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親しい友人や知人から借金を頼まれたら、あなたは気前よく貸しますか?それとも断固断りますか?

昔から知人や友人とのお金の貸し借りについては美談もあれば、悲惨な結末もあります。

私の知っている身近なところであったことで、まずは美談というか幸運から言うと、友人が知人から借金を頼まれ、あまり深く理由も聞かずに数十万円を貸しました。

その知人は小さな会社を起業していて、自己資金だけでは足りず、さらに追加の事業資金が必要で、友人などに借りまくっていましたが、たまたまうまく時流に乗ってその事業が大成功。数年後にその知人から借金分の代わりに未公開株を応分をもらい、その後にマザーズへ上場。

結果論ですが、友人は上場益で数百万円の利益を得たというものがありました。

こういう知人や借金なら大歓迎ですが、事業への投資と言っても成功する率よりも失敗する率のほうが圧倒的に多いのが通常ですから、もし「事業のためお金を貸して」と言われていたら友人は貸したかどうか。

逆に悲惨な結末の話はいくつもあります。

私の親戚で、少し年上の人が親から引き継いだ商売をやっていて、あるとき「店を改修するので少しお金を貸して欲しい」と頼まれました。

店は順調そうに見えていた(詳しくチェックしたわけではなく)のですが、その頃はすでに火の車状態で、私以外に多くの人から借金をしていたことがあとでわかりました。

お金を貸した後に会ったときに雑談をしていた時、以前はBMWに乗っていたことを知っていたので、いまは何に乗っているの?と聞くと、「ボルボ(スウェーデン製の高級車)を買った」と。

おいおい、金を貸したこちらは小型国産車、しかもすでに8年ぐらい経過しているボロいクルマに乗っているのに、借金した人がボルボの新車だと?と内心むかつきました。

昔からええ格好しいで、周囲に見栄を張る人だったので、立場もわきまえずに簡単には性格は変わらないものなんだなと思いました。

簡単に貸した私が悪いのですが、ため息をついて「それはないんじゃないの~?」と嫌みのひとつも言いたくなったのをグッと飲み込みました。

結局、その事業(店)は赤字続きで、家賃が高いビルに入っていた貸店舗から撤退(廃業)せざるを得なくなり、私への借金はその後十数年してから親戚と言うことと、また少額ということもあり分割で返却されましたが、その他に借りていた大きな借金は踏み倒したようです。

その他にも知人から事業資金として数十万円を貸した金が戻ってこなかったことがあります。上に書いた成功例ではなく普通の事業失敗談です。気前がよすぎたのでしょうか、

その知人はやがて音信が取れなくなりました。何百万とか何千万とかを貸して踏み倒されたわけではないので、まだ世間一般ではマシな方かも知れません。

会社の中でもお金の貸し借りはよくあります。

私が大学卒業後に入った会社で、新入社員の時に仕事を丁寧に教えてくれた先輩が数年で突然退職されました。

その時は私は地方の支店に勤務していて東京でおこなわれた送別会には出られず、退職理由や退職後の予定などの話を聞くことができませんでしたが(当時はまだ電子メールなどなかった)、後で他の社員に聞くと、ギャンブルや派手な飲酒で会社から給料の前借りをして、それでも足りずに先輩の上司からも多額の借金をしていて、礼儀と品性と信用に重きを置いていた会社も退職を勧奨せざるを得なかったそうです。

今でもその先輩の上司だった人(私にとっても元上司)と時々会って会食しながら話しをする機会がありますが、信用して数百万円ものお金を貸して踏み倒された苦い経験はあまり思い出したくないようです。

「金は借りてもならず、貸してもならない。 貸せば金を失うし、友も失う。 借りれば倹約が馬鹿らしくなる。 」と格言を残したのはシェイクスピアですが、まさにその通りのことが、何度も目の前で起きました。

直接の借金ではありませんが、親戚の子供が大学進学するときに借りる学生ローン(数百万円)の連帯保証人を頼まれ受けざるを得なかったことがあります。子供の学生ローンの連帯保証人には、その親はなれないということでした。

電話ひとつで簡単に頼まれ、郵送で送られて来た契約書だけで安易に連帯保証人になるのは躊躇われましたが、親戚づきあい上やむを得ませんでした。

その親戚の子供は大学を卒業してから10年ほどでローンは全額無事に返却できたらしく、ホッとしましたが、最近は大学進学者の半分以上が返済ありの奨学金や学生ローンを利用しているので、そのような連帯保証人を頼まれる人も多いと思います。

承知のことですが、連帯保証というのは、本来返却すべきローンを借りた人がなんらかの都合で返却できなかったとき、有無を言わせず連帯保証人に返却する義務が生じるというものです。

しかも通常はやむを得ない理由がなく1回でも返却が滞ると、残り全額を一括して支払う義務が直ちに生じます。つまり借りた人がもし行方不明になるとか、病気や事故で入院して稼ぎがないと、連帯保証人が全額を支払わなければなりません。

最近は大学卒業後に就職せず、フリーターで起業を夢見て仲間達と準備?している人もいます。

そう言う人が毎月やってくる学生ローンや奨学金の返済を食費を削ってでも滞りなくキチンと毎月毎月支払い続けることができるのかというとなんとも心許ないというのが実情です。まったく怖いことです。

ともかく、友達の中でいい人にならなくていいから、お金の貸し借りは避けるようにと子供には言い聞かせています。

最初は千円、5千円の少額から始まり、それはすぐに返却されますが、次に1万円、10万円、30万円と徐々に増えていき、やがて返却ができずどこかへ去って行くというのが悪意のある借金の常道ですから気をつけたいものです。

【関連リンク】
1539 金利金利金利
977 奨学金という名の学生ローン
728 対外資産残高22年間世界一ということ


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