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Google+の衝撃 山崎秀夫・村井亮・小石裕介

「○○の衝撃」というタイトルは、NHKの煽り特集番組か週刊誌のタイトルでもうすっかりお馴染みとなっていて、もはや誰もそれをいちいち衝撃だとは思わないけれど、少し気になるなと、騙された気持ちになって読んでみました。しかし編集者の責任でもあるのでしょうけれど、こんなベタなタイトルを臆面なくつけているようでは、せっかくいい中身でも陳腐な印象を受けてしまいます。

それはさておき、この本読んでみてわかったのですが、Google+のことが中心に書かれているのかと思いきや、そうではなくWebサービスやSNS全般について過去のからの歴史も含め、あっちへ飛び、こっちへ飛びしながら進んでいきます。その点は3人の共著ということもあってのことか、書かれている内容が散らかりすぎているのが気にかかります。3人ともそれぞれがテーマを少しずつ変えて別々に書けばよかったろうに、ごった煮状態です。

あれこれ話しが飛ぶのは、Google+のことだけを書くには、今はまだ情報や優位性が見つからないというのもあるのでしょうけれど、twitter、mixi、Facebook、LinkedInなど、今ときめくSNSの特徴や優位点、少しばかりの弱点などの話しが充実していて、Google+に絞って使い方や有効な利用法を考えるための本ではなさそうです。

三人の著者のうちどなたの意見なのかは不明ですが、「SNSはソーシャルゲームで普及した」「ソーシャルゲームが今後もSNSを支えていく」のような意見(正確ではなく要約)が繰り返し出てくるのですが、それに対して果たして現在SNSを使っている人の中にソーシャルゲームを経験した人がいったいどれだけいるのか?と反論したくなります。

別にSNSを使うのにソーシャルゲームを知る必要もなければ、普及のために必要なものとも思えません。よほど筆者の方の中にはソーシャルゲームにはまった方がいらっしゃるのか、その方の子供が無邪気に遊ぶ姿を見てその印象でそう思われているだけなのでしょう。少なくともビジネスパーソンがSNSを活用するときには、ソーシャルゲームを特に意識することは今後もなさそうです。

以前からそのようなゲームがニッチな世界で普及してきていることは雑誌やネットの情報では知っていましたが、この本を読んで、そういう使い方をしている人もやっぱり世間にはいるんだとあらためて知ったぐらいマイナーなことだと思っています。

なんだったら一番有名なソーシャルゲームの名前をあげて、パワーユーザーでなく普通にSNSを利用している1000人に「知っているか?」「使ったことがあるか?」を調査すると、それがいかにマイナーなことかわかるはずです。

で、結局そのGoogle+はどうなのよ?という結論は「たぶん土台はいいので、そこそこいいところまではいくんじゃないの?」(かなり要約)と言ったところでした。しかし果たしてFacebookなどからGoogle+への「巣移りの儀式」が近々おこなわれるかどうかは、神のみぞ知るってところで、現在のところ著者達を含め、誰にも予測がつかないようです。個人的県会で言えば、Facebookがとんでもなく大きなミスでも犯さない限り、難しそうな気もしますが。

  ◇   ◇   ◇   ◇   ◇

六枚のとんかつ (講談社文庫) 蘇部健一

著者の蘇部健一(そぶ けんいち)氏はこの「六枚のとんかつ」で1997年にデビューしたミステリー作家で、同氏の作品を読むのはこれが最初です(最後になるかも)。

内容は、保険調査員が主人公の短編連作集で、タイトルの通り、ちょっと変わっているというか、ふざけているというか、いやいや、お気楽に推理小説が楽しめるというか、推理小説のトリックが簡単に味わえるというか、自分の中でも評価は分かれてしまいます。

本のタイトルにもなった「六枚のとんかつ」や、それと同じトリックを使った「五枚のトンカツ」の短編では、事前に「島田荘司氏の『占星術殺人事件』のトリックがネタバレするので、そちらを先に読むように」と注意書されていますが、それで「おっそうか、じゃこの本はいったん置いて『占星術殺人事件』をさっそく買ってきて、そちらを先に読むとするか」と行動する人が、いったいどれほどいるんじゃ!と、突っ込みたくなるのは自然なことです。

逆に言えば、この本でそのトリックを知ってしまったら、「占星術殺人事件」を新たに買って読んでみようとは思わなくなります。

Amazonで確認したところ、古い文庫は次々と廃版になり、5年ほど前の文庫本の在庫ですら切れていることが多い中で、10年前の「六枚のとんかつ」(文庫2002年)や、もう25年も前の「占星術殺人事件」(文庫1987年)が、いずれもちゃんと「在庫あり」となっているのはすごいことです。

  ◇   ◇   ◇   ◇   ◇

しゃべれどもしゃべれども (新潮文庫) 佐藤多佳子

佐藤多佳子氏の小説は先日読んだ「一瞬の風になれ」(2006年)に続いて2作目になりますが、この作品は1997年なのでそれよりずっと前のものになります。

「一瞬の風になれ」は非常に面白いいい小説でしたが、そのノリでこの本を買ったのではなく、テレビの深夜映画で国分太一主演映画「しゃべれども しゃべれども」(2007年作品)を見て、ぜひその原作も読んでみたいなと思ったら、佐藤多佳子氏の作品だったというわけです。余談ですがこの映画は2007年キネマ旬報ベストテンで3位でした。

ストーリーは、落語家の卵である主人公が、あることがきっかけで、恋人にふられ人間不信に陥っている女性や、関西弁丸出しで転校してきた東京の学校でいじめにあっている小学生、ハンサムでテニスが上手いのに、内向的性格かつ緊張するとどもってしまうことを悩んでいる従兄弟などに、落語を教えることになります。

しかし主人公も人に話し方を教える以前に、自分の本職である落語に悩みがあり自己葛藤しています。それらの問題にそれぞれが落語を通じて自分と向き合っていくという青春ドラマと言っていいでしょう。

いい味を出しているのが、その落語教室に途中から加わるプロ野球の代打専門だった元選手で、引退後はラジオで解説の仕事するものの、ほとんどうまく喋れず、逆にアナウンサーの邪魔をしています。それに悩み、この落語教室を話し方教室かなにかと勘違いしてやってきますが、内面は弱いくせにプライドは人一倍高い人物です。

ここ何年も漫才ブームが続いていますが、多くの若手漫才コンビは、私に言わせるとギャーギャーとわめいているだけで、まったく面白くもなく、子供だましの芸に過ぎないとあきらめています。

一方若手の落語家というのも、なかなか弟子入り後の修行や、生活が厳しそうで、二世三世など係累以外に新たな大型新人が育っていない気がします。

小説とは直接関係がありませんが、江戸時代の西鶴以来、営々と庶民の笑いをリードしてきた日本の文化とも言える落語の行く末がちょっと心配になってきました。この本を読んで、あらためて桂枝雀や笑福亭松鶴、桂春団治の噺をもう一度じっくりと聞いてみたくなりました。

著者別読書感想(佐藤多佳子)

  ◇   ◇   ◇   ◇   ◇

海馬を馴らす (ハヤカワ・ミステリ文庫) ロバート・B・パーカー

私立探偵スペンサーシリーズの13作目(日本版1987年)にあたり、9作目「儀式」(日本版1984年)の続編という位置づけです。「儀式」では通りで身を売るしか救いがなかった少女エイプリルを、比較的まともな高級娼館の女主人へ引き渡してどうにかどん底から救い出したものの、そこで新たに知り合った男に騙され、飛び出したまま行方不明になります。

そのエイプリル・カイルを救うためにスペンサーが活躍をするわけですが、エイプリルを引き抜いたポン引き男を見つけて情報を引き出し、さらにその同じ男に使われている娼婦のジンジャーへも接触をします。そこで彼女から12歳の時に父親に性的暴力を受け、その父親に16歳で娼館へ売られた過去の身の上話を聞くことになります。

その後その娼婦は誰かに殺されてしまい、スペンサーの怒りに火がつきます。なぜジンジャーが殺されなければならなかったのか?誰が殺したのか?そして飛び出していったエイプリルは今どこにいるのか?黒幕は誰か?という謎だらけの追跡が始まります。

それらの事情を調べるため、まず手始めに殺されたジンジャーの故郷へ出向き、そこで父親にジンジャーの仇とばかりに、わざと喧嘩をふっかけ、殴り合いをするあたり、まさにスペンサー流の調査といったところです。

タイトルの「海馬」は「タツノオトシゴ」や「セイウチの別名」という意味と、最近脳科学などでよく聞く「本能的な行動や記憶に関与する大脳辺縁系の一部」という意味があります。

最初は、深く考えずにただ本能だけで行動するエイプリルのことを指しているのかと思いましたが、作品が書かれた1982年頃と、原題の「Taming a Sea Horse」からするとやっぱり「タツノオトシゴ」で、エイプリルのことを、海流などの流れに逆らわず、外洋を漂い、擬態を用いて隠れ住むその特性に重ねているのしょう。全然違ってたりするかも。

著者別読書感想(ロバート・B・パーカー)

■スペンサーシリーズ関連過去記事
スペンサーシリーズの読み方(初級者編)
さらばスペンサー!さらばロバート・B・パーカー
ハードボイルド的男臭さ満点小説

  ◇   ◇   ◇   ◇   ◇

姫椿 (徳間文庫) 浅田次郎

2003年に文藝春秋から発刊された短編を集めた小説で、発刊後まもなく買って読んでいましたが、今年の2月に別の出版社(徳間書店)から中身は同じこの文庫が新たに発売され、徳間書店としては新刊本扱いなので、当然のように書店の新刊書コーナーに並べてありました。で、深く考えずに手に取り買ってしまい、見事に騙されてしまいました。ハイハイ買った私がバカなだけです、わかってますハイハイ。

このような出版社を違えて同じ小説が発行されることは、人気作家の場合、ままあることですが、せめて先に出した文庫が廃刊または絶版、在庫切れになってからにしてもらたいものです。

Amazonを見るとまだ文藝春秋の文庫も新品が普通に売られていてしかもそちらのほうが値段が安く、なんか枯れ葉も山の賑わいで目立つ新刊本コーナーに置くための一種の詐欺商法みたいな感じさえ受けてしまいます。

徳間書店といえばギャビン・ライアルの「深夜プラス1 (ハヤカワ書房)」のまるごとパクリの志水辰夫氏「深夜ふたたび」(徳間文庫)を、そのことにまったく触れずにシラっと販売していました。せめてそういうことは最低限裏表紙のあらすじや中の解説などで触れておくべきで、まったく人を騙すことに抵抗のない、誠意の感じられない会社です。

「舞台をアメリカを日本に置き換えただけで、出てくるジョークまでまったく同じ内容の小説なら買うわけないだろ!」と思うのですが。はがきでクレームを入れましたが当然反応なしでした。その後志水氏の小説を一切読まなくなったのは言うまでもありません。徳間書店の本を買うときには今後注意が必要です。って言うかできれば買いたくない。

それと似た手法としては出版社は同じで、カバーや帯を変えて置かれることがありますが、その場合は新刊本コーナーには置かれないので、納得して購入できるので問題ありません。カバーを変えただけで埋もれて消えていく小説がバカ売れすることがありますので、それはいいことだとです。

浅田次郎ファンは多いので、私と同様に新刊本コーナーに置かれた文庫をタイトルなどロクに見ず、すぐ買ってしまた人も多いのではないでしょうか。お気の毒さまです。

一応しゃくだから最初からすべてを読み直しました。半分以上ストーリーを忘れてしまっていましたが、そいうことも含め、正直言って浅田次郎氏の作品にしては珍しく、ほとんど印象に残らない平凡な、悪く言えばつまらないストーリーだなと感じました。同じ小説を二度買いしてしまった不満と恨みがそこには込められているので話半分にしてください。

著者別読書感想(浅田次郎)

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