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1014
古くから時々降ってわいたように話題に上がりながらも、いつもすったもんだする書籍等の再販制度の廃止についてちょっと考えてみました。

再販制度とは、書籍や新聞、音楽コンテンツ、タバコなど一部の商品について全国一律の定価販売を維持し、小売り側に対して勝手な値引きを許さない制度です。自由経済の中でも特異なシステムです。

昔は塩や化粧品、石鹸、医薬品などもその対象でしたが、それらはすでに解除され、現在再販制度が残っているものは書籍や新聞、音楽CD、タバコなどごく限られた商品だけです。

出版物の再販制度のメリットとしてよく言われるのは、

(1)定価販売で、地域格差をなくし、全国どこでも同じ値段で購入でき、読者が出版物に接する機会均等化が図れる
(2)出版社の自由な出版活動が守られ、多種多様な出版物が供給される

とされています。

確かに都会と地方の文化格差が大きかった昭和中期頃までは、(1)も納得できるところがありますが、現在のように格差は少なくなり、流通網が整備されてくると、(1)の根拠は揺らいでいます。

例えば通販で書籍を買った場合、一部の離島などを除き、送料は都会と地方で違いはありません。再販制度が作られたときはまだ全国の流通が整備されず、また宅配や通販といったビジネスが生まれる前の法律だったので、そうした現在の状況が反映されていません。

また、都市部での大規模店舗と、地方の小規模店舗で値段が変わってしまうのは、家電製品や食料品のような生活必需品と同様地域差ができるのも仕方がないと思われます。

逆に地方のほうが店舗費用や人件費が安くてすみ、都会の書店よりも経費が抑えられて安く販売できる場合だって考えられます。

どうも(1)の地域格差と機会均等を主張し続けるのは、現在もう無理があるように思われます。

次に(2)の定価制度のおかげで小規模な出版社でも大手出版社に伍して出版活動がおこなえるという論理は、今の時代出版社に限らずベンチャー企業が隙間を狙って躍進したり、アイデアとスピードで大手企業の牙城を崩したりというビジネスでは当たり前におこなわれている競争原理を否定しているかのように思えてなりません。

そこまでして、出版社や新聞社を保護しなければならないのか、彼らはそれほど特別な存在なのかをもう一度考えて見る必要があるでしょう。

そうした保護政策が自らの体力を弱め、結果的に保護がないと生き残れない虚弱体質に陥ってしまっているとも考えられます。

一度にすべて再販制度を撤廃せずとも、例えば書籍にしても時限再販制度(発行後一定期間のみ再販制度を維持し、その後は自由競争)の導入や、現在普通に行われている出版社と書店の委託販売制を順次買い切り制へ移行し、買い切り制度の場合は当然販売する側に自由に値段を決める権利を渡すとか。買い切りだと売れ残りのリスクがある反面、仕入れが安くなるので、売り切る自信があれば儲けも大きくなります。

1年以上売れ残った新刊本や文庫本、3ヶ月以上売れ残った雑誌が、定価の半額~3割引きとなれば、年間累計7000万人と言われる中古書籍販売で急成長しているブックオフへ安い書籍等を買いに行っている客を、旧来の書店へと呼び戻すことができるかも知れません。

客を書店に呼び込めたなら、割引本を買ったついでに、話題の新刊本も定価で買ってくれたりしますので、商売のチャンスが増えます。

さらに言えば、書店の買い切り制にすれば、常識を無視した過剰な仕入れや押し込みが減り、したがって返本も減り、資源の無駄遣いを減らせるでしょう。

誰でも既得権益を手放すのは嫌でしょう。出版社や大手取次、書店、新聞社、音楽業界などは再販制度に守られた既得権益の塊ですから、こうした問題が指摘されるたびに、大論陣を張って抵抗します。

叩けばほこりの出る政治家も新聞社や雑誌社に反感を買って、痛くもない腹を探られて、下手に叩かれたくないので、この問題を誰も真剣に取り組みません。

しかし農業や、石油や、金融ビジネスも、国内法で固く守られてきた産業が弱体化し、いざ国際競争の荒波をかぶると、いかに今までが温室で育てられてきたかがわかります。

出版分野においても、これからはいつ再販制度がなくなってもいいように、それには頼らなくてもよいビジネスモデルや仕組みを考え、逆に成長している世界へ飛び出していくぐらいの覚悟をしてもらいたいものです。

日本で成功したベストセラーを生み出すノウハウは他のアジアの国でも通用することも多いのではないでしょうか。


【関連リンク】
980 TSUTAYA図書館は非難されるべき問題なのか?
954 書店数や出版業界売上減と未来
743 出版社不況の現状
741 消滅すると言われていた新聞社の近況
330 消滅する書店



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1013
突然ですが、自分が死ぬときは、事故や突然意識がなくなる急性の病気で倒れたり、寝たきりの生活が長引くような長患いではなく、できればまだ身体が自由に動かせるうちに「余命○年です」と告知されることが多い末期のガンであってほしいと思っています。

「ガンで死ぬのはつらいよ」と言われそうですが、一般的につらくない死に方のほうが珍しいと思っていて、それなら死ぬ直前まで痛み止めなどでケアしてもらえ、比較的行動の自由や意識がハッキリとあり、死ぬための準備ができるガンのほうがいいかなと思っています。

「ピンピンコロリ」が理想的という風潮もありますが、こちらも死ぬための準備やお世話になった人とのお別れができないまま、老衰や心臓麻痺等である日突然亡くなるということで、あまり私にとっては理想型とは言えません。

脳梗塞やくも膜下出血、心筋梗塞だと、突然倒れ、救命できたとしても、身体の自由が効かず、寝たきりになる可能性が多く、それも避けたいなぁと。

余命宣告されたあとでも行動の自由があれば、寿命が尽きるまでのあいだに様々な身の回りの整理や心の準備をすることができます。

もうその時は若くないので、未練もなく死ぬ覚悟ができると思います。家族にも長期の介護など迷惑をかけず、多少の我が儘も理解してもらいやすいでしょう。

生きた屍のように、弱った身体で意識もほとんどないままでも、ベッドで人工的な栄養補給や人工呼吸まで施されて何年も生き続けるというのは、現代医学の賜物でもある代わりに、介護する家族や次々と新たな患者を受け入れたい病院にとっては大きな迷惑にほかなりません。

生命力が強い若い人ならともかく、高齢者の延命処置は問題が大いにあります。

高齢者の場合ですが、ガン終末期のように、延命措置があろうとなかろうと、時期が来ればスパッとこの世との縁を切ってくれるほうが、どれだけ周囲の人を幸せにホッと安心してくれることか。

ジャーナリストの竹田圭吾氏が51歳の若さで今年1月にすい臓がんによって亡くなりましたが、癌が見つかってから約3年間、治療しながらも仕事を続け、亡くなる直前の12月までテレビやラジオに出演されていました。

まだお若かったので残念なことではありますが、亡くなる直前まで家族と一緒に過ごし、好きなジャーナリストの仕事ができて、本人は死と向かいつつもそれなりに満足だったろうと勝手に思っています。

同じくすい臓がんで亡くなったスティーブ・ジョブズ氏、夏八木勲氏、坂東三津五郎氏も、やはり会社の行く末を考え、新製品のアイデアを話し合い、俳優などの仕事を亡くなる直前までされていました。

このすい臓がんはガンの中でも一番タチが悪く、発見が遅れやすいので見つけた時には手遅れというケースが多いそうです。

5年後の生存率も進行が進んだステージ4の場合、わずか3~11%とガンの中で低く、発見≒余命数ヶ月~数年ということのようです。

一般的によく言われる「5年生存率」というのは、同じ症状で5年後に生存している割合です。

がんの種類・ステージ別5年生存率一覧表


例えば胃ガンの第1ステージ(発見が早い)だと、5年実測生存率は87.8%ですが、かなり癌の進行が進んだ第4ステージではわずか7.2%となります。

癌全体では第1ステージ83.9%、第2ステージ73.5%、第3ステージ43.8%、第4ステージ15.9%というのが5年生存率です。

第1ステージの早期発見だと5年生存率が80%以上と、癌に罹ったとしても早期発見ができれば恐れる必要はあまりなさそうです。癌は早期発見が肝と言われる所以です。

「余命はもってあと半年でしょう」と、ドラマや映画で告知される場面がよく登場しますが、医師が診断する「余命」とは「その病気の生存期間中央値」のことで、「生存期間中央値」とは、同じ状態にある患者の集団の半分が亡くなるまでの期間の事です。

つまり統計上、同じ症状で10名の患者がいた場合、中央の5人目が亡くなるまでの期間ということで、膨大な過去のデータから決められています。

なので、余命1年と宣告されても、1ヶ月で亡くなる場合もあれば、2年以上生きる場合も当然あるわけで、その患者にとって1年という期間はあまり根拠がありません。

但し最近では余命1~2ヶ月という診断に限っては、かなり精度が高くなってきていて、もしそう言われると、残念ながら大きくずれることはないそうです。

それと医者としては余命半年と宣告したところ、もし1ヶ月で亡くなると、遺族から「医療ミスがあったのでは?」と疑われかねないので、余命は短めで言うことが多いそうです。

余命を短めに言っておいて、それより長く生存すれば「よく頑張った」と言えて遺族も満足するからです。なんだかなぁって思いますが、それが現実的な大人の対応なのでしょう。

健康で若い人に「万一の時、延命処置はして欲しいか?」と聞くと、大概が「必要ない」と答えます。

しかし深刻な病気で身体が弱って余命いくばくもない人が同様に聞かれると、その多くの患者や家族は「して欲しい」と答えます。

これは年代ではなく、死がすぐ身近に迫っているかどうかで判断が変わるのではと思われます。

家族にしても本人の意志がないまま「延命処置はしなくていい」とは答えにくいものがあります。そのため従来であればすでに亡くなっているはずの人でも、最新の生命維持装置などの延命措置で、生きながらえている人が数多くいると言われています。

命を消すかどうかの問題であり、軽々しく決められることではありませんが、超・高齢化社会を迎える中で、この延命処置は社会的に大きな負担となりつつあります。

処置室が延命処置で何年も眠り続ける老人が占め、本当に急を要する救急患者が受け入れられないという病院が出てきても不思議ではないからです。

それに延命処置が増え、その高額医療費の負担が増加し続けていることも問題になってきます。

我が身に置き換えても、今は「延命処置など必要ない」と言っていても、実際に重病となり生きるか死ぬかとの境目に立った場合、「スパッと延命装置を切ってくれ!」と言えるかというと、なんだか微妙な気がします。

それが実際多くの患者、そして遺族の本音ではないでしょうか。

自分が病気や怪我で意識がなくなってしまった時、積極的な延命治療を拒否するためには、現在のところ日本回想療法学会がおこなっている「意思表明書(SDD)」(医学的延命処置を拒否する意思表明書)を身につけておくか家族に預けておくぐらいしか方法はありません。

こちらの法整備も日本は遅れているようです。


【関連リンク】
1005 泉質による温泉健康法
985  高齢者の健康には会話が重要だということ
958  男の更年期障害について調べてみる
738  日本人の年齢別死因は
737  日本人が罹りやすい病気

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1012
快挙 (新潮文庫) 白石一文

2013年に単行本が刊行され、2015年に文庫化された小説です。著者は私とほとんど同世代ということもあるせいか、その話には共感できることが多く、文庫化された小説は、2003年に文庫化された実質的なデビュー作「一瞬の光」以来ほとんど読んでいます。そして2009年の「ほかならぬ人へ」で直木賞を受賞されたのは嬉しいことでした。

2012年4月上旬の読書「ほかならぬ人へ」


「快挙」とは、また変わった小説のタイトルだな?と思いつつ、なんの予備的知識もなく購入して読みました。この著者の作品は安心して読めるので、文庫本で見つけると中身は見ずすぐに買います。

今回の小説の主人公は、若いときにカメラマンを目指していたものの芽が出ず、いまは浅草のホテルでフロントのアルバイトをしながら、出版社の編集やライターの仕事を手伝ったりしている定職を持たない男性。

いつものように散歩をしながら趣味で写真を撮っていると、月島の古い飲食店の2階で若い女性が洗濯を干している姿に魅了されシャッターを切ります。

その店で切り盛りしている女性に撮影した写真をプレゼントしたことで、二人は急接近することになります。

その後二人は正式に結婚し、主人公の男はカメラマンをあきらめ小説家を目指すようになりますが、須磨にある妻の実家の酒屋が阪神淡路大地震で被害を受けてしまい、両親を励まそうと夫婦で須磨に引越し、店の再開を手伝うようになります。

著者の作品では、男女の目に見えない細やかな感情の糸が入り交じるのが特徴とも言えますが、この小説でも「彼女に会えたことが自分にとって快挙」と言えるまでに時間をかけて醸造されていくストーリーが見事です。

★★☆

著者別読書感想(白石一文)


  ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

晴天の迷いクジラ (新潮文庫) 窪 美澄

2010年のデビュー作「ふがいない僕は空を見た」に次ぐ2012年発刊(文庫は2014年)の2作目の長編小説です。「ふがいない…」は山本周五郎賞を受賞し、この作品は山田風太郎賞を受賞と順調に売れっ子作家の道を歩んでいるって感じです。

2015年6月前半の読書「ふがいない僕は空を見た」


文庫本の最後にある解説を直木賞作家の白石一文氏が書いているところなんかを見ても、新人らしくない著者の作品の筋の良さがかいま見えてきます。

この小説の主人公は3人いて、それぞれに重くてつらい過去を引きずっています。と言ってもひとりは会社を経営する中年の女性、ひとりは社会へ出たばかりの若い男性、もうひとりは女子高生という年齢も立場も抱え込む問題もそれぞれみな違うわけですが。

物語の最初から2/3ぐらいまでは、3人のそれぞれの背景が別々に淡々と語られているだけなので退屈な感じです。ところが、その3人が連れ立って湾の中に迷い込んだクジラを見に行くところから一気に話しは盛り上がっていきます。

この作品は映像化に向きそうだなぁって思って読んでいたら、すでに水面下では映画化の動きはあるようですね(詳細不明)。くれぐれもこの作品は演技力がある役者の配役が重要なので、力のあるプロデューサーに役者の人選を仕切ってもらえれば良い作品になるのではないかと期待しています。


★★☆

著者別読書感想(窪美澄)


  ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

悪の教典(上)(下) 貴志祐介

2008年から別冊文藝春秋に連載され、2010年に単行本、2012年に文庫版が発刊されました。

2012年には三池崇史監督、伊藤英明、二階堂ふみ主演で映画化もされています。見てないけど。

「教典」というからには、もう少し哲学的、宗教的で高尚な内容かと期待していた面もありましたが、あまりにも俗世感たっぷりな内容でやや混乱気味です。

タイトルは小説の中で高校生バンドが練習しているイギリスのプログレッシブ・ロックバンド「エマーソン・レイク&パーマー」の「悪の教典(原題Karn Evil)から都合良く取られているようです。

主人公は子供の頃から自分の気にくわない相手を次々と殺してきた人との共感を持たない高校教師という設定で、殺人鬼と知った両親も小学生の頃に手にかけています。

そうした殺人鬼のあり得そうもない設定かというと、さすがに小学生ではちょっと知りませんが、中学生ぐらいになると、親を殺害した事件は世の中には結構ありますから、まんざら嘘くさい話しとも思えません。

また主人公が勤務する私立高校では、男子生徒と淫行している中年女性教諭、男子生徒とゲイの関係をもつ美術教師、校長の弱みを握り、学校を支配しようと目論む根暗数学教諭、女子高生を弄ぶチンピラ体育教師など、青少年の教育の場にあるまじき異常な倒錯世界がてんこ盛りです。

エンタメとわかっていても、真面目な高校教師からすると反吐が出そうな展開でしょう。

ま、それはいいとして(よくないが)、やがては表向きは明るく弁説も爽やかな人気英語教師の主人公の裏の顔に気がつく生徒が現れ、また仮面が剥がれそうになって追い詰められていく主人公教師と対決していくという流れです。

途中からバイオレンス色が強くなり、校内でブラックジャックやスタンガンはもちろん、散弾銃までが登場し、壮絶すぎる殺戮が始まります。まるで「処刑教室」とか「バトル・ロワイアル」のノリになってきて不快さを感じる人も多いような気がします。

ま、理性ある教師なら、さすがにそこまではしないだろ?って思うのですが、事実は小説よりも奇なりってこともあるので、小説の世界ではこれぐらいはどうってことないのでしょうね。でもやり過ぎ。

★☆☆

著者別読書感想(貴志祐介)

  ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟ ∟

なぜ人を殺してはいけないのか (PHP文庫)  小浜逸郎

聞かれると返答に困り、ドキッとしてしまう倫理を問う10の難問について考える本です。

人を殺すことになんのためらいも抵抗もない大量殺人を描いた「悪の教典」と並行して読み進めていたので、なんだか不思議な感じがしました。

2000年に新書として刊行されベストセラーに輝き、その後2014年には文庫化もされています。

著者は評論家で国士舘大学局員教授のちょうど団塊世代ど真ん中の方です。そのご尊顔を拝見すると、いかにも団塊世代に多く存在する、一癖も二癖もありそうな思想家っぽい感じの方です。

さて、その10の難問とは、

第一問 人は何のために生きるのか
第二問 自殺は許されない行為か
第三問 「私」とは何か、「自分」とは何か
第四問 人を愛するとはどういうことか
第五問 不倫は許されない行為か
第六問 売春(買春)は悪か
第七問 他人に迷惑をかけなければ何をやってもよいのか
第八問 なぜ人を殺してはいけないのか
第九問 死刑は廃止すべきか
第十問 国民は主権を持つのか

それぞれの難問について、考え方や、なぜこのような疑問、質問が発生するのかという時代背景など、論理的に説明されているのですが、正直言って学の乏しい私には半分ぐらいしか理解はできませんでした。

結局なにが言いたいんだ?ってな感じ。頭が悪くてスマンこってす。

第8問の本書のタイトルにもなっている「なぜ人を殺してはいけないのか」については、著者の見本回答?含め、比較的わかりやすく説明が加えられていましたが、その他多くの難問にっついては、その背景や考え方がわかったところで、それが正解のない理由とは思えず、なにかモヤモヤした気持ちが残ってしまいます。

もうすぐ耳順を迎える身ですが、まだまだこうした思想めいた、哲学的というか、禅問答に近い話しにはどうもついていけません。

★☆☆


【関連リンク】
 3月前半の読書 存在の耐えられない軽さ、風のささやき 介護する人への13の話、定年病!、K・Nの悲劇
 2月後半の読書 退職金貧乏 定年後の「お金」の話、埋み火、残虐記、違法弁護
 2月前半の読書 人類資金 1・2・3・4・5・6巻、下流老人 一億総老後崩壊の衝撃



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1011
2月に読んだ塚崎公義著「退職金貧乏 定年後の「お金」の話(祥伝社新書)」で、これは意外!とか、斬新な考え方だなぁって思ったことがいくつかあるので、備忘録的に。すべての人に当てはまるか、参考になるかはわかりませんし、私自身も100%これらの話しに同意しているわけではありません。

2月後半の読書と感想、書評 退職金貧乏 定年後の「お金」の話(祥伝社新書) 塚崎公義


この本は、ほぼ50~60代の既婚男性を対象とした「もうすぐやってくる引退(リタイア)に向けて老後資金をどうするか」って本ですから、若い人やすでにリタイア生活に入っている人にはあまり参考にならないかと思います。

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

◆生命保険、医療保険は不要
子供がすでに学校を卒業し、自活をしていれば、一家の大黒柱である父親が急死しても、家族の生活に大きな影響はありません。

父親名義の住宅ローンは死亡すれば残ローンは消え、遺族年金などが妻に支払われますから生命保険は不要という考え方です。

もし家族が大病した場合でも、健康保険に加入していれば「高額療養費制度」があるので、高額にならずに済みます。

たとえば年金生活者で年収310万円以下の人が支払う自己負担上限は57,600円になるなど、年収により負担する最高額が決まっています。

保険会社は「がん治療に医療費が○千万円必要!」とか「三大疾病に安心プラン!」と煽りますが、健康保険対象医療であればどんな高額医療であっても自己負担は数万円で済むのです。

もちろん保険対象外の治療や、特別な最先端医療、入院時は個室を希望するとか、お金が余っていればたんまり医療保険を支払うことで、より優雅で満足いく闘病生活がおくれますので、そのために加入するのは勝手です。

保険は確率論からすれば保険会社の経費や利益分があるので、加入者が必ず損をする仕組みです。

子供の扶養など責任が重い時期が終わり、老い先短くなった高齢者であれば、お金がたっぷりある人だけが入ればよいということです。

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

◆持ち家の火災保険は不要
火災保険は自宅が火災に遭って住めなくなった場合に、保険で自宅を再建したり、使えなくなった家財を買うためにかけておく保険ですが、一般的に住宅ローン支払い期間中は自動的に保険がかけられていて、ローンが終了すると火災保険も終了します。

したがって住宅ローンが終了する頃に、新たに火災保険に入るかどうかを考えるわけですが、その頃になれば子供達は巣立ち、不動産の持ち主はすでに高齢で、25~30年前に建てた古い家は日常生活にも不便になってくる時期でもあります。

なので、万が一火事で住めなくなったら、どうせ築20年を超す建物なんかに価値はないのだから、再建したり一部を修繕したりせず、さっさと土地を売り、その売ったお金で夫婦だけが暮らせる小さなマンションを買うか借りるかして移り住めばよいという説明です。

火事の怖いのは、隣家が出した火事が延焼した場合でもよほどの重過失が証明できない限り、火元から賠償は得られず、自己負担となることです。

つまり火事の後始末、撤去、整地、再建などもすべて自己負担でおこなうことになります。

それ故の火災保険ですが、高齢化して身体のあちこちが不自由になってくる夫婦が、新築の広い一戸建てに暮らすことが最善か?と考えると微妙でしょう。

地震保険は必ず火災保険とセットで加入しなければなりません。そして居住エリアによってかなり高額に設定されています。

近いうちに大地震が想定される太平洋側の南関東、東海、近畿、四国の一部地域は、その他の地域と比べると保険料が2~3倍も高くなります。

さらに地震保険は火災保険の補償の30~50%程度だけ補償される場合が多く、地震保険の補償金だけでは半壊、または全壊した家を再建することは難しいでしょう。

若い人なら不足分を新たな住宅ローンで組めますが、年金生活者だとそれも難しそうです。

こちらも火災保険と同様、地震保険は加入せず、地震で万一全半壊するようなことがあれば、生きているかどうかも怪しいですが、高齢者が自分で再建するのはあきらめて、土地を売ってマンションでも買うか借りる割り切りと考えるのがベターでしょう。

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

◆貯金は将来のインフレを考えてEFT(上場投資信託)や物価連動国債、変動金利型国債
いくら利率がよい外貨預金でも、国内のインフレと連動することがないと、将来食料品などモノの値段が急に上がった際に預金が大きく目減りしてしまうリスクがあります。また外貨預金は為替のリスクもつきまといます。

その点株価は比較的インフレと連動する傾向があるので、老後資金のような長期で運用する確実性の高い預金に向いていると言われています。

さらに余裕があれば、日本経済が長期的にみて今後成長していくとは思えないので、分散投資として外貨建てMMFまたは米国債、外国株ETFを合わせて購入しておくと安心という話です。

ってなるほどねぇ~って、こればかりはよくわかりません。本当に数年~数十年後にインフレがくるかどうかなんて誰にもわかりません。それに備えるというのはギャンブルでもあります。

本書では年々寿命が伸びそれだけ多くの資金も必要となるので、60歳の定年後も、65歳、できれば70歳ぐらいまではパートやアルバイトでよいので働き続け、年金受給開始をできるだけ遅らせ、その分割り増しで多くもらえと書かれています。

しかし私の場合はすでに足の病気で外で働けない状態になりつつあり、それは無理。自宅で働けることがあればそれは考えたいですが、年金は定年後にでもすぐに欲しい状態です。

また退職金が出て分散預金できるほどお金のある高齢者はいいのですけど、私のように退職金がなかったり、あっても住宅ローンの返済にすべて消えてしまう高齢者はどうすればいいのか?ってところも聞きたいところです。

上記で言えば、引退したら生命保険(私の場合は掛け捨ての共済保険)や、新たに入ろうかと思っていた火災保険はやめにするのはいいとしても、その分は無駄遣いせずに貯蓄に回し、不意の出費、例えば家族の医療費、家の修理、家電の買い換えとかに備えておかなければダメでしょうね。

あとは夫婦の年金だけで毎月回していけるかってところが、実際に健康的な老後をおくれるかどうかってところです。

とりあえず(まだ住宅ローンが残っているものの)住むところだけは確保できていますので、質素な暮らしに努めればなんとかなるのかなと。

覚醒剤で逮捕された清原元選手を見てもわかるとおり、現役を引退し、収入が大きく減っても、生活は現役当時のように派手で金遣いが荒い習慣が抜けないというのが人間の習性です。

一度身に染みついた生活スタイルは簡単に下げられないのでしょうが、これは自分でも一番気にかかるところです。

果たして今までのように、毎月一定の収入がある生活から、生活にギリギリ必要な最低限の収入(=年金)で回していけるのか?

4人家族で世帯収入が400万円で普通?に生活している人がいますが、同じ条件で1000万円以上あってもまだ足りない、貯金できないという人もいるわけです。

論理的には年収1000万円の人が400万円の生活に変えれば年間600万円も貯金ができるわけですが、絶対にそうはならないそうです。

わかっちゃいますが、これからますます高齢者が増えていき、社会保障費が拡大していくその中に、自分の未来もあると思うと、背筋が凍るような思いがします。

もう一度30歳ぐらいからやり直せたなら、30年先40年先のことを考えたプランも作れますが、時は残酷です。


【関連リンク】
795 定年リタイア時の必要貯蓄額と生涯住宅費用
574 仕事を引退する時、貯蓄はいくら必要か
499 定年後にどう生活していくか
325 元気な高齢者はいつまでも働くべきなのか
834 高齢者向けビジネス(第4部 ボランティア編)



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1010
非正規社員の増加で様々な問題が指摘されています。例えば「非正規で収入が少ないために年金を納めず、将来の年金受給ができない人が増えていくのでは?」とか、「非正規では職能が上がっていくということがないのでいつまでも低賃金だ」とか、様々です。

非正規社員は社会悪のような決めつけがマスコミのあいだで横行しているのは、いつも嫌な気分になります。

非正規のいいところもいっぱいあるので、これだけ非正規で働く人が多いということも注目すべきです。例えば「介護や育児をしながら、時間や出勤日数に制約があるけど空いた時間で働くことができる」、「他にやりたいことがあって、残業や休日出勤はしたくない」、「将来やりたいことが決まっているので、それまでのつなぎとしてちょっと社会経験を積みたい」、「税金や社会保険の関係で主な収入を得ている世帯主の扶養者でいたい」などなど。

ところが非正規社員の中でもいつも注目されるのは、「本当は正社員になりたいが、不本意にも非正規」という人に対してです。

この「不本意に非正規」という人は総務省調査(2014年総務省「労働力調査」)で315万人いると言われています。非正規就労者は全体で1980万人ですので、その中の約16%が不本意非正規就労ということになります。

確かにこの315万名、16%というのは少ない数字ではないでしょう。しかしこの16%の「不本意ではあるけれど非正規」という人をもっと細かく調べていくと、ここからは統計ではなく、過去の仕事の経験からですが、感覚的に半分ぐらいの人が「いまの非正規就労と同じような労働条件で給料や賞与、その他待遇面だけを正社員扱いに」と希望しているのです。

つまり、正社員なら当たり前の「地方への転勤」「残業」「休日出勤」「リーダーや店長、管理職など責任が重い仕事」「サービス残業」などは「お断りです!」って言う人が多いということ。

さらには正社員になっても「家庭の事情で有給以上の休みが必要」と当然の権利のように言う人もいます。そういう人達を正社員に迎えたいという企業が果たしてどれほどあるのでしょうか?企業には厳しい競争に勝って利益を上げ続けなければ、成長も従業員への還元もありません。

正社員を雇用する企業も慈善団体ではありませんから、計画的に経費を抑えるために最少人数で仕事を回したいと思っています。

それ故に季節変動などで業務が増えたときには残業や休日出勤が当たり前になり、そうしたことをあらかじめ正社員には求めます。

また事業や経済活動は生き物ですから、何十年も同じ場所で同じ仕事を保障することなどできません。

そのために正社員にはひとつの決まった仕事だけでなく、様々な業務を覚えてもらって、全国どこへでも社員の足りない場所へ異動し、今までとまったく違った仕事をやってもらうことを求めます。

そして正社員が担う大きな仕事はチームで動くことが多く、そのチームのために例え自分の評価につながらず、勤務時間でなくても、献身的に代わっておこなわなければならない場合もしばしばあります。

そうした正社員の負の側面を知らず、あるいは正社員になると今の条件も大きく変わることを言及せず、非正規雇用の人達に、単に「正社員になりたいか?」って聞けば「ハイ、正社員になりたいです」と回答するのが増えて当たり前です。

もちろん生産人口が減少していく中で、これからの企業には、「時間外勤務は極力なし」「転勤なし勤務制度の新設」など、正社員の雇用環境の努力すべき改善の必要はあります。

しかし現在のところ、そのようなことができる基礎体力がある企業というのは、ごくごく一部の大企業や、競争相手の少ない企業に限られています。競争原理が働かない役所ですら、税収が伸びないので、非正規職員は増えても、正規職員は増やせず苦労しているのが実態です。

沖縄県が仕事を紹介するハローワークで勤務する職員のうち70%以上が非正規雇用の人達です。

それなのに、民間は非正規を使うのはけしからん!なんて指導ができるわけもなく、そういうことを堂々と言えるのは、現在不本意にも非正規社員の人と、自分たちは手厚く保護されていながらも社会の問題を追及したいという使命感を持った大手マスコミの正社員の人達だけでしょう。

あとは人気取りのため無責任に言える野党政治家と、売名行為に懸命な社会運動家ぐらい。

現在不本意な非正規就労をしている人も、「もし自分が会社を経営したら」って考えてみればわかることです。

いくらでも資本があるわけではないので、身を切る思いでお金をかき集めて、それを取引先や従業員へ支払っていく毎日です。少しでも雇う人を少なくし、また一度雇うと自由に解雇できず、一生その人の責任をみなければならない正社員を安易には採用せず、厳選したいと思うのは当たり前のことではないでしょうか。

ただ、不本意な非正規就労をされている人が多くいるというのは現実なので、そうした非正規で働かざるを得なかった人達に対して「なぜあなたが正社員の登用されないか?」「どうすれば正社員に採用されるか」というもっと現実的な理解と反省を求めていくのもマスコミやハローワークの重要な仕事ではないでしょうか。

ちょっと厳し目な意見ですが、非正規から抜け出せない人は、それなりの理由があるってことを知ってもらいたいのです。


【関連リンク】
890 非正規問題の真実
804 高齢就業者と非正規雇用
717 非正規から正規雇用への転換策
707 ハローワークは非正規職員のおかげで回っている
452 中高年者の雇用問題と非正規雇用問題



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