|
リストラ天国 ~失業・解雇から身を守りましょう~
HomePage https://restrer.sakura.ne.jp/
|
815
下流志向〈学ばない子どもたち 働かない若者たち〉 (講談社文庫)
2007年に単行本として発刊された本で、2009年に文庫化されました。イメージ的には新書なのでしょうが、なぜか単行本→文庫の流れで発刊されています。
内容は著者が講演したセミナーの内容をまとめたもので、様々な本や自分が勤める大学の学生を見てきて、自分なりの分析と感想を述べたもので、「学ばない子供」や「働かない若者」をどうにかしたい!っていう実用書として役立てるものではありません。
ズバズバと斬って斬りまくる相変わらずの内容ですが、決して古今東西老人が若者に対して抱く「最近の若者は・・」といった愚痴ではなく、具体的な(極端な)例をひとつひとつあげていきながら、現代の(一部の)若者達が陥ってしまっている問題を指摘していきます。
中でも注力しているのは「今の若者は子供の頃からすべて物事を自分に決定権がある消費者の意識として考える」傾向にあり、したがって、例え親や友人が「間違っている」と言い聞かせても、本人は自らが消費者意識なので「自らで決めたことなので間違っていない」という錯覚に陥ってしまうということ。
つまり学校で真剣に学ばないのも、社会に出ても積極的に働かないのも、それらは自分が決めたことで、それが自分にとって合理的で最善だと信じこんでいることが危険だということです。そしてそこに様々な格差が生じてしまう社会になってきたとも言えます。
格差社会とは決して今に始まったわけでもなく、戦前にはれっきとした身分制度があり、性差や納税額の多寡によって政治家を選ぶ選挙権があったりなかったりしました。戦後の高度成長期においても、また一億総中流と言われたバブル時代においても歴然とした格差は常に存在してきました。
失われた20年と言われたバブル期以降に流行語となった「勝ち組と負け組」、「情報弱者」、「ワーキングプア」、「(悪意を持って言われる)ゆとり世代」などは現代の格差の象徴とも言えるものでしょう。
しかしこの本でいう格差は、自らの意志で、役に立たないと判断して学ばない、働かないという自分にとっては最善の道を選択した結果において新たな格差を作っていくという流れができてしまっていることを懸念しています。
章立ては大きく「学ばない若者」「働かない若者」を中心に、なぜそのようになってのか?を分析していきます。タイトルにあるように、自らの意志で「勉強せず」「働かず」、上を目指すことは本意ではないという若者が増えてきた社会に警鐘を鳴らしています。
ところどころに理解ができない(私の能力の問題)ところもありましたが、社会や教育のゆがみを痛烈に批判している内容です。
◇著者別読書感想(内田樹)
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
ダブル・ジョーカー (角川文庫)
2009年に吉川英治文学新人賞受賞を受賞した「ジョーカー・ゲーム
小説に出てくるD機関とは第二次世界大戦前に日本陸軍内部に組織したスパイ養成・運営部隊で、そこで中心的な役割をなすのが魔王と怖れられる結城陸軍中佐です。D機関のモデルは昨年亡くなった小野田寛郎氏も卒業したエリートが集まる陸軍中野学校ですが、D機関はあくまで想像の産物です。
このシリーズはいずれも1話完結の短編で構成されています。本のタイトル「ダブルジョーカー」は最初の短編のタイトルで、自分の思いのままに動かせないD機関を苦々しく思っている陸軍の幹部が、有能な部下にもうひとつのスパイ組織「風機関」を組織させ、「陸軍に二つのスパイ組織は不要」という名目でD機関をつぶそうと目論みます。そして双方に諜報活動で競わせるというストーリーのものです。つまり「スパイ組織=ジョーカー」で二つのスパイ組織という意味のタイトルです。
その他に、ソ連に内通する軍内部のスパイをあぶり出す「蠅の王」、民間人の通信技術者を利用してインドシナ(ベトナム)で暗躍する犯罪者を一斉検挙しようとする「仏印作戦」、「柩」「ブラックバード」の5編(文庫版は「眠る男」の6編)からなります。いずれも見事なストーリーテラーぶりで、この著者の才能はいったいどこまでいくのか大いに楽しみです。
◇著者別読書感想(柳広司)
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
真珠湾―十二月八日の終戦 (角川文庫)
単行本が2002年、文庫本は2004年に発刊された歴史実話をモチーフとした小説長編小説です。著者の作品は好きで、この本を含め全5冊とも読み終えましたが、なぜだか2005年に「ミッドウェイの刺客
この小説は著者の作品で以前読んだ、終戦間際の北方領土に不可侵条約を一方的に破棄し、ソ連軍がなだれ込んできた時の模様を描いた「八月十五日の開戦
内容は、海軍軍令部から連合艦隊司令長官に異動した山本五十六と、ハワイのホノルルでアメリカの太平洋艦隊の情報収集活動をおこなった予備役下士官(実在した吉川猛夫氏がモデル)を中心として、無謀と言える対米開戦を決意せざるを得なかった日本のリーダー達の苦悩と決断、そして挫折を描いたものです。
これを読んで当時の日本が様々な問題を抱え、そして軍部はもちろん、世論やマスコミなどにも煽動され、かなうはずのないアメリカとの戦いを決定せざるをえない状況に追い詰められていく過程と、さらに最後まで開戦を反対していた山本五十六が、どうしてもやるなら「奇襲攻撃で太平洋艦隊を殲滅+アメリカ世論の厭世観を背景に早期講和」しか日本を救う道はないと職を賭けて提案する場面はなんど読んでも胸が熱くなります。
しかし結局はアメリカに宣戦布告書を手渡すのが大きく遅れてしまうことになり、結果、宣戦布告前の不意打ち、だまし討ちという汚名を着せられてしまい、アメリカの国民感情の反日意識を刺激してしまいます。また奇襲攻撃したハワイにはいるはずだった太平洋艦隊主力の空母がなく、それらによって山本五十六が最後の手段と考えていた「早期講和」が消えてなくなり、逆に卑怯な日本をこらしめろ的な世論に火がつき、この戦争の行方は知れたことになってしまいます。
最近きな臭くなってきた、中国との関係において、再び日本でも好戦派が盛り返してきている雰囲気がありますが、正しい歴史を学ばないと、何度でも同じ過ちを繰り返すことにつながりかねません。政治は世論やマスコミの動向を気にして動くもので、後から見れば決して正しい判断をしているとは言い難いこともよくあり、誠意ある国民は常に注視していかなければなりません。
◇著者別読書感想(池上司)
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
星の王子さま (集英社文庫)
1943年に発刊された世界で8000万部を超える世界的ベストセラーで、私も小学校の時に学校で習い、その後に1冊をちゃんと読む機会もありましたが、すでにその記憶がほとんどなくなっているのと、米Amazonの「一生のうちに読むべき100冊」にも入っていることからもう一度ちゃんと読んでおこうと思い買ってきました。
ま、その内容についてはあらためて語るのは野暮というものですから特に書きませんが、この本がアメリカで初めて出版された1943年というと日本では太平洋戦争が泥沼化し、山本五十六連合艦隊司令長官が自殺に近い前線視察へと出掛け、米軍の攻撃で亡くなった年です。
アメリカでは、ヨーロッパ戦線と太平洋戦線の両面で財政的にも世論的にも厳しい社会だったにもかかわらず、そのような状況下でもドイツに降伏したフランスから逃げてきたパイロット兼作家(サン=テグジュペリ)の一種ファンタジー小説が出版できる国内状態だったというのはまったく驚きです。その米国と精神論と特攻や玉砕しか戦う方法がなく、内地においても食糧はもちろん燃料や紙までが配給制だった日本が長引く戦争でかなうはずもなく。
サン=テグジュペリは、アメリカでこの本を出版した翌年、自ら志願をしてアメリカ軍の偵察機パイロットとしてアフリカ戦線へ出向き、ドイツ降伏まであと10ヶ月という1944年7月に地中海上空でドイツ空軍に撃墜され死亡します(公式には偵察中未帰還)。撃墜したとされるドイツ軍パイロットは「サン=テグジュペリの著作本のファンだった。もし彼が乗っているとわかっていれば撃墜などしなかった」と後で述べたとか。
【関連リンク】
4月前半の読書 慈雨の音(流転の海 第6部)、天使のナイフ、ある微笑み、ダイスをころがせ
3月後半の読書 戦闘妖精・雪風<改>、グッドラック―戦闘妖精・雪風、春嵐、Facebookというビジネス
3月前半の読書 三千枚の金貨、「日本で最も人材を育成する会社」のテキスト、下町ロケット、ふたたびの恋
| [PR] Amazon 書籍 売れ筋ランキング | ||||
ビジネス・経済 ビジネス実用本 新書 文庫 文学・評論 コミック ゲーム攻略・ゲームブック |
ハヤカワ・ミステリ 創元推理文庫 新潮文庫 講談社文庫 角川文庫 集英社文庫 岩波文庫 |
文芸作品 ノンフィクション ミステリー・サスペンス SF・ホラー・ファンタジー 歴史・時代小説 経済・社会小説 趣味・実用 |
||
リストラ天国TOP
おやじの主張(リストラ天国 日記INDEX)
著者別読書感想INDEX
PR
814
先日「観光後進国日本の現実」というブログを書きました。
ただ「外国人観光客数(外客数)が他国に比べて少ない!なんとかしろ!」と書くのは小学生でもできると言われそうなので、今回はその外国人観光客誘致対策をいくつか考えてみることに。いつものように独断と偏見と薄っぺらな知識を元にしていますので、つっこみどころや批判のしどころは満載ですが気にしません。
外客数を増やすには?と通常お国が考えることと言えば「短期入国ビザ不要」にするとか「入国基準の緩和」や、天下りの外郭団体を使って「ジャパンフェア開催」「国際イベントへの出展」のようなことぐらい。
それらが不要とはいいませんが、もっと多くの人、しかも学者や官僚ではない市井の人を巻き込んで、ベンチャースピリットあふれる小さな施策をいくつも同時並行でやっていく必要があるのではないかと思うわけです。というのは外国旅行する人の目的は人それぞれで、誘致策としてこれが正解という方策なんてものはないのですから。
(1)例えば、国内には外国語を学びたい、学んでいるという日本人が大勢います。そういう人に対しネイティブの友人を作ろうと働きかけ、ボランティアホームスティ制度やボランティア観光ガイド制度を設け、外国の客と一緒に国内を旅行をしたり、自宅に招いてパーティを開いたり、環境が整っている家ではホームスティもできる仕組みを作るとか。
宿泊費や食費を抑えて少しでも長く日本を旅したいと思って安い宿泊所に泊まっている個人観光客には、気軽に日本人宅へホームステイやホームパーティにいけるとなれば、日本の生活を直に体験することもでき、大いに人気が出ると思います。
外国人旅行者が負担するのは一定の食費など実費分だけ。子供はすでに独立し、自宅の部屋がいくつも空いている団塊世代や、シェアハウスだけど今は部屋が空いているという若者にもうってつけのボランティアではないでしょうか。
国や自治体が負担するのは、世界に向けてネットでその仕組みをPRし仲介することと、「我が家へ泊まってください」「一緒に国内旅行へ行きましょう」というボランティアを募集することだけです。
そして双方から体験談をもらい公表することで、柔軟によりうまくいく方法を模索していくのです。初年度は1000人、翌年度は5000人ぐらいの規模で、オリンピックが開かれる6年後には50万人ぐらいの外国人観光客が、ボランティアによってお・も・て・な・し・が可能かも知れません。
(2)例えば、外国人に興味のある大相撲や歌舞伎なども、高い料金を払ってずっと最初から最後まで鑑賞するのは、よほど興味がないと退屈して難しいでしょうけど、外国人体験チケットを作り、30分~45分だけ見られる格安の席を準備し、外国人だけに販売するとか。例え30分でも見たという経験は外国人にとって非常に嬉しいものです。
そういう悔しい思いをしなくてもいいように、日本らしい観光コースをコンパクトにまとめたスピード観光コースをいくつも用意して海外の旅行代理店やネット直販でPRしてもいいのではないでしょうか?はとバスなんかはすでにそうしたコースを持っているようですけどね。
(3)例えば、国内には様々な国の人が仕事や日本人との結婚などで大勢住んでいます。それらの外国人に、自国からの観光客を誘致するためのアイデアを募り、優秀なアイデアには賞金を出し、またそのアイデアを実行するためのビジネスを立ち上げるならそれに投資または無利子で融資、さらには期限を決めて職員を無償で派遣するという仕組みを作るのはどうでしょう。
もちろん在日している外国人だけでなく、仕事で外国に長く住んでいた日本人で、いまは仕事から引退しているような人からもアイデアを出してもらうわけです。そうした引退した人にとっては、長く住んで現地に友人も多い第2の故郷と、再び関われるチャンスでもあり、手を挙げる人は多そうに思えます。
(4)例えば、中国本土には日本に入国する外国人の約6倍の外国人観光客が毎年訪れています。香港を含めると8倍もの外国人が訪れています。その8100万人の約30%は日本人旅行者ですが、残りの約70%、約5600万人(韓国、アメリカ、ロシア、マレーシア、シンガポール、オーストラリアなどからの観光客)が、せっかく日本のすぐ近くの中国まで来ているので、それらをみすみす逃す手はないわけです。
世界中の旅行社に対して東アジアへ行くならお得な「中国&日本セットツアー」をスタンダードとするムード、イメージを作るのです。通常の観光客はもちろん、ビジネスで中国に用事がある人にも、ついでにちょっと日本へも立ち寄ってもらおうという戦略です。中国の格安航空会社をうまく使えば中国-日本間の費用は格安で済むでしょうし、日本のLCCも客さえ増やせれば新たに日中航路を作るでしょう。
アメリカ西海岸を訪れる観光客の多くが、ロサンジェルスへ行ったついでにサンフランシスコやシリコンバレーに寄るという感覚と同じです。ロス-サンフランシスコ間は約1時間半、上海-福岡間は約1時間40分です。「中国だけじゃもったいない。」が世界中の観光客に向けたコピーです。日本語じゃダメですけど。
(5)例えば、2020年に東京でオリンピックが開催されます。開催期間中は世界中からマスコミや観光客が日本に押し寄せるでしょうけど、そうした一過性のもので終わらせてはいけません。
以前ブログにも書きましたが、世界にはまだオリンピックでメダルを獲得したことがない国が数多くあります。東京でおこなわれるこの機会に、アジアの国を中心に、自国の中では能力や素質があっても高度な科学トレーニングや長期的な選手育成が難しいという国に全面協力します。
そうした将来メダルに届きそうな有望な選手を日本の体育大学や選手育成に理解のある企業で預かり、それらの国からメダリスト(=国民の英雄)を出すために開催国・地である東京と国が公費負担をしてでも支援します。
サッカーでもインドネシアの選手を入団させたJリーグのチームの試合には、その国から多くの観光客や応援団が訪れたという例があるように、オリンピックレベルの選手を日本が育てていけば、その国の中で話題となり、公開練習や競技の時には多くのマスコミや自国の応援団が来日してくれるでしょう。
そしてそれらの国で自国の選手が日本で生活する様子がテレビや新聞で取り上げられる回数が増えれば、日本に親しみがわき観光客も増えていくでしょう。
以上、ざっくりと外国人観光客を増やすための5つの方策を考えてみました。
これらのことはすでに実行されていることもあるでしょうけど(あえてググっていません)、少なくとも私の耳や目には入ってきていません。ということはもしすでにおこなわれていてもその規模は限定的で、滅多にニュースにも取り上げられることがない地味な施策ということでしょう。
ぜひ国や自治体が箱ものや利用者の少ない無駄な公共工事を削ってでも、日本とアジアの未来のため、架け橋となってくれる外国人観光客誘致にもっと力を入れてもらいたいものです。
そして日本を訪れ、日本人とふれあい、感動し、満足して帰った外国人は、きっと日本に対する理解を深め、口コミでも拡がり、観光だけでなくその後のビジネスや外交関係などにもよい影響を及ぼすのではないかと考えています。
【関連リンク】
754 東京オリンピックとこれから高まるビジネスチャンス
642 日本はインドともっと深く連携すべき
578 外国人研修制度という名の移民政策
706 高齢化社会の行方
485 マイカーで東京から京都まで旅行する場合 その1
365 ハイパーインフレは来るのか?
| [PR] Amazn ほしいものランキング | ||||
携帯電話・スマートフォン スマートウォッチ 空気清浄機 洗濯機・乾燥機 衣類・ふとん乾燥機 テレビ・レコーダー |
車&バイク ヘルメット 洗車用品 自動車整備工具 釣りフィッシング ゴルフボール |
ランニングシューズ メンズスニーカー レディーススニーカー ベビー&マタニティ ハンドケア・フットケア シャンプー・コンディショナー |
||
リストラ天国TOP
おやじの主張(リストラ天国 日記INDEX)
著者別読書感想INDEX
813
以前、「道の駅は次の段階へ進めるか」というブログを書きました。そして日曜日に私がよく見ている「ザ!鉄腕!DASH!!」というテレビ番組の「0円食堂」というコーナーで各地の「道の駅」がいつも登場するのをみて、再びこの「道の駅」について書いてみようと思いました。
1988年から始まった道の駅の最初の頃はと言うと、広い駐車場とトイレと自販機だけで、誰も人がいなく観光案内のパンフレットが机の上に置かれた寒々としたインフォメーションコーナーぐらいしかなかったものですが、やがて売店やレストランが併設されるところが増え、今ではその地域で摂れる野菜や名産品、お土産を売るスペースがかなり拡がっています。
私が以前書いたブログでは、高齢化で限界集落など寒村化していく地方の町や村の物流拠点として道の駅をうまく活用すれば、少しは過疎化した村や町の延命の役に立つのでは?という趣旨のものですが、番組でもその地域の情報を調べるのに重宝しているようで、道の駅がその地域にある地場産業の見本市、アンテナショップの機能を果たしていることがよくわかります。
いま道の駅は全国に約1000箇所ありますが、クルマに乗って旅行する時に感じるのは、もっと増やせばいいのにという思いがあります。
交通量の多い道では走行している車線の反対側に道の駅があると、そこへ入るのも、そして出る時にも不便なので、道の両側(上り線と下り線)に別々の道の駅があって競い合うのもいいのになと思うぐらいです。
各47都道府県の単純平均では1都道府県当たり21箇所になります。これが仮に倍に増えたとしても、道の駅がある地元の住民や旅行者が困ると言うことはないでしょう。
ただ道の駅は一般的に土地や建物の基盤を市や町が作り、中で営業をおこなうのが民間で家賃を市や町に支払うということで、一部に税金を使っての民業圧迫を言う人も確かにいます。
確かに都会の中や商業エリアに堂々と開設すればそれもわかりますが、ほとんどの道の駅は周囲に店の少ない郊外地域や地方の国道にポツリとありますからそう目くじらをたてなくともいいのではないでしょうか。
それよりも旅行者や職業ドライバーが地域の観光案内を調べたり、気持ちよく休憩し、トイレを安全に借りられるメリットのほうがずっと大きいように思います。
特に過疎地はもちろんのこと、都会の中でも高齢者ばかりになってきた古い団地周辺ではそれまで細々営業していたスーパーや商店が次々と閉店しています。地方都市では大きなショッピングセンターが撤退したケースもよく聞きます。
そうしたスーパー撤退の跡地やバブルの頃の開発が止まったままで余っている土地や建物に、道の駅の認定基準を満たす施設を自治体や市町村が支援して作ることで、遠くのスーパーや商店まで買い物にいかなくても地元住人にも役立つし、もちろん旅行者やクルマを使って働いている人に役立つでしょう。
国交省から道の駅の認定を受けるには、
・24時間利用可能な一定数の駐車スペース
・24時間利用可能で、断水時でも使用可能なトイレ
・24時間利用可能な電話
・情報提供施設を備えた施設
・非常食・飲料水の備蓄
・停電時の非常用電源の確保等
などで、これらの設備や備蓄品は非常時や災害時に役立つことは明白なので、その多くは税金でまかなうことも許されるでしょう。
それに最近流行の共同販売所では、JAに出荷するような専業農家ではなく、少量しか生産していないような兼業農家や高齢の農業従事者でも、自家消費しない野菜や果物、水産物などを地元の道の駅へ持込んで委託販売すれば、農家の新たな収入源となり、そのために新たな地元の雇用が生まれ、行政にとっても商取引が増えれば税収も期待できます。
地元名産品以外でも、例えばフリーマーケットのような委託販売もやろうと思えばすぐに可能です。
あと道の駅の付帯設備や機能としてあったらいいなと思うのは、その地元の名物や名産品が安くて手軽に食べられるファストフード店、ドラッグストア、コンビニ、住民票発行などの公共サービス、金融機関のATM、郵便局(分室でも可)、ガソリンスタンド(災害時に役立つので町営や村営でも可)、宅急便等の共同物流窓口、簡易診療所、銭湯、コインランドリー、ネットカフェ、仮眠室、図書館、レンタルビデオ店、学習塾、公衆Wi-Fi設備、観光・宿泊案内所などでしょうか(一部についてはすでに完備されているところもあり)。
しかもそれらの店の営業時間が10時~17時みたいな昔の公営事業みたいな定形ではなく、早朝から深夜まで開いていると、旅行者だけでなく地元の人達にもすごくありがたいでしょうね。
広い地域にまたがっている場合は、公営バスが各集落と鉄道駅のあいだを結ぶだけでなく、この道の駅にも立ち寄るようにすれば、クルマを持たない地元民の集会所、公民館的な施設の使い方も可能でしょう。
そうすれば地域住民同士の交流の場となり、そこから生まれる地域活性化策につながるかもしれません。
個人的には全国の道の駅をくまなく調べ、もっと活用してもらえる工夫やアイデアを出して、雇用や収入を拡大(税収も拡大する)させて出来高払い(増益した分の何割かを成功報酬としてもらう)の「道の駅コンサルタント」的な仕事が成り立ちそうだなぁと前から思っているぐらいです。国交省や自治体にかけ合ってみるかな。
仕事はしたくないクセに、引退後にはあれもやりたいこれもやってみたいということがいっぱいあって困ります。
【関連リンク】
780 あらためて高齢社会白書を概観してみる
733 高齢者の地方移住はこれからも進むか
719 道の駅は次の段階へ進めるか
715 人口減少と鉄道路線廃止
711 地方が限界集落化していく
706 高齢化社会の行方
583 人口が減るのもいいんじゃない
| [PR] Amazn ほしいものランキング | ||||
携帯電話・スマートフォン スマートウォッチ 空気清浄機 洗濯機・乾燥機 衣類・ふとん乾燥機 テレビ・レコーダー |
車&バイク ヘルメット 洗車用品 自動車整備工具 釣りフィッシング ゴルフボール |
ランニングシューズ メンズスニーカー レディーススニーカー ベビー&マタニティ ハンドケア・フットケア シャンプー・コンディショナー |
||
リストラ天国TOP
おやじの主張(リストラ天国 日記INDEX)
著者別読書感想INDEX
812
ワークシェアリングとは、ひとつの仕事を複数の人で分かち合うことで、企業側からすれば効率的に人員を配置することができ、また働く側からするとフルタイムで働けない人や、残業や休日出勤など長時間労働を避けプライベート時間を大切にできるというもので、今の生活重視志向のライフスタイルとはうまくマッチしたものと考えられています。
しかし残念ながらワークシェアを希望する人と、求める企業側とのミスマッチが多く、また労働管理上の負担になることから、一部の長時間に及ぶような仕事以外を除き、まだ一般的に普及しているとは言えません。
工場などでは忙しいときにはラインを24時間稼働し、そこで働く人は3~4交代制で働くこともあるわけで、同様に長時間営業の飲食店やコンビニなどでも社員やバイトのシフトを組んで交代で働いていますので、一部の業種や職種ではワークシェアリングがおこなわれているのも事実です。
その他にも24時間休むことができない入院患者がいる病院や介護施設、朝から夜まで長時間対応が当たり前になってきたコールセンター業務、その他一部の長時間対応のサービス業、休みなく毎日動かす必要がある交通機関などでも同じ仕事を複数名で分かち合っているのが普通でしょう。
またホワイトカラー以外の仕事でも職人と言える職種など人本位(この人がいるからこの仕事ができる)というの職業では導入が進みません。
昼間の時間だけでなく24時間動かし続ければもっと効率が良い運用が可能となり、コスト削減にもつながりそうな仕事もあると思うのですけどね。
私の考えでは、すべての業務においてワークシェアリングは可能で、ホワイトカラー職や職人と言われる職においても、いち早く導入できた企業こそ、コストと便利さで生き残っていくのではないかと思っています。
まずなぜホワイトカラー職でワークシェアリングの導入が進まないかと言えば、ひとつには企業側の考え方として「サービス残業含め残業や休日出勤をして、ひとりでこなせているのだからそれでいいじゃない」という思考停止、あるいは「配置の手間や新たな人の教育に時間がかかるしこれ以上仕事を増やしたくない」という後ろ向きの理由が多そうです。
個人に頼る働き方、働かせ方は、従来のように「終身雇用+企業へのロイヤリティが高い従業員」が多い中ではそれでよかったのかもしれませんが、新卒社員が3年で3割辞めていく時代になってくると通用しなくなってきていますので、見直されるべきでしょう。
また労務管理なんて自社でやらずとも人材派遣業やコンサル会社などいくらでも代行してくれるところがあります。
次に従業員側の問題として、ちょっとゆがんだ見方ですが「今の仕事を失いたくないばかりに、ひとりで仕事を抱え込んでしまっている」ことがよくあります。
別の見方をすれば「慣れた仕事をマイペースでおこなうのが楽だから、新しいことに挑戦する気もないし、今の仕事のままがいい」とも言い直せます。何年も異動がない(異動させられない)ベテラン社員にはこうした人は少なくありません。
そしてその慣れた仕事を囲い込むためにサービス残業や休日出勤もへっちゃらとなるので、会社側は「残業や休日出勤もいとわずよく貢献してくれている」と間違った評価をつけます。
やがてその人の労をねぎらい昇進させようと思い、今の仕事を後輩に託し、新たな上位の仕事を割り振ろうと提案すると、そこで一悶着が起きることになります。「この仕事はわたしにしかできない。私でなにが不満なのか?」と反論されます。
ひとりに長く囲い抱え込まれた仕事は、普通では考えられないほど複雑化され、その人でなければ理解できないようにブラックボックスとなっていることが多いのです。
その人が意図してやったわけではないにしろ、問題が発生するたびに局所的につぎはぎで応急処置をしてきたため、その担当者の頭の中だけにしか対応マニュアルがないということになります。
そうなってしまうと、その仕事がやがて業務のボトルネックとなり、企業の発展も合理化も新陳代謝なにもできなくなり、もちろんその仕事を複数の人でワークシェアすることなどできません。
そこで新しいビジネスが思い浮かんだのですが、「ワークシェアリング導入コンサルタント」です。
まずワークシェアリングの導入における中長期的なメリット、費用対効果、導入することで見えてくる様々な業務の課題などの説明の後、ひとりに重要な仕事を任せるリスク、そこから発生する問題や犯罪、監査やモニタリングの形骸化と限界、会社業績と連動した人件費などについて解説。これはおそらくどの中小企業でも納得してくれるでしょう。
次に、どこの会社でも頭を悩ませている、重要な仕事をひとりに任せきってしまってブラックボックス化している状態からの脱出法です。ここがコンサルの最大のノウハウになります。
ブラックボックス化している業務の整理とフローの作成、判断基準のシンプル化をマニュアル化して、同時にそれぞれの作業時間や月間・年間の業務量の変化を調べます。
また同時に業務の中でシステム化(IT化)できるところはシステム化する提案をおこない、うまくすればそちらでも稼ぐこともできるかも知れません。
そこまで出来上がるとあとはワークシェアで働く人をどのように探し、それをうまくコントロールするノウハウを提供するだけです。
そこは人材ビジネスで経験を積んだ人ならそう難しいものではありませんが、その業務の特性や想定とのギャップもあるでしょうから、完全にうまく回り出すまでの半年~1年ぐらいは我慢の日々が続くかも知れません。
ワークシェアリングの必要性はもう言うまでもなく、これからの少子化による労働者人口の減少と、やがては大量に引退していく経験豊富な社員の代替要員の確保、それに呼応した業務のシンプル化、見える化、効率化のためです。
すでに外食系の店舗はパートやアルバイト確保が困難で多くが閉鎖に追い込まれています。今はまだ労働者不足は不人気な外食や建設、介護などの一部業種が中心でしょうけど、やがては多くの職で非正規労働者の不足が危惧されています。
正規社員ですら例えば中小企業の場合、今までのように優秀で、健康で、気が利いて、しかも会社にロイヤリティを持って仕えてくれて、何十年も気持ちよく働いてくれる若い人がいつでも採用ができるということは考えられません。できると思っている経営者は、世間知らずもいいところです。
特に仕事本位ではなく、人本位でやってきた中小企業では、いちはやくそうした旧体制から脱出し、効率的で機動性のあるワークシェア体制で労働力をうまくコントロールできるようになったところが、順調に成果を上げていけるような気がします。零細企業においては社長以外はみなワークシェアリングで働く人というパターンも可能でしょう。
そしてここからが大事なのですが、元々ワークシェアリングは家事や子育てのため長時間勤務ができない女性に相応しい働き方と言われてきましたが、今では女性に限らず、正社員雇用から引退した高齢者にも向いた働き方と言えます。
企業側もせっかく高い家賃やリースで借りたオフィスや店舗、事務機器、工作機械、営業車を1日24時間中のせいぜい8~10時間しか使わないというのはもったいないと気がついてきているはずです。
子育てや介護にも忙しい女性だけで深夜勤務体制は難しくても、様々な業務の経験が豊富で、時間がいくらでもある定年を過ぎた高齢者にはなんの問題もありません。
もしこのオフィスや店舗、工作機械の活用時間をワークシェアリングを活用して、稼働時間を1.5倍に増やすことができれば、やがては売上や取引も増やすことが可能です。
少なくとも朝から夜まで働いて疲れ果てた社員やバイトに叱咤激励して売上を1.5倍にしようとするよりもずっと簡単です。
マイカーを持っている人は、いつも利用するガソリンスタンドは朝10時に開店し夜6時には閉店し土・日曜日は休業しているところではなく、土日曜日も含め深夜までオープンしている店を優先して利用しませんか?
コンビニも最初は「あいててよかった」と早朝や深夜でも店があいているのが最大のウリでスタートしましたが、今では同じものが安く売られているスーパーが営業している時間帯でもお客さんはコンビニを利用しています。
顧客や取引先だって、休業が多く営業時間の短いところよりは、いつでも欲しいときにすぐに応じてくれて手に入れられるところを優先するのではないでしょうか。
そうした顧客のニーズや生活時間の変化、働き方の多様化を考えると、企業(企業に限らず役所も個人事業も同じ)は営業時間の考え方をあらためることと、ワークシェアリングという働き方を今後の日本の労働市場でもっと取り入れるべきではないでしょうか。そしてその時、主役となるのが60歳以上の高齢者達なのです。
盛り上げておいてなんですが、日本の場合、こと労働問題に関する限り、民間企業の考え方はとても保守的なので、普及に向けて最善を尽くすとすれば、まず官公庁が率先してワークシェアリングを導入し(警察や消防などはすでに実施していますが)、朝6時から夜11時まで市役所や区役所の窓口が開いているとか、福祉事務所やハローワークも土曜日や日曜日にゆっくりと相談が出来、学校も平日に休んだ生徒が土・日曜日に出てくれば代わりの先生がいて補講が受けられるというようにならなければ、民間にまで拡がらずなかなか前には進まないかも知れませんね。
【関連リンク】
687 旺盛な高齢者の労働意欲は善か悪か
649 改正高年齢者雇用安定法
546 年金受給年齢の引き上げと高齢者雇用
499 定年後にどう生活していくか
| [PR] Amazn ほしいものランキング | ||||
携帯電話・スマートフォン スマートウォッチ 空気清浄機 洗濯機・乾燥機 衣類・ふとん乾燥機 テレビ・レコーダー |
車&バイク ヘルメット 洗車用品 自動車整備工具 釣りフィッシング ゴルフボール |
ランニングシューズ メンズスニーカー レディーススニーカー ベビー&マタニティ ハンドケア・フットケア シャンプー・コンディショナー |
||
リストラ天国TOP
おやじの主張(リストラ天国 日記INDEX)
著者別読書感想INDEX
811
ゴールデンウィークも近いので、私が過去に観た映画でお勧めのもの10本を書いておきます。
人それぞれ価値観や人生観は違いますので、私がよかったと思ったからと言って誰もにいいとは限りませんが、似たような感性の持ち主であれば同意してもらえるのではないかと自信を持ってお勧めします。
それにこれらの古いレンタルDVDなら1週間借りても1本100円(私がよく行くTSUTAYAの場合)ですから失敗してもいいじゃないですか!hahaha
今回紹介するほとんどの作品は有名な映画ばかりなので、何度もテレビで放送されていますし、ビデオやDVDを借りてもう見たよという人も多いのではないでしょうか。
ただ、テレビでやっていたので、途中から見たとか、なにか用事をしながらで眺めていたというのと、最初から最後まで集中してしっかり見たというのでは受ける感動は全然違うものです。
映画館ではそれしか見るものがなく、意識をそれだけに集中できますが、テレビだと視聴中に電話やCMで中断されたりしてながら的にみてしまうことがよくあります。
あとレンタルDVDや録画した映画の場合、夜に少し部屋を暗くして他の雑音を避けて集中して見れば映画館と同様の印象を味わうことが可能です。
また今回選んだのは人間ドラマが中心で、楽しみながら感動できるものです。アクションや、シリアス、ミステリー、ホラー、SF、コメディ等のジャンルに入る作品からは選んでいませんので、これらが私の映画ベスト10ではありません。またアメリカ映画が10作中9作を占めてしまいましたが特に他意はありません。
◆素晴らしき哉、人生!
◆3人のゴースト
◆ショーシャンクの空に
◆キャスト・アウェイ
◆最高の人生の見つけ方
◆プライベート・ライアン
◆生きてこそ
◆ニューシネマパラダイス
◆スティング
◆グラン・トリノ
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
◆素晴らしき哉、人生!
太平洋戦争終戦直後の1946年のちょっと古いアメリカ映画で、モノクロ映画です。監督は「或る夜の出来事」「スミス都へ行く」のフランク・キャプラ、主演は数多くの作品を残す名優ジェームズ・ステュアートです。この時代(太平洋戦争終結の翌年)の映画にしてはとてもよくできているのがただただ感心します。
そしてこの映画は、全米映画協会(AFI:American Film Institute)が、映画製作100年を記念して実施した「感動の映画ベスト100」で堂々の1位を獲得しています。
つまり映画の歴史100年を代表する作品と言えますが、クリスマス映画だけあって、内容は家族愛と正義は勝つという世界共通の道徳と宗教観を、仕事の挫折や悪徳業者との戦い、すべてお見通しの(意外にも天使がオヤジの)天使などを通して描かれ、最後は大逆転のハッピーエンドとなる心温まる映画です。
二匹目のドジョウを狙ったのか知れませんが、クリスマス映画として翌年の1947年に製作された「三十四丁目の奇蹟
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
◆3人のゴースト
1988年のアメリカ映画でチャールズ・ディケンズの小説「クリスマス・キャロル」を現代風にアレンジした作品です。監督は「スーパーマン」や「グーニーズ」「リーサル・ウェポン」などのリチャード・ドナー。主演は「ゴーストバスターズ」「ロスト・イン・トランスレーション」などに出演したビル・マーレイ。幽霊が出てくるのならこれはホラーのジャンルじゃないのか?と言われそうですが、怖い幽霊ではなく一種ひねくれ曲がった主人公を正そうとする神様仏様のような幽霊なので善としましょう。
上記の「素晴らしき哉、人生!」や「三十四丁目の奇跡」などと同じく、家族で楽しむアメリカ冬の定番のクリスマス映画ですが、見所が満載で、楽しく、面白く、そして最後にはホッと心が温められること確実です。
日本では来客者が多くなる夏休み映画と正月映画に力を入れる傾向にありますが、アメリカではクリスマス映画にもっとも力が入っているというのはお国柄と言えるでしょう。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
◆ショーシャンクの空に
私の中では好きな映画ベスト3の中に位置づけられる作品で、映画館で観たのは1回ですが、録画したテレビですでに3回は見ている映画です。
1994年のアメリカ映画で、監督は「グリーンマイル」などのフランク・ダラボン、主演は「トップ・ガン」や「ザ・プレイヤー」などに出演していたティム・ロビンスです。この映画の原作はスティーヴン・キング著の「刑務所のリタ・ヘイワース」です。
物語の前半部分は妻を殺したと無実の罪に問われて凶暴な囚人が多い刑務所に収監されるひ弱な銀行員の運命やいかに!というドキドキハラハラの連続で心が痛みますが、それを補っても余りあるどんでん返しが中盤以降に待っていますので、ジッと我慢して最後まで注意して見なければなりません。
この映画を見ると自分や会社の中では知っていて当たり前、できて当たり前と思っている業務知識や専門職能でも、例えば刑務所の中のようにまったく違う世界へいけば、その特技が思わぬ利用法があり、「芸は身を助く」ではないですが、普段から専門知識や技能を磨いておくのは生きていく上で重要なことだなぁと感心するばかりです。
ジェフリー・アーチャーが収監されたときには、著名な作家ということから比較的楽な図書委員をまかされたようですが、ホリエモンさんは刑務所の中で、果たして自分の知識や技能を発揮することができたのかしらん?と考えてしまいました。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
◆キャスト・アウェイ
2000年のアメリカ映画で、監督は「バック・トゥ・ザ・フューチャー」や「フォレスト・ガンプ/一期一会」で有名なロバート・ゼメキス、主演はトム・ハンクスというゴールデンコンビの作品です。このコンビの作品では「フォレスト・ガンプ/一期一会
簡単に言えば過去にも数多く作られてきた無人島映画ですが、他の無人島映画では、恋愛やSF、ミステリー的な要素が含まれることが多いのですが、これほど現実的で洗練され、しかも無人島に流された孤独と絶望感、そして生きるのだという人間の強い本性が真に迫ってくるものはありません。孤島映画としては間違いなく最優秀作品だと思います。
例えば主人公役のトム・ハンクス。最初に登場するときはお腹の周りの脂肪がかなりだぶついているどこにでもいる中年ビジネスマンの姿ですが、無人島でサバイバル生活をして数年後には、男なら誰でもうらやむようなムキムキの筋肉質で、引き締まった野生の肉体に変わっています。この主人公の役者魂を見るだけでも大いに価値があるというものです。
そしてなにげなく身近に存在する宅配のFedEx(フェデックス)や、スポーツ用品のウイルソン(Wilson)のボールなど、文明的なものと、絶海の孤島での原始的な生活との対比がとてもうまく表現されています。
◆最高の人生の見つけ方
2007年のアメリカ映画で、監督は「スタンド・バイ・ミー」「ミザリー」などのロブ・ライナー、主演は円熟した演技を見せるジャック・ニコルソンとモーガン・フリーマンの両雄です。
原題の「The Bucket List」は直訳すれば「棺桶リスト」で、死ぬまでにやっておきたいことをリストにして紙に書いたものの意です。
その内容が若くて元気な人ならばそれほど夢でもないことでしょうが、死を目前にした高齢者にはとうてい不可能と思われる、例えば「スカイダイビングをする」とか「ピラミッドの頂上に登る」「アフリカで狩りをする」など世界遺産を巡る旅の数々がユニークです。
とにかく主役の二人の掛け合いが面白い。金儲けしか興味がなく仕事一筋で裕福で傲慢で人種差別主義者の白人(これ以上ニコルソンに相応しい役があるでしょうか)と、家族思いで裕福とは言えないが真面目な黒人の自動車修理工(これ以上フリーマンに相応しい役があるでしょうか)が同じ病室で同じ病で死期も同じぐらいという設定があまりにも出来すぎのところはご愛敬でしょう。
死期を知らされたときの日本人とアメリカ人の感覚の違いがよくわかります。お祭り好きのアメリカ人の感覚は、この映画の主人公達と同様に、死期が知らされると最後に思いっきりバカ騒ぎをしたいと考える人が結構多そうです。
それに対して日本人だと、ガックリきてグジグジと無為な日々をおくるか、せいぜい古い友人を訪ねるとか、家族と一緒に過ごすことしか思い浮かびません。
そして、ラストシーンでは、二人とも亡くなった後の宴の後の静けさ、祭りの後の静寂の中でのワンシーンがとても印象的で感動させられます。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
◆プライベート・ライアン
1998年のアメリカ映画で、監督はスティーヴン・スピルバーグ、主演はトム・ハンクスです。戦争映画は残虐だし、またアメリカが常に正義で勝利するというストーリーばかりで好きじゃないという人にも、この映画は別格として見てもらえると思います。
私はこの原作本を先に読んでいたので、ロードショーを観に行って映画の冒頭で兵士の墓が映し出されたときにウルウルきてしまいました。
いえ、決して泣かせようという映画ではないのですが、結末まで知っていたのと、なぜ冒頭に兵士の墓が出てきたのかがわかっていただけに感涙してしまったわけです。それほど原作に忠実に映画は作られていました。
いわばこの映画はスピルバーグが心酔していた黒澤監督の「七人の侍
もちろん「七人の侍」や「七人の侍」をウエスタン映画にリメークした「荒野の七人
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
◆生きてこそ
1993年のアメリカ映画で、監督は「アラクノフォビア」「コンゴ」などのフランク・マーシャル、主演は「恋人までの距離」「ガタカ」などに出演したイーサン・ホークです。
決して心温まるという映画ではありませんが、実際に起きた航空機事故とその後苦難を乗り越えて救助されるまでの事実を元に製作された感動ものの映画です。
私がこの映画を見たのはある夏の日の二本立て上映の名画座でしたが、決して効き過ぎたクーラーのせいではなくずっと背筋が凍った状態でした。
航空機事故で生存者がいるというのは珍しいことではありませんが、それが見渡す限り、険しい山々が連なる南米アンデス山脈の山中で、エンジンの故障で不時着した後、頼みの捜索隊にも発見されず、自力で生き延びるしかないという極限状態の人間の本能が垣間見ることができます。
そして食べられるものがまったくない荒れ野の山中で、生存者が生き延びるために決断したこととは?っていう重いテーマと、このまま待っていても救助される見込みはないと判断した主人公達がとった行動とは!?という死を覚悟して未来に向かっていく強い意志に勇気づけられます。
上記の「キャスト・アウェイ」のように食べ物はあるけれど、無人島にひとり残されるのと、誰にも発見されない場所で食べ物はないものの多くの仲間が周りにいるのとではどっちがいいか?って究極の選択でちょっと真剣に考えてみました。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
◆ニュー・シネマ・パラダイス
1988年のイタリア映画で、監督は「海の上のピアニスト」などのジュゼッペ・トルナトーレ、主演は「エスピオナージ」「追想」などに出演したフィリップ・ノワレです。かなり有名な映画ですから映画ファンなら必ず一度は見ていると思われます。
第二次大戦中、イタリアのシチリア島にある村の教会と兼用の映画館で働いている映写技師と、映画に興味をもった少年とのふれあいと別れを情緒豊かに描いた映画で、バックに流れるエンニオ・モリコーネの音楽も一躍有名になりました。
教会に場所を借りて映画を上映している関係から、映画の中に出てくるラブシーンについては、時代背景を考えるとやむを得ないのでしょうが、教会の牧師たちの猛反対もあり、映写技師はやむなくそのシーンをカットをして上映をしています(ここ大事)。もちろん映画を見に来た村民からは、カットされた場面で大ブーイングがわき起こります。
やがて少年は成長して映画に関わる仕事をするようになり、映写技師の勧めでローマに出て、やがては映画監督として成功します。その間、映写技師との約束で一度も故郷には戻らずに必死で仕事を頑張ります。
そしてある日、映写技師が亡くなったことを知らされ、葬儀に参列するため何十年かぶりの故郷に帰ります。そこで映写技師の遺品として渡されたものは、、、と、映画好きなら二度三度とセリフを覚えるぐらいに見ておいて損はない映画なのです。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
◆スティング
1973年のアメリカ映画で、監督は「明日に向って撃て!」や「ガープの世界」のジョージ・ロイ・ヒル、主演はポール・ニューマンとロバート・レッドフォードのコンビです。
この映画は私が高校生の時にロードショーを見ましたが、映画の中に登場した、なぜか印象に残る古くて由緒がありそうなメリーゴーランドを、それから10数年後にアメリカのサンタモニカの桟橋で見るとは思いもしませんでした(今もあるかは不明)。
「古い映画はちょっと」と敬遠している人も、この映画をみると、この時代の映画を見直すきっかけになるのではないでしょうか。
若い頃のポール・ニューマン(当時48歳)とロバート・レッドフォード(当時36歳)が、格好良くてほれぼれします。
いま日本ではジャニーズ系アイドルが主演する映画ばかりですが、これも見方によれば当時のアメリカの人気アイドル二人(ちょっと歳はいっていますが)のための映画だったのかも知れません。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
◆グラン・トリノ
2008年のアメリカ映画で、監督、主演はクリント・イーストウッドです。クリント・イーストウッドが監督や主演する映画は初期の頃のウェスタンものから警察、恋愛、戦争ものまで概ね好意的にとらえていますが、中でもこの映画がグサッときました。
タイトルのグラン・トリノとはフォード製の1970年代の名車のことですが、日本車で例えると、箱スカGTR(PCG10)ってところでしょうか。マニアックで高価で、しかも乗る人を選ぶ伝説のクルマです。
しかしクルマのマニアが見て楽しめるという映画ではなく、仕事を引退して、時代に取り残され、家族にも敬遠される偏屈で頑固なジジイが主人公です。
この古いクルマだけには愛情を注ぎ込み、アメリカのクルマ産業が世界一華やかだった時代に青春を過ごした主人公が、廃れていく町や、近所の住人が東洋人や南米人に変貌していく状態を苦々しく思う日々を過ごしています。
そして高齢の白人アメリカ人としてはごく一般的な白人優位の人種差別主義で、周囲に増えつつある有色人種を忌み嫌う主人公も、ある事件をきっかけとして、そうした白人以外の人間としてのつながりの大切さに気づいていくというシンプルなストーリーです。
でもそれってあと10年もすれば、日本の全国各地どこにでも見られる風景かも知れませんね。そこの住人には、この映画の主人公ほどの許容力や正義感はないとしても。
【関連リンク】
690 映画「グランド・ホテル」と「第十七捕虜収容所」
619 映画新作二題
605 5月のDVD 日輪の遺産、ワイルドスピードTOKYO DRIFT、ヤバい経済学、太平洋の奇跡、マネーボール、神様のカルテ、岳ーガク-、キャピタリズム マネーは踊る
| [PR] Amazn ほしいものランキング | ||||
携帯電話・スマートフォン スマートウォッチ 空気清浄機 洗濯機・乾燥機 衣類・ふとん乾燥機 テレビ・レコーダー |
車&バイク ヘルメット 洗車用品 自動車整備工具 釣りフィッシング ゴルフボール |
ランニングシューズ メンズスニーカー レディーススニーカー ベビー&マタニティ ハンドケア・フットケア シャンプー・コンディショナー |
||
リストラ天国TOP
おやじの主張(リストラ天国 日記INDEX)
著者別読書感想INDEX
|
カレンダー
|
|
最新記事
|
(11/22)
(11/15)
(11/08)
(11/01)
(10/25)
(10/18)
(10/11)
(10/04)
(09/27)
(09/20)
|
カテゴリー
|
|
ブログ内検索
|
|
最新コメント
|
[06/28 area]
[06/28 U・M]
[01/03 area]
[01/03 Anonymous]
[10/09 area]
|
プロフィール
|
HN:
area@リストラ天国
HP:
性別:
男性
趣味:
ドライブ・日帰り温泉
自己紹介:
|
過去人気記事
|
ロバート・B・パーカー「スペンサーシリーズ」全巻まとめ
マイカーで東京から京都まで旅行する場合その1
ゴルフをプレイしている人の年代層割合に驚いた
プラッシーが静かに退場していた
2011年7月中旬時点のリストラと求人の各業界動向
窓ガラスの熱割れで火災保険は使えるか?
貯まった1円玉はどうする?
スペンサーシリーズの読み方(初級者編)
日本の農業はどこへ向かうか
米の生産量減少に歯止めはかかるか
客員教授と非常勤講師ってなんだ?
天然素材でも綿はよく燃えるらしいことがわかった
リタイア後の心配事
2021年版出版社不況
変形性股関節症の人工股関節全置換手術(1)
Amazon 売れ筋ランキング ドライブレコーダー レーダー探知機 空気清浄機 ペット用品 まくら・抱き枕 体脂肪計 スポーツウェア ランニングシューズ メンズスニーカー レディーススニーカー ゴルフクラブ ゴルフシューズ ミラーレス一眼カメラ ゲーム ノートパソコン プリンタ イヤホン・ヘッドホン スマートフォン スマートウォッチ microSDカード 防犯カメラ スペシャリティアパレル ラーメン レトルト・料理の素 シャンプー・コンディショナ スキンケア・ボディケア |