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一般的に言って人でも企業でも国家でも常に「成長」することを求められます。

この「成長」ですが、当たり前のように使っていますが、人が幸せになるためには、本当に必要なものなのでしょうか?

たぶんその人の環境や年齢によっても考え方が大きく違ってくると思いますが、私なりに考えてみました。
 
普通子供はただ生きているだけでも身体は大人へと成長していきます。やがて親離れをして自立できる社会人となるため、しつけや経験から理性を身につけ、学習を通じ知の成長を求められます。

そして社会人になったあとも、さらにより高難度の仕事をするため、あるいは高報酬を得るため、さらには自己満足を得るために成長していく必要があります。

だから人は成長し続けなければなりません。
 
企業は継続していくために利潤を生み出す必要があり、その利潤と利潤を貯めた資本は多ければ多いほど、将来への投資に回すことができ、ライバルと競争する時にも有利に戦えます。

また急激な景気変動など予期しないことに対し事業運営資金を貯めておく必要もあります。

そして企業の持ち主たる株主に十分な配当を出したり、お金を稼ぐ役員や従業員が気持ちよく働けるように給料や福利厚生をよりよく整備して安定した事業運営が可能となります。

だから企業は成長し続けなければならないのです。
 
国家は豊かで安全で健康的な生活が送れるよう国民と約束し、それを与え続けるため、成長していく必要があります。

国家は経済的に成長することで、税収が増え、教育や社会保障、司法、行政、立法の各制度や高度な社会インフラが整備され、継続した豊かな国家運営がおこなえます。

そして近代国家として他国との関係をよくするためには、相互に貿易振興や人の交流、経済支援、防衛体制などが必要ですから、やはり国家財政は成長し続けていく必要があります。
 
しかし、本当にそうなのでしょうか?
 
人が幸せと思うのは必ずしも豊かな生活や高給、財産、社会的名誉ばかりではないでしょう。

高度成長期の日本人の価値観はおそらくそれらが多数だったかもしれません。

長引く低成長&デフレの現在はと言えば、それらの反省もあって「仕事より生活」「物質より精神」「量から質」「集団から個」「国家統制から自己責任」へと日本人の考え方や感性は変わってきていると言われています。
 
成長期にある国家観、国民感情は、がむしゃらに遊び、学び、そして働いてきた青少年期と言えます。

今はそれを脱し、落ち着いた大人への転換にあるのではないかと思うわけです。大人になれば青少年とは違い、価値感や企業の存在価値、国家のあり方が変わっても当然のことです。
 
企業はほとんどの場合、株主と経営者(社長を含む取締役)は利益という面では一心同体であり、一般的に支配階級となります。

つまり「企業の成長」というのは株主と経営者の利益拡大が最大の目的です。

これは2000年以降リーマン不況に至るまで企業の経常利益は拡大してきたのに、そこで働く従業員の給料は下がり続けているという統計データからハッキリわかります。年功序列を壊し、従業員への配分を減らして、内部留保や株主の配当などへ回した結果です。
 
株主と経営者の利益拡大は、なにも直接の配当金や役員報酬額のアップだけを言っているのではなく、資産が増えて企業価値が上がれば株主や経営者にとって間接的にも大きな利益となります。しかし一般の従業員にとって会社の利益や資産が増え、会社の価値が上がってもほとんどなにも関係がありません。
 
しかし企業は従業員に対し「企業は成長し続けることが重要」「企業と共に社員も成長する」「価値のある成長企業に」と、呪文のごとく言い続けます。一見するといい言葉のように思えますが、その真意は「株主と経営者により多くの利益を」なのです。
 
そしてまもなく経営者に手が届きそうな、いわゆる部長クラスの競争は熾烈を極めます。つまり支配層に入れるか被支配層のままでいるかというのは、収入面はもちろん社会的な地位も大きく違ってきますので、その苛烈な競争は端から見ていると哀れを通り越してまるで喜劇の世界です。年功序列の昔と違って今は黙っていても自然と昇進はしていきません。
 
漫画やドラマでは、欲のない部長が、実力者に見初められ一挙に社長に抜擢されるという夢物語が出てきますが、現実には絶対にあり得ない話しだから、漫画や非日常を描くドラマになるわけです。

現実はと言えば、公の企業であるはずの上場企業でも、役員は同族ばかりだったり、ゴマすり男だけが昇進したり、バカ息子に社長を引き継ごうとする例は枚挙にいとまがありません。
 
というような事を書くと必ずと言っていいほど「お前は共産主義者だ!」と断言されてしまいそうですが、学生時代に自分の意志で海上自衛隊へ体験入隊をしたり、観艦式に出席したり、自衛隊にいた友人に頼んで東富士での総合演習を見学させてもらったり、最近では靖国神社へ花見を兼ねて2度お参りをしたり、時々は書店で雑誌「丸」を立ち読みしているどちらかと言えばやや右傾がかっている?ありきたりで無思想な人間です。
 
では成長を求めない人や企業や国家は、本当に生き残れないし、存在する価値はないのでしょうか?
 
日本の法人数の約8~9割を占める個人経営を含む零細企業は成長よりも安定を求めているように思います。もちろん安定させるための手段としての成長もひとつの方法ですが、欲をかいたり無節操に成長させようとすると人手が足らない、既存の店(事務所)では狭い、多くの運転資金が必要、新たな設備が必要となり、成長を目指して背伸びをしたあげく借金まみれという例はいっぱいあります。
 
零細企業の多くは家族だけで経営していくような商店や工房のようなもので、形態は「酒屋からコンビニ」とか「工場から体験工房」とか「風呂屋から賃貸マンション経営」へと時代と共に変化はしていきますが、決して成長は求めていないというケースが多く見られます。

同様に1980年代のバブル時にも決して過大な投資や新事業への進出などはせず、地道に安定を求めてやってきた企業というのは、昨今の不況でも比較的手堅くやっています。

倒産する企業の理由を見ると、現在でもまだなお「バブル時の多大な投資の借金が重荷となり…」という文言が入っていたりします。
 
こうした決して目立ちはしないけれど、安定した経営を長く続けていることは、決して遅れているというわけではなく、技術や顧客からの要請や需要はその時々に変わっているはずですので、それらにうまく順応できる技術力や柔軟性、スピードをもっている証拠なのです。
 
世界を見渡せば、何十年も目立った経済成長せずとも、国民の多くが生活に満足している国はいくつもあります。

例えばノルウェーやスウェーデン、デンマークなど北欧諸国は人口も日本よりずっと少なく、日本と同様資源は少なく、冬が長くて生活環境も厳しく、G7各国のような先進的な工業国ではありませんが、多くの国民の生活は比較的豊かで安定しています。
 
それらの社会福祉国家体制が日本に向いているかどうかはわかりませんが、決してGDPが2位だ3位だとか、BRICS諸国に追いつかれるぞ、負けるなと言って、背伸びしながら成長することだけを国や企業の目標としてはいけないのではと思った次第です。
 
日本の国も企業も、そういった成長や競争を求めない大人の仲間入りをしてはどうでしょうか。

このご時世に及んでもまだひたすらに「成長」を口にする政治家や企業人は、私にとってはどうにも怪しく、欺瞞に満ちているとしか思えません。

「成長」を言う人は決して相手のことを思っていうのではなく、自分の利益のためにそう言っているのに過ぎません。そう、ハッキリ言って成長を求められることに「疲れちゃった」というのが私の本音です。

(参考DATA)
 
リスクの少ない国(The Economist Country Risk Ratings)
(1)スイス (2)フィンランド、ノルウェー、スウェーデン (5)カナダ、デンマーク、オランダ (8)ドイツ …(13)日本 
 
国際競争力(IMD)
(1)米国 (2)シンガポール (3)香港 (4)スイス (5)ルクセンブルグ (6)デンマーク (7)オーストラリア (8)カナダ (9)スウェーデン (10)オランダ …(22)日本
 
平和な国(GPIランキング)
(1)ノルウェー (2)ニュージーランド (3)デンマーク (4)アイルランド (5)日本 (6)フィンランド (7)スウェーデン (8)カナダ (9)ポルトガル (10)オーストリア
 
豊かな国(社会生産性本部)
(1)ルクセンブルグ (2)ノルウェー (3)スイス (4)デンマーク (5)スウェーデン (6)アイスランド (7)米国 (8)カナダ (9)アイルランド (10)オーストリア …(14)日本
 
人間開発指数(HDI) (UNDP(United Nations Development Programme))
(1)ノルウェー (2)オーストラリア (3)アイスランド (4)カナダ (5)アイルランド (6)オランダ (7)スウェーデン (8)フランス (9)スイス (10)日本


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