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「食糧危機」をあおってはいけない (Bunshun Paperbacks) 川島博之

2009年に発刊された元東京大学大学院農学生命科学研究科准教授の著者が書いた科学分野の単行本です。

様々なデータを駆使し、以前から言われてきた食糧危機の誤りを正していきます。

例えば、「世界一の人口の中国が裕福になり世界中から食糧を買い集めて食糧不足に陥る」や、「温暖化によって作物が作れなくなる」、「穀物がバイオ燃料に転嫁されていくと食用がなくなる」などなど。

読んでみると、世界中でおこなわれている生産調整、日本で言えば減反ですが、これが相当な面積だそうです。

アメリカでもトウモロコシなどそうした減反のために農家に対して多額の補助金を出しているようで、そういうことを考えると、もっと需要があれば(お金になるならば)まだまだ供給はできます。

さらに温暖化の影響で、作物が作れなくなる地域ができる一方で、例えば今まで作物が作れなかった例えばシベリアなどの地域で新たに農業ができる可能性などにも触れています。

北海道でも何十年前なら米を作るのは無理と言われていましたが、品種改良と気候変動で、今では広大な農場で美味しいお米が作れています。

1970年代に、「あと数年で石油がなくなる!」と騒いで、世界中で何度か石油ショックが起きましたが、それから50年経った今、「石油がなくなる!」という人はいません。逆にいまは環境問題から石油に代わるエネルギーを模索しています。それと似たようなことが起きているということです。

ただ、机上の計算と実際の現場とでは食い違ったりすることがありますので、そこのところの実証ができているものではないことを付け加えておきます。

例えば、減反で休耕して何年も経った農地で、急に作付けをおこなおうとしてもできず、従来の生産高に戻るまで10数年かかったりすることもあるようです。そうした現場の話しは、ジャーナリストではないので、ほとんどありません。

とは言え、知らなかったことが豊富に書かれているので、食糧問題に危機感を持っている人は、一度読むことをお薦めします。

★★☆

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泥棒はクロゼットのなか (ハヤカワ・ミステリ文庫 (HM 146-5)) ローレンス・ブロック

原題は「The Burglar in the Closet」で、1978年に発表された作品です(翻訳版文庫は1993年発刊)。「泥棒バーニイ・シリーズ」の第2作目となります。

過去にはシリーズ3作目の「泥棒は詩を口ずさむ」と、6作目の「泥棒は野球カードを集める」を読んでいます。

2013年2月の後半の読書(泥棒は詩を口ずさむ)

ブロックと言えばハードボイルド探偵小説「マット・スカダー・シリーズ」が特に有名ですが、スカダーの長編が17作品に対し、このバーニイの長編は11作品と、それに次いで多いシリーズ作品となっています。

私のマット・スカダー好きは下記に書いてます。

元アル中探偵マット・スカダーに惚れる 2017/5/20(土)

馴染みの歯科医に離婚した妻の住まいに侵入して結婚中に買ってやった宝石類を盗んで欲しいと頼まれた主人公は、軽い仕事と思って請け負います。

セキュリティの厳しいアパートに侵入し、宝石を物色していたところ、思わぬ速さで住人が帰って来てクローゼットの中に閉じ込められることになります。

シャワーにでも入ればその間に抜け出せると思っていたら、案の定というか、その女性は一緒にいた男性に刺されて殺されてしまいます。しかも、集めた宝石を入れたバッグも持ち去られてしまいます。

このままだと、離婚した旦那に調べが入り、アパートに侵入することを知っている自分が最大の容疑者となるのも時間の問題?ということで、警察から逃げながら犯人捜しを始めます。

なかなか手の込んだ複雑な人間模様で登場人物も多く疲れますが、決してスーパーマンではなく、人間味あふれる泥棒が主人公で気楽に楽しめます。

★★☆

著者別読書感想(ローレンス・ブロック)

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愚者よ、お前がいなくなって淋しくてたまらない (集英社文庫) 伊集院静

2014年に単行本、2017年に文庫化された自伝的長編小説です。

と、言うことは、亡くなった前妻夏目雅子さんのことを「愚者」とは何事!とちょっと不審に思いながら読み始めました。

著者の自伝的小説と言えば、私も読みましたが「海峡」、「春雷(海峡 少年篇)」、「岬へ(海峡・青春篇)」の三部作が有名です。

タイトルにある愚者とは、もちろん若くして亡くなった前妻のことではなく、気の合った友人、スポーツ紙の競馬担当記者、弱小芸能プロダクションの社長、小説を書くように執拗に迫る出版社の編集者の三人のことを指しています。

妻の死で、酒とギャンブルに溺れていた主人公が、それら3人の友人と深く関わっていくことで、再生していく姿を描いています。

この著者の自伝的な話しを読んでいると、なんとこの人のごく近い周囲には死が満ちあふれているのだろうと思ってしまいます。もちろん本人の責任ではないのですけど、、、

最初は子供の頃、一緒にいた幼い弟が海で溺れて亡くなり、周囲の猛反対を押し切って結婚した夏目雅子、この小説に登場する上記の3人(生死がわからない人含む)や、応援していた年配の競輪選手、小説を書くきっかけとなった阿佐田哲也(色川武大)との出会いと死など、常に死がつきまとっています。

暗く重い内容が続きますが、今の著者を知っていれば、そうしたモヤモヤも我慢して読めます。

著者は昨年2020年にくも膜下出血で手術を受けましたが、予後は良さそうで、また「ノボさん 小説正岡子規と夏目漱石」(2013年)のような、明るく面白い小説を期待したいところです。

2019年10月前半の読書(ノボさん 小説正岡子規と夏目漱石)

★★☆

著者別読書感想(伊集院静)

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屍人荘の殺人 屍人荘の殺人シリーズ (創元推理文庫) 今村昌弘

2017年に単行本、2019年に文庫化された長編ミステリー小説です。著者の本は今回初めて読みますが、名前の印象から50~60代のベテラン作家さん?と思っていたら、まだ30代の新進気鋭?な作家さんでした。

この作品を原作として2019年に木村ひさし監督、神木隆之介、浜辺美波、中村倫也など出演で映画が、また同年に少年ジャンプ+で漫画が連載されています。

ミステリーの常道とも言える、隔離された山の中の旅館で合宿中だった学生たちの中で起きる連続殺人と、それだけに飽き足らず、テロ集団による野外イベントでの化学汚染で大量のゾンビが発生し、生き残った学生たちが追いつめられていくという荒唐無稽な内容です。

う~ん、鮎川哲也賞受賞や、本格ミステリ大賞受賞など、最近はこうした突拍子もない破天荒なストーリーがウケているのか!?って気もします。

確かについつい先を読ませる内容ですが、別にドキドキもしないし、感情移入などほど遠いし、人里離れた旅館とは言え、取引業者や通行人なども多いはずなのが完全に孤立していたりします。

さらに、なぜここにゾンビ、、、って、最近読んだ山口雅也著「生ける屍の死」や、スティーヴン・キング著「呪われた町」の中にもゾンビがゾロゾロ登場しています。鬼滅の刃に出てくる鬼に噛まれて鬼になるのもゾンビと似たようなものですね。

個人的には小説の中に、タイムスリップ(この小説には出てきません)とゾンビは飽きたから「もういいや~」って感じです。

最後の犯人捜しの謎解きがなかなか面白かったのが救いです。

★★☆

【関連リンク】
 4月後半の読書 ふりだしに戻る(上)(下)、極上の孤独、ゼロの迎撃、チェーン・ポイズン
 4月前半の読書 獄中記 煉獄篇、さよなら、ニルヴァーナ、邪馬台国殺人紀行、眠りの森
 3月後半の読書 証言拒否 リンカーン弁護士、コンビニ人間、官報複合体、レプリカたちの夜

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