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国際社会では環境問題のひとつとして「Co2排出量の削減」が大きなテーマとなっています。

しかしこれって一般的な社会生活の中では、環境問題が地球規模という大きさと、各国の政策(発電方法や産業構造)と深く関わっているだけに、あまり日常的に身近ではないことがわかりにくい理由です。

当初は、Co2を多く出す企業、例えば発電をおこなう電力会社や、大規模な製造業、運輸輸送業に対して対策をすればいいんじゃない?ぐらいに思ってしまいますが、それだけに責任と対応を押しつけるだけではダメという状況になってきました。

特に製造業で飯を食っている日本やドイツ、中国などは、当然Co2排出量は多くなり、国際社会から狙われやすいということもあります。

具体的に、一般生活にどういう影響があるかというと、ホンの一例ですが、1885年にダイムラーとベンツが内燃機関エンジンを積んだ自動車を販売して以来130数年以上続いてきたガソリン車が早ければ10数年後には消えていきそうです。

ガソリン車廃止、24カ国が合意 2040年まで、日米中独は不参加―COP26(時事通信)
国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)で、2040年までにガソリン車の新車販売を停止し、全てゼロエミッション(排出ゼロ)車とすることに24カ国が合意した。

もちろん、耐久性からみて新車販売がなくなってもその後20年ぐらいはガソリン車も併用して使われることになるでしょうけど、問題はEVばかりになればガソリンスタンドが生き残れません。

給油をするためにわざわざ遠くにあるスタンドまで行かなければならなかったり、遠出をするときには今のEVに乗っている人が充電設備がある場所を調べておくのと同様、あらかじめ給油できる場所を調べておくということになりそうです。

最近は80年代から90年代に製造された国産車が旧車ブームに乗って人気です。当時と燃料は同じですから使用に差し支えありませんが、もしガソリンスタンドが次々と消えてしまえば、10数年後には旧車ブームは一部の裕福なマニア以外、跡形もなくなるでしょう。

では、どれだけのCo2削減を目標としているのかというと、日本は2013年と比較して9年後の2030年までに26%削減(義務)、29年後の2050年までに80%削減(努力義務)するということです。その他の国と比べると下記の通りです。


引用:四国電力

しかしこうした2013年から2030年までに26%削減、2050年までに8割削減と言われても一般人にはよくわかりません。

少しわかりやすくするために、現在およそ8割を占める化石燃料を使う火力発電を2030年までに約5割以下まで引き下げなければなりません。今回開催されたCOP21でも化石燃料の利用を削減する目標が検討されました。

日本は中国やインドほどではないにしろ、未だ石炭で火力発電をしている割合が高く、反発するNGO団体から不名誉な「化石賞」を受賞するなど評判は良くありません。

改善するには本来ならグローバルスタンダードになりつつある再生可能エネルギー(水力、太陽光、風力、地熱、バイオマスなど)を増やしていかないといけないわけですが、政府案の電源構成計画はこれだけ痛い目に遭っていても原子力発電に頼っていて下記のグラフの通りです。


引用:四国電力

発電事業でこれほど非現実的な計画ですから、発電事業計画の未達分をその他の産業、製造業や運輸業など、さらには国民に対して様々な環境規制をかけしわ寄せしてくるのは必至でしょう。

それは産業界だけでなく、一般家庭においても、「省電力家電」「省エネ住宅」「大規模集合住宅の太陽光パネル設置義務化」「環境エコ教育」などに様々な形で補助金が出てきそうです。

私の場合、クルマに乗るのはあと10年ぐらいでしょうから、いまさらEVに転向する気はありませんが、ガソリンスタンドが近所からなくなってしまうと考えなければならないかも。

あと、環境問題で対策が急がれている住宅の断熱と省エネ家電への入れ替えですが、今の自宅は、30年前に建てられたものですから現在の環境基準からするとまったくひどいものです。

家電の多くは10~20年ぐらいは使っているものが多く、省エネとは言えないものが多そうです。

エアコンや冷蔵庫など家電の買い換えや、断熱リフォームなどに大きな補助金が出るのなら、使ってみたい気はありますけど、どうなりますかね。

【関連リンク】
1505 日本のEVシフトは環境問題ではなく経済問題
600 地熱発電大国への第一歩を踏み出したか?
503 再生可能エネルギーについて

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