に出版されています。

この作品はアメリカでも著名なエドガー賞を受賞した作品で、著者を一気に有名にした作品です。

シリーズと言っても、日本語の翻訳版だけの話しで、原題にはそれにあたる言葉やつながりはありません。

原題は「The Chatham School Affair」で、直訳すれば「チャタム校事件」ということになります。

著者の作品は好きで、過去には「死の記憶」「夏草の記憶」「沼地の記憶」など9作品を読んでいますが、1990年代から2000年代初頭の比較的昔に読んだので、ブログで感想を書いたのは2011年に読んだ下記だけです。

2011年9月前半の読書(沼地の記憶)

ストーリーは、ボストンから130kmほどに位置する実在するチャタムという港町にある私立学校に通う主人公はそこの学校長の息子です。

その学校にアフリカへ家族と移住していた若い女性が新しく美術教員としてやってきて、学校長の父親と共に、新しい生活の支援をすることで仲良くなっていきます。

小説のスタイルが、過去に起きた出来事の主題にはなかなか触れず、どうもこの女性教師に関連してなにか大きな事件が起きたようだけど、小出しで少しづつしか話題に出てこず、「いったいなにが起きた?」という疑問符だらけになっていきます。

謎は読んだ人だけのお楽しみですが、長く陰湿な話しが延々と続きますので、今のような軽くてスピード感あふれるライトなものが好かれる時代には決して合った作品ではありません。

以前読んだ記憶シリーズについてはあまり覚えてませんが、こうしたローカルな地域の話しで過去の出来事を振り返るという形が多いです。

私のような引退して時間がいっぱいできてからジックリ読むことをお薦めします。

★★☆

著者別読書感想(トマス・H・クック)

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ビット・トレーダー (幻冬舎文庫) 樹林伸

2007年に単行本、2010年に文庫版が発刊された長編小説です。著者はいくつものペンネームで漫画の原作や小説、脚本、作詞などを書いている多才な方です。名前の読み方は「きばやし しん」とのことです。

タイトル通り、株式の売買が主要なストーリーとなりますが、組織や会社が舞台ではなく、主人公個人が交通事故で亡くした息子の賠償金を元に副業で始めた株式の売買が成功を収め、家庭とは別に愛人と高級マンションを持ち、そこでサラリーマンの本業とは別にトレーディングで巨額マネーを動かしています。

しかし、あるときに、まもなく倒産するので空売りをして数億円の利益が得られるとの確かな情報を得て、他人から預かっているお金を含めすべてをつぎ込んだところ、倒産するはずの会社に大きなファンドが買収を持ちかけたため、逆に高騰してしまいすべてを失う危機に陥ります。

そうしたトレーディングの切った張ったの世界を素人にもわかりやすく展開していきますが、本来ならば、息子を亡くして同情してもよさそうなこの主人公が好きになれず(モデルの愛人と高級外車やマンションなどを持っているのでひがみもある)、逆に「破滅しちゃえ!」とも思ってしまいます。

ま、小説ですから、結果的には落ち着くところに落ち着くわけですが、ちょっと薄っぺらで、内容に乏しい気がしました。

★☆☆

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王妃マリーアントワネット(上)(下) (新潮文庫) 遠藤周作

マリー・アントワネットを元にした小説という体裁ですが、先般読んだ有名なシュテファン・ツヴァイク著の伝記「マリー・アントアネット」(1932年)等を参考にした作品となっています。

1979年~1980年に単行本、1985年に文庫版が発刊されました。

内容は、オーストリア王家の娘として育ったマリーが、フランス国王の息子(王子)に14歳で嫁ぎ、周囲の言いなりになって自由を謳歌して散在を続け、やがては「国民から愛されている」と思っていたのが違っていたと言うことに気づき、生き抜く気力も亡くしていくという流れは伝記と変わりありません。

登場人物の多くは、伝記と基本的には変わりませんが、伝記ではなく小説のため、フランスの市井の人々など架空の人物も多く出てきます。

また、伝記ではほとんど出てこないものの、実在の人物で、マリーと同世代に生きたサド侯爵やモーツアルトなども出てきます。そうすることで、イメージがより深く広がっていきます。

その辺りの登場人物は、先日「マリー・アントワネットの時代 2021/5/12(水)」に書いています。

エンタメの小説だけあって、事実を淡々と並べていく伝記と比べると、感情の動きがより細やかでウエットで読みやすく、マリー含め登場人物の性格やら印象もまた違ったように感じます。

もちろんカトリック信者であり、その知識も詳しい著者ですから、それとうまく合っているようです。

★★★

著者別読書感想(遠藤周作)

【関連リンク】
 5月前半の読書 「食糧危機」をあおってはいけない、泥棒はクロゼットのなか、愚者よ、お前がいなくなって淋しくてたまらない、屍人荘の殺人
 4月後半の読書 ふりだしに戻る(上)(下)、極上の孤独、ゼロの迎撃、チェーン・ポイズン
 4月前半の読書 獄中記 煉獄篇、さよなら、ニルヴァーナ、邪馬台国殺人紀行、眠りの森

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