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ここ10年ほど「非正規社員が増加している」と国(厚労省)やマスコミが言い続けています。それに合わせるかのように、政治家も頭の軽いコメンテーターや評論家も「非正規社員増加、けしからん!問題だ!」とテレビで叫んでいます。

「雇用者全体の中に占める非正規社員の割合が増えている」は、統計的的には正しいのでしょうけど、その細目を見ていくといくつか疑問が浮かんできます。国やマスコが声を大にして言うことは、まず疑ってかかることが今の世の中の常識です。

というのは、「非正規社員が増えた理由」には、けしからんと言えない理由がいくつも考えられます。

例えば、

・若者のフリーター志向(責任ある仕事はしたくない、自由を捨てたくないなど)
・高齢者増により、定年後のパートや嘱託契約(非正規)の増加
・世帯年収減により、家計を補うため専業主婦や家事手伝いがパートをおこなうようになった
・親の収入減により、仕送りや小遣いの減少を補うため学生のアルバイトが増えた
・時間や場所に縛られない自分主体の働き方志向や、働きながら勉強したいとか働き方の多様化

・・・・などなど

そこで現状の労働者数、その中の正規社員と非正規社員の人数と推移を総務省統計局のデータで探ってみます。

まずは雇用者数(役員除く)全体を正規・非正規で分けた推移(上)と、同じく雇用者数(役員含む)を年代別で分けた推移(下)です。雇用者なので、自営の農林水産業などは入っていません。

雇用者数(役員除く)正規・非正規別推移(上) 年代別雇用者数(役員含む)推移(下)


雇用者全体で見ると生産人口(15~65歳)が1990年代にピークを迎え、その後は減少しているはずなのですが、雇用者数は増えています。これは今まで働いていなかった人達(例えば60歳以上高齢者や専業主婦、学生など)が働くようになった結果、雇用者数全体は横ばいか逆に増えていると考えられます。

下のグラフの赤○は団塊世代、赤△は団塊ジュニアの層がその各年代に達して人数を押し上げてきた様子を現しています。

年代別で見ると15~24歳と25~34歳の雇用者が団塊ジュニア層(現在40歳前後)の年齢が上がるにつれ、2000年頃からは急落し続けてきているのがわかります。

あとは65歳以上の雇用者が2005年頃から増え続けているのも特徴です。つまり全体では若い人の雇用者数が大きく減少し、逆に高齢の雇用者が増えてきたということがまず前段としてあります。

次にこれらの雇用者全体の中で、年代別に正規雇用と非正規雇用の推移(数と雇用者に占める率)を見てみます。

年代別正規社員数と正規社員率


年代別非正規社員数と非正規社員率


全般的な傾向からすると、ほとんどの年代で正社員は減少、逆に非正規社員は増加傾向にあります。

国やマスコミが言う「非正規が増えている」は絶対数で増えているのか、雇用者全体に占める率で増えているかハッキリしないケースが多いので、上記グラフは両方並べておきます。

雇用者の絶対数で「増えている」「減っている」というと、団塊世代や団塊ジュニア世代といった大きな塊が特に年齢層別では大きく影響してきます。しかし率で見れば雇用者全体に占める割合ですので、そうした特殊要因の影響はあまり受けません。

正社員の年代別、率の推移を見ると、全年齢層で下降トレンドにあります。その中でも特に15~24歳の若者(薄青)は1990年頃までは80%と正社員率が高かったのに、1996年頃から一気に下降し、2014年では55~65歳の年齢層(薄茶)と変わらない50%以下にまで落ちています。

しかしひと世代上の25歳~34歳の層(青)になると各年代の中でもっとも高い正社員率を維持し、2014年で70%を上回っています。これらからすると、15~24歳で非正規だった人も、やがては正社員に就いていくという自然な流れが読み取れそうです。

つまり15~24歳の若者は正社員に就きたくても就けないという緊迫した状態ではなく、自らの意志で非正規を選んでいる可能性が高いとも言えます。それが証拠にひとつ上の年代になると正規社員の割合が急に高くなります。

非正規の年代別、率をの推移を見ると、極端に上昇しているのが上記正社員の裏返しで15~24歳の層と、65歳以上の層です。

特に65歳以上の層が2012年から顕著に急増していますが、これは従来の60歳定年から、65歳までの継続雇用が義務づけられ雇用延長(通常は非正規で延長されるケースが多い)が制定された影響でしょう。雇用継続制度と年金支給年齢の引き上げはセットになっています。

一方、25~34歳、35~44歳、45~54歳の各働き盛りの年代層は、2004年からの10年間を見るとほぼ横ばいで推移していて、特に「非正規が増えている!」と声を大にして叫ぶような状態ではありません。

つまり非正規が明らかに増えているのは、年代層別に見ると15~24歳の若者と、55~65歳、65歳以上の中高年者だということがわかります。

次に、2013年の労働力調査の中から、「非正規の仕事に就いた理由」を尋ねた回答を円グラフにしてみました。



非正規社員で勤務した理由で一番多い回答は「自分の都合のよい時間に働きたいから」(24%)、次が「家計の補助・学費等を得たいから」(22%)となっています。この上位2つは「正社員に就きたいけれど就けなかった」という理由ではなさそうです。

つまり非正規社員になった人のうちの多くは、専業主婦だった人や学生、その他時間や働く場所等条件に制約がある人達が就いているケースがほとんどで、果たしてそのような非正規社員に対しても正社員と同等(給料も労働時間も質も転勤も休日出勤も)同じにすべきって言う主張が正しいことなのかどうか。

そして3番目に多いのが「正規の職員・従業員の仕事がないから」(19%)で、これが政治家やマスコミが問題にすべき非正規問題の根幹たるものになるでしょう。

この19%(グラフの赤色)が多いと見るか、たった2割にも達しないと見るか、それぞれあるでしょうけど、この19%の中には、「正社員に就くにはあまりにも本人の条件、例えば時間とか場所とか給料とかの希望が高すぎてそれじゃ無理だろ」とか、高度な特殊技能もないのに「60歳で正社員希望」など常識を外れた無理難題を言っている人も当然に含まれていると思われます。

まとめると、「非正規社員問題」は、25歳までの若者の働く志向についてもっと研究すべき点があるのと、あとは55歳以上の一度退職すると正社員になりにくい中高年者の正社員再就職問題ととらえることができます。

特に中小零細企業で倒産や廃業、解散、リストラなどが起きると、自動的に若者中心の転職市場へ追いやられてしまう、中高年者の再就職問題を解決するのが「非正規雇用」の最大の問題であり、テレビなどでセンセーショナルに「大学を出ても正社員に就けない若者」とか「20年間パート勤めしても正社員になれない」というようなレアなケースが問題ではないというのが実態なのです。


【関連リンク】
804 高齢就業者と非正規雇用
717 非正規から正規雇用への転換策
707 ハローワークは非正規職員のおかげで回っている
703 労働契約法改正で非正規雇用者は幸せになれるか
697 非正規雇用拡大の元凶が人材派遣だって?
452 中高年者の雇用問題と非正規雇用問題



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