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1003
まもなくあの東日本大震災から5年が経ちます。被害の大きかったエリアや原発事故の影響が残る地域は別として、日本はあの災害があったことさえ徐々に忘れ去ろうとしています。

私はあの日は普段通りに会社にいて、都内の高層ビルの中で大きく揺られましたが、ビル自体が最新の耐震設計ビルだったこともあり、避難の必要はなく、家族の安否とどこで何が起きたのかと情報集めに奔走していました。

通勤電車は軒並み停まっているか、動いていても超満員で乗れないという状態が夜まで続いていました。結局、自宅まで20kmの道のりを歩いて帰るには無理と判断し、Twitterで電車の稼働状況や混雑状況を見つつ帰るタイミングをはかっていました。夕食には会社に備蓄されていたアルファ米の五目飯などが提供され助かりました。

そして日が変わる直前に会社を出て、動いている電車を乗り継ぎ、時間はかかりましたが、なんとか夜が明ける前には自宅に帰ることができました。

さっさと翌日朝まで運行を停止を決めたJRと違い、いち早く安全を確認し終夜電車を動かし続けてくれた私鉄にとても感謝です。

震災翌日は土曜日で、3日後の月曜日も引き続き臨時休業になり、震災地のことも心配でしたが、家族が私以外に4人もいるので、とりあえず、震災の影響と新たな余震で物流の停滞が心配され、急いで水や食料の買い出しをおこないました。

しかし、考えることはみな同じで、近所のスーパーでは米や水、インスタントラーメンなど食料品、トイレットペーパーなど日用品、それにガソリンなどは売り切れが続出し、あちこち出掛けては少しずつ買い集めるという非効率なこととなり、こうした非常時には脆弱な都市部郊外の流通を体感しました。

しかし幸いにも電気やガス、水道などインフラがすべて正常だったことが、大きく混乱しなかった最大の要因でしょう。

もし本当に首都圏直撃の大震災が起きれば、物資不足はこの比ではなく、何週間にわたり水や食料、燃料がまったく入手ができないという状態になってしまうでしょう。人口の多い都市部での被災は、火事と長期にわたる食糧難が一番怖いところです。

それはさておき、東京都は首都圏で大震災が発生した場合、都市インフラが一時的に機能不全となることが想定されており、それらのインフラの95%が復旧する目安の時間(期間)を発表しています。

それは、電力7日、通信14日、上下水道30日、都市ガス60日です。

インフラの中で一番復旧が早いのが電力で、それでも最大1週間かかります。電気がないと携帯電話の充電もできず、パソコン、テレビ、冷暖房エアコン、ファンヒーター、照明、炊飯器なども使えず、事実上まともな生活ができません。

そして真っ先に復旧工事に入るのは、役所が多い東京都の中心部、霞ヶ関や永田町界隈の千代田区で、その後、大企業が多い港区、中央区、新宿区と拡がっていくことになるでしょう。

住宅地の杉並区や世田谷区、中野区、下町の江戸川区、葛飾区、足立区などは、道路幅も狭く、被災後に倒壊した家や塀、電柱を除去しながらになるので、電力が通じるまでには最大の7日間かかると見ておいてもいいでしょう。埼玉、神奈川、千葉といった郊外も同様です。

しかも発電所や変電所が被害を受けた場合は、先の震災時にもあった計画停電なども考えられます。

しかし電気は他のインフラと比べると早く復旧しますので、備蓄品にあえて高額な発電機などを購入しておく必要性は薄いように思います。携帯電話の充電ぐらいなら、自動車の電源でも行えます。

通信インフラとは固定電話や携帯電話の基地局、CATVなどでしょう。こちらは一般家庭の場合、重傷者、重病人がいなければ、しばらく不通であっても直接命に直接関わるものではありません。

上下水道が1ヶ月間止まると、トイレの汚物処理が大変なことになりそうです。トイレを流すのに電気は使わないって思っていても、下水管の破損や下水処理場の被害で、下水が流れず、家庭のトイレから流せないという状態になるそうです。

つまり汚物を1ヶ月近く自宅に貯めておくしかないってことになります。これは大きな問題となりそうです。

東北の震災でもトイレが一番困ったという声をよく聞きました。特に高齢者などは、寒い屋外に設置された離れた仮説トイレへ行くのを嫌がって、食べ物や飲み物を摂らず、それで病気になったり持病を悪化させた人が多くいたという話しでした。

前の震災は東北の冬でしたが、もし真夏だと、想像したくないですが、臭いだけでも相当なものでしょう。

水道が出ないと飲み水がありません。コンビニやスーパーへ走っても、飲料やインスタント食料は真っ先に売り切れていて入荷はまずありません。

避難所等に備蓄があると言っても全住民分の備蓄があるわけではないので、それに期待をしないほうがよさそうです。

インフラでは都市ガスの復旧が一番時間がかかります。都市ガスがないとガスコンロや湯沸かし器、風呂の給湯ができません(オール電化住宅以外)。

水が出るようになっても、風呂を沸かして入れるようになるまで2ヶ月もかかるとなればつらいですね。夏なら水浴びだけでもなんとかなりますが。

都市部に住んでいるならば、ある程度それらに対応できるように準備しておかなければなりません。

東京都は住民に対し下記の備蓄を推奨しています。モデルは両親と子供2人の4人家族の想定です。

都民の備蓄推進プロジェクト
(一部抜粋)
・水2リットル×12本
・カセットコンロ1台、カセットボンベ2セット(6個)
・缶詰6個
・レトルト9パック
・野菜ジュース9本
・その他即席麺、栄養補助剤、お菓子
・簡易トイレ30回分
・懐中電灯、ラジオ(手回し充電式)
・ビニール袋、ウエットティッシュ、使い捨てカイロ
・常備薬


この中で、個人的に特に重要だと思うのは、
水、カセットコンロとボンベ、缶詰、インスタントラーメン、簡易トイレ、懐中電灯と電池でしょうか。

まず、水は最近では2リットル×6本のミネラルウォーターが1箱400円程度で、売られていますので多めに3~4箱、缶詰は長持ちするので6個と言わずいろいろな種類を20缶ほど。とりあえず、救援物資が回ってくるまで、その二つがあれば飢えや栄養失調による体力低下は免れます。

ミネラルウォーターは備蓄用でないもので賞味期限はおよそ2年ありますので、年に一回程度買い換えておけば済みます。我が家では日常的にコーヒーにミネラルウォーターを使いますので、備蓄用として常に3~4箱があるように買い増しをしています。

缶詰も製造日から2~3年の賞味期限が刻印されていますが、基本的には10年程度はなんら問題ないそうです。もちろん缶が錆びて穴が空いていたり、発酵して膨らんでいたりすればその限りではありません(自己責任で)。なので、あまり賞味期限にこだわらず、数年に1回料理に使って新しく補充するというサイクルを繰り返せばいいと思います。

次に先の震災時にもお金の代替として流通していたというカセットボンベ。インスタントラーメンや米が手に入っても煮炊きするカセットガスコンロとボンベがなければ意味をなしません。お湯を沸かして暖かい飲み物を作ったり、缶詰を湯煎するにも必要です。

備蓄するのは自前で使うものが普通ですが、そうした非常時には助け合いということもあり、ご近所さんとお互いに不足しているもの同士を物々交換することがあるそうです。そうした時、どこでも一番喜ばれたのは消耗品のカセットボンベだと聞いたことがあります。

上記のように都市ガスが復旧するには最大で2ヶ月もかかりますので、オール電化住宅でない限り、カセットコンロとボンベは被災後長期間にわたって需要があるようです。

なので小さくて邪魔にならないカセットボンベを多めに備蓄しておくというのは賢い選択かも知れません。

ちなみに一般的なカセットガスボンベの使用期限は概ね7年ということになっています。こちらも保存状態にもよりますが、使用期間が過ぎても数年なら問題がないと思われます(自己責任で)。

私の過去の苦い経験は、ある日鍋をしようと思い立ち、非常用に買ってあった新品のカセットガスコンロにいざ着火しようとしましたが、まったく点火せず故障していたことがあります。

ボンベのせいか?と思って新しいボンベでも試しましたがやっぱりダメで、必ず購入後は着火の確認と、時々の点検が必要と思いました。

意外と忘れられていますが、重要と思うのが簡易トイレでしょう。水で流せない場合には、ビニール袋やレジ袋で代用する方法もありますが、できれば消臭や消毒、凝固剤入りの簡易トイレがあれば重宝しそうです。上下水道が復旧する最長1ヶ月分必要です。

その他、自宅にマイカーがあれば、そのクルマの電源を使ってお湯を沸かせたり、携帯電話の充電ができます。それがすぐに利用できるように専用のインバーターを購入しておくのもいいでしょう。

震災後に慌てて買いに行っても店が開いていないか、売り切れているでしょう。最近はバイクから携帯電話の充電ができるオプション装備などもあります。

あとは、赤ちゃんや寝たきり老人がいる場合はおむつの予備、女性の生理用品、持病など既往歴のある人は常備薬、眼鏡やコンタクトレンズの予備、それと忘れてはいけないのが現金です。

震災後にスーパーやコンビニでわずかに残っている食料品や飲料を買うことができたとしても、それを買う現金は必要です。電子マネーやクレジットカードはこういう時には役立ちません。

ガソリンスタンドでは停電でも手動でポンプを動かして給油できるところがありますが、精算はやはり現金が必要となります。銀行ATMも数日間は使えないことになりますので、非常用として最低1~2万円程度の現金は手元にあるようにしておく必要があります。

うちにもまだ備蓄できていないモノがいくつかありますので、いつか必ずやってくる大地震の前に、さっそく予算を取って購入しておきたいと思います。ただ現金だけは備蓄したくても右から左へと流れていってしまい無理なのですけどね。

■Amazon非常用お勧め備蓄品

サンヨー おかず缶セット 12缶入(6種×2缶入)

アルファ米12種類全部セット(非常食 5年保存)

デニッシュパンの缶詰 【缶deボローニャ】6缶セット

キリン アルカリイオンの水 (2L×6本)×2箱

イワタニ カセットフー 達人スリム うす型コンロ

イワタニ カセットガス 12本セット

非常用トイレ袋(30回分)

インバーター 1000W シガーソケット 車載充電器



【関連リンク】
816 2050年に向けてのグランドデザイン
595 震災など非常時の備え その2
594 震災など非常時の備え その1
493 緊急地震速報の進化に期待

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1002
毎年、健康診断をキチンと受けることは重要で、特に中年になってからは、各種の検査数値や体重の変化には、病気の予知や、異常値が続く場合は早めに対策して予防することができます。

今はまだ普及していませんが、胃潰瘍や胃ガンと関係が深いピロリ菌検査(大人になってから1回だけおこなえばよい)や、血液で判定できるガン検診なども今後は定番メニューとして普及していくのではないでしょうか。

渡辺謙の胃がん「早期発見」はまさに奇跡的だった(J-CAST)
俳優・渡辺謙さん(56)の胃がんはまさに「奇跡的なタイミング」で発見された。きっかけは、妻で女優の南果歩さん(52)に「行って」と勧められた人間ドックだった。

私の場合、過去にはストレスから来る影響で、胃のレントゲンでは毎回指摘されていた「胃潰瘍、十二指腸潰瘍の疑いあり」、それに一時期には心電図で「不整脈」を言われたことがあります。

現在はそれらの症状はなく、ピロリ菌の退治もおこないましたので、ほとんど問題はなくなったのですが、2009年頃から急速に体重、腹囲が増えてきて、2010年にはBMI値(身長と体重から計算した肥満度を測る指標)、2011年にはメタボ診断のための腹囲とも平均を大きく超える自己最高値を記録してしまい、こりゃまずいってことで、自己流でダイエットをすることにしました。

急速に太り出すのは、なにか原因がありそうですが、私の場合は、仕事の内容が変わり、あまり動かなくなったことやそれによるストレス過多が大きな点でした。そして同時に右股関節の変形性股関節症(臼蓋形成不全)のせいで、長距離を歩いたり、ゴルフなどのスポーツができなくなったことも影響しています。

そこで、運動しないで、ダイエットするには?と考えて、その頃はやり始めてきた「糖質制限ダイエット(炭水化物制限ダイエット)」を取り入れて、できるだけご飯やラーメンなど炭水化物系食品を食べない生活をすることにしました。もちろんそれらをまったく食べないわけではありません、あくまで量を減らすだけです。

糖質制限ダイエットは、2011年終盤ぐらいから始めて、2012年中はまだ大きな効果は現れませんでしたが、2013年になると急速に体重が落ち、BMI値も下がってきました。この効果には本当に驚きました。それで副作用がなにかあったかと言われると、なにもなく、身体が軽く感じることで、階段や上り坂も楽になり、いいことだらけです。



一気に痩せて唯一デメリットがあったのは、2010~2011年頃に買ったスーツのスラックスやジーンズが、2014年には腹囲が当時から14センチ近くも縮んだためブカブカでとても着られなくなって買い換えることになったってことでしょうか。

炭水化物制限ダイエットは、別に食欲を押さえ込むわけでもないので、大きな我慢や努力を要するものではなく、食べる素材に気をつけるというだけで、比較的取り組みやすいダイエット法だと思います。

もっとも世の中にはご飯大好き、ラーメン大好き、うどん・そば・パスタ大好きっていう炭水化物が大好きな人が多いのも事実で、私もまさにそうでしたが、それらを一切食べないわけではなく、順々に量を減らし、その代わりに野菜や肉、豆腐、魚などの炭水化物以外のものを食べる習慣付けをするだけで、空腹でつらいってこともありません。

2015年の健康診断では2012年以降3年間順調に減らせてきた腹囲が1センチだけ増えてしまいましたが、体重はわずかですが5年連続しての減少とあいなり、自己評価としてはまぁまぁの出来です。

但しあまり急激におこなったり、極端な制限をすると決して身体にとってはいいとは言えないようです。因果関係は不明ですが、こういうことも起きていますので、ほどほどにです。

「糖質制限ダイエット」の第一人者急逝 因果関係はないのか(livedoorNEWS)

その亡くなった桐山秀樹氏と、糖質制限の提唱者として知られる江部康二医師との半年前の対談

糖尿病にかかって研究を始めた?江部康二×桐山秀樹『糖質制限』対談(まぐまぐニュース)


ま、いずれにしても、いままでのまま、緩い糖質制限ダイエットを続けてさらにダイエットができるかと言うと、2015年にはほとんど減り方が停まってしまった感があり、糖質制限ダイエット以外をなにかプラスをしないと、これ以上の減量やスリム化は難しそうです。

あと、健康診断では計測しませんが、自宅では体脂肪率、内臓脂肪率も測れる体重計を買ったので、これも日々チェックするようにしています。

サッカー日本代表のハリルホジッチ監督は、『ハリル監督、代表候補に厳しい“宿題”「体脂肪率12%以上は呼ばない」』ということで、別に今からサッカー日本代表を目指すわけではありませんが、その体脂肪率12%をひとつの目標にしています。


成人男性の理想の体脂肪率は15~20%と言われていますので、さらにそこから数パーセント削って12%にするにはアスリートでもなければ半端なく難しそうです。

ちなみにテニスの錦織選手は6%、メジャーで活躍するイチロー選手は40歳時点で体脂肪率5%というから驚きです。無駄な脂肪はほとんどなく、全身筋肉の塊ってところでしょうか。

私の場合、体脂肪率は16%ぐらいまでは意外にスムーズに落ちてきてきましたが、その先へはなかなか進みません。

何度か瞬間的?に体脂肪率14%代に入ったこともありましたが、すぐにまた戻ってしまい、最近は15~17あたりを行ったり来たりしています。やっぱりちゃんと脂肪の代わりに筋肉をつける運動をしなくてはこれ以上進むのは難しいのでしょう。

人間は目標があると、頑張れたりしますので、何度もダイエットに失敗している人も、できるだけ毎日そうした数値の記録を付けて、この調子で半年後には体重は○○kg、体脂肪率は○○%という独自の目標を立てておくと、頑張りやすいのかも知れません。

今テレビCMで流行のライザップなどへ通えば確実にお腹周りがスッキリするのでしょうけど、2ヶ月で30~50万円もお金を払って運動し、しかも食事に気をつかってということを考えると、私のように、数年はかかりますが、お金をまったくかけず、糖質制限をするだけで10kg以上を落とし(4年間で14kgのダウン)、体脂肪も減らせるという方法は大いに魅力ありそうです。


【関連リンク】
906 トクホが売れるわけ
760 糖質ダイエットについての備忘録その2
759 糖質ダイエットについての備忘録その1
737 日本人が罹りやすい病気
348 あぁ、メタボがとまらない



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1001
私が普通自動車免許を取得した1970年代後半は、ガソリンスタンドと言えば、そりゃ~もういろいろなブランドが百花繚乱のごとく咲き誇っていました。その数全国に5万店舗もありましたので、日本中隅々までカバーされていました。

ニッセキと言えば日本赤十字社よりも代名詞として使われていた日本石油、お洒落で小綺麗な感じの店が多かったモービルエッソ、そしていかにも外資っぽく高級感あふれるイメージの店が多かった黄色い貝印のシェル石油、地味目ながら値段がお得な感じがしたゼネラル石油、ちょっと怖かった赤い女神を象った出光興産、いかにも堅く実直そうな三菱石油、安かろう悪かろうという都市伝説というか噂が絶えなかったキグナス石油、その他にも共同石油大協石油、オー!モーレツ!のCMがウケた丸善石油アジア石油太陽石油、その他農協(JA)ブランドなどなど多くのガソリンスタンドが、高度成長時代のモータリゼーションを支えていました。

私は18になるとすぐに免許を取り、70年代半ばにはバイトをして中古車を買い、クルマに乗っていたので、そうした様々なガソリンスタンドを利用していました。

その際、給油するブランドを決めていなかったのと、現在のようにクレジットカードや会員カード割引で、客の囲い込みをされることもなかったので、その日の気分でいろいろなガソリンスタンドに寄っていました。

そしていつも満タンではなく、懐具合に応じて10リッターとか少しずつ給油していた身としては、小綺麗で入ると2~3人のスタッフが駆け寄ってくる外資系スタンド(モービルやシェル)に行くのはちょっとハードルが高かく感じました。今のようにセルフスタンドなんてものもなかったので。

その国内におけるガソリンスタンドの数ですが、高度成長期とモータリゼーション、そしてバブル経済と続き、1980年には52,789店と増え続け、1994年に60,421店のピークを迎えましたが、バブル崩壊後は一転し、離合集散を繰り返して減少し続け、2014年は33,510店まで減りました。この数はピーク時の55%で、販売台数の低下と、エコカーが主流になってきた今、しばらくこの減少傾向は続きそうです。


出典は「揮発油販売業法(現「品確法」)に基づく登録給油所数」

今の住まいは25年前に購入しましたが、その時は家から2km圏内に8箇所の給油所がありました。現在はそのうちの4箇所がマンションやコンビニ、中古車販売店に変わってしまいました。そうしたことが日本中で起きています。

ガソリンスタンドが減少していくなかで、その経営母体(ガソリン供給元)が、1980年代からどのように変化していったかを図解しておきます。



1985年 昭和石油、シェル石油(蘭)が合併し昭和シェル石油に
1986年 丸善石油、大協石油が合併して「ココロも満タンに~♪」のコスモ石油に
1992年 日本鉱業と共同石油が合併しジャパンエナジー(JOMO)に
1999年 日本石油と三菱石油は合併し日石三菱、2002年に新日本石油に
2000年 東亜燃料工業(ESSO)とゼネラル石油は合併し東燃ゼネラル石油に
2001年 東燃ゼネラル石油はキグナス石油を合併吸収
2002年 エッソ石油(米)とモービル石油(米)が合併(エクソンモービル)し東燃ゼネラルへ販売業務委託
2008年 九州石油と新日本石油が統合
2008年 JOMOブランドを展開する新日鉱ホールディングスと新日本石油が経営統合
2010年 新日本石油とジャパンエナジー(JOMO)が合併しJX日鉱日石エネルギーに
2014年 三井石油は東燃ゼネラルの子会社になり順次エッソブランドへ
2015年 出光興産と昭和シェルの経営統合発表

というように複雑に合併や経営統合、提携などを通じて、この30年間に大きく業界図が変わってきています。まるで一時期合併や経営統合が繰り返された都市銀行のようですね。

現在はと言うと、JX日鉱日石エネルギーグループ(ENEOS、JOMO)と、2015年暮れに発表された出光興産・昭和シェルの経営統合によるグループの2強体制となり、続いて東燃ゼネラル(ESSOなど)のグループやコスモ石油、太陽石油といった独自路線のところが続きます。

これらの3位以下の石油会社は、今後独自路線で行くのか、それとも2強のグループに集約されていくのか、3位以下同士でタッグを組み3強体制になるのか、まだ予断が許されないところです。

各社のガソリンの品質に違いがあるかどうかは、近年の精製技術からすると、「ほとんど違いはない」というのが実体でしょう。

昔ならテレビCMで、「エンジン洗浄剤入り」とか「加速が違う」とか、ブランドによって品質に差があることをPRしていましたが、最近はほとんどそれは見られません。

それに精製や輸送、販売を違うブランド同士で提携しているところもあり、ブランドは違えど中身は同じっていうものもあります。

例えば精製、物流提携しているENEOSとコスモ石油のガソリンや、エッソ(東燃ゼネラル)と販売提携している三井石油のガソリンはそれぞれ中身はほぼ同じと思ってよさそうです。

三菱商事エネルギーが卸しているスタンドには独自ブランドのところもあれば、ENEOSやシェル、エクソンモービル、コスモなどのブランドだったりするところもあります。

私は現在は自宅からもっとも近くにあって、フルサービスながらも近隣では価格が一番安いENEOSの給油所を利用しています。

その関係で、さらに安くなるクレジットカード機能がついている年会費不要のENEOSカードを作り、今では完全に囲い込みをされている状態です。

ただそのエネオスは24時間営業ではないので、深夜や早朝にどうしても給油する必要がある場合には、別の24時間営業のセルフ(エッソ)スタンドへ行くことがあります。そこでは自動洗車機(有料)や空気入れ(無料)等も使えますので、給油以外でも時々利用しています。

出光のスタンドも家の近くにありますが、ちょっと出入りがしにくい交差点角にあり、以前からスタンドに出入りするクルマと、信号で停止しているクルマの隙間を縫って走ってくるバイクや自転車とでよく事故を起こしています。またこの出光は営業時間が短く、使い勝手がよくないので、個人的にはほとんど利用したことがありません。

出光興産創業者がモデルの小説「海賊とよばれた男 」を読んでから、出光興産のファンになり、ガソリンも出光を使ってあげたいって気持ちはあるのですけど、やっぱりスタンドの立地と営業時間は重要な選択肢になってしまいます。

今までガソリンのブランドはさほど意識したことはありませんが、15年ほど前にあるブランドのガソリンを入れた時、しばらくすると明らかにエンジンの調子が悪化してしまい(加速時にカリカリと異音がしてパワーが出ない、ハイオク専用にレギュラーガソリンを入れたような感じでエンジンが壊れるか?って一瞬思いました)、それ以来、そのブランドのガソリンは避けるようにしています。ガソリンだけの影響か確信が持てないのでどこのブランドかは書きませんが。

いずれにしても今後はますます燃費がいいクルマやガソリンを利用しないクルマが増えていくことで、ガソリンスタンド経営は一層難しくなってくるのでしょう。

過疎化した町や村では、唯一あったスタンドが廃業し、何十キロも離れたスタンドへ買いに行かねばならないってことが普通に起きています。

そうした人口密度が低い一部の地域では、厳しい給油所の各種規制を一定の基準で緩和することで、例えばコンビニやスーパー、道の駅、郵便局などでも簡易に給油所が開設できるよう、政治家のみなさんにも考えてもらいたいものです。

そうすることで、給油するために遠方へ出掛けるというアホなことをせずにすみますし、そういう特定給油所には非常時には緊急車の給油優先のルールを課しておけば、前の震災時のように救急車など緊急車がガソリンがなくって出せないということを防ぐことにもつながります。


【関連リンク】
719 道の駅は次の段階へ進めるか
667 減りゆくガソリンスタンドが生き残る道
616 ガソリンスタンドの経営が厳しいと言うことはわかるが
443 原油価格とガソリン代

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1000
まず、「リストラ天国日記」が2002年のスタートから1000回に達したことをお伝えします。パチパチパチ。

独断と偏見に満ち、さして教養もないつまらない日記ながら、時々でも読んでいただいている方には、たいへん感謝しています。

自己満足と言いつつも、わずかながらでも読者がいることが、なにより書き続けるひとつのモチベーションとなっていることは確かです。

抱負なんてものはありませんが、曲がりなりに14年間継続してこられたことは、ちょっと誇らしく思っています。

もし突然予告なく日記が数ヶ月更新が途絶えた時は、きっとどこかで野垂れ死にしたと思ってください。一応は今のところ同居する家族がいますので、孤独死は免れると思いますけど、、、

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

人類資金 (講談社文庫) 1・2・3・4・5・6巻 福井晴敏

2013年以降順次刊行されてきた作品で、2015年7月に発刊された第7巻が最終となっています。

その6巻まで一気読みしました。と言っても各巻は短編と中編のあいだぐらい、文庫で1巻あたり200ページ程度の短い展開ですので、読むのにそれほど時間を要するものではありません。

ただし、まだ未読ですが、最終の第7巻だけは700ページあるそうです。

内容はM資金にまつわる陰謀や情報戦で、M資金詐欺を働いていたフリーの詐欺師が、謎の組織に勧誘され、そのM資金を管理している財団から盗み出そうとする物語です。

M資金とは連合国軍最高司令官総司令部(GHQ)が占領下の日本で接収した財産などを基に極秘に運用されていると噂される秘密資金のことで、このあるのかないのかよくわからない、徳川埋蔵金のように、時々出てきては消える、詐欺によく使われる巨額の財宝です。

このM資金をテーマにそれまで温めていた映画監督の阪本順治氏と作家の著者がタッグを組んで、映画と小説でコラボした作品となっています。

主人公はM資金をネタにして企業から金を巻き上げる詐欺師の男。この詐欺師が、M資金を奪い取ろうと考える謎の男から勧誘をうけ、同時にM資金の保全をしている市ヶ谷(防衛省)からも追いかけ回されることになります。

映画は2013年に佐藤浩市主演で公開されましたが、興行成績はあまり芳しくなかったようです。私もテレビで映画のCMが流れているのは知っていましたが、見ていません。

とにかく、なぜこのような1冊あたり200ページ程度の薄い本にしたのかよくわかりません。1~3巻まとめて上下巻の2冊+最終話1冊の合計3冊にまとめて欲しかったなというのが読者としての率直な感想です。

それにしても中途半端な6巻で終わってしまい、早く最終巻の7巻を手に入れなきゃ、今までのあらすじを忘れてしまいそうで焦ります。なんでも6巻まではたいした活躍をしてこなかった主人公の詐欺師が大活躍するそうで楽しみです。

★☆☆

著者別読書感想(福井晴敏)

  ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

下流老人 一億総老後崩壊の衝撃 (朝日新書) 藤田孝典

著者は生活困窮者支援のNPO法人「ほっとプラス」代表理事で、学者さんが統計や取材で書くレポートではなく、いま現場でなにが起きているかを一番よく知っている人が書いているところにこの本の特徴があります。

発刊は2015年6月で、2014年にNHKスペシャルで「老人漂流社会 “老後破産”の現実」などの放送もあり、旬のテーマでタイムリーに出せた話題書ということで、2015年のベストセラーとなっています。

「下流老人」とは著者が造った造語ですが、その定義として「生活保護基準相当で暮らす高齢者およびその恐れがある高齢者」としています。つまり生活保護を受けて暮らす高齢者と、生活保護の受給額相当しかない年金で暮らす高齢者ということで、その数はおよそ600~700万人と推定されています。

65歳以上高齢者数は2015年で約3300万人ですので、およそ全体の20%の高齢者が下流老人に該当することになります。

「え?高齢者は統計では平均2000万円以上の預貯金をもつ裕福な人が多いのじゃなかったっけ?」って言われそうですが、平均ではその通りですが、若い人の中に非正規と正規社員格差問題があるように、いやそれ以上に長年の格差が積み重なっていて、億の資産を持つ高齢者と預貯金がまったくない高齢者に分かれています。

「若いうちに貯金をしていない報い?」と切り返えられそうですが、本書でも紹介されますが、自身が病気になり長期治療を受けて1千万円以上あった退職金もすぐになくなったとか、働き盛りの時に親の介護のために勤めを辞めざるを得なかったり、子供が中学生の頃に自閉症に罹り、その後ずっと働けなく何十年と病院通いをして貯金したくてもできなかったという高齢者も多くいます。

一方では、裕福な高齢者も多くいると、本書の「1億総老後崩壊」という副題というか煽りに違和感や反論があるというのも、本書が広く多くの方に衝撃を与えたゆえのことでしょう。

そのひとつが、
「1億総下流」は嘘っぱち「富裕層」101万世帯(PRESIDENT)
など。

上記の記事に出てくるスーパーリッチ(事業収入、不動産収入、配当収入、給与収入が並行してあるような人)や鳩山さんみたく巨額な遺産があるような人は除き、30代で年収3千万円があっても、あるいは40代で資産1億円があったとしても、その人が75歳、90歳になった時点で、果たして現役時代と同じように裕福なままでいられるかという保障はどこにもないというのが現実で、一歩道を誤ると下流老人になりかねないという点では本書の通りだと思います。

老後資金としてため込んでいた数千万円をオレオレ詐欺で騙され奪われる高齢者、認知症を患った高齢者に高額な不要な物品やリフォームを売りつけて数千万円を搾取する業者、子や孫の心臓移植手術など難病のためにアメリカで手術を受けるために数億円の費用を借金して負担する家族、投資をして預けていた先が破綻して紙くず同然になってしまった債権など珍しい話しではなく日常的によく起きていることです。

現役時代ならやり直しができて、また稼ぐことができても、70歳、80歳の高齢者にその意欲や体力、健康があるかっていうとかなり難しく、一度下流に落ちてしまうともう復帰ができないというのが下流老人なのです。

★★☆


【関連リンク】
 1月後半の読書 海賊と呼ばれた男(上)(下)、ツナグ、逃げろ光彦―内田康夫と5人の女たち、日本名城伝
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999
過去に高齢者の地方移住について何度か書いたことがあります。

公的な高齢者移住計画は成功するか? 2015/1/21(水)

高齢者の地方移住はこれからも進むか 2013/7/27(土)


これは、首都圏を中心に団塊世代が後期高齢者に入っていく数年後から大きな社会問題となりますが、高齢者用の介護施設や介護人材の不足が顕著になってくることが予想されています。

なぜそうした団塊世代の高齢者が都市部に多いのかと言えば、それは1960年代以降の高度成長期に地方から都市部へと若者が大量に移動し、そのまま都市部に住み着いたからに他なりません。

例え今は60代で健康で誰のお世話にもならないという人でも、75歳を過ぎる頃からは、どこかが具合悪くなり、なにかしら健康を害し、介護が必要になっていきます。それが老いというものです。

国や自治体では、こうした急増する都市部の高齢者を、まず最初には介護を外に求めるのではなく家庭内で完結してもらう。

次にできるだけ要介護者を都市部と比べるとまだ余裕のある地方に分散させることで、介護施設の不足や人材不足を補おうと考えています。

経済発展のために地方から都会へ集められ、窓ガラスが割れるような寿司詰めの通勤電車で毎日通わされ、そしてリタイアすれば、老害とか、若者から搾取をしているとか言われ、果てはまた地方へ追いやられてしまうという構図です。

もちろん逃げ切りに成功し、退職金を満額受け取れた裕福な高齢者も多いので、そういう人達は、元気なうちに一戸建ての家を売り払い、便利な都市部のマンションや介護付きホームなどへ移っていけるでしょう。

そうじゃない高齢者は、20数年前に建てられた高齢者にとっては不便で老朽化した家やマンションから出ることもままならず、満足な介護サービスは受けられず、それに堪え忍ぶか、あるいは先述したように、地方へ移住をするかという選択を迫られそうです。

高齢者の地方移住というと、裕福な高齢者が暖かで空気のいい場所で、のんびりと釣りやゴルフを楽しむ毎日を送るというイメージがありますが、現実はそう甘くありません。

近年は高齢者だからと言っても、年金だけでは十分な暮らしができにくくなってきていますので、同時に収入を得るために働かざるをえない人も多くいます。

そこで政府は、『元気に働ける移住高齢者でつくる地域共同体「生涯活躍のまち(日本版CCRC)」構想』というのを推進するようです。

高齢者移住「継続的事業に」=地域再生法改正へ-石破担当相(時事ドットコム)
石破茂地方創生担当相は12日の閣議後の記者会見で、元気に働ける移住高齢者でつくる地域共同体「生涯活躍のまち(日本版CCRC)」構想の具体化に向けて地域再生法を改正し、市町村や共同体の運営事業者の役割を明確化する考えを明らかにした。石破氏は「継続的な事業として成り立たせたい」と述べた。同法改正案を今国会に提出する。
構想は、主に都市部の高齢者に地方に移住してもらい、周辺住民との交流を通じて地域活性化につなげる狙い。共同体の運営は社会福祉法人や企業などが担う予定だ。改正案には、高齢者の移住を受け入れる市町村が事業者と連携して運営計画を作ることなどを盛り込む。

つまり簡単に言えば「大都市に年寄りは邪魔だから集団で人口減少している地方へ行ってもらい、年金に頼らず死ぬまで働け」ということですね。

国としても年金生活でなにも生産しない隠居老人を養うよりは、労働生産して、税金も納めてもらって、その分年金も減らせることができれば一石3鳥でしょう。

特に地方の労働力不足は明らかなだけに、移住高齢者にその役割を担ってもらおうという魂胆がかいま見えます。

そして先述の通り、お金がなければ都市部でまともな介護や治療を受けるというのが難しくなってくるのもまた事実です。それについては下記の日記で書いています。

介護にまつわるあれこれ 2014/12/6(土)

これを見るとわかりますが、都市部の住人の高齢化スピードは急速で、介護施設はもちろん、病院や診療所の不足も顕著になっていきます。

都市部で裕福な老後をおくることができる人達、おそらくは老夫婦二人だけの年金生活世帯で、夫婦とも健康で持ち家があり金融資産(預貯金など)が3千万円以上持っているか、賃貸マンション住まいの場合だと、健康な夫婦で5千万円ぐらいの金融資産がある人達は、別に仕事を探したり地方移住を積極的にする必要はないでしょう。

そうでない人達(私も当然こちら側)は、都市部に住み続けて介護難民の憂き目に遭うか、それとも戦前の南米移住や、戦後のハワイ移住などと同様、国の甘言を信じて地方への移住を決意するか、まぁどちらにしても楽な生活でないことだけは確実で、それなりの覚悟が必要のようです。

【1000回まであと☆1】

【関連リンク】
889 公的な高齢者移住計画は成功するか?
865 仕事と介護の両立という難題
733 高齢者の地方移住はこれからも進むか
578 外国人研修制度という名の移民政策
425 棄民政策は日本の伝統か



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